八咫烏を使えるギルド員たちはさほど苦もなくこの場にいるが、ベテラン登山家でも危険な季節とあってか一般人の姿はまったく見えない。秀吉の災厄も影響しているのだろう。
では、どうしてこのような思いをしてまでギルド員たちがやって来たのかというと……。
「は、早く昇らないですかね……ご来光!」
そう、ご来光を拝むためであった。
◆決戦に向けて
東京に壊滅的な被害をもたらした巨大秀吉、そしてその分身との激闘を乗り越えて新年を迎えたギルド員たち。
やがて訪れるであろう最終決戦の予感に身を震わせるなか、誰ともなく言い出したことがあった。
――この国が平和になったら『何をしたい』か、みんなで叫ばないか?
それは『新年の抱負』であり、同時に『不確かな未来への意志表明』でもある。ならば、それにもっとも相応しい場所と時はどこか……。
そうして選ばれたのがこの霊峰富士、そして日の出の瞬間だったのである。
「したいこと、かぁ……。あたしはとりあえず部活に戻りたいっスね! 同級生はもうみんな卒業しちゃってますけど……。あと、何か『言っておきたいこと』があったら叫んじゃうのもいいかも。例えば……秀吉の悪口とか?」
心の内に秘めた言葉があれば叫んでスッキリするのも悪くないだろう。決戦の結果次第では、それすら難しくなるのだから。
「あと、せっかくなので神社にお参りもしましょう! 富士山で初詣なんて、なかなかできないっスよ!」
富士宮口から登った火口南側には富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)の奥宮が鎮座している。
残念ながらこの時期は無人で社は閉ざされているが、素通りするという手はないだろう。
「叫ぶのも楽しいですけど、心の中で静かに……ってのもいいですよね! あ、そろそろ明るくなってきましたよ!」
周囲が白み始める。
いままさに、遥か眼下に太陽が昇ろうとしていた。
選択肢
a.平和になったら | b.言っておきたい |
c.心中で密かに | z.その他・未選択 |
マスターより
ふじさんと午睡丸です。
本作では日の出から太陽が昇りきるまでの短時間を同時的に描くことになります(選択肢cのみ別)。
叫ぶ内容を『』で表記するなどしていただくと他のセリフと区別しやすく非常に助かります。
また、OPにあるように非常に気温が低くなっていますので装備やアイテム、魔法による防寒対策もお忘れなく。
いずれの選択肢でも私の担当外のNPCやシナリオに関する出来事、このシナリオに参加していないキャラについての具体的な描写はできません。
あらかじめご了承ください。
a
戦いが終わったら『したいこと』を叫びます。
今年の抱負や将来の展望など、キャラの中長期的な希望をどうぞ。
b
いまのうちに『言っておきたい』ことを叫びます。
懺悔や告白、フラグ立て(謎)にどうぞ。
c
山頂にある神社へお参りしてaやbの内容を心中でつぶやきます。
この選択肢のみ日の出あとの行動となります。
それでは、みなさまの霊峰プレイングをお待ちしています。
※決戦前シナリオ企画
本企画は「巨大秀吉に挑む直前」または「現代へ向かうポータルをくぐる直前」といった時期のエピソードを扱うものです。
大事な時の直前の、あなたの姿をプレイングしてください。