【SH06】呼ぶ海・お平お艶

担当 灯弥
出発2016/07/30
タイプ グランド A(Lv250以下) 冒険
結果 大成功
MVP 潤賀清十郎(ka00609)
MVS 根子ナラ(ka01549)





オープニング

◆祭りの後に
 手探りのままに開始された海の山王祭。
 笑いありお色気(当社比)あり河童あり、色々と大盛り上がりであった結果を見れば、おおむね祭りは成功したと言えるだろう。
 大和人達の評判も上々で、現れた化身達もほとんどが討伐された。
 けれど、この祭りの本来の目的が果たされたかどうかと言われれば、何とも言い難い。
『お盆を前に、品川の海から今度こそ恐るべき化身がやってくる』――。

登場キャラ

リプレイ

◆祭りの始まり
 艶めいた『呼ぶ声』はいまだ収まらず、大和人の男らは次々と海へ向かって歩きだしていく。
「よーっし、夏の美味しい風物詩、カキ氷はーじまーるよー!」
 その声を掻き消すような大きな声を放ったのは遠田 きゆだった。
 ハンドマイクを片手に呼び込みを始める彼女の傍らで、手伝いに回った若桜 涼がどんどんと氷を削っていく。
「この前好評だったシロップと練乳で甘いのや日々の元気に栄養ドリンクカキ氷? それと、お酒をかけて大人のカキ氷!」
 どどんと掲げられた山盛りの氷は匂いこそないものの、見た目のインパクトは凄まじかったようだ。
「おお、暑い時にはやっぱり冷たいもんじゃねぇとな……!」
「はいはーい、お祭り祝い酒てことでぱーっといっちゃおう♪ そいや!」
 一人の大和人の男がきゆのもとに寄れば、釣られて数人がそれに続く。
「沢山あるからねー、いっぱい食べてお祭りを楽しもう!」
 明るく振る舞うきゆだったが、心中では海へ向かった友人らが気にかかっていた。
(……きゆはきゆが出来る一番をして待ってるからね)
 皆が皆、出来る事をしているのだ。ならば自分もここで出来る事をするのみだった。
「カキ氷、美味しいカキ氷、いかがですか?」
「涼さんお手伝いありがとー! カキ氷ー、カキ氷だよー!」
 盛り上がり始めた広場の中、てやんでい俺は辛党でいと足を止めぬ男もいた。
 そんな男の鼻に、何とも良い匂いが飛び込んでくる。
「こ……この匂いは……!」
 カレー。
 呟いた男はカレーを知らなかったが、その犯罪的な香りは人類共通であるようだった。
 かぐわしい香りは広く立ち昇り、海面まで届いていく。
 見れば手招いてる人魚もちょっと興味ありげにこっちを見ている。
 カレーの匂いって本当にあかんよね。
(千絵さんを危険な目に合わせたくはありませんが、信念が岩をも貫くことは存じております。無事を信じずして如何致しましょう)
「わたくしの戦場は台所でございます。――海とくれば新鮮な海の幸。ここはひとつ、寛永流シーフードカレーと参りましょう」
 祭りの露店に幸いと材料は揃っていた。
 蛸に海老、貝にれんこん――遠野 絃瑞の見事な手際により下処理され、調理されていく食材達。
 隠し味はエキゾチックなシナモンで、大鍋でじっくりことこと煮込まれていくカレー。
 完成までにはまだ少しかかるが、はやくも人魚の誘惑を振り切った男達が集まってきていた。
「な、なんて美味そうな匂いだぁ……」
「よ、よくわかんねぇけど……美味そうな料理だなぁ」
「ふふ、まだまだでございますよ。あと少し、じっくり煮込んだ方が味が染みて美味しくなりますから」
 絃瑞が柔らかく微笑めば、男達の腹が揃ってぐうと鳴く。
(大丈夫、千絵さんの分は、ちゃんと取って置きますからね)
 大切な人の無事を祈りながら、丁寧に、時間をかけて煮込むカレー。
 食したものは、郷愁にも似た何かに触れる事が出来る事だろう。
「良い匂いという事でしたら、こちらも負けていませんよ」
 近藤 彬が作るは海の幸たっぷりの海鮮鍋。
 赤く染まった海老と帆立が何とも美味しそうな香りを漂わせている。
「暑い日に鍋ってのもいいもんだな……!」
「俺にも、俺にもくれぇ!」
 色気より食い気の男がまた数人呪縛を断ち切り走って来る。
「大豆……、大豆はいいぞ、っゃっゃふっくらな黒豆の艶やかさや剥きたて枝豆の瑞々しさには華と人類の夢が詰まっているが、それだけじゃない、普通の大豆だって未来への限りない可能性を秘めている」
 と、大豆愛が溢れ出る銅 蒼桜は夏野菜の味噌田楽焼きとはしまきの製作に取り掛かっていた。
 もちろんはしまきの生地は一部大豆を使い代用している。
 凄まじい大豆愛である。
「来世人にとって日常的なものでも、寛永人にとっては非日常、つまりハレに属するものである場合もまた……ある」
 とか何とか。
 彼の調理台には大豆が大量に積まれているが、それが華麗に調理されていく様は見物客の興味を惹くようで、見た目にも派手なはしまきが焼きあがる度に大きな歓声が沸き上がった。
 活気を見せる祭り会場であったが、まだ完全に声を断ち切るには足りない。
 世の中には食い気より色気な助平なお兄さんたちは大量に存在するからだ。
「お、お、お姉さぁああああん!!!」
「くっ、防ぎきれないか……!」
 カレーよりおっぱい。はしまきより太ももが大好物の男達は、脇目も振らずに人魚達へと向かっていく。
「待てい! こちらに注目! なのじゃ!」
 そこにどどんと登場したのはぷりけつ☆大作戦を決行するヤームル・アイマーヴィと柴犬のクロであった。
(せくしー、か……ならば水際の柴えんじぇる、こと、わしとクロの出番じゃの……)
 ちゃらっちゃちゃらちゃらちゃちゃっちゃちゃー。
 スマホから流れ出すセクシーBGMに合わせ、ぷりもふのクロがセクシーにお尻をふりふり。
「ふふ……艶めいた漆黒の天鵞絨の如きその柔らかな肢体、ふわりと揺れるたわわな尻尾、豊かな桃の如き膨らみを包み隠さず貴方の為に御覧に入れようぞ……さあ、こちらじゃ、こちら」
 ハンドマイク片手にヤームルの渾身のセクシーボイスが男達へ語り掛ける。
「よ、ょぅじょォォォォォォォ!!!!!!」
 ぷりっけつを惜しげもなく晒しているのはクロだったのだが、何故か危ないおじちゃん達が数人釣れた。
 救い出すどころか別の事件がおこってしまいそうな勢いで会場へ走る彼らに、ドゥンと体当たりをかましたのは河童の着ぐるみを着た――山王祭非公認ゆるキャラ、河童の妖精シナッシーである。
「ひゃっはー!!!!」
 青汁ぷっしゃああああああああ!! 中に人などいない、妖精ったら妖精だ。
「うわぁ、何だこのおっさんは!!」
「ぎょぎょぎょ、大変だナッシ―! このままだと大勢の人が海に引き込まれるナッシー! シナッシーに任せるナッシィイイイイ」
 青汁を撒き散らし(エア)身体を張って男達を止める妖精さん。
 何人かの走る速度が上がったような気がするのは気のせいだろう。
 騒然となる場に、どんと響き渡る和太鼓の腹に響くような大きな音。
「私たちの音頭を聞け~!!」
「おお、祭りだ、祭りだ!」
 どんどこと鳴り響く太鼓の音は矢張り祭りの華――、多くの者が正気に返り、足を止め会場を見やった。
 こんな事もあるかとは思ってはいなかったけれど、持ち込んでいた和太鼓が役に立ったと、田中 カナタが清めの音を叩き込む。
 前に所属していたアイドルグループの隠し芸で皆で和太鼓の演奏をしたのだが、まさかその時の経験がこんな所で役に立つとは思わなかった。
「見せてあげるよ、素人に毛が生えた程度のバチ捌き!」
「おら、あんな半魚人の色仕掛けに負けてたまるかよ!! こちとら取れたての魚よりもピッチピチだぜ!!」
 カナタの親戚でありアイドル仲間でもある土方 萌も、威勢よく太鼓を打ち鳴らす。
「私の歌も聴けーーーー!」
 太鼓の演奏に合わせ、マルグリット・ニッタがハンドマイクを構え歌う。
 力強い歌唱は太鼓の音に負ける事はなく、熱く、激しく、いつもと同じよう、全力で楽しんで。
「さあ、皆も歌うんだ! そして踊ろう!」
「もう一曲いくわよー!」
 歌と聞けば本職アイドルとして黙っていられない。歌も戦闘だと気合いを入れて歌う沖田 芽衣子に、太鼓と歌に合わせ踊る霧ヶ峰 えあ子の可憐な踊りに、会場は熱く盛り上がった。
「ウオオオオオオオオオ!!!」
「カナタちゅわああああん!!!」
 ペンライトこそ無いものの、はしまきの箸を持った男らがヲタ芸よろしく声援を送る。
「まだまだいくよ、そぉれっ!」
 どどん、と会場に響くカナタ達の太鼓――、その音は食料調達に向かっていた由良 悠頼由良 紫苑兄弟にも届いていた。
「盛り上がってんなー、早く帰らないと皆腹一杯になっちまうな」
「そうだな、新鮮な内に調理に入ろう」
 祭りの支援をしていたという漁師から買った活きの良い貝に魚、兄と同じく大量の食材を抱え、揃いの半被を着た紫苑が楽しそうに料理の計画を話し合う。
「祭りでいい匂いって言ったら、イカ焼きとかおむ焼きとかそのへん? あ、氷ごりごり削ってかき氷も作りたいかも」
「俺はそのまま焼いてバーベキューを作ろうと思っているが。お前タレの作り方わかるか?」
「それ最高!」
 楽しげな計画を交わしながら、祭りの喧騒へと帰っていく二人。
 ちょうど絃瑞のカレーも出来上がったようで、会場には人だかりが出来ていた。
 辛い物の次は甘い物が食べたくなるのが常というもの――きゆ達のかき氷も中々に盛況だった。
「祭りだ祭りだァアアアアア!!!」
 そんな中、会場のど真ん中、祭櫓(まつりやぐら)に降臨した二つの影。否、一つはすっげぇ光っている。まばゆい。
「我ら来世人、見参、で、R!!」
「な、なんだありゃあ!!?」
 男が海鮮鍋の皿を取り落とし、櫓の上に釘付けになる。
 眩いそのてっぺんには、艶めかしくも力強いポーズを決める、無理矢理にねじり鉢巻きを頭に巻いた――そう、白羽瀬 倫太郎さんがいた。
「漢たる者、必ず二つの玉を宿すの、で、R。さぁ、金のタマを持つごおるど戦士、大和男児よ! 集うの、で、R!!」
 その股間のフランクフルトには紐でくくりつけられた――バチ。
 彼の目の前には――そう、和太鼓『女木島』。
 説明しよう! このど派手な和太鼓女木島とは女木島の住吉神社に伝わる、長さ70cm幅60cm程度の打楽器である。暴れ太鼓と称される物の1つで、荒々しく転がしても壊れづらいよう随所が補強されている――説明終わり!
 つまり、荒々しく叩いてもだーいじょうぶ!
「視覚と聴覚に訴えるの、で、R!」
 言って倫太郎さん、大日如来真言で煌々と光りを放ち――。
「光る!」
 そしてまるで闘牛のような腰使い、ぐいんぐいんと回転する姿はまるでシャウエッ〇ン! 高級の味をご家庭に!
「回る!!」
 当然くくりつけられたバチは力強く振られ――!
「音が出る!!!」
 ドォオオオオオオオオオオオオン!!
 ラグナロクの扉は今開かれた。人類はここから始まるのだ。いや、ちょっとまだ時代が追いついていないかもしれない。こんなプレイみた事ない。
 でも浜辺に向かってた男らも茫然と立ち尽くしてるから効果はあったかもしれない。
「うおおおお倫太郎には負けてられねぇ! ちょっと光るからっていい気になんなよ! これが漢の喧嘩太鼓だ! ソイヤ! ソイヤァ!!」
 踊り狂う竿のお隣、太鼓の反対側をドンドコ叩くのは不知火 焔羅である。
 法被に褌、ねじり鉢巻き、伝統的なイッツアマツリスタイルで太鼓を打ち鳴らす焔羅。これぞお祭り男である。
「倫太郎の頭に鉢巻巻くの、つるっとしてて難しそうだな!」
 完璧なバランスで巻かれた鉢巻は見た感じどんなに動いてもずれる気配がない。
 原理わからないけどきっと来世人的な何か凄い力が働いているのかもしれない。
「うおおおお、俺を見ろー! 俺の歌をきけぇー!!」
 下の会場でカナタらの歌に聞き惚れる男らをびしっと指差して、焔羅がハンドマイクを構え吠える。
 差した指はカナタ達、アイドルグループ勢に向けられる。
 ここに来世人達による対バンが始まろうとしていた――!
「そんな声じゃ櫓のてっぺんまで届かねぇぜ! ソォレ! ヤーレンソーラン! ハイッハイッ! カラダが!! 夏になーるッ! ボェ~!!」
 ノリノリで歌い始める焔羅の姿はまるでジャイア……ごほっごほっ。
 地を揺らすようなその大音量に、負けじとマルグリットが声をあげる。
「それじゃこっちも次の曲だ、夏のORION☆座!」
「皆も一緒に踊ろうー!」
 えあ子の手拍子と共に、会場の男達が彼女らを真似て手を叩く。
「ふっ、盛り上がってんな! ビーチのギャルも、野郎どもも! 熱い、アツイ夏にしようぜイェーイ!」
 テンションマックスの焔羅が櫓の上で法被を脱ぎ捨てる!
 そのまま褌も脱ごうとしたけど正義の妖精シナッシーのタックルでストップかかりました。よかったね。

