【白日】大山寺でえ~と

担当 黒鳥
出発2016/03/14
タイプ イベント C(Lv無制限) 日常
結果 普通
MVP 吉弘龍重(ka00291)
準MVP 御堂 マリナ(ka00057)
森住 ブナ(ka00364)





オープニング

◆白日の祭り
 ちらほらと、春の足音が聞こえ始め。
 暖かな陽気も南のほうから、少しづつ近付く頃。
「「――」」
 今年もまた、来世人ギルドの普及推進イベントとして。『ほわいとでい祭』は催されるらしく。
「ほう‥‥祭りの噂は耳にしていたが、今年もやるのか!」

登場キャラ

リプレイ

◆白日の祭
「俺が身をもって、ホワイトデーというものを教えてやろう!」
 そういう訳で。自信たっぷりな、吉弘 龍重が口にした通り。
 大山寺の白日祭も始まりを迎え。
「みんなの笑顔を守るため。トリガーハッピーな頼子さんも今日一日、頑張っていくよぉ!」
 自らも笑みを浮かべてハッキリと、諏訪 頼子が祭りへの意気込みを声に出す――その傍らで。
「そーいえば、ごーえんちゃんに般若湯(※お酒)入りのマシュマロ持ってきたんだし」
「うむ‥‥いただこう!」
 白日のプレゼントとして、城田 真子が各所への移動前に。
 持参した焼酎入りの菓子を、大山寺住職の豪炎へ手渡し。
「おお、たしかに酒の味がするな!」
 モグモグと酒マシュマロを堪能した豪炎が喜び、その感想を述べたあと。
「うーん‥‥総帥より、不純異性交遊取締りの命を受けて来ましたが‥‥平和だなあ」
 ツッコミどころ満載な発言は――さておき。
 ほんわかする光景を眺めつつ、寺の汁粉をすする大門 豊や。
「なんだよ、寺デートって? まぁ、いいや‥‥あたしも食うぞ」
 とりあえずは汁粉を食らう、御堂 マリナたち。独り身の皆に先んじて、寺デートへ動き出したのは――。
「大山寺のお祭りは、法力を貯める大切な儀式なんですって。だから積極的に協力しないといけないわ」
 デートの必要性を述べる、升田 千絵代に応え。
「色々と理由付けも必要かと存じますが。仰る通り‥‥積極的に協力を、でございますね」
 優しくほほえんだ遠野 絃瑞の、恋人な二人を筆頭に。
「それにしても。ホワイトデーってデートする日でしたっけ‥‥誰でしょう、変なふうにつたえたの」
 何人かの来世人仲間と同じく。
 ふとしたことが気になる様子の、千歳 謡と一緒に大山寺へ訪れ。
「ふふ、何がきっかけにせよ。楽しみねえ」
 ともに過ごす時間を心待ちにする、春待 朔といった恋人たち‥‥。
「僕たちもラブラブにいくよー、ハハッ!」
 そして――さわやかに笑う、キングスワンズ・ユーを前にし。
(どこにいくかは決めてないんだけれど、そこは雰囲気に任せれば良いかしらね? キングス君と‥‥手とか繋いじゃったりして)
 デートへの期待とか。
 想像を膨らませる、鬼頭 鈴鹿の二人で。

