リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

　激闘の末、ドラグナーはアルターホライズンの究極兵器「ヴリトラ」を倒し、その核に使われていた「ムーの欠片」回収に成功した。
　これで、ティルノギア発動の条件――ムーが完全な形を取り戻すこと――は整った！
　早速、メル(tz0001)は、ティルノギアを発動するよう、コーデリア・リトル(tz0002)に促す。
「頼むぞよ、コー――っと、すまぬ！　つい、いつもの調子で命令してしもうた」
　コホンと咳払いをして、メルは恭しく頭を下げる。
「無礼をお許し下さい、女神コーデリア様。それでは、我らに『恩寵』を与え給え」
「そ、そんな風に言われるとー！」
　仰々しすぎるし、照れくさい。
　女神と呼ばれるのに慣れていない、コーデリアであった。
　しかし、ムーの欠片を目覚めさせることができるコーデリアは、間違いなく女神であり、ゆえに、ティルノギアを発動させることができるのである。

　ティルノギアが発動すると、世界と人は創り変えられるという。
　その際、聖なるものはシーリーヘイムへ昇華し、邪悪なるものはデュルヘイムへ落とされるらしい。
　では――精霊を身に宿すドラグナーは、どうなるのか？
　シフールはコモンヘイムとバイバイすることになっちゃうのか？
　フェンリルの呪いを受けたヴォルベルグはどうなるのか？
　カオスコアを動力源に持つオートマタはどうなるのか？
　いくつもの疑問が頭をよぎり、皆が固唾を飲んで見守る中、コーデリアは、シーリーヘイムのノルン達に教えてもらった儀式を執り行う。
　スカイドラグーンの地面に、ドラゴンの様な形の光の紋様が浮かび上がり、浮遊島は震える。
　コーデリアの身体が虹色の眩い光に包まれ――――やがて、光は消えた。

「‥‥‥‥？」
　何も変わっていないように思える。
「どうしたのじゃ？」
　メルが訊ねると、コーデリアはバツが悪そうに苦笑いを返した。
「まだ足りないんだって！」
　全員ズッコケた。

　眩い虹色の光の中で、コーデリアはティルノギアのものと思しき「意識」に触れた。
　それはこう言った。
『儀式の成就にあたり、創り変えられる人の同意が必要です』
　と。
　ここで言う「創り変えられる人」とは、ヒューマンを指すのでなく、知的種族全般っぽいニュアンスだった。

「こ、これは大事じゃぞ‥‥」
　メルは顔を青ざめさせる。
　既にコモンヘイムは崖っぷちに立たされている。滅亡までもう時間がないというのに。
　しかも、知的種族の同意とは。
　種族の代表が承諾すれば良いのか？
　それとも、全個体の同意が必要なのか？
「わからないよ〜」
　やっぱり、わたし、役立たずなんだ！　女神失格なんだー！　と泣きそうになるコーデリア。
　とにかく、メルはドラグナーをコモンヘイム各地に派遣し、各種族の有力者の承諾をとり、人々にティルノギアの話を広めることにした。
「行くのじゃ、ドラグナーよ！！」

　不幸中の幸いと言うべきか、カオスゴーレムやヴリトラに対して共闘したユーロ各国の連携がこのような時、役に立つ。
　天竜宮は女神教とローレック市国に仲介を頼み、永世中立のローレック市国にて、国際会議が開かれることとなった。
　参加者は、ユーロ・オリエント・アフリック・アルメリア・インドゥラのコモン種族の代表。なお、アフリック・アルメリア・インドゥラの代表招致に関しては、これらの地方と貿易を行っているゼスアレオ王国とオーディア連合王国の働きかけが大きかったことを記しておく。
　航海と貿易が盛んな時代で本当に良かったと、メルは胸を撫で下ろしたとか。
　国際会議の議題はもちろん、「ティルノギア発動の是非」についてである。
　聖獣や精霊などがシーリーヘイムに昇華して居なくなってしまうこと、魔法が使えなくなることについては、惜しむ声が大きかったが、カオスや災厄に脅かされている身としては、生命の安全には代えがたい。
　満場一致で「発動に同意する」決議が採択された。

「後は、遠くのコモンや、特殊な知的種族だけじゃな‥‥」
　ドラグナーの行くべき場所はかなり絞られてきた。
　さて。

　コモンは有限な存在である。
　ゆえに、女神やシーリーのように超然としておらず、自然や善のためなら我が身を惜しまないという考えではない。
　それぞれ、自分のことを考え、目の前の出来事や都合や、身近なこと、小さなことに思いを巡らす。
　コモンヘイムに滅亡が迫る中、ティルノギア発動に「諸手を挙げて賛成」の者だけではないらしい、という事実は、メルやシーリー達にとって、実は「盲点」であった。
「ど、どうすれば良いのじゃ‥‥」
　ともあれ、今ここで一度、情報を整理してみる必要がありそうだ。