◆水際の戦い
 銀 煌人の操る機巧・隼矢が上空を旋回する。
 上から見た景色を仲間に伝え、呼ぶ声に招かれた大和人達の動きを注意深く確認していた。
「ひゃー、あっちは賑やかやなぁ」
 盛り上がった歌がこちらにまで響いて来ている事に、蓑下 海里が楽しげに笑う。
 あちらにはあちらの、こちらにはこちらの仕事がある。
「……しゃあないねん。エロエロちょっきんなーを倒すには引っかかりやすい服着なしゃあないねん」
 自分の仕事は浜辺の処理である。
 処理部隊には男が多い、ならば空から来るエロ切り大先生には数少ない女性陣の自分がこういった格好をするしかないのだ。
 という訳で本日の海里さんの格好は大先生も大好きセクスィー紐ビキニであります。
「エルォ……」
「エルォ! エルゥゥウウウオオオオオオオ!!!」
 早速空から降臨された大先生達が、歓喜のあまり巻き舌混じりで興奮しだした。
「エロオオ……エロ……ぺろ……ペロペロペロペロエロペロペロペロ!!!!!」
「ペロペロペロ!! エロペロエロペロエロペロペロペロエロ!!!!」
 高速回転する大先生の舌はまるで別の生き物が憑依したかのよう。
 怒涛の勢いで海里に殺到するエロ切り。レク倫なんて関係ねぇ。
「うわっ、きもい!」
 prprしようと鋏を振り翳す大先生を分身の術で躱し、縄ひょうで絡め取る。
 そのまま殻の合わせ目を狙って山姥包丁を刺――すもいかんせん数が多い。
「わっ、ちょっとたんまや!」
 それほど数が多くないと言っても、その場のほとんどの大先生が海里の紐を狙っているのだ。おちおち立ち止まってはいられなかった。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオエルォオオオオオオオオオオオオ!!」
「お止めなさい!」
 危機一髪の彼女を救ったのは大門 豊のカトラスの一閃であった。
「手加減はしませんよ! エッチなのはいけないと思います!」
「ひあああ、おおきに!」
「無事か、援護するぞ」
 影縫ノ術を成就させ大先生の動きを止めたヤズゥン・ディガのお陰で状況は一気に有利に転がる。
「おい、こっちにもかかったぞ」
 沓ノ屋 颯樹の作戦は、漁師用の網を仕掛け、紐を何かこうエロく曲線描いてゆらゆらゆらして大先生を誘い出す事だったが、大漁――とは言えずとも、一匹のエロ切りさんが網にかかっていた。
 相変わらずえろそうな顔をしている。
 大先生、えろけりゃ何でもいいのかしら。そこに信念はないのかしら。
 でもそのえろい曲線を描いたのは残念ながら野郎でした。
「……よし」
 そちらのエロ切りにもヤズゥンが影縫をかけている間に豊が斬る。そうして大先生達は次々と駆逐されていった。
「ああ……行かなきゃ……行かなきゃ……」
 そんな中、彼らの前にふらふらと幾人かの大和人の姿が現れ始める。
 祭りの盛り上がりで相当な人数が正気を取り戻したようだが、それでも全てを止める事は出来てはいなかった。
「その為に俺らが待機してんだってな」
 にっと笑みを浮かべ、男達の前に立ちはだかったのは鈴城 透哉だ。
「犠牲者出して祭りに傷残す訳にいかねぇ。ここまで来たって事は聞く耳持たねぇ野郎だろうからな、悪ぃけどここで大人しくして貰うぜ」
 投網で纏めて男達の動きを封じ、楽しげに、祭りの一環と思わせるような明るい声で男達に声をかける。
 楽しませるような戦い方をすれば、きっと男達も安心するだろう。
「ひゃっはー!!!!」
 そうして男達を止める為ためにかけつけたのは妖精シナッシーである。
 青汁ぷしゃーしながら海を背に男達へ向かい合う。
 これが、ただのシナッシーなら男達を止める事など出来なかっただろう。
 そう、ただのシナッシーならね。
「シナッシーいや宇宙刑事ダンサン! 変身の時だ着服と叫ぶんだ! 俺は宇宙無職ゴーストブリサン! 日本の衣服は俺達が守る!」
 そう叫んだのは九条 鰤――いや、マスクを装着してかっこよく決めた宇宙無職ゴーストブリサンである。
 力強い仲間の声援に応えるように、シナッシーは腕を掲げた。
「着服!」
 シナッシーが叫ぶ。とっておきの変身台詞だ。
 BGMとエフェクトは脳内で補完して下さい。
「水際まで来ないのが一番だったけど、そうもいかないみたいだねぇ。……シナッシーあんたならできるさ」
 変身中ロスタイムに傍らで壷中天道術を使用した池袋 春子によって、男達は彼女らともども特殊空間へと引きずり込まれた。
 ここなら邪魔も入らないと、シナッシーへと語り掛ける。
 だが、妖精――妖精だったものは、不敵に笑ってみせた。
「シナッシーではない、宇宙刑事ダンサンだ!!!」
 じゃっじゃーん。
 何とシナッシーはただの河童の妖精ではなかった。
 正義の味方、宇宙刑事ダンサンだったのだ!
 男達は春子の呼びかけによってとっくに正気に戻っていたけど、現代日朝SHTなノリがわからなくてとりあえず拍手していた。
 そんなノリに巻き込まれなかった砂浜の中継に戻ります。
「海からも空からも来やがる上にフラフラ行っちまいそうな連中まで……ハッ、大混乱だなァ!」
 御剣 恭は猿飛ノ術を駆使し、次々に来る男達の足を引っ掛け柄で殴り、男らを煽っていく。
「オラオラ! 祭りにゃ喧嘩が付き物だぜぇ!」
 そんな恭の煽りを受け、江戸っ子男達が黙っている訳はなかった。
「はっ! なんでぇ、受けてたつぜ!」
「てやんでぇ!」
 正気を取り戻し、乱闘を始める男達はどこか楽しそうだ。
 武器は使わずそれに混じっていた、恭が口端を吊り上げる。
「ハッハァ! ナンタラと喧嘩は華だってなァ!」
 ここはもう大丈夫だろう、派手に喧嘩を始める男達の間を加速ですり抜け、次いで人魚達の対処へと回る。
 恭の耳にもくだんの声は響いていたが、そこにはそれほどの魅力は感じなかった。
 水際で顔を出す人魚達は、目論見が外れたのか悔し気な目をこちらへ向けている。
「喜怒哀楽、感情は四季みたいなもんさ……。一つじゃいけねぇ、視野が狭いヤツから取り込まれちまうからな」
「どうして……邪魔をするの……?」
 人魚の声は極めて甘く、弱い。まるでこちらが悪者のような気になってしまいそうだ。
 けれど彼は笑みを崩さず、ひょいと海面へ目線を向けた。
「邪魔しなかった場合、お前らあの男どもをどうしてた? まさかお手々繋いで遊びましょうってんじゃないんだろ?」
 ゆらゆらと蠢く蛸の足のような触手は、近付けば危険であろう事を直感させた。
 指摘を受けた人魚は儚げな仮面を貼り付かせたまま、歪に嗤う。
「ふ、……ふ……ふ、……さァ、どうしてたとオモウ?」
 ぴり、と空気が凍り付く。
 それと同時に恭は武器を抜いた。
「やっぱ悪い人魚か、あんた達。……なら逃がしてはやんねぇぜ!」
 駆け付けた透哉が三鈷杵を振り翳せば、正体を見せた人魚らの触手が応戦して来る。
 難しい事を考えるのは不得手だった。ならば、目の前の敵を倒すのみだ。
「背中やみんなは任せたぜ、霧原さん!」
「了解。……荒っぽいのは苦手なんだけどねえ」
 透哉の後方、霧原 矢塚が呪禁道術を唱え、火縄銃を構える。
「存分にやってくれ」
「よっしゃ! 悪い奴きれいさっぱり退治して良い人魚も一緒に祭り楽しんで、終わり良ければ総て良し! ってなりゃいいよな!」
 矢塚の声に背中を押され、前衛陣が海へ飛び込んでいく。
「馬鹿が、海で私達にかなうと思うな! そのまま飲み込んでやる……!」
 人魚の触手がまるで巨大な口のようにがぱりと開く。
 その根元には、ぬらめく牙の生えた大穴が空いている――やはり、男達を呼んだのは食らうためだったのだろう。
「そこだ――!」
 その触手の根本目掛けて、煌人の弓矢が放たれる。
 雷の力を乗せたその一撃に、人魚の絶叫が響き渡った。
「ぎぁ、あああああああっ!!!」
 視界外からの反撃は予想外だったのか、人魚らが取り乱す。
 そのまま二度、三度、冷静に狙いを付けた煌人の手から、鋭い狙撃矢が放たれていった。
「お待たせやで、怪我人はウチの魔法と救命士の技術で何とかしたる! せやから皆、片っ端から攻撃頼むで!」
 エロ切りの対処に当たっていた海里らも戦闘に駆け付け、場は乱戦となった。