 彼ら彼女らの、仲良さげな様子を目にしてか。
「どいつもこいつも、イチャコライチャコラ! リア充爆発‥‥」
 自らを『シット団イエロー』と名乗る森住 ブナが。言葉通りの嫉妬に駆られるも。
 もちろん、爆発物などは所持しておらず――。
「こうなったら‥‥尾行とか?」
 そんな理由も相まって、彼女が爆破の代わりとなる行動を模索するなか。
「‥‥あたしはイタチさんとデートしてみるんだぞ」
「きゅっ」
 寺デートの相手に、アルカ・レプリカントは家族の獣ノ怪――弐尾ノ鎌鼬を選んだらしく。
「そや、男女じゃなきゃいけんとゆ~決まりは誰がつくった~♪ 個人の自由やろ~」
 柊 シンシアもまた、その言葉に同意しつつ頷き。
「てな訳で、ウチは甘味との逢引きやな♪ 僧侶はん汁粉よろしくや~」
 のんびりまったり‥‥。
 出来立ての、温かな甘味を求めると。
「あっ、あたしにもよろしく!」
 同じように、寺の汁粉を――立花 流々子や。
「甘い物食べられるのに、食べないのはもったいないですよね!」
 三体の家族を連れた水上 澄香たちと一緒に。
「きゆも、お汁粉大好きー♪」
 遠田 きゆも、美味しそうに頬張り。ニコニコ笑顔の花を咲かせる。
「「‥‥!」」
 とまぁ、汁粉や談話を楽しむ皆の前にて。
「さぁ、見学にいきましょう」
 熱いデートをしようと、手を差し出した千絵代へ対し。
「ええ、しかしながら理由などなくても。一緒に居られるのであれば、それが一番でございますね」
 手を握ることで、またも応えた絃瑞が今の気持ちを述べ。
(では、エスコートを頑張らさせていただきます)
 紳士然とした態度をもって、歩き出したところで。
「宝物庫って、なかなかお目にかかれないのよね――」
 見学場所についての談話中な、朔たち――恋人とのデート組も。
 各所を目指して歩き出し。
「こっちのマシュマロには般若湯とか入ってないけど。どうぞなんだし♪」
 そのデート組を見送ったあと。
 真子は持参の、さらなる甘味を皆へ勧めた。

◆でえとへ
 と、恋人なデート組に続き。
「それじゃ、 最近は肉食系キンちゃんが目立ってたし。今回は‥‥お任せしてみようかなー」
 出発の前に、キングスワンズが予定を告げたところ。
「まずは適当に歩きましょ。あとは‥‥うちのすあまと、キングス君とこのお団子ちゃんも、いい感じに仲良くなってくれると嬉しいわね」
 それに応えつつ、鈴鹿は傍らの豆狸たちを眺め。
「そうなったら‥‥もっと楽しくなるよね、ハハ!」
 頷く彼とともに、しばし家族な獣ノ怪の様子を見守ったのち。
 二人もまた手を繋ぎ、仲良く歩き出した模様で――。
「みんなを尾行しつつ‥‥お手伝いしていくよぉ」
 程なくし。頼子が先行者を追うように駆けていくなか。
「ぅ‥‥甘味からの誘惑が、いかんいかん。シット団として尾行しなきゃ」
 なんだかんだあって、目が座ったブナも。汁粉の甘い香りをクンカクンカするものの。
 カップルさんたちのが優先と、どう見てもアヤシイ人ぽく動き出したらしく。
「‥‥私も一応、見て回りましょうか」
 あとから、豊も寺の巡回を兼ね。汁粉入りの器を片手に歩き出し。
「るるちゃん、真子ちゃんと一緒にデバガメするし!」
 そんな彼女らの行動に、真子も便乗してか。
 各所への同行を、流々子に求め。
「一緒にいきましょう! って‥‥デバガメ!?」
 同意しながらも流々子が、ふと気になった単語を声に出すと。
「らぶらぶーな人を物陰から応援する人のこと、らしいんだしぃ♪」
 どこから得た情報か、意味があっているかは不明だが。にこやかに真子は応え。
 とりあえず二人は、ともに。誰かの応援へ出掛けることにした。