　九尾狐を押し留め、コーデリアとドラグナー達はティルノギアを発動した。同時に、天竜宮を魔法障壁が覆った。
　また、守護精霊達がドラグナーに力を貸し、シーリーヘイムに去る間際に、奇跡を起こした。
　結論を言えば、シーリーヘイム行きを望まないシフールは天竜宮に残ることができた。
　フェンリルの呪いから解放されたヴォルベルグは人となり、オートマタは元の身体を得た。
　コモンヘイムからは魔法は失われたが、天竜宮には魔法が残った。
　おおよそ、望む結果となったのである。
　特製の魔法装置により、天竜宮においては、シーリーヘイムに昇華したりコモンヘイムに下りた者達と会話が行える。ただ、この装置には限界がある。おそらく数か月のうちに力を失うだろう(天竜宮に残ったキャラ、シーリーヘイム行きのキャラ、地上行きのキャラ、いずれもチャットで会話ができます)。

　世界と人とが再構築された後。
　ドラグナーのある者は天竜宮で、またある者は地上で、昇華したシフールはシーリーヘイムで、それぞれの道を歩み始めた。
　程なくして、地上で生きる元ドラグナーは、魔法の失われたコモンヘイム――正確には地上のコモン――に、ある変化が起きていることを知る。
　それは、人々が魔法や魔法的な存在を認識できなくなったこと。
　但し、全てのコモンがそうなったのではなく、ドラグナーと深く関わった者、かつて魔法が使えた者、純粋な子供などは、認識することができる。
　どうやら、「魔法は失われた」「魔法など初めから無かったのだ」「魔法なんか迷信だ」と考えている者が、そうなっているらしい。
　魔法の使えない元ドラグナーは問題ないが、天竜宮から何らかの用事で地上に来たシフールやドラグナーは、信じない人々からは、まるで存在しないかのように無視され、相手にされない。
　これは、どういうことなのだろう。
　魔法という異物に対する新しい世界の拒絶反応か？　それとも、魔力を失ったコモンの防衛本能か？

　『世界の歴史と個人の記憶は保持されます。しかし、コモンは移ろいやすいものです』
　『女神はもう現れません。女神と英雄たちの時代は終わります』

　そう言えば、コモンは移ろいやすいこと、英雄たちの時代が終わることを、ティルノギアの意志は告げていた。
　このことを暗示していたのだろうか？
　しかし、考えようによっては、これはドラグナーにとって非常に都合が良い。
　ほとんどのコモンがドラグナーを認識できないなら、コーデリア(tz0002)が危惧した「魔法の力を妬んだ地上のコモンと天竜宮との間で争いが起こる」可能性は低いと言える。
　ゆえに、地上に行って旧知の友と会うことも、ごく稀になら、許されるだろう。

リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

　シーリーヘイムに行ったメル(tz0001)とドラグナーは、ノルン達からコモンヘイムを救う手立てを授けられる。
　それは、至高神が「このような時のために」と、ムーに入れておいた恩寵(ギフト)、儀式魔法の座、ティルノギア。
　これが発動すれば、世界と人は再構築されるらしい。
　邪悪なもの一切をデュルヘイムへ投げ落とす――これにより、カオスにまみれ滅びへ向かっているコモンヘイムを救うのだ！

　ただし。
　ティルノギアを発動させるには、ムーが完全でなければならない、とノルンは言った。
　天竜宮は不完全で、まだ大きく欠けている部分があるらしい。
　残るムーの欠片はいったい何処にあるのか？
　コモンヘイム完全崩壊まで残された時間は少ない。
　急げ、ドラグナー！

　しかし、このような時に限って邪魔は入るもの。
「たたた大変、大変だよ、メルさま！」
　カオスの影響か、地上ではさらに異常な現象が起き、未知の怪物が発生。
　また、コモンのオートマタ化を掲げるプログレスタント同盟(通称、ウニオン)が、新たな動きを見せている。
「ええい、こんな時に限って！！」

　インドゥラに突如現れた超巨大飛行物体――直径10キロメートルもの醜怪な目玉のバケモノ。
　神話の怪物から「ヴリトラ」と呼ばれたそれは、コモンクルス抹殺の意思を示した。
　女神の僕でありコモンの守護者を自負するナーガ族は迎え撃つが、ヴリトラの圧倒的な力の前に、壊滅する。
　天竜宮はコモン勢力を集結させ、ヴリトラに挑む。
「コモンヘイムのため、コモンを守るために力を貸して欲しい。皆の奮闘に大いに期待するぞよ。
　――――行くのじゃ、ドラグナーよ！」
　最後の戦いが、始まる。

　天竜宮は総力を挙げて、アルターホライズンの究極兵器であり本拠地でもある、ヴリトラに立ち向かう。
　ドラグナーはユーロ各国のフロートシップ艦隊と轡を並べて、超巨大な敵に挑んだ。
　その戦いの壮大さ、激しさ、凄まじさは、誠に筆舌に尽くし難い。
　嗚呼、幾多の英雄が血を流し、犠牲となったことか！
　ただ、確実なのは、ヴリトラ内部に突入したドラグナーとコーデリアによって、核となっていたムーの欠片が呼び覚まされ、ヴリトラは崩壊したということだ。
　その際、シンシヴァという超巨大カオスゴーレムが出現したというが、詳細は報告書(リプレイ)を待たれたし。
　とにかく、コモンは勝利したのである！

リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

　カオススポットの出現とそれに起因する混沌の怪物、寄生植物、流行病の増大――コモンヘイム滅亡の兆しは誰の目にも明らかだ。
　しかし、コモンはカオスから世界と自らを救う手段を持っていない。
　精霊を統べるスカイドラグーンの主、メル(tz0001)も、そうだ。
「わらわに出来ることは、シーリーヘイムとコンタクトをとり、ノルンに直訴することだけじゃ」
　ありていに言えば、苦しい時の神頼み。いや、相手はノルンだから、女神頼みか。
　では、どうすればそれが可能になるのか？
　シーリーヘイムへ続く道、シーハリオンは『大異変』で失われている。
　だが、メルはニヤリと不敵に笑う。
「ふっふっふっふ。この時のために、『ムーの欠片』を集めていたのじゃよ！」

　天竜宮某所にある管制室。
　ここはムー文明の制御装置が並ぶ、最も重要な部屋で、天竜宮各所にある遺跡をコントロールすることができる。スカイドラグーンを一隻の巨大なフロートシップに例えるならば、艦橋にあたる。
「実験を開始するのじゃ」
　管制室の長の椅子についたメルが厳かに命じると、腹心のシーリー達は緊張の面持ちで魔法装置を操作する。
「ＥＰＧ(エレメンタル・パワー・ジェネレータ)起動、出力４５％」
　光が点った水晶球から、エストリア(tz0003)が読み取って報告する。
　天竜宮の各所にある遺跡で精霊力由来の巨大なエネルギーが発生しているらしい。
「セブンフォースゲート、セブンフォースバリアー、エレメンタルスラスターにつなげ」
　とメル。
　膨大な精霊エネルギーを、月道を形成する装置、特殊防壁を形成する装置、推進力に変換する機関に注ぐ。
　そうすることで、セブンフォースゲートのリミッターを解除し、本来ならば誰も行くことができないシーリーヘイムにつながる月道を無理矢理、開く！
　しかしながら、シーリーヘイムとコモンヘイムでは世界の理があまりにも違うため、シーハリオンという正規のルートを通らねば、「通常の生物」の肉体は耐えられない。そこで、天竜宮全体を包んでいる「時空の変化から守る特殊防壁」をブーストし、世界の理をねじ伏せる！
　最後に、特殊防壁で守られた天竜宮自体を動かして、月道に突入させる！
　――これが、長い時間をかけ、スカイドラグーンの生きている遺跡や使える魔法装置を確かめた上で、メルやシーリー達が考えた計画である。
　あまりにも無理・無茶・無謀が過ぎるが、他に方法がない。
「ドラゴンパス形成しました」
　エストリアの弟子でありドリュアデスのリーンが答える。
　ドラゴンパスとは精霊力エネルギーの通り道。グリーヴァ風に「龍脈」と呼べば理解しやすいだろうか。ムーの遺跡間のエネルギー伝達は、魔力との親和性が高いブランの地層を通して行われる。
「パワー安定しているよ」
　マイ・オードリィ(tz0023)も報告する。マイも言うなれば美人オペレーター枠。ただのキモイ足付きヒラメではないのだ。
　スカイドラグーンは精霊の力に満ち、地面に清浄な光を放つドラゴンパスが出現した。それはまるで、羽根を広げた竜か鳥の意匠のようだった。
「‥‥これ以上、出力は上がらないねえ」
　仕方ない、とタイコ(tz0022)が肩をすくめる(厳密に肩がどこかは、さておいて)。
「まあ‥‥現段階ではこんなもんじゃろう」
　メルは実験の終了を命じた。

「スカイドラグーンごと、シーリーヘイムへ行くのじゃ！　今まで集めた『ムーの欠片』の力を使えば可能なはず」
　ただし、そのためにはムーの遺跡の活性化が必要だ、とメルは言う。
　何らかの方法で遺跡を目覚めさせ、全ての力を集結させて、初めて可能になるらしい。
　リーガとウニオンの戦争が膠着状態に陥っている今が最後のチャンス。
「大探索を命じる。行くのじゃ、ドラグナーよ！」
　また、天竜宮がシーリーヘイムに乗り込むということは全ドラグナーがコモンヘイムを(短期間とはいえ)留守にすることになるので、コモンを脅かす要素を潰して後顧の憂いを断つ作戦も、前準備段階で行われる。
「こちらも重要じゃ。シーリーヘイムから戻ったらコモンヘイムがカオスに沈んでおった‥‥ではシャレにならんからな」

　――コモンヘイム起死回生の大作戦が、今ここに始まる！

　スカイドラグーンは世界の境界を越えてシーリーヘイムへと旅立った。そして、コモンヘイムの時間にして約30日後、無事に戻ってきた。
　シーリーヘイムはあまりにも神秘的・超自然的な場所であるため、そこでの出来事を、有限な存在に過ぎないコモンが認識して記憶に残すのは難しい。
　ノルン(女神)達から授かったコモン救済の秘策は、いずれ、メル様から正式に発表されるであろう。
　報告書(リプレイ)を待たれたし。

