東京復興ノ足音

担当 黒鳥
出発2019/02/21
タイプ イベント C(Lv無制限) 日常
結果 成功
MVP クリスタル・カイザー(ka01634)
準MVP 村正 一刀(ka01389)
伊東 命(ka01412)





オープニング

◆一週間後ノ現代
 最後の戦いが終わり、秀吉が消えてから一週間の時が過ぎた。
「‥‥」
 寛永時代へ帰った十人ちゃんの話によると。
 現代ギルド員の持つ法力は、じょじょに消えていくそうだが――。
「なら、それが消える前に‥‥あたしたちが皆のため。今できることをしましょう!」

登場キャラ

リプレイ

◆復興ノ朝
 鬼神秀吉に破壊され、多くの悲劇が生まれた――最終決戦の地『東京』。
「「‥‥」」
 そんな未来の江戸である、都市部の惨状を改めて。
 ギルド員仲間が各々、しばし眺めたのち。
「此が大都会東京、その成れの果て‥‥」
 そう、クリスタル・カイザーが苦々しく呟くも。
「とは言え、この都市は昔から破壊と再生を繰り返してきた歴史が有る。すぐに往年の‥‥いえ、それ以上の都市に生まれ変わるでしょうね」
 寛永での体験などから、ここが簡単に終わる都市ではないと述べ。
「それに、法力を使って行なう最後の仕事が人助けだなんて嬉しいです」
 皆と一緒に頷きつつ、水上 澄香もまた。
 一日も早く東京が復興し――賑わう場所へ戻れるよう頑張るとの気合を入れ直す、そのすぐそばで。
「とにかくだ、復興支援のもとに旗揚げした新生大江戸プロレス。そうした活動の一環として、こういう仕事は外せないな」
 BETWのTシャツ&無法者のプロレスコスを纏い、力強くも動き出したアイナ・ルーラとともに。
「うむ、鬼秀吉が残した破壊の爪痕。それは何度見ても生々しいが――」
 ミスト・カイザーも。もう一人の姉は海外へ渡ったゆえ、二人分以上に働くべく。
 従妹アイナに引っ張られてきた形でもって、スーパーなボランティアらしく気合を入れ。
「俺は散乱している瓦礫の除去、それから始めるとするか」
 同じように村正 一刀が、超桃太郎の大太刀を抜き。
「相変わらず緊張感のかけらもない服装だけど、オネーさんにとって一番動きやすいのがこれだから仕方ないよネ♪」
 鬼紐無胆我18なる水着姿のまま、久保 零も小気味よい笑顔を浮かべたあとすぐ。
 自らもガレキ除去にと、880貫黒鬼の金砕棒を担ぎ。
「崩れかけでも残ってるのは、文化的価値が低い建物とか。そういう中途半端なのばかりか‥‥」
 持ち前の建築知識などを用い、除去すべき物への分析を終えた相葉 楡。その彼らがあとから。
「楡さんの言う通り。東京タワーや、スカイツリーとかは壊されちゃったのよね‥‥」
 辺りを見渡すと同時に、立花 流々子もガレキ除去の手伝いへ続くと。
「ええっと。電気や都市ガスは止まってるだろうから、危険があるとしたらプロパンとか不発弾とかか?」
 根子 楤のほうは、危険物の除去役。その一人として。
 転ばぬ先の何とやら、上級二種――玄武水帝占術&朱雀炎帝占術の魔法効果を得たようで。
「さて、もう裏社会には関わるつもりも無いし‥‥」
 過去についての詮索は不要だが、クリスタルも皆と同様に。東京復興へ関わるのも一興との言葉を続け。
「存分に法力や、諜報員としての能力も使っていきましょうか」
 楤と同種の魔法効果など、いくつかの力をもって。こたびの危険物除去を始めるなか。
「機巧には、危険物等の運び出しを――」
 澄香も時同じくして、仙級機巧操法&効果上昇法を伴った上級風ノ秘伎法により。
 オーバースペックなロボ型機巧を操作し。
「あと式神には、周辺警戒等を行なってもらいます」
 続けざまの仙級式神道術によって、『忍』の役割を与えた猫式神を生み出すと。それらを駆使しながらの、危険物除去へ取り掛かった。