 時を同じくして。
「別に、デートがうらやましいとかは無いんだけどな。そりゃあ、寛永に来てから浮いた話の一つも無いけどさぁ」
 真子のマシュマロ入り汁粉をすすりつつ、マリナが何やら愚痴をこぼすと。
「ウチも恋愛とか、そういうのはないな~」
 頷いたシンシアたちは。
 汁粉をおかわりなどして盛り上がり。
「豆次郎さん、鎌ノ助さんに木綿平さんも。わたしたち家族は、お汁粉でーとしましょう!」
「「「‥‥♪」」」
 談話を経て。澄香が家族の獣ノ怪、妖怪たちを汁粉を食べながらのデートへ誘ったのに続き。
「んーむ‥‥したことないし。どうするかわかんないけど、きゆもお汁粉でーとする!」
 デートが気になるお年頃なのか。
 疑問符を浮かべたまま、きゆも甘味とのデートを表明するなかで。
「よーし、このホワイトデーお菓子を女性陣に配りまくって‥‥最終的に、好感度がアゲアゲーの! モテモテーので! ウハウハーのさ!」
 持参菓子の用意が整った龍重もまた、何だか楽しげに。
 話し相手の僧侶たちと盛り上がっているが。
「ゆくぞ僧侶さんたち! これぞ男の生きざ‥‥ま? 修行中の身で、そういうのは無理? ‥‥あ、はい。一人で配るんですね‥‥そんな気がしてました」
 僧侶にも事情があるらしく、お菓子のばらまきは一人で行なうことに決まり。
「うおおおお! 単身デートの本領を見せてやるううううう!」
 心が折れぬよう、叫びながらも彼が。自分とのデートへ駆け出したのを見てか。
「あたしには、難易度が高すぎる‥‥」
 上級者なデートへ挑むには、まだ早いと。
 アルカは改めて察し。
「イタチさんだけが頼りだぞ!」
「きゅー」
 予定通りに彼女も。家族な獣ノ怪を、もっふもっふしながらのデートへ動き出したという。

「そうだ‥‥お散歩しながら、豪炎さんを探しにいこう!」
 そして。甘味とのデート中な、きゆも何やら思い付いたのか。
「ぎにゃー」
 これまた家族な獣ノ怪で、弐尾ノ黒猫の先導がもと。
 大山寺の探索へ出掛け。
「ふー、ふー、はい‥‥あ~ん」
 一方で、お散歩前に。澄香は砂糖を使わずの、小豆のみにしてもらった汁粉をフーフーと冷まし。
「「‥‥♪」」
 それを、獣ノ怪の二体へ与えたあと。
 家族全員の頭を撫でながら、ギューッとの抱きしめをもって。笑顔での親睦を深め。
「んー、手持ちの酒も飲むか‥‥でも、日本酒と汁粉って合うのか?」
 またも後ろ側にて。談笑中のマリナが汁粉をつまみに、持参の日本酒をあおり。
「まぁ‥‥汁粉が美味いし、いいかぁ」
 食いあわせの相性はともかく、楽しげな笑みを浮かべ続けるさなか。
「いつもありがとう、これからもよろしくね‥‥!」
 澄香は家族らを抱きしめたまま、日頃の感謝を伝えた。

◆それぞれの思い
 また、大山寺の宝物庫――霊宝閣にて。
「この観音像、どれくらい古いものなんでしょうね? ずっと、ここで見守ってくださってるんでしょうか」
 ありがたい雰囲気をかもし出す、観音像四躰を前にし。
 そっと手を合わせながらも、謡が。説明役の僧侶へ質問をしたのち。
「そうですか、先代の住職さんよりも前から――」
 知り得た情報を興味深そうに整理する、そんなワクワクとした顔を見つめ。
「‥‥ほんと、可愛いわねえ」
 ともに説明を受け、恋人デートを楽しみ中の朔が自然に。思い浮かんだ言葉をつぶやいたことで。
「――ッ」
 内心はしゃぎ、少し気を抜いていた謡の頬は。
 カ――ッと、赤色に染まったらしく。
「ここの見学が終わったら‥‥熱冷ましに外へ。景色を見にいきましょうか」
 対し、さらに愛しい気持ちになった彼が。
 次のデート地を提案すると同時に、その了承も得た頃。
「応援するだけだし♪」
 遠目から、見守るだけの真子たちは別として。
「物陰とかに隠れつつ、なるべく目立たないように行動して‥‥」
 異彩を放つ格好はもちろん。
 足音を立てる、など――言葉とは裏腹に。かなり目立っている頼子やら。
「おのれ~、これもリア充のせいだー!!」
 盛大に転んだようで、何やら興奮中なブナの尾行をさけつつ。
「「‥‥」」
 優れた視力を持った千絵代による、人少なめの場所探しや。絃瑞のエスコートを経て、今しがた恋人たちが到着した観音堂では――。
「今日の私、いつもと違うのに気付いてる?」
 自分の変化についてを口にした千絵代が。恋人の彼へ詰め寄ったあとすぐ。
「ここよ。よく見て――」
 その彼にもらったプレゼントの、ブランド口紅を塗った唇を見せ。
 顔を近付けあった瞬間に、自分のほうからキスを求めたところであり。
「今日は甘える日なの。スキンシップは重要だし、キスは習慣にしないと‥‥ね?」
 ――と告げながら。甘え始めた千絵代へ。
「それは、そうとして‥‥歩き回ってお疲れでございましょう。縁側でもお借りしてお茶にしましょうか」
 絃瑞は変わらぬ笑顔のまま、紳士な対応をし。
 持参の茶道道具セットを用いて、ひとまず心が落ち着く――温かな日本茶を淹れることにした。