　留守を預かるドラグナー達は、吸血鬼の暗躍するポルスカで、恐竜の跋扈するドラグヘイムで、九尾狐の潜伏するファンシェンで、それぞれ奮闘した。
　詳細は後ほど語られることになろうが、おおむね、悪から人々を守ることに成功し、コモンヘイムはカオスに沈むことなく、天竜宮を迎えることができた。
　ドラグナーよ、喜べ！
　未来につながる希望はあるのだ！

「やぁ、メル様」
　軽い挨拶とともに、ニコラ・ボンバス(tz0033)が、メルの執務室に入って来た。
　いつも通り髪はボサボサ、服はところどころ得体の知れない薬品か何かに塗れてカラフルになっている。
「どうしたのじゃ。何か、面白い発明でも？」
「まあね」
　メルに訊ねられたニコラは苦笑いを浮かべつつ、あご髭を撫でると話を切り出した。
「悪いニュースと良いニュースがある」
「では、悪い方から聞かせて給れ」
「オッケー。まず、天竜宮がシーリーヘイムに行っている間に、コモンヘイムで変化が起きた。呪いが表れるようになったんだ」
「呪いとな？」
「うん。アイテムのね。今まで『呪われているのではないかと疑われている』物はいくつかあったけど、明らかに、持ち主に悪影響を及ぼすようになったんだよ」
　持ち主から女神や精霊の加護を奪い、霊魂共鳴などの危険に対して脆弱にしてしまうという現象が起きているらしい。
　闇や混沌と戦うドラグナーにとって、守護力の低下は深刻だ。
「禍々しい力を振るうもの、闇や悪の力に関わっているもの、そういった物が顕著だね」
「それは困りもんじゃのう。で、良いニュースというのは？」
「実は、呪われたアイテムを永久的に変化させる方法が、あるんだ！」
　ニコラはポケットをゴソゴソ漁って、清らかな白い光を放つ雫型の石を取り出した。
「これは？」
「この前、シーリーヘイムで貰った『女神の涙』。これを使えば呪いを解除することができそうだよ。これは呪いを解く新しい素材なんだ」
「おお、それは素晴らしいのじゃ！」
「早速、突貫作業で調整して、解呪専用の錬金窯を準備するよ！」
「頼んだぞよ、ニコラよ！」

　※世界的なカオスの高まりと、天竜宮の不在がトリガーとなって、一部アイテムに【呪い】が発現しました。
　※【呪い】付きアイテムは、錬金窯[解呪]にて【呪い】を解除できます。『女神の涙』はそれに使えますので大切にとっておいて下さい！

リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

「た、たた、大変！　大変だよ！　メル様！　メルさまぁぁぁぁあああ！！！」
　かなり慌てた様子で、マイ(tz0023)が大神殿にある、メル(tz0001)の執務室に飛び込んできた。
「なんじゃ、騒がしい」
　天竜宮の主は読んでいた書類から目を離し、顔を向ける。
「ぜ、『善悪の天秤』が――――壊れちゃった」
「なんじゃ‥‥と！？」
　スカイドラグーンの陽属性遺跡には、ムー文明の遺産である『善悪の天秤』が安置されている。
　それはコモンヘイムに存在する善と悪のバランスを測るもので、悪の側に完全に傾いてしまったら、コモンヘイムは終焉を迎えるとも、デュルヘイムと化してしまうとも言われている。
「は、83度まで傾いていたのは知ってたんだけど‥‥善玉と悪玉を支えていた梁が、その、いつの間にか、外れちゃって‥‥しかも‥‥女神様像が、目から血の涙を‥‥！！」
「むむぅ‥‥来るべき時が来てしまったか」
　メルは立ち上がり、居合わせたシーリー達に命じる。
「急いで、ドラグナーに知らせるのじゃ！　『いつでも出撃できるよう、支度しておけ』と！」
　天竜宮は警戒態勢をとった。
　今のコモンヘイムは何が起きてもおかしくない。
「向かってきている『欠片』が‥‥間に合えば良いのじゃが‥‥」
　メルは腕を組み、厳しい顔をした。

「あ、あ、あ、あ、あああーーー！！」
　生きながら腐ってゆく自分の体を見て、男は絶望のうめきを上げる。
　皮膚には禍々しい黒い腫瘍が広がり、常に、耐え難い苦痛に苛まれる。
　治る望みはない。
　医者は匙を投げ、家族や縁者は彼を見捨てて逃げた。

　痛い　痛い　痛い　痛い　苦しい　苦し　苦し　苦し
　なんで俺が　なんで俺が　なんで俺　なんで俺　なんで
　お前も苦しめ　お前も苦しめ　苦しめ　おまえ　くるしめ　おまえ
　おまえ
　しね

　彼の痛みが唯一和らぐ瞬間は、苦痛と怒りを他者へぶつける時。

　＊

「‥‥なにこれ‥‥こんなの‥‥やだ‥‥助けて、だれか‥‥だれ‥‥か‥‥」
　髪の毛に混じって変な蔦のようなものが生えたと思ったら、植物に寄生されていた。
　頭が割れるように痛い。気持ち悪い。
　耳からも目からも『それ』は生えてくる。
　どうなっちゃうの、私。
　ああ、意識が――――