 と、危険区域での除去作業が本格的に始まり。
「わたくしはスムーズに除去したものを運べるよう、セレブらしく道を整備しておきますわ」
 そう述べた北里 瑠璃の姿が、真武真の大太刀を手に。
 ドラゴンアーマーなどを身に付けた騎士風なのはさておき。
「では、寛永から持ち帰りました神代の餃子が大量にありますので。これを焼くなどして、皆様に食べて頂きましょう」
 この場でもメイドの衣装一式&カチューシャ姿と、カミラ・ナンゴウもスタンスを変えることなく。
 究極至高の神代餃子を用いた炊き出し、それの用意を手際よく始めていき。
「ご飯だけでなく、お茶や怪我したさいの治療など。バックアップを全面的に請け負いたいと思います」
 伊東 命も炊き出しの一環として、いくつかの用意があることを告げたあと。
「じゃあ、一緒の作業をする人にも魔法掛けてくよ! それ用の短刀もあるし、イケるはず!」
 参頭ノ白蛇短刀を用いて、楤がひとまず。
 自身に付与したのと同じ玄武&朱雀の力を、近くの澄香にも与え。
「ありがとうございます。安心して作業できれば、気疲れも減って良い形のまま終えられますよね」
 炎などへの各耐性を得た彼女が、礼を述べつつも。
 自力活動する猫式神を安全確保のため、ガレキの隙間へ潜らせる――そうした一方で。
「ええ。手早く皆さんの安全を取り戻すためにも、私たち自身が安全に作業を進めないといけませんね」
 天女着物を纏う救急救命士であり、炊き出し準備中に述べた命の言葉を聞き。
「うん‥‥早くみんなが安心できるようにしないとネ!」
 大きく頷いた零も、すぐに中級豪力鬼身の成就を終えたらしく。さらに力強くも金砕棒を振るい。
「この太刀は、いずれ‥‥博物館とか。相応しい場所へ寄贈しよう」
 その彼女に加え、一刀も桃太郎太刀――最後の出番だからと。
 仙級斬鉄ノ太刀による魔法効果を、それはもちろん。
「かたじけない。なお素顔がバレるのはNGなので、本日も明光仮面として活動することに致そう」
 強く優しいヒーローらしく、明光総面を装着したミスト。顔出しNGの彼が持つKKKノ天下大太刀にも与えたところ。
(弟よ‥‥まぁ本人はノリノリだし、深くツッコむのは野暮よね)
 そんな明光仮面を眼下に、クリスタルはKillの忍者装束姿を纏ったまま飛翔し。
 上級海豚ノ術を用いた空間把握のもと、低空からの危険物探索を続け。
「よし、魔法は使える内に使った方がいいな」
 アイナもまた、自らが持つ天下ノ天下大太刀へ仙級斬鉄ノ太刀による魔法効果を与えたのち。
 それをガレキの山々へ目掛け、勢いよく振るった。