 と、本堂の近くでも。
「にゃーん」
「きゆね、いつもお祭り楽しいし‥‥それが役立ってるなら嬉しいし、とっても幸せだよ!」
 クールな弐尾ノ黒猫を傍らに、きゆが探しあてた――豪炎へ。
 祭りへの期待も込めての、お礼を述べたところ。
「ガッハッハ! ワシも祭りを楽しんでるし、嬢ちゃんらにはいつも感謝しとるぞ!」
 それに応えたあと、豪炎は孫に接するかのごとく。豪快だが、優しき笑みを彼女へ向け。
「えっと‥‥お坊さんは、お念仏とかしてるんだっけ?」
 さらに同じ頃、本堂の前では。
 家族との見学デートを楽しんでいたアルカが、僧侶の一人へ声を掛けつつ。念仏を唱えてもらうことに成功するも。
「‥‥んん‥‥なんかこう、眠くなりそうだ! お念仏はありがたいけど‥‥あたしには荷が重い、アルパカの耳に念仏だな」
 数秒ほどで、眠そうに目をこすり。
「でも、イタチさんは徳をつむために。ちゃんと見たり‥‥聞いたりしておくんだぞー‥‥zZZ」
「きゅー‥‥」
 獣ノ怪な家族に、あとを託したものの。
 やがては弐尾ノ鎌鼬も、遊び相手の彼女が起きるまで眠ることにした模様で。
「もしかして‥‥豆次郎さん、悪戯しにいったんじゃ?」
 そんななか。目を離した隙に、豆狸な家族が姿を消したらしく――澄香が残る家族をお供に連れての捜索を始め。
「あの‥‥恋人さんたちの邪魔にならないよう、秘密裏に探し出しましょう!」
 転ばないよう、気を付けながら。
 彼女は近くの僧侶たちへ、豆狸捜索の手伝いをお願いし。
「そういうことなら、頼子さんもお手伝いしますよぉ」
 僧侶から聞いたのか、皆ハッピーを主体に行動中の頼子が捜索へ加わったのち。
「‥‥くぅ」
 悪戯中ではなく、迷子だった豆狸は無事に保護され。
「その、これも法力の足しになれば――‥‥って。そんな訳ありませんよね‥‥すみません‥‥っ」
 すぐさま澄香は。お礼を述べたり、謝ったりもしたが――最終的に。
 保護した家族を前にして、ホッと安堵の表情を浮かべた。