　女は寄生植物にのっとられた。

　＊

「オオオ、オデ、腕ガ増エタ？　‥‥アハハァ、便利ダナァ！！」
　禍々しい空間に触れた山賊が、醜悪な人ならざるモノに変わってゆく。
　４本腕の怪物と化した山賊は、喜び勇んで、さらに悪事を働こうとするのだった。
「ヒャッハーーー！！」

　＊

　各地で起こる異変。
　あらゆるものが歪められ、捻じ曲げられ、狂わされる。
　誰も逃れることはできない――

「キシャアアアァァ」
「ギョエッ、ギョエッ」
　口々に奇声を上げ、醜悪な怪物の群れがコモンの街に迫る。
　それらと対峙するは、いかつい全身鎧に身を包んだ兵士たち。
　ただ、兵士らの胴は虚ろで不気味な赤い宝石のようなものが浮遊している。彼らはコモンではない。オートマタだ。
「フランメヴェルファー、発射用意」
　指揮官が命じると、オートマタ兵達は統率された動きで、右腕と一体化した錬金武器を構える。
「撃てええーー！」
　号令一下、紅蓮の炎が放たれる。
「汚物は焼却だあああぁ！！」
「ギョワアアアアア！！！」
　炎に包まれて断末魔の叫びを上げる怪物どもを、情け容赦なく殺してゆく兵士たち。
　状況に応じて様々な錬金武器を使いこなすオートマタ兵は強力だ。その戦闘力は、天空の英雄ドラグナーに勝るとも劣らないだろう。
　戦闘は、オートマタによる一方的な怪物殺戮の様相を呈し、ものの数分で決着がついた。
「報告。味方損害０、完勝です」
「当然だ。我らは選ばれし『神の兵』なのだからな。教主聖下を崇めよ！」
「「教主聖下を崇めよ！　プログレスタント教会に栄光あれ！」」

　リーガとウニオンとの間に結ばれた休戦条約はまもなく失効する。
　６年間、ウニオン陣営は貧困層を中心にオートマタ志願者を大量に募り、新型錬金武器も開発し、着実に力を蓄えてきた。
　対するリーガ陣営は、復興を遂げてはいるものの、戦力拡充が万全とは言い難い。リーガ軍将兵は生身のコモンであり、人材の補充には限界があるのだ。

　各地で続発するカオスが原因とみられる異常現象。それは、コモンヘイム滅亡の兆しか。
　事態を打開する方法は、誰にもわからない。
　人々は恐怖する。
　さらに、リーガとウニオンの戦争再開。
　これから行く先には、相当な困難が待ち受けているだろう。

　しかし、明るいニュースもいくつかある。
　その一つ――以前から天竜宮と友好関係にあるローレック市国が、魔法研究の成果を提供してくれた！
　それは「下位属性魔法」。
　かつて、デュルガー王を討伐した伝説の学生の中は、2つの属性の魔法を使いこなす者がいたという。
　元からもっているルミナ属性に加え、そのルミナが支配しやすい属性(下位属性)の魔法を修得することは、創成期のルミナスクールでは普通に行われており、カリキュラムにもあったらしい。だが、非常に優れたルミナ才能者でなければ修得が難しいため、下位魔法は廃れてしまい、長らく、図書館の古文書に記録を残すのみとなっていた。
　それを、現代のローレックの教師や学生らが蘇らせたのだ。
「精霊に選ばれた天来の英雄ドラグナーや、その才を受け継ぐドラグナーの子らであれば、修得に何ら問題はありません。コモンヘイムに危機が迫る今こそ、力を合わせる時。ぜひ、この魔法をお役立て下さい」

　※修得できる魔法vaが増えました。

　ドゥーミン島で交戦してドラグナーの捕虜となったパーゼン教授とタウザー博士だが、天竜宮に迎えてスカイタートルの監視下で活動させてみたところ、
「‥‥わしらは間違っておった。案外、理解があるではないか」
　人体実験は許可しないが、それ以外では研究に対しておおむね寛容な処遇に、「天竜宮を警戒・敵視したことは偏見に基づく間違いだった」と、博士達は改めて謝罪してきた。
「天竜宮も、三賢者派も、目指すところは一緒じゃ。今はいがみ合っている場合ではないのう」
「お詫びと言っては何ですが、私たちがすぐ教えることができることを伝授しますよ」
　かくして天竜宮に、三賢者派の学問が伝わった。

　※新スキルが追加されました。

　最近、スカイドラグーンに住むシーリー達が口を揃えて、
「以前より増して、天竜宮の居心地が良くなった」
「なんだか不思議と力が湧いてくる」
　と言っている。
　北氷海から回収したドゥーミン島がつながったことで、スカイドラグーンは、かつてのムーの姿と力を取り戻しつつあるのだろうか？
　天竜宮に満ちるルミナの加護、それは、精霊を宿しているドラグナーにも良い影響をもたらす。
「魔法の上達が早くなったような気がするよ」
「技能も前よりずっと身につく感じがする！」

