第一戦:高間無価 対 白絹坂開祖
第二戦:赤井狐弥 対 宮本伊織
第三戦:柳生十兵衛 対 鈴城透哉
第四戦:宮本武蔵 対 三枝守全
第五戦:第一戦勝者 対 第二戦勝者
第六戦:第三戦勝者 対 第四戦勝者
最終戦:第五戦勝者 対 第六戦勝者
◆強者の思惑
「初戦は来世人か。その実力ならこの目で見たが‥‥ま、面白い経験にはなるだろうよ」
柳生 十兵衛(kz00009)――残った片目のふちをそっと撫でた十兵衛だったが、その視線は、紙上の一点に注がれていた。
「だが、本命は‥‥こっちだ」
武蔵。天下無双の男。
「来世人に2回勝利すれば、親子での試合となりそうです、が‥‥」
宮本 伊織(kz00008)は、示された紙を見ながら、しかし、かすかに眉をしかめていた――腹部を、そっとさすりながら。
「そうか。初戦から宮本武蔵と」
最強の相手だ――しかし三枝 守全に動揺はない。待っていたのだから、この時を、ずっと。
そしてその宮本 武蔵(kz00010)は今、完全なる闇の部屋で一人、座禅を組んでいた。
天下一品の剣豪。百戦錬磨の男。彼に迷いはなかった。あるのは、明鏡止水の境地‥‥いや、そこにかすかな波紋を浮かべる、わずかばかりの、期待と歓喜。
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◆不安なお盆
寛永15年7月13日。この月、第二の戌の日――それは医王寺の和尚が、百鬼夜行が起こると予言した日である。
この和尚、徳川家の危機を言い当てる霊的な力があるとされる――が、同時に、高齢のためかなんなのか、『予言の半分以上は当たらない』などとも言われていた。
そんな事もあり、幕府は当初、この予言を軽視していた――なにより、百鬼夜行自体からして『無害』とされているのだから。
そもそも、この日は『迎え火』の日でもある。つまりお盆の始まりだ。すでに『地獄の釜のフタが開いている』とされるなか、正しい迎え方をすれば、亡者の類が出てくるのも『当然』といえるのであるが‥‥
しかし、今年は少々、事情が違ってきていた。
和尚の意味深な予言に続き、7月1日に起きた禍々しき『前兆』。そして遺された、第二の予言。
――次の戌の日に百鬼夜行が起こるであろう‥‥私には見える、数千の人々が倒れこんでいる阿鼻叫喚の風景が、ふふふふふっ。
‥‥以上の経緯により、さすがに事態を重く見た幕府は、来世人ギルドと連携し、万が一に備える体制をとっていた。
役人は、大衆への注意喚起と、即応態勢の維持。ただし、外出禁止などにはしない。お盆の習慣を取りやめる事のほうが、事態を悪化させる危険性も指摘されたからだ。
という次第で、江戸の町は普段とあまり変わらない、おごそかで、しかし賑やかな夜を迎えていた――が。
◆ひゃく‥‥おに?
「出たあああ!?」
その第一声は、寛永寺! 前兆の『うろ』が残っていたため、百鬼夜行の出現ポイントとして警戒されていた場所だ!
「ひゃああ、続々と‥‥って、これが百鬼夜行なの!?」
近くの奥さんも思わずウットリ――なにせ、うろから次々出現するのは、みんな‥‥すねこすりだったからだ!
説明しよう。すねこすりとはデブ猫みたいなコロコロした外見の妖怪で、実際カワイイ奴だが、愛らしく人のすねをこすって生命力を奪うというけっこう危険な存在だ!
なので、これだけのすねこすりにたかられれば、人死にもありうるのだが‥‥
「大丈夫じゃ、進路を妨害せず、黙って送ってやるんじゃ!」
どこかのじーさまが言った通り。慌てて道を開ける江戸の人々に目もくれず、大量の白いうねりは――おっと、茶色いすねこすりも混ざってた、というワケで、カフェオレの津波みたいなその流れは、ニーニー言いながら、愛らしく江戸の街道を闊歩していくのだった。
‥‥が、その状況は日本橋界隈でまたまた一変する。
◆可愛さ暴走!
「うひゃああ!?」
バタリ。若い衆が青い顔でぶっ倒れた――すねこすりに近づきすぎた?
「いやぁん」
すってん。若い娘がおみ足もあらわにハデにすっ転んだ。あれは『茶すねこすり』の仕業だろう。
ばたり。ころり。ばたころりん。異常発生! 町人に続々被害が! なぜだ!?
「‥‥列を離れてくヤツがいるぞ!」
誰かが叫んだ。そのようだ、これまで行儀正しく行進していただけのすねこすりの一部が、1匹、また1匹、いや数十あるいは数百単位で、列からはぐれ、いつもの行動――すなわち『すねこすり』や『すっ転ばし』に邁進し始めたのだ!
「たたた、大変だぁ‥‥このままでは数千もの人間が倒されてしまう! まさに阿鼻叫喚だァ!」
どっかのお役人が叫んだが――しかし、そのために来世人は待機しているのだ!
◆そんな対策で大丈夫か?
少し話を戻そう。大盛況で終わった山王祭、その少しあと、来世人ギルドはこんな話をキャッチしていた。
「あ~、これだけ賑やかな祭りなら、妖怪どもだって踊り回るだろうなぁ‥‥ワシの若い頃もなァ‥‥」
とあるお爺さんの体験談。若いころに見た百鬼夜行。数々の妖怪達が、人間の奏でる賑やかな囃子に惹かれ、釣られたその不思議な光景を。
そう、百鬼夜行は『妖怪達のお祭り』とする説もある。であれば、万が一の時には、お祭りの賑やかさで妖怪を誘導できるのではないか。
――なぁんて考えて備えていたのだから、さぁ今こそ出番だ来世人!
「行くぜワッショイ!」
日本橋界隈に繰り出した来世人一行! 祭りだ祭りだ、神輿だ山車だぁ!
「賑やかなら賑やかなほどいいらしいぞ!」
と来ればどっこい、山車の上には‥‥特設ステージもあったり!
デデデン、と太鼓が鳴らされれば‥‥おおっと、はぐれかけたすねこすりが、ニーと振り向いて神輿のほうに注目ゥ!
「よおし、百鬼夜行の終着点は日枝神社だ! あそこにもうろが出現してる以上、こいつらはそこに向かってるに違ぇねえや!」
そうと決まれば、さあ来世人! ドカンと激しく賑やかし、すねこすりどもをなんとか惹きつけ誘導しろ!
◆大丈夫だ問題‥‥あるかも
もちろん、お祭り騒ぎばっかじゃいられない。
全てのすねこすりを誘導しきれるとは限らない。それに、すでに被害者も出ている。全すねこすりの撃退はナンセンスだが、部分的に町人を誘導したり保護したりする必要もあるだろう。
そもそも、お祭りバカ騒ぎだけで対策は充分だろうか? なにか他に、打つ手は――?
そしてこの問題、裏で手を引いている存在もありうる。そういえば『きゅうり天王祭』の際も、大量のすねこすりが統率されてやってきたではないか。もしや――
「おおい、あっちに凶暴な顔のすねこすりがいたらしいぞお!」
誰かが叫んだ! あっちって!?
「うーん‥‥すごくあっち!」
凶暴な顔って?
「なんだか、角が生えてたって‥‥」
角が生えたすねこすり。それが今回の黒幕なのか!?
だが、この――カフェオレ洪水の中から、一匹の(一匹かは定かではないが)角アリすねこすりを探し出すなんて!
それでも、やるしかない。まさかそいつが、トンデモナイすねこすりであったとしても‥‥
化身
四足の影・四足の影・四足の影
選択肢
a.神輿や山車の移動 | b.大ステージ出場 |
c.山車の上でかます | d.他の方法で敵誘導 |
e.町人への対応 | f.ボスを捜して退治 |
z.その他・未選択 | |
マスターより
本シナリオは、世界の歴史を動かす可能性を秘めた企画『RealTimeEvent【SenkitaHistory01】山王祭と百鬼夜行』のグランドシナリオになります。
詳しくは、シナリオページの『シナリオって何?』の『グランド』の項をご参照ください。
北野旅人です。いよいよ始まる戦来のグラシナ!
ここから俺達の戦来が始まるぜ‥‥えっもうとっくに始まってる? ごもっとも!!
ではまずシナリオの補足です。
本ストーリーは、御前試合と百鬼夜行(?)の二本立てのような構成となります。御前試合に登場できるのは、予選を勝ち抜いた4名(トーナメント表に名前のあるキャラ)と、そのサポート参加者のみとなります。
なお、御前試合参加者のほうは、百鬼夜行サイドにも参加できます。
▼御前試合注意点▼
選ばれし4名は、シナリオに参加する事で、選択肢に関係なく御前試合に出場する事となります(参加しない場合は棄権扱いです)。
ルールは1対1。トーナメント形式で最大3戦します。
魔法も真剣も道具も、なんでもアリで、降参させるか戦闘不能にさせる事で決着します(死亡を含め、来世人ギルドが毎試合ごとに魔法的治療をします)。
サポーターは試合には出場できません。応援や、試合時間外での支援ならばできます。ただし、なんでもアリだからって試合中の支援や妨害はダメですよ。
▼百鬼夜行注意点▼
各選択肢に沿って、異常事態をなんとかしましょう。
a.神輿や山車の移動
神輿を担いだり山車を引いたりします。全体の移動速度や小回りに関わるほか、賑やかしにも一定の効果があります。
b.大ステージ出場
ひときわ大きな山車の上には特設ステージが! そこで順に、なにか演し物をして賑やかそう!
c.山車の上でかます
その他の山車の上で、何かします。ある程度は山車の改造がなされていた事にしてもいいです(屋台風になってるとか)。場合によっては少人数で大きな効果が?
d.他の方法で敵誘導
お祭り騒ぎによらない、別の観点からすねこすりの誘導・操作を試みます。
ただし、積極的に退治するような行動は、上からの指示で禁止となっています(キリがないし、正しく導けば必要ないため)。
e.町人への対応
転んだり疲れたりパニクったりしてる町人を、助けたり避難させたりします。
f.ボスを捜して退治
角つきすねこすりを見つけ出し、退治してください。列の後方にいるとの話ですが‥‥?
‥‥以上です。
では、皆様の健闘をお祈りしております!