◆白日に贈る
 そして、阿弥陀堂のほうでも動きがあり。
「食べさせあいで、恥ずかしがるのも‥‥おいしさのもとってやつだね、ハハッ」
 場の雰囲気に身を任せる形で、キングスワンズたちは寺の汁粉を。ともに照れながらも美味しく楽しみ。
「もっと、甘いものが食べたいねえ。お団子とか――」
「‥‥!?」
 談話中、彼の豆狸『おだんご』が何やらビクッとしたのを横目に。
「あ、贈るのは後日になるけど。キングス君にホワイトデープレゼントを見せたくて持って来たのよ」
 鈴鹿は贈る予定のハート御守りを手にしつつ、乙女的な笑みを浮かべ。
「「‥‥」」
 仲良くなった豆狸たちに負けじと。
 向き合った二人が、よい感じになっているのやら――。
「白日お菓子、食べてもらえると嬉しいな♪」
 持参品なキャンディ入りの袋に金平糖などの菓子類を、きゆがニッコリ笑顔のまま。豪炎の衣服‥‥その袖へ詰め込んだあと。
「酒入りのも美味かったが‥‥こっちのも。じつに美味そうだな!」
 今度は。子どもっぽく喜ぶ、豪炎とともに。
 ニコニコと笑い、楽しく過ごしているのを目撃してか。
「俺も‥‥おれだってぇぇぇ!」
 クッキーやマシュマロなどといった菓子類を配り、好感度の上昇を目指していた龍重は何というか。独り身ゆえの虚しさに駆られ。
(‥‥)
 ときめき効果を持つ、ハートダーツを手にし。
 真剣な眼差しで、ひと時のラブロマンスGETを狙うものの。
「なーに、怪しい動きしてんだ? まさかのセクハラかぁ?」
 酒と汁粉を飲み食い中の、マリナに見つかり。
「ほら、龍重も汁粉食え! 酒臭いだろうけど気にすんな!」
 何かもう、色々と絡まれた結果。
「ぅぅ‥‥いいさ。そうして俺は大人の階段をのぼり、涙の塩味で汁粉の甘さも引き立つはずさ‥‥」
 ぼろ雑巾にされた気分の龍重は、ほろりと泣きながらも。
 少し、甘じょっぱくなった汁粉を口へ運び――。
「お砂糖! たっぷりのお砂糖が入ってるじゃないですか、このお汁粉っ!! くあぁ~、こいつは‥‥シャバの味だぜー」
 結局は、誘惑に勝てず。尾行を中断しての、糖分確保へ行動を切り替えたブナや。
「砂糖は貴重品やし、食べられるうちに食いだめしとかな~♪」
 楽しく語りあいながら、自身の限界まで。汁粉を食べ続けるシンシアたちとともに。
 切なくとも、美味しくいただくことにした。

 こうして。本日の白日祭が賑やかなまま、閉幕へと近付く頃。
「この機会を作ってくれたお坊さんに、お礼を言わなきゃね」
 僧侶の一人に教えてもらった寺の一画にて。
 朔ら、恋人組は。大山(だいせん)の景色を楽しんでおり。
「でも、ちょっと残念な気分だわ。好きな子が映ってる綺麗な景色を、何かしらの物で残しておけないんだもの」
 すぐ隣側で。素直な気持ちを述べた彼の言葉を聞き。
「朔さん、その‥‥バレンタインのお返し、ありがとうございました。大切にしますね」
 またも謡が、赤く頬を染めながら。
 事前に贈られたハート御守りをギュッと握り。嬉しそうにほほえんだのに対し。
「‥‥よかったら、今度は手を繋いでいきましょう。きっと楽しいデートになると思うわ」
 ほほえみ返した朔もまた嬉しげに、次への提案を述べたのち。
「「‥‥」」
 ともに、もう少しだけ。
 恋人の二人は目の前の景色を楽しむことにしたらしく。