　※魔法va鍛錬を月2回、一般スキル修得を月6個まで行えるようになりました。

「いよいよ、コモンヘイムがヤバいことになっているな‥‥ところで、良い知らせがあるぜ」
　ヴォルベルグを統べるスカイファング族の頭領にしてオーディア特使、フランシス・ドレーク卿が朗報をもってきた。
　スカイファング族はローレック市国と提携して、フロートシップに搭載して運用する小型のゴーレム機器を開発していたのだが、この度、めでたく完成にこぎつけたらしい。
「試験結果も上々で量産も始まってる。ぜひ使ってみてくれ」
　同盟者である天竜宮に、優先配備してくれるとのこと。
「それはありがたいのじゃ」
　メルは早速、フロートシップ艦載機の輸入を許可したのだった。

　※フロートシップ艦載機SPが販売されます。

　ドラグナーは絶望的な状況の中で、懸命に抗った。
　寄生植物や黒化病への対症療法は上手くいき、ドラグナーの開発した新薬が人々に希望を与え、カオススポットの封鎖も順調に進んでいる。

　ウニオンとの戦争は、激闘の末、リーガ陣営がフロートシップ戦で勝利を掴んだ。カオスキャリアーの撃沈に成功したのだ！
　地上においても、クンバーカルナを中核とした敵戦力の撃退に成功。
　大損害を被ったウニオン軍は勢力拡大を断念し、防戦に転じた。
　ただし、様々な災厄で弱体化したリーガ軍に反撃の力は残っておらず、戦争は膠着状態に陥った。

リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

　黒化病の発生、闇の住人の活性化、オートマタの台頭、混沌の高まり‥‥と、コモンヘイムの情勢は予断を許さない。
　そんな中、アルピニオのヘルヴェティア大学府が天竜宮に共同研究をもちかけてきた。
　曰く、リムランド地方の北の果てに伝説の文明マゴニアのものと思しき遺跡があるらしい。
　「ムーの欠片があるかも知れない」とメルはこの話に乗り、ドラグナーを極寒の地へ派遣することにした。

　ヘルヴェティア大学府から、今回のリムランド行きに同行する学者たちがやって来た。
「キース・パーゼンじゃ」
　一人は白髪の老教授。しかめっ面をしており神経質そうだ。
「バルドゥル・タウザーです。よろしくお願いしますね」
　赤茶色の顎ひげを撫でながら、壮年の男性が愛想よく笑う。
「‥‥‥‥マルチェロ・オランドだ」
　やっと口を開いた青年は不愛想そのもの。黒髪を後ろに撫でつけており、その眼光は鋭い。
　一癖二癖、ありそうな彼らだが。
　さて。

　今回、調査対象となる地域は、リムランドのロヴァニエ付近。
　古代文明の遺跡が残っている都市として有名だ。
　ドラグナーが過去に任務で関わったことがあり、住人からはほぼ顔パス状態で受け入れられる。
　ここには『道』と呼ばれる回廊遺跡があり、そこを抜けると、サンディやバクが住んでいる『精霊郷』に行くことができる。
　寒くて凍えそうになりながら、やっとたどり着いたドラグナーたち（と、寒さのあまり面白涙目になってるコーデリア）を、サンディたちが大歓迎してくれるぞ！！
　君はどのサンディがお好みかな？（待て）

　精霊郷からさらに北へ向かったドラグナーは海岸に辿り着いた。
　そこから先は氷に閉ざされた極寒の海、北氷海だ。
　ヘルヴェティア大学府が提供してくれた砕氷船ポラール号に乗って、北氷海を進む。
　やがて氷の張っていない温暖な海域が現れた。しかもそこには緑豊かな島があったのである。
　謎の島には、二足歩行するカバのような愛嬌ある謎生物『ドゥーミン』が住んでいた。
　ドゥーミン達はとても友好的で、久しぶりの客人であるドラグナーを歓迎するのだが‥‥。

「藪から棒にで済まないが、少しの間だけ邪魔しないでいてもらいたいんじゃ」
　突然の裏切り。
　ドゥーミンが見せる夢で深い眠りについていたドラグナーは、ヘルヴェティアの三博士、いや、『三賢者派』がさしむけた異形の群れに対して組織的な抵抗ができず、ある者は拘束され、またある者は着のみ着ままで逃げ出すこととなった。
　『三賢者派』はヘルヴェティア大学府を隠れ蓑に、コモンクルスを変える研究をしてきたという。彼らは『マゴニアの遺産』――生命を改変する禁断の技術――がどうしても欲しかったのだ。
　女神の教えに反することを嫌うメルがマゴニアの遺産を封印ないし廃棄することを見越し、ドラグナーを拘束、マゴニアの遺産を独占するつもりらしい。
　起きている者は三賢者派にどう対処するのか？
　起きていない者も、それはそれで、大変なことになっている！？

　完全に寝込みを襲われたが、百戦錬磨の英雄ドラグナーの対応はさすがに速かった。
　なにしろ徒手空拳でも強い。あるいは、首尾良く装備を奪回した者も。
　三賢者派はあえなく撃退され、ドゥーミン島は確保された。
　夢か現実かわからない歪んだ世界を彷徨っていたドラグナーも、無事に帰還。
　ドゥーミンたちは、ドラグナーを失われた主人のように敬い、ドゥーミン島が天竜宮に合体することに同意する。
　不思議な力によって、ドゥーミン島は北氷海を離れ、天竜宮に向かって飛んでいった。
　やがてスカイドラグーンの新しい領域となるだろう。

リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

　コモンが人獣に変化する怪奇現象は、サンドラ地方の邪神アヌビスやカオスの高まりが原因と考えられてきたが、真相は長らく不明だった。
　しかし、記憶を取り戻したタイコ(tz0022)によって、いくつかの事実が明らかになった。
　一つ。人獣化現象は、魔狼フェンリルが原因である。アヌビスはフェンリルの眷属に過ぎない。
　二つ。フェンリルはラゴン島に封印されており、その封印を監視する役目を、タイコ(の元であるドラゴン)が担っていた。
　また、タイコは言う。
　「フェンリルの封印が解けかかっているっぽい」と。
　アルターホライズンとの決着がつかないうちに、天竜宮は、フェンリルへの対処に追われることになる。

　フェンリル。それは、ユグドラシル神話に登場する恐るべき魔獣。
　強力無比で、ノルンさえ滅ぼすことができるという。
　はるか昔に神々によって封印され、神代七代の戦いでは、英雄シグルスがフェンリルの力を手に入れようとして呪いを受けた逸話が残っている。
　封印されているにも関わらず、力の片鱗と呪いが、シグルスの子々孫々にまで及び、今なおヴォルベルグを狂気で苛んでいるのだ。
　フェンリルがいかに危険であるかは、疑念の余地はない。

　シェナイ・リャーンは、パルージャ帝国の宰相である。
　マフムト帝(在位1493-1565)に仕え、パルージャ帝国とドーラ王国との戦争(ドーラ戦争、1494-1498)で頭角を現す。竜騎士団を擁するドーラ王国を倒せたのは、シェナイが守護竜を排除したためといわれる。この功により、シェナイはラゴン島を得た。
　サンドラ戦争(1553-1554)では、帝国軍総司令官を務めてサンドラ王国を滅ぼした。サンドラの元王子サーデンがアヌビスを目覚めさせ、人獣兵を率いて反撃に出ると、ドラグナーの助けを借りて、これを撃退。アヌビスは封印されたが、その後、シェナイは、いつの間にか、人狼を作り出す技術を完成させている。
　シェナイが育てた「魔法兵団」と「人狼兵団」は、パルージャ帝国の切り札であり、同時に、シェナイの権力を盤石なものにしている。
　パルージャ帝国がカオスゴーレムの災厄で滅びなかったのも、新教に扇動された反乱を鎮圧できたのも、ドラグナーの助けがあってこそであるが、それ以外では、シェナイの力によるところが非常に大きい。
　当代きっての策謀家、『パルージャの女狐』は、いったい何を企んでいるのだろうか――？

　パルージャの宰相が乱心――――世間はそう受け取るだろう。
　精鋭とはいえ、わずかな手勢を率いて、他国の都市で軍事行動。しかも、狙うのは、王族でも宮殿でもなく、ただの古ぼけた灯台の遺跡。
「女狐もとうとう、ヤキが回ったな」
「宰相の地位をドブに捨てるようなものだ」
　地上の人々はシェナイの行動を理解できないだろう。
　ただ、ドラグナーは知っている。
『わらわの想う相手はな、現在囚われの身なのでおじゃる。まぁ、近々出してやるでおじゃる』
　かつてシェナイがそう言っていたことを。
「（シェナイの真意は）月の塔を作動させて、フェンリルの封印への扉を開く。そのつもりだと思う」
　記憶を取り戻したタイコが語ったことを。
　シェナイは、大昔に神々によって封じられた魔狼フェンリルを解放しようとしているのだ。
　ドーラ王国を滅ぼしてラゴン島の領主になったのも、サンドラ王国を滅ぼしてアヌビスやウォーグに関する情報を手に入れたのも、全てはフェンリルのため。
　見方を変えれば、「相手のために長い長い時をかけて準備した、一途な恋心」と言えるかもしれない。
　相手がノルンさえ滅ぼす恐ろしい魔獣であることに目を瞑れば、だが。

　ノルンをも殺す魔狼が世に放たれれば、コモンヘイムは確実に滅びてしまうだろう。
　ドラグナーは総力を挙げてフェンリル再封印を試みる。
　だが、神代から存在する伝説の魔物は、さすがに強かった。封印によって本来の力を発揮できないにも関わらず、最強クラスのドラグナーが次々と屠られる！
　一方、周到に準備を整えたシェナイとその配下にも翻弄される。
　多大なる犠牲を出しながらも、必死に戦うドラグナー。
　ついにグレイプニルを発動させ、フェンリルを再封印する。また、月の塔の奪回にも成功した。
　なお、戦いの最中、シェナイは爆散した。死んだものと思われる。
　シェナイらしい派手な最期と言えば、そうなのだが‥‥

リアルタイムイベントは天竜宮ティルノギアで綴られる大きな流れの物語を、キャラの参加によって紡いでいこうという企画です。結果がティルノギア世界、ストーリー構築に深く影響しますので、ぜひご参加いただきティルノギア世界の未来を創り出して下さい。