◆復興ノ昼頃
 数十分後――少し離れた別の区域内にて。
「神々の用意せし、大太刀‥‥とくとご覧あれ!」
 これも市民サービスの一環とのことで、そこへ赴いた明光仮面が。KKKノ天下太刀を鞘から引き抜き。
 そのサイズが変化した太刀や、正義ノKKKなる忍者装束姿を見てか。
「「おお、あれが明光仮面か!」」
 市民ボランティアの一部が興奮し、握手にサインなんかを求める頃。
「よいしょっと‥‥通り道を更地にし、リヤカーなどが通りやすいようにしておきますわ」
 力仕事へ対する技能がもと、瑠璃はテキパキと路上整理を進め。
「機巧と一緒に飛ぶ感覚、式神から伝わる広い視覚‥‥こうした感覚も。もうすぐ消えると思うと少し寂しいです」
 ロボ機巧と式神の両方を使いつつ、澄香も法力最後の時が近いからと感慨深く。
 それはそれとして慎重に、皆との共同作業を進め。
「プロパンとかのガス漏れなら、ある程度は匂いで分かるだろ――」
 鼻をクンクンとさせながら、楤も辺りを見渡し。
「春先でなくて良かったよ、俺‥‥花粉症だから鼻利かなくなるのよな」
 凹んだガスボンベのひとつを発見後、それを近くの数名とともに。危険区域外へ運び出したようで。
「忠犬の銅像とか文化的に価値があって、温存出来るものは残すとして。復興の邪魔になる半端なやつは‥‥あれだね」
 この区域内を、少し見て歩いた楡も同じように。
 いくらかの構造物を目標にしてか。仙級機巧操法&神級空ノ秘伎法を用い、操作中の鷹と塗壁――各機巧を。
「人々の立ち入りが限定される今だから、大胆に倒壊させていいと思う」
 最初の建造物へ向かわせ。破壊を前にしての、入念なる調査を行なっていくさなか。
「餃子は栄養満点ですし。本物の神様がお作らせになった食べ物で、偽神・秀吉の爪痕を片付けるのも一興でしょう」
 食器と一緒に自腹購入した鉄板――それとアウトドア用のコンロなどをもって、カミラが40個分の神代餃子を焼き始め。
「その間に私が、ご飯やお味噌汁の用意をします」
 キッチン用品一式を広げた命が、炊き出し仲間の彼女へ応えるとともに。
 中華鍋にも大金鎚にもなる道具を用いて、白米を炊き。
「やっぱり皆さんには、温かいものを食べてもらい。気力を補充してもらいたいですからね!」
 同じく買い込んだ大根など、それらを味噌汁の具とし。手持ちの料理神包丁により刻み出すと。
「ここの瓦礫除去は、オネーさんが請け負うヨ!」
「零の姐さん、サイコーっす♪」
 裏路地へ入ったところでも、零がどこからか駆け付けたファンの声援を受けながら。
「はいはーい、危ないから下がっててネ!」
 何度となく振るった金砕棒――その重機代わりとなる強力な打撃にて。
 大きめのガレキ群、それの一部を手頃なサイズへ砕いたのち。
「じゃあ‥‥砕いたのは、あたしが!」
 役割通りに流々子は、コンクリートなどの破片を大通りへと運び。
「出し惜しみも、手加減もなしだ!」
 さらには、崩れたビル壁の一部――それらを次の破壊目標としたアイナも。
 全力全開でもって、天下ノ天下太刀を振るい続け。
「ギルド員の魔法やパワーを期待されているなら、これくらいが丁度よかろう!」
 仙級阿修羅王真言の成就も加えた、6連続の斬撃により。眼前のビル壁を小さくも細かく砕いたところで。
「一刀、待たせたでござるな」
「ミスト‥‥いや、明光仮面だったな。俺らも派手にやろうぜ!」
 戻ってきた明光仮面との合流後、一刀もバトルコート姿のまま彼とともに。
 仙級一ノ太刀による魔法効果――それをも伴わせた得物を振るい。
「「!!」」
 近くのビル壁を破壊後すぐ、二人はアイナたちとも一緒に。危険区域内のガレキ群を砕いて回った。

 こうして、各作業が順調に進むなかで。時刻は昼となり。
「仕上げに‥‥お味噌を溶いて、完成です」
 同じように購入した鉄鍋を用い、味噌汁などを作り終えた命と一緒に。
「皆さま、ご苦労様です。お腹いっぱい食べて、午後からの作業も頑張って下さい」
 神代餃子を焼き上げたカミラが、一時的に戻ってきた仲間らへ。
 出来立ての炊き出し、その各料理を手渡していくと。
「「飯神様の餃子に、白飯‥‥!」」
 熱々の神代餃子などを頬張った皆は、うっとりし。
「「身体が温まる‥‥!」」
 加えて。大根入りの味噌汁もすすり、ほっこりもしたのち。
「怪我は‥‥なさそうですね」
 引き続き命が、皆の様子を見ると同時に。
 温かなフレーバーティを振る舞い、ひと息ついてからの数分後――しばしの昼休憩へ終わりを告げたようで。
「これ食べて、午後からも地道にやるか」
 そんな彼女から受け取った戌年マヨネーズを、楤が間食用に買っておいた魚肉ソーセージへつけ。
「法力が消える、その時まで。復興の役に立ち続けられたら――」
 想いを胸に、澄香もまた皆と同じく。
 何度目の魔法を成就後、危険区域の一画へ戻り。午後のボランティア活動へ勤しみ出した。