 また――寺の一画で。
「私の愛を回避することを禁じます‥‥誰もいないから大丈夫よ」
 こちらも、何やかんやあって。恋人の上に跨った千絵代が。
 ハグからの再度キスを求めるとともに、上級の呪禁道術を成就すると。
「神社仏閣でございますゆえ、あまり行き過ぎたことは――」
 少し困った表情の絃瑞は、落ち着いてほしいとの自制を促すも。
「これも‥‥法力を貯めるのに必要なことよ」
 先ほどのお茶請けに、蜘蛛次郎お手製の悪戯菓子を食べたのが原因か。エロエロと化した彼女の行為は止まらず。
「それよりも、寺と神社。どちらの式場にするかなど‥‥」
 どうにか気をそらさせようと、彼が努力するものの。
 エロエロな展開が迫る、次の瞬間――。
「ククク‥‥独り身からの脱走に公然わいせつ、もはや擁護(ようご)の余地はないな! 覚悟しろ升田千絵代! 貴様の不敗神話もここまでだ!」
「「!!」」
 そんな二人の行方を、僧侶などに聞いたのか。豊がどこからともなく制裁に現れ。
「マナーを教えてやろう‥‥! ちぇいりゃあああああっ!」
 度が過ぎた不純異性交遊などを理由に。中級の一ノ太刀を成就しての正拳突きを繰り出そうとする――が。
「お汁粉、そう‥‥絃瑞さんと。お汁粉を探してたの!」
 未遂ぽいのに加え。千絵代が苦笑いとともに、口紅のあとを消したりと、全力をもって誤魔化したことで。
 何とか今回は、見逃してもらえることになり。
「泣いた者もいたようだが、でえとの祭りは上手くいったようだ。皆の頑張りに感謝するぞ!」
 その帰りぎわ。お菓子を小脇に抱えた豪炎の、ホクホク顔を見て。
(‥‥私も、誰かへのプレゼント選びをしよう)
 豊も浮かんだ白日への思いを形にするため。
 贈る相手の顔を浮かべつつ、皆とともに帰路へついた。



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参加者

a.なんだよ、単身デートって? とりあえず、汁粉食うぞ。
御堂マリナ(ka00057)
Lv332 ♀ 24歳 忍僧 来世 大衆
b.宝物庫、気になるわねえ。
春待朔(ka00135)
Lv265 ♂ 20歳 傀僧 来世 異彩
a.お汁粉とでーとする!んーむ、そもそもデートって何すればいいんだろうね?
遠田きゆ(ka00206)
Lv330 ♀ 15歳 神傀 来世 異彩
b.宝物庫、ってなんだかワクワクします。何が入ってるんでしょう
千歳謡(ka00282)
Lv175 ♀ 18歳 神忍 来世 大衆
a.……(ダーツしゅっしゅっ
吉弘龍重(ka00291)
Lv226 ♂ 17歳 武忍 来世 大衆
z.シット団イエロー参上
森住ブナ(ka00364)
Lv252 ♀ 15歳 神陰 来世 異彩
b.みんなとお汁粉食べたり、逃げ出した鎌鼬さん捕まえたり…(提出済み)
水上澄香(ka00399)
Lv216 ♀ 17歳 陰傀 来世 異彩
b.左様でございますか…
遠野絃瑞(ka00651)
Lv223 ♂ 28歳 武忍 来世 質素
c.ごーえんちゃんにマシュマロあげてからの、るるちゃんとデバガメだしぃ♪
城田真子(ka00801)
Lv238 ♀ 21歳 神陰 来世 麗人
b.神事だから疎かにできないわ。うんぜったい。ひつよう。ひつようだから
升田千絵代(ka00869)
Lv475 ♀ 25歳 武陰 来世 傾奇
b.よろしくね、ハハッ
キングスワンズ・ユー(ka00893)
Lv228 ♂ 20歳 陰僧 来世 異彩
a.甘味との逢引や~♪
柊シンシア(ka01099)
Lv250 ♀ 15歳 神僧 来世 異彩
b.キングス君とデートね!バッチリ決めれるといいんだけど・・・
鬼頭鈴鹿(ka01252)
Lv197 ♀ 28歳 武神 来世 麗人
z.総帥より過度の不純異性交遊取締りの命を受けて来ましたが……平和だなあ
大門豊(ka01265)
Lv178 ♀ 15歳 武忍 来世 質素
b.<突然のお昼寝>
アルカ・レプリカント(ka01303)
Lv239 ♀ 15歳 神陰 来世 麗人
c.どうも、黒子に見えない黒子です!みんながハッピーでいられますように!
諏訪頼子(ka01410)
Lv168 ♀ 23歳 神忍 来世 異彩
 くっ‥‥こうなったら、楽しみましょう!(汁粉すすり)
立花流々子(kz00022)
♀ 22歳 武陰 来世人