◆海の底の戦い
 一方海の中お平の屋敷へ向かう来世人一行は、屋敷前を取り囲む一角鮫の群れに行く手を阻まれていた。
「困りましたね……」
 機巧の亀に乗った水上 澄香が困ったように眉を下げる。
 霊修とは違う鮫の行動は不思議だったが、屋敷へ入るにはあの鮫をどうにかしなければならないだろう。
 けれど他に良い代案が出る訳でもなく、そもそも時間はそうある訳では無い。
 お艶の姿は辺りには見えない、という事は、彼女はすでに屋敷内に侵入してしまっているのだろう。
 鮫の対処に追われている間に、お平達が殺されてしまっては元も子もない。
「人魚にも攻撃的な種があったのですね……。ヒト同士も争いますので、言えたものではないですが」
 ぽつりと呟いたのは空木 椋だ。彼は来世人らの前に出ると、鮫の奥にある屋敷への扉を指した。
「ともあれ、このままでは被害が広まるばかり。屋敷までの道を切り拓きましょう。僕達が惹き付けている間に、皆さんは屋敷の中へ」
「……気を付けてな」
「セクシーは私だ! と言いたいところだが皆の為に道を切り拓くのもまた、アイドルの仕事なので仕方ないな!」
 気遣う言葉に笑顔を返したのは森住 ブナだった。
 危険なのは外も中も同じだ。なにせここは海の中――地の利は完全に彼ら側にあるのだから。
「んじゃ任せっぜ!」
「いてらー、アイドルの座を奪おうとする悪いオンナ、必ず倒してきてね!」
 平口 工助の声にひらひらと手を振って返して、ブナを初めとする鮫引き付け部隊が前へと進む。
「行きます」
 最も速く動いたのは、水中の対策を万全にしてきた赤井 狐弥だった。
 最小限の動きで振り下ろした三鈷杵を鮫に打ち付ければ、それが戦闘の合図となった。
「ガァアアア!!」
 来世人らに気付いた鮫達が、一斉に牙を剥く。
「こちらに足場があります、皆さんお気をつけて!」
 澄香は、震える自分の手を握り、亀を使い見つけ出した安全なルートへと仲間達を導いた。
 少し前に負った痛みは、未だ身体が覚えている。
 戦闘は、怖い。けれど、ここで逃げ出す訳にはいかなかった。
「皆さん無事に勝利して、人魚さんと一緒に戻って来てくださいね」
「ああ、澄香も気を付けて!」
 屋敷へ向かう仲間らを追わせまいと、鮫達に向き直る澄香。
 海の中を縦横無尽に泳ぐ鮫達の足止めは困難で、屋敷に向かう彼らの何人かは鮫による怪我を負っている。
「こっちです!」
 鮫の気を惹こうと、澄香が声を張る。
 いざとなれば、盾になってでもここは通さぬと、真っ直ぐな瞳には怯えと、けれど確かな意思があった。
 そんな彼女を格好の標的と見なしたのだろう、鮫の一匹が澄香目掛けて突進してくる。
 水中で彼らの速度にかなうはずも無く、来るであろう痛みから無意識に自分を庇おうと彼女は目をつぶった。
 けれど、痛みは降る事は無く――目蓋を開けたら、目の前に水中には不釣り合いな緑の色が見えた。
「全く……折角の海の山王祭。水着を着て美ボディを披露する予定がまた河童装束だなんて――」
 水中での動きを最優先に、緑色の河童装束に身を包んだ高杉 蘭子の魔眼による一睨みで、鮫の動きが止まっていた。
「……成程、この一角鮫の包囲網を潜らないとお平様の館へ行けないのですわね。――ってワタクシを鮫退治専門だと思ってないかしら?」
 一角鮫の霊修は縄張りの防衛である。鮫が何体いるかは分からないが、各々が各配置を守っているのかもしれないと考えた蘭子は、先遣隊へ鋭く言い放つ。
「散り散りに動くのではなく、包囲網の一角を狙って抜けて下さいませ。隙はこちらで作りますわ!」
 凛と言い放つ蘭子の言葉に頷く来世人ら。
「蘭ちゃん、五月蠅い敵はあたしが引き付けるから、巧く隙をついてやっちゃってね!」
「私も援護します!」
 蘭子の陰に隠れながら、大門 静も鮫機巧のシーシャークを使い援護に回る。
 時に追い立て、時に突進し、その動きは鮫達の注意を引き付けるには十分だったようだ。
 その間に潜入組が屋敷に入ったのを見て、蘭子が満足そうに頷く。
「ところで……フカヒレって、美味しいですよね」
「ふふっ、終わったら一匹持ち帰りましょうか?」
 静の言葉に言葉だけで軽口を交わして、蘭子が水底を蹴り、氷の力を持つ舞いを踊る。
 数体が一気に凍り付き、それでも鮫の数は未だ多数あった。
「やれやれ、骨が折れそうですね……」
 その間に外敵の侵入を防ぐため、椋が入り口の扉を塞ぐものの、鮫が来世人らを追って屋敷に入る気配はない。
 どうやら完全に屋敷の周囲の敵を排除する役割を負っているようだった。
「なら、何の気負いもなく戦えるな」
 足止め役の来世人らは上手く連携して着実に鮫を仕留めている。
 阿修羅王真言を成就させていた海動 涼が、バルキリーランサーで角を折られた鮫の腹を貫き、ふっと笑った。
 水の抵抗で武器の効果が薄いなら最小の動きでの刺突を。
 やはり水中での動きはあちら側に有利であるが、不利を嘆くようなやわな性格はしていない。
「分の悪い賭けは主義ではないが、大和人や困っている奴のためならどうなろうと俺は全力でやらせてもらう、それだけだな」
 言って、次の鮫へと攻撃を加える。
 鮫もただやられる訳もなく、長い角が、鋭い牙が何度となく肌を裂いた。
 それでも少しも怯む事なく、彼は槍を振るう。その表情は何処か楽しげですらあった。
「まったく、涼の蛮勇にも困ったものじゃな。まあ、そこが涼の良いところでもあるのじゃが……」
 杜若 カンナが涼の背を眺め苦笑を洩らす。
「わらわも一緒に一角鮫の討伐をさせてもらうぞ」
 そうして武器を握った彼女も、襲い来る鮫達へと向かっていった。
「角を破壊出来ればこちらのものですわ」
 魔眼を駆使し、動きを封じ角の破壊を狙う――仲間の戦闘を有利に回すよう、角を破壊していくという蘭子の作戦は、確実に身を結んできていた。
 こちらに制限時間はない。無論体力の底はあるのだが、焦る必要は無かった。
「さあ、次はどなたが相手ですの?」
 水中漂う血の匂いに興奮し牙を剥く鮫に向けて、彼女は挑発するように微笑んだ。