◆復興ノ夕暮れ
 直後――。
「障害となるのなら、破壊し尽くしてやりますわ」
 サラ地作りを再開中の瑠璃、その彼女も上級斬鉄ノ太刀により。破壊能力などの付与といった魔法効果。
 それらを伴わせた真武真太刀を振るい、バラバラにした看板の残骸を。
「除去物が増えてきましたし、区域の外へ運んでおきますわね」
 両手いっぱいに抱えつつ、ギルド所有のリヤカーへ載せ。
「埋もれた物を動かすことにより、起きる可能性がある『なだれ』。その兆候を見逃さないように――」
 澄香も時同じくし、警戒継続中の猫式神を用いて。
 在日米軍が残したと思われる不発弾、それをガレキの隙間から見付け出したのち。
「もしもに備え、泰山符を使いましたし。そっと持ち上げるのはもちろん、空から運べば安心ですね」
 機巧除傷の泰山符を貼り付けたロボ機巧、その操作によって不発弾を自衛隊のもとへ届けた頃。
「ふっ、爆発物も場所さえ分かれば怖くないわね」
 海豚ノ術などを用い、兵器群の位置を探っていたクリスタルもまた。地道にマーキングした情報を。
 上級斑鳩占術による遠話、その成就をもって皆へ伝え。
「弔いは丁重に、だね」
 処理の難しい危険物は後回しに、雪原の迷彩服姿で行動する楤や皆は。東京壊滅時の犠牲者たちも見付け。
((安らかに‥‥))
 運び出した『仏さん』の引き取りについても。不発弾などと同じく、自衛隊へ託したあとすぐ。
「こんな経験が出来る事は‥‥そうないだろうし、今後の為にも勉強させて貰おう」
 各機巧での建造物調査を終えてか、楡が猪鹿蝶の外套をはたきながら。
「破壊が済んだのなら、次は再生だね。強さと懐かしさを持った大都市に生まれ変わろ?」
 解体作業の協力を皆へ呼び掛けると同時に、自らも率先して建造物を崩していき。
「見ての通り、オネーさんってば派手に作業するタイプなの‥‥よろしくネ!」
 そうした彼らに続いて、零も多少なりとも慎重に。
 何度となく振るった金砕棒、それの打撃により。いくつものガレキ片を作り出したところで。
「「もう夕方か‥‥」」
 まだまだ除去する物は多く、東京復興も始まったばかりだが。今日のボランティア活動は終わりを迎え。
「今日除去した分は、区域外へ運び終えたし。自走できる放置車両は、運転してどかしとくかな」
 作業をともにした皆々が撤収準備へ取り掛かるなか、一刀は自前の運転技術を用いて。
 しばらくの間――車両群の除去作業を繰り返し。
「「‥‥また来るよ」」
 皆との合流後、彼もまた夕焼け色に染まった東京の地へ。ひと時の別れを告げ。
「「ここに活気が戻る、その時まで。何度でも――」」
 東京復興への二歩目も、今日以上に力強く。
 より大きく踏み出すことを約束した。



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参加者

c.寛永に行ってから何故か力持ちになったのでセレブらしく力仕事をしますわ
北里瑠璃(ka00342)
Lv436 ♀ 20歳 武僧 来世 婆娑羅
b.式神に周りを警戒してもらって、ロボ機巧で大きめの物を中心に運びますね。
水上澄香(ka00399)
Lv215 ♀ 17歳 陰傀 来世 異彩
a.顔出しはNGなので、本日も強く優しい明光仮面として参加w
ミスト・カイザー(ka00645)
Lv271 ♂ 24歳 武忍 来世 質素
a.うむ。力仕事は任せておけ!!
アイナ・ルーラ(ka00830)
Lv214 ♀ 24歳 武僧 来世 婆娑羅
a.被害を受けた建物の調査とかしてるよ(残せるもの、そうでないもの判別など
相葉楡(ka01176)
Lv311 ♂ 27歳 武傀 来世 麗人
c.寛永から持ち帰った餃子が大量にあるので、これを焼きましょうか。
カミラ・ナンゴウ(ka01313)
Lv216 ♀ 23歳 忍僧 来世 大衆
a.それじゃ瓦礫を粉砕したり、放置車両の移動をするかな。
村正一刀(ka01389)
Lv246 ♂ 23歳 武神 来世 異彩
c.炊き出しに参加しますよ。お腹が空いては何も出来ませんからね。
伊東命(ka01412)
Lv224 ♀ 27歳 忍傀 来世 大衆
b.折角だし能力が無くなる前に使い切るとしましょうか。
クリスタル・カイザー(ka01634)
Lv332 ♀ 29歳 忍流 来世 大衆
a.はいはーい、瓦礫の粉砕とか力仕事はオネーさんにお任せ、ってネ!
久保零(ka01944)
Lv210 ♀ 25歳 神鬼 来世 婆娑羅
b.俺、この作業終わったら魚肉ソーセージにマヨネーズつけて食べるんだ
根子楤(ka01983)
Lv277 ♂ 29歳 武流 来世 大衆
 さぁ、良い汗を流すわよ!
立花流々子(kz00022)
♀ 22歳 武陰 来世人