・全イベとは？
全体イベントシナリオの略であり、リアルタイムイベント用の特別なシナリオ形式です。概ね通常のイベントシナリオと同一形式ですが、いくつか特別な特典があります。
違う点は、参加人数に応じてリプレイの文字数上限が増加するため、総じて読み応えのある物語が描かれることと、全イベ専用の特別アイテムがもれなく配布されるところです。
※参加費用：600Rex〜

・連動シナリオとは？
リアルタイムイベントに連動して期間限定でリリースされる特別なシナリオです。
※参加費用：500Rex〜

・企画イベントとは？
リアルタイムイベントに連動して様々な形式で行われるイベントです。
一例)投稿フォームによって決定したキャラ達の行動の結果が、全イベに影響を与えます。
※参加費用：無料

・略号について
【TC】とは、ティルノギアのリアルタイムイベントに与えられた略号であり、今後のリアルタイムイベントにて共通に使われ、01、02と回を重ねていきます。
ちなみに、TCはティルノギア年代記(Tirnogear　Chronicle)の略。歴史の流れと世代を超えてドラグナー達によって紡がれゆく冒険と発見の記録という意味です。

　今年も、そろそろ鎮魂祭(ハロウィン)である。
　そしてそれは、天竜宮の開拓記念祭とほぼ同時期である。
「まだまだ完全とは言えぬ状態じゃが‥‥『飛べる』かどうか、この機会に試してみると良いやも知れぬ」
「皆の喜びや元気が、祈りとなってムーを呼び覚ます、というわけですわね？」
「その通りじゃ」
　大神殿で、メル(tz0001)とエストリア(tz0003)との間で交わされたこの会話を、誰が聞いただろうか。
　ともあれ、祭りは単なる娯楽ではなく、重要な意味をもっているらしい。

　突如、悲しみの水瓶が、奇妙な事件の数々を映し出した。
　それらに共通するのは、暗躍する謎の集団。
　にやけた髭の中年男性を模った奇妙な仮面。
　コモンを凌駕する圧倒的な戦闘能力。
　何より、虚ろな胴に浮かぶ禍禍しい赤色の結晶。
　奴らはオートマタだ――！

　ユーロ各地に現れた謎の集団。
　オートマタで構成され、戦争や紛争に加担して、死と破壊を振りまく。
　その名はアルターホライズン。

　一方で、ユーロで急速に信者を増やす宗派がある。
　貧困や疫病に喘ぐ民衆がすがる希望。熱心に信じれば、飢えることも病むこともない体にしてくれる。
　プログレスタント教会（通称『新教』）。

　大胆にも、アルターホライズンは天竜宮に使者を遣わした。
　そして、
　アルターホライズンとプログレスタント教会が実は同一組織であること、
　アルターホライズンの目的は全コモンクルスのオートマタ化であること、
　天竜宮は邪魔をするな、
　と通告してきた。
　もちろん、メルはアルターホライズンの要求を拒否。
「生命は貴きもの。おぬしの玩具ではない。玩んだり弄りまわしてよいものではないのじゃ！」

　ユーロ各地で、女神教を掲げるノルニック連盟（リーガ）と、新教を掲げるプログレスタント同盟（ウニオン）との戦いが起こる。
　人々の恐怖と憎しみが連鎖し、時代は、血生臭く暗いものへと変貌してゆく――

　リーガとウニオンとの戦いは、各国支配層の思惑や、民衆の感情、様々な勢力などを巻き込んで、瞬く間に、ユーロ圏を二分する大戦争へ発展した。
　そんな中、天竜宮はアルターホライズンの企てる「コモンクルスのオートマタ化」を阻止すべく、ドラグナーをリーガ陣営として参戦させる。
　ドラグナーは奮闘し、アルピニオの首都に迫るウニオン軍オートマタ部隊を撃退、カオスシップ艦隊と交戦してこれに痛打を浴びせ、ウーディアにおいても王都パリスを守り抜くことに成功する。また、黒化病対策にも力を入れ、公衆衛生や難民保護に努めた結果、黒化病を沈静化させることができた。
　一連の流れで、ウニオンの勢力拡大に歯止めがかかり、リーガは一息つくことができた。
　しかしながら、両軍の被害は甚大だった。
　ウニオンに攻勢を続ける力は残っていないが、リーガにも反撃に転じる力はない。
　戦争が続けば、いつまた黒化病が蔓延してもおかしくない。このまま戦い続ければ、共倒れになるだけだ。

　ここに至って、中立を保っていたスヴェリン王国、ゼスアレオ王国が仲裁に動いた。
　天竜宮は猛反対したが、ユーロ各国首脳は諸手を挙げて歓迎し、リーガはウニオンと、3年間の休戦協定を結ぶことにした。
　この協定は、アルピニオの都市アウクスブルクにおいて調印されたため、「アウクスブルクの和議」と呼ばれることになる。

　リーガは、ウニオン支配地域におけるウニオン存続を容認する。その代わり、ウニオンはリーガ支配地域へ布教・進出しない。
　コモンクルスはこのような苦しい「妥協」を強いられる形となった。
　これが後々どんな影響を及ぼすか、誰にも予測はつかない――――