◆屋敷内の捜索
 屋敷に侵入した来世人らは、お平を探す者とそれ以外の人魚らを保護する者らで別れる事となった。
「お平様はこの一番奥にいらっしゃいます……!」
 凪の先導で、お艶を追う一行は先を急ぐ。
 いささか余裕の無い表情の華音 雪歌に声をかけたのはヴィオラ・イリューシアだ。
「随分と入れ込んでるわね。そのお平さんとやら、惚れてるのかしら?」
「……うん。情を交わした相手だもの。見捨てたら男が廃る。……彼女もその仲間も、助けたい」
 実際事を致したわけではないのだが、かなりいいとこまで行った。雪歌の判定的には実に脈ありな所まで行った。雪歌の判定的には。
 既知の相手の珍しく真剣な表情に、ヴィオラは頷き目を細める。
「ここで人魚と友好結ぶのも悪くないし、お平さん側も見知った凪や雪歌が居れば疑心暗鬼が解けて話が通じ易くなるでしょうからね。……ここは雪歌に免じて一肌脱ぎましょうかしら」
 雪歌に続き、ヴィオラはヒデコ・ルーラと共に他の人魚の救助にあたった。
「ヴィオラさんの様なみだらな格好は堕落なので注意しようとしたら手伝うことになりました。あれ?」
 首を傾げながらも手伝いを申し出たヒデコに礼を告げ、ヴィオラは凪らとは別の道を駆けだした。
「まだきっと間に合いますよね……」 
 花織 ひとひらは屋敷内の他の人魚を探しに出た。
 入り口付近は手酷く暴れた後があったものの、屋敷内は想像よりも荒れてはいなかった。
 ――恐らくなるべく無傷でこの屋敷を奪いたいのだろう。
 種族の諍いはどうしようも無い事かもしれない。けれど、みすみす奪われる命を放っておく事などひとひらにはできなかった。
(どうか無事に山王祭が終わりますように……)
 知覚を頼りに慎重に廊下を進む。
 衣装抵抗を減らすためたすきで袖を括り、部屋を見付ければひとつひとつ丁寧に探索する。
「俺が先行しよう」
 同じように考えていた大狼 忍が、土遁ノ術で地の下を進み辺りを確認する役を担った。
 声をかける事が出来れば早く見つかるのかもしれないが、この屋敷内には海神人魚もいるという話だ――目立つ事は避けたかった。
 何より、人間を警戒しているらしい彼女らは、自ら出てこないかもしれない。
 地上に出る際には神代の蓑を纏い透明化して、確実に敵との戦闘を避けていく。
「……どこかに纏まって避難しているかもしれないな」
「はい。……探しましょう。きっとまだ生きて助けを待っています」
 忍の言葉に頷いたひとひらは、急ぎ次の部屋へと向かった。
「おぅ! ミアミスト一緒に行こっぜ! 頼りにしてっぜ、ヨロシク!」
 工助はミスト・カイザーミア・カイザー姉弟と共に、人魚の探索を行っていた。
 先に凪から聞いたところによると、逃げている人魚の中には自分の顔見知りの者もいるようだ。
 上手くその人魚を探し出す事が出来ればいいのだが――と思っていた矢先に、廊下で鉢合わせた禍々しい触手付き人魚の姿に、彼らは迷わず武器を取った。
「このぐらい見た目が違うと目標を間違えて斬る心配がなくて良いでござるな!」
 斬鉄ノ太刀を付与した忍者刀を薙いだミストに続き、ミアが太上神仙秘法道術で援護を行う。
「そうだね、普通の人魚さん近くにいないかなー?」
「まあ隠れててくれっと丁度いっぜ――、要は敵を全部倒せば人魚は助けられっだろ」
 追う側に立っていた海神人魚は、突然の見知らぬ姿にすぐに対応が出来なかったようだ。
「なんだ、お前達は……!」
 混乱する人魚に向け工助が突進する。その勢いのまま相手の触手に武器を突き刺した。
 痛みに絶叫し、逃げ出す人魚を追う事はしなかった。
「音立てて他の敵呼び寄せるつもっだったが、……叫んでくれたお陰で手間がはぶけっぜ」
 異変を知った海神人魚らはすぐにでも集まってくるだろう。
 三人での戦いを生かせるよう、閉所に布陣し敵を待つ。
「この間に人魚さんが保護されてるといいんだけどね」
 既に次の敵を見据えるように廊下の先に視線を向けたミアが、来る戦闘に向け不敵に笑んだ。

「しっ。静かに。私達は敵じゃありません。凪さんからお平さまを助けて欲しいと頼まれて来た来世人です」
 工助らの作戦と忍の作戦が功を奏し、人魚を探す者達は、敵に見つかる事なく逃げ隠れていた人魚達と接触する事が出来た。
 状況が状況だけに警戒心を露わにしていた人魚達だったが、ひとひらの機転で出した凪の名と彼女から借りた竜宮の指輪が良かったようで、逃げられる事なく話をする事が出来た。
 救出した人魚達と共に隠れられそうな所を探索すれば、無事だった人魚が次々に発見された。
 中には傷を負い命からがら逃げ出した者もいて、怪我人の手当ても急遽行われた。
「で、今回の騒動の原因は? 貴女達、この屋敷を捨てるのか否か、どっち?」
 ようやく打ち解けてきた人魚らに、ヴィオラが訊ねたものの、人魚達は首を傾げるばかりだった。
 曰く、相手が海神人魚だから。
 曰く、屋敷を捨てたら私たちはどこへ行けばいいのか。
 この海の底の立派な屋敷は、人魚達にとっては貴重な住処であるらしかった。
 だからこそ、敵勢力である海神人魚も欲しがったのだろうか。
「大工さん呼んできて、海の底に他にもお屋敷建てて貰う……じゃあ解決しないかしら?」
「ううーん、難しいですねぇ」
 これだけ広い海の底。憎み合う明確な理由がないのだとすれば、どうにかどちらも戦わずに矛を収められそうなものなのだが――人為らざる彼女らの価値観は、人間である自分達には理解出来ないのかもしれない。
「とりあえず、皆さんは安全が確認されるまでここに隠れていて下さい。私達は、平口さん達の助けに行きましょう」
 遠くで鳴り響く戦闘の音は、ひとひららのもとへも届いていた。
「外の敵が減ったら、ひとまずは外に避難しよう。逃げ場の無い室内にいるよりは安全なはずだ」
 人魚達の護衛に残る事を申し出た忍は、駆けて行く仲間らに向け、気を付けてなと声をかけた。

