実はギルドは、この若き天才刀工の評判を聞いたため、数日前に例の金平糖を渡し、試作を依頼していた。その際、使者となったのが伊吹風彦と、最近、寛永に来た少女、橘 久里(たちばな・ひさと)だった。
「それは我が俗名だ。しかし、死に損ないの戦友たちはこう呼ぶ。『水底の騎士』と」
セーラー服姿に海賊のような眼帯に指ぬきグローブ。中二病の感覚を残した元中学生と、ギルドからは伝わっている。
風彦はいまひとつわからない、というより保留。
「で、た──じゃなくて、騎士さん? 何か捜し物」
「ああ、それは黒の手帳だ──万物の運命を記した赤のアカシックレコードだ、私が一年前に記したものだ」
それは後年、黒歴史とされるものなのだろうが、今の久里にとってはアカシックでレコードなのだ。
「捜してくれ、森羅万象の命運がかかっている」
「──わかった」
風彦は、後年の彼女のためにもそうしてあげようと思った。
さて、そのアカシックなノートは、忠二の所で落としてしまっていたらしい。拾った忠二は、そのフレーズに感動。新たな刃を作るとき、己を高めるべく、静かに唱えるのだ。
本人談──前より、力が増した気がする。だが、まだだ、まだ足りない。渾身の法力言語《パワーワード》が。
「俺の霊感はこんなものじゃない──新しい言葉を! 更なる高みへ導き、星さえも砕くような力が欲しい!」
ならば、来世人より言葉を得るしかない。忠二は、来世人に鍛冶場に赴くよう手紙を出した。
次の名刀、さらに次の名剣のために。
目的不明の手紙を受け、ギルドは数名の来世人を派遣することにしたが、そこには久里と風彦の姿もあった。
果たして運命は混じり合い、更なる刀剣を鍛え上げるのか!?
──来世人荒ぶる!
選択肢
a.刀剣の新案 | b.中二病文句 |
c.ノート探し | z.その他・未選択 |
マスターより
成瀬です、中二病──自分の場合はTRPGと出会った中学三年生に遅れて発症しました。
愚者は常にくもった鏡をわるものです。
ともあれ、寛永の刀剣史に新たな足跡を残すのはあなたかもしれません。
では、ふるっての参加をお待ちしています。
成瀬は皆様の寛永ライフをサポートします。
※神在月17新カード開発シナリオ
シナリオが成功することで、なんらかの新カードが生み出され、今後のガチャ等で入手可能となります。