◆お艶との再会
 屋敷の奥――お平の元を目指す来世人の中には、敵であるお艶と面識がある者が多くいた。
「こんな事もあろうかと河童飴を持っていた」
 お艶とお平、どちらとも面識がある吉弘 龍重が先行する。
 これで助けに行かねば男がすたる!と――。
(そして、お艶さんに問わねばなるまい。なぜこんなことをするのか、と! あの俺たちの夜は嘘だったのか、と!)
 放送出来ないあの熱い夜、彼は覚えている。
 あの色っぺーお肌……じゃなかった、あの時のお艶に敵意は感じられなかった。
 対話は可能だ、と考える。それは龍重だけではなく、お艶と邂逅した者全員の総意であった。
「……あの女性が人を喰う人魚やったとは。僕の見る目も大概やね」
 ぽつり、どこか寂しげに呟いたのは潤賀 清十郎だった。
 言葉を交わしたのはつい先日の事だ。
 あれは何かの始まりだという予感はあった。
 けれど、それは決して悪いものではないと思っていたのだ。
「まあ、裏に何がいるのか……上手く聞き出してみましょう」
 五百田 衛もまた、お艶と縁のある一人であった。
「お艶さんとは面識がないけれど、お平さんとは夜を過ごした仲だわ」
 お艶と同じく、お平も祭りの最中来世人に接触して来た人魚であった。
 升田 千絵代は悪戯めいた微笑みを浮かべ、勘違いしないでよと冗談めかした。
「……人間を喰らう海神人魚は見過ごせないし、お平さん達を救うにはお艶を倒す他ないわ。今はとにかく先を急ぎましょう」
 若しくは、焦る凪の緊張を和らげようとしたのかもしれない。
 硬い表情の彼女を励ますように相葉 楡が凪の肩を叩く。
「大丈夫だ、俺達が何とかするから」
 魚の尾を持つ神秘的な種族、人魚。
 楡が初めてあった人魚は、溺れた人間を助けてくれた。
 その人は助からなかったけれど、恩に報いるのは事実を知る者の役割だと、――いつか人魚に報いなければと望んでいた。
(いや、おこがましいか)
 彼もお艶と邂逅した者の一人である。今回討たなければならぬであろう彼女もまた人魚なのだ。
 どちらかを選ぶような立場ではないと思う。
 けれど、同じ人魚とは言え人間を食料とする人魚がいるのならば、それは即ち敵ではないかと。
 彼女たちの為だけではない、人間の為の戦いでもあるのだとそう結論付ける。
 救う対象の彼女らとは、ただ救世主としての距離ではなく、共に戦い、対等に手を取り合っていけたらと思った。
「ああ、来世人様、ありがとうございます……」
 何より、目の前の泣き出しそうな彼女を放っておく訳にはいかない。
 凪に導かれ、一行はどんどんと屋敷の奥へ進んでいった。
 そうしてすぐ後に、声は響いた。
「いやああああああああっ!!!」
 目指す先からの悲鳴に、来世人らは弾かれたように壁を蹴る。
「あそこがお平様の部屋です!」
 今にも泣き出しそうな凪と共に部屋に駆け込めば、そこには惨状が広がっていた。
 数人の人魚らが傷を負い倒れ、部屋の奥には巨大な触手を生やした妖艶の美女――お艶が佇んでいた。
 彼女の禍々しい触手の先はとある人魚の首に絡み付き、数人の人魚らが彼女を救おうと泣きながら武器を手に取っていた。
「お平様、お平さまぁ!」
 捕えられた彼女こそがこの屋敷の主、お平であるようだった。
 彼女の顔色は悪く、けれど決して屈しないと言わんばかりの眼光は、触手に首を絞められながらも鋭く光っている。
「そこまでや、お艶さん」
 静かに、けれど鋭い声を放ったのは清十郎だ。
 男の声が意外だったのか、それとも予測していたのか――、一瞬だけ動きを止めた異形の人魚は、笑みを深めて彼を見返した。
「あら、またお会いしましたわね。……今宵の月は綺麗かしら?」
 交じり合う視線の中に、少しだけの期待が含まれているように思えたのは気のせいだろうか。
 自分はまだまだ甘いと心中で再度覚悟を決めて、清十郎は一歩踏み出す。
 会話の意図は、仲間の準備と時間稼ぎ、それに情報収集と――自分自身のけじめの為だった。
「その人を殺す事は、種族の繁栄の為なんか? 同じ言葉の通じる人魚同士、どうしても戦わなあかんのか――辛くは、ないんか?」
「……お優しいのね。その優しさで、私の生き方を理解してはくれませんの?」
 あの夜の海辺のように、あの夜の空の下のように、穏やかな空気が流れたように思った。
 けれど、彼女の姿はまるで違う――血の匂いが染み込んだ歪な巨躯は、どれだけ見返しても以前出会った彼女とは重ならない。
 それは他者を虐げ、喰らい、奪い、強まった法力の影響なのだろうか?
「人を、喰わずには生きられへんのんか」
 きっと、答えは一つなのだろうとは解っている。
 それでも問わずにはいられなかった。言葉を交わし、想いを交わす事が出来るならば、互いの共存を選ぶ事が出来るのではないかと。
「……馬鹿な来世人様ね。人間だって家畜を喰らい、植物を喰らい、自分の血肉になさるでしょう? それと何が違うのかしら? 人を喰らえば悪い女、喰らわなければ良い女とでも? それは傲慢と言うのではなくて?」
 すっと細められたお艶の目からは、いつの間にか感情が失せていた。
 来世人らを仲間に引き込む事は出来ぬと、今の対話で察したのだろう――巨大な触手が拒否を表すように来世人らへ向けられた。
「お艶さん。ならば何故食料の一人である俺達に会おうと思ったんだ? ……この人魚達を殺すのは食う為じゃないんだろ? 誰かを無為に傷付けるのは悪っぽいぞ!」
 触手に怯むことなく前に出たのは龍重である。
「もしかして俺を取り合ってるなら、大丈夫。俺は女性皆を愛すよ!」
 どどんと広げられる腕。彼は至って真面目に本気であった。
「ふふ、ならば愛する女の為にここの人魚どもを皆殺しにしてくれませんこと?」
 にい、と笑んだお艶の唇が怪しげに歪み、その目が敵意をあらわにする。
「! 下がって!」
 いつでも斬りかかろうと隙を窺っていた藤枝 桜花が鋭く声をあげたと同時に、お艶の触手がぼこりと奇妙な音を立てた。
「アッ――!」
 凄まじい力の触手に絡み取られた龍重が、あっという間に身動き一つ取れなくなる。
 振り解こうともがくものの、ぬめりも相俟ってびくとも動かず、触手は遊ぶように彼の肌を嘗め回した。
「くっ、俺は……されるよりする方が好きだぁああああああ!!!」
「……まあ、あれだ、龍重とりあえず生きろ」
 由冬 右一が片手に掲げたブランドぱんつ。大きく腕を振りかぶって捕えられた龍重に投げといた。
 服が濡れたり破れたりしたら放送出来ないから、わかるだろう?
 何なら被って気合い入れるもよし。
 友人からの心の籠った(本人は始終真顔である)贈り物、龍重に届いただろうか――?
「……さっさと片付けてしまいましょうか」
 クールビューティー桜花さんはそんなやり取り微塵も気にせず、真っ直ぐに太刀を構える。
 目標は唯一体――。
 因みに余談ではあるが彼女の服装は妹たちに任せた結果の超セクシービキニ一丁。本人気付かずそんな事全く気にせずいつも通り戦うものなので今にもあれとかそれとかぽろりしてしまいそうですが本人全く気にしてないようですまる
「行きます!」
 猿飛ノ術で加速しお楽しみ中のお艶の触手を突きで貫く。
 魔法により防御膜の張られたそれへの手応えは薄いものの、効かぬ訳ではないようだ。
 身を翻し、桜花は追撃の突きを続けた。
「さて。一応は親だもの。いざという時は援護しないと、ね」
 桜花の援護に回っていた藤枝 藤花が彼女に続き武器を振るう。
 ちなみにお母様のお水着はムタンガです。
「お前、自分の意思でこの屋敷と人魚達を襲ったのか? 誰かにそそのかされたとかじゃねぇよな?」
 莱堂 凌駕が水中ライトを使い触手を照らし、仲間達の視界を開く。
 お平の絡められた触手を一瞥し、凌駕は鳥獣戯画ノ術を駆使し、お艶の注意を引き付けようと室内を泳ぎ回った。
「あら、貴方もお優しい方かしら? この屋敷は我らの一族の繁栄の場に最適、だから奪う。それだけよ――」
 くすくすと笑うお艶は凌駕にも触手を伸ばし、戯れのように追いかけっこを楽しんでいる。
 調度品や室内の障害物を利用し襲い掛かる触手を器用に躱し、彼女の動きのパターンを探る凌駕。
 彼を追う触手は一本から二本に増え、挟み撃ちのような態勢になった瞬間、凌駕が朱凰 魅衣奈へと合図を送る。
「合点!」
 あらかじめ決めていた作戦だった。凌駕の引き締まった肉体をお艶の触手が蹂躙する様を存っ分に堪能――ではなく、彼が引き付け、魅衣奈が動きを封じる作戦。
 既に舞を始めていた彼女によって、凍てつくような吹雪が巻き起こる。
 魔法の範囲内に入っていた触手も凌駕も、途端に動きが凍り付いた。
「やりすぎだ……っ! でも、上々!」
 同時に凌駕が唱えたのは、退魔の力を宿す真言であった。
 今が好機とばかりに、三鈷杵で連撃を叩き込む。
「ぐっ! ぁ、あっ!」
 幾つもある触手への攻撃は無意味かとも思ったが、どうやら痛覚はあるようだ。
 先程までの余裕が退き、苦しげに顔を歪ませるお艶は、来世人らへ見せつけるように触手で捕えたお平を持ち上げる。
「ふ……、何故縁も無い来世人どもが邪魔をしに来たのかは知らないけれど……、目的はこの女でしょう?」
 動かないで、と短く告げられた命令に、来世人らは唇を噛んだ。
 触手に捕らわれたお平はぐったりとしていて――意識は辛うじてあるようだが、自力で逃げ出す事は難しいだろう。
 この策は有効と踏んだのか、お艶は触手を開き、その付け根にある大きな口をぬめりと開き、脅すように口を開閉させた。
「この可哀相な人魚様、わるぅい人魚は悪食なので、女も人魚も一口で食べてしまうそうですわよ。さあ、正義の来世人様がたは一体どうなさるのかしら?」
「お平様ァ……!」
 けたけたと笑うこれがお艶の本性なのだろう――先日の夜を知る者らの幾人かは表情に影を落とし、ただ何も出来ずにお艶を見つめていた。
 このままではお平を盾に防戦一方になってしまうだろう。
 場を打開したのは、室内に入る前から摩利支天隠行真言を成就させ、じっと機会を窺っていた毒島 右京であった。
 実は先に一人屋敷に侵入していた彼であったが、凪の先導が無いぶん中で迷い、到着が遅くなってしまっていた。
 けれど、それも今は好機と言えよう。
「前は頭ぁ逃がしたけん、今度はキッチリタマぁ殺っちゃるわい」
 余裕を見せるお艶の背後に回りその頭に大投網を被せ動きを封じた彼は、彼女が抵抗を始めるよりも早く、その上半身を床に引きずり倒そうとした。
「……く、……っ!」
 そのまま首を固定し攻撃に持ち込む予定であったが、相手の予想以上の巨体によりそれは叶わなかった。
 それでも頭に巻き付いた投網は彼女の気を引いたようで、不快そうに歪んだ顔が敵の姿を探す。
 それには構わず、右京は片手で独鈷杵を構え、容赦なく鱗を刺した。繰り返し繰り返しそれを続ければ、堪らずお艶が悲鳴をあげる。
 その瞬間お平を捕える触手の力が緩んだと見た楡が、機巧合身ノ伎で水中を素早く移動し、仲間に魔法を付与して貰った武器をお艶の触手へ叩き付けた。
「お平さん、無事か? しっかりするんだ!」
 衝撃で開放されたお平の身体を抱きかかえ、楡は即座に後方へと彼女を避難させる。
 そうはさせじと太い触手が彼を追うも、この機を逃す来世人では無かった。
「いい声だが、あいにく下半身がタコの女に興味は無い」
 言い放ち、敢えて触手の前に立ちはだかり盾となったのは田中 真司だ。
 向かう触手を薙刀で払い、淡々とした口調で言い放った。
「人間の殿方にちょっかいを出すと、怖い人間の女が釣れる事を予測すべきでしたね。屋台メニューにタコ焼きを追加してやりましょう」
 味方が傷を受け、動きを封じられる度、根子 ナラは真言を唱えていく。
 お平を逃がし、自身の不利を悟ったお艶は、血走った目を剥き絶叫した。
「グ、ァア……! 邪魔、……邪魔、しないでェエエエ!!」
「……ふん、生憎と私は女なのでな、お前らの婿にはなれんな」
 男だとしても御免だが、と続けたのはアイナ・ルーラだった。
 妖艶さの滲む美女の風貌は、今や完全に人外の本性を晒している。
 彼女らが餌の一人である来世人らに目を付けたのは何故だろうか?
「まあ……大体想像はつくがな」
「うぐっ! 苦っ!! ――あっしも加勢するぜ、お嬢!」
 加勢に来ていた大文字 渚の口に神代の苦団子を放り込んだのは、何となく渚はお艶好みなのではないかと思ったからだ。
 げほげほと咳き込み涙目になりながらも、渚が斬鉄の魔法を成就させる。
「……化身同士で命の奪い合い、化身も人間と変わらねぇってことか」
 利害の不一致で争いが起こるのは、どこも同じなのかもしれない。
 ならば、尚更種族間の争いに他種族が手を貸す道理は無いのかもしれないとも。
 けれど、関わってしまった今更、それを蒸し返す者もいはしなかった。
「あの困ったちゃんを倒せばいいのね?」
 素戔嗚の矢――水中でも地上と同等の効力を発揮するこの矢を構え、千絵代がお艶の頭に生えた珊瑚を狙い射抜く。
 護衛を申し出た薬師寺 勢司から受け取っていた矢も合わせ、精密な攻撃はのたうつお艶に次々と放たれた。
「行け千絵代。その力存分にみせるのさ。露払はあたしにまかせな」
「倒さなきゃ遠野さんのカレー食べれなくなるのだよー! 僕の矢を使って!」
 蓮美 イヴ藤 あきほの頼もしい援護の中、狙い通り、矢を受けたお艶の珊瑚が砕かれる。
「ひ、ぎ! おのれ、……おのれぇええ!」
 砕かれたお艶の珊瑚の根本から、真赤な鮮血が滲んでは海に溶けて行く。
 珊瑚の破壊による弱体化の傾向は見られなかったが、確実にダメージは蓄積されている。
 触手よりも本体の攻撃が有効と判断した来世人らは、声をかけあい一斉に攻撃を畳みかけた。
 凄まじい力を持つ触手も、範囲外からの攻撃にはどうする事も出来ぬようだ。
 蠢くそれらは今は彼女自身を護る為に本体を庇うような動きをするばかりで、最早勝敗は決したと言えた。
「あぁ……、あぁ、……皆、逃げて、……一族の、繁栄と、……皆、まもって……」
 どう、と倒れたお艶は、うわ言のように言葉を絞り出す。
 その姿に同情を覚えるべきでは無いとは皆解っていた。
 彼女らの道理があったとて、人を襲う化身を放っておく訳にはいかなかった。
「……なんで、仲間を思う気持ちがあるのに、他の方法はとれんかったんや。……来世人も大和人も同じ人。自分の仲間が喰われるの見て笑って隣に居れる程心が荒んでないから――きっときみの望んだ婿にはならんよ……僕もね」
 鬼も海神人魚も、人間も、言葉は交わせるのに、行く道は決して交わらないのだろうかと、そう思えば清十郎の胸の内を虚しさと悲しみが満たしていく。
 法力により歪に変形した海神人魚お艶は、そのまま意識を失い、二度と動かなくなった。

◆祭りの終わりに
「あっ、帰って来たよ!」
 海から上がってきた見知った面々の姿に、かき氷を抱えたきゆがぶんぶんと手を振る。
「おう、おかえり。無事戻ったか」
 無事正気に戻った男達と鍋をつつきながら、透哉も面々を迎え笑顔を作った。
 会場では限界まで歌い続けた幾つかの屍が出来上がっていて、こっちはこっちで激戦だったんだなと海中組は苦笑を洩らした。
「おっつかれ! ほらほら、戦闘上がりに折角なら美味しいもん食べていきなー?」
「正直張り切って作り過ぎてしまってな……、上手く出来たからよければ食べてってくれ」
 紫苑、悠頼兄弟がとっておきのバーベキューを差し出し帰還した仲間らをねぎらえば、ようやく彼らにも笑顔が戻った。
「お平様、ご無事でございましたか」
 千絵代の姿を探していた絃瑞が、彼らに付いて陸に上がって来た見覚えのある人魚の姿に声をかければ、祭り会場に残っていた来世人らがわらわらと集まってくる。
「おお、おぬしがお平か! わしのせくしーとはまた違ったせくしーを持つおなごじゃな!」
「せくしー?」
 きょとんとするお平は見る間に来世人に取り囲まれ、大丈夫だったかと質問攻めにあっている。
 助けて貰った礼にと陸に上がった彼女であったが、いつの間にやら祭りに誘われ、あっちこっちで出し物や食べ物を勧められていた。
 困惑しながらも楽しそうに微笑む彼女の姿に、先程までの憂いが晴れていくような気がした。
「千絵さん、お帰りなさい。カレー、取って置きましたよ」
 お疲れ様です、と告げる絃瑞の手には、ほっかほかのカレーのお皿。
「ただいま……」
 その姿を見止め駆け寄った千絵代は、柔らかく微笑むと、大好きな恋人のお手製カレーを美味しく頂くのだった。
「……あ、そちらの、……そちらの来世人様」
「……ん?」
 お平が声をかけたのは、清十郎だった。
 こたびの礼にと、彼女から手渡されたのは大きめの珊瑚の指輪であった。
「ええんやよ、お礼なんて。……これ、大事なものじゃないんか?」
「いいえ、いいえ。……皆様方が助けに来て下さらなかったら、私は今頃生きてはいなかったでしょう。せめてもの気持ちでございます」
 ありがとうございました、と来世人らに向け微笑むお平の傍らで、ずっと張り詰めていた緊張がようやくほどけたのだろう、凪がぺたんと座り込み、泣きそうな声をあげる。
「お、お平様、ご無事で、……よかったぁあ……っ」
「……凪、貴女にも怖い思いをさせてしまったわね。よくぞ奴らを掻い潜り、助けを呼んで来てくれましたね」
「お平さまぁああ」
 ついには泣きだしてしまった凪の姿を眺めながら、来世人らは満足そうに微笑み合った。
 この姿を見れただけでも、今夜頑張ったかいがあったというものだ。
「見て、綺麗――」
 誰かが指した先、海面に現れた薄明るい光が水に反射し、きらきらと光っていた。
 美しい朝の訪れの景色。現れる朝焼けの光を、大和人も来世人も人魚も――、皆が揃って歓迎する。

 長く騒がしい祭りの夜が、明けようとしていた。



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参加者

f.男を引き止めて近寄る敵をぶっ飛ばせばいいんだろ、やってみるさ!
御剣恭(ka00001)
Lv247 ♂ 30歳 武忍 来世 大衆
d.おっしゃーいいとこ見せたるわー!俺の歌をきけぇー(ジャイアンボイス)
不知火焔羅(ka00012)
Lv316 ♂ 23歳 武僧 来世 異彩
b.スマートかつ、確実に行こう…無用な戦闘はノーサンキューだ。
大狼忍(ka00063)
Lv231 ♂ 20歳 忍傀 来世 真影
b.んじゃ、俺は人魚探してっな
平口工助(ka00157)
Lv378 ♂ 22歳 武僧 来世 婆娑羅
サポート
e.楽しませる事を楽しんで、両手ですくって盛り上がって。わあい、一石何鳥?
遠田きゆ(ka00206)
Lv330 ♀ 15歳 神傀 来世 異彩
サポート
a.よろしくお願いします。
赤井狐弥(ka00215)
Lv204 ♂ 20歳 忍僧 来世 影
サポート
d.光る、回る、音が出る!(くるりらー)
白羽瀬倫太郎(ka00283)
Lv241 ♂ 19歳 武僧 来世 傾奇
c.触手……
吉弘龍重(ka00291)
Lv226 ♂ 17歳 武忍 来世 大衆
サポート
a.屋敷に突入する人達のために活路を拓く人の援護が出来ればと思います
空木椋(ka00358)
Lv343 ♂ 20歳 傀僧 来世 大衆
サポート
a.亀と形代札で、頑張って皆さんの援護をしますっ!
水上澄香(ka00399)
Lv216 ♀ 17歳 陰傀 来世 異彩
f.野郎共引きずり戻して、人魚もエロ切りも退治して、祭りの仕切り直しだぜ!
鈴城透哉(ka00401)
Lv221 ♂ 15歳 武僧 来世 傾奇
サポート
a.ワタクシの仕事は鮫退治ではないというのに…人使い粗いですわね
高杉蘭子(ka00512)
Lv533 ♀ 20歳 武神 来世 婆娑羅
サポート
c.この前楽しませていただけましたし、今回も。
五百田衛(ka00535)
Lv299 ♂ 20歳 神陰 来世 異彩
c.正直水中戦は不得手ですが、突きでいくしかないか
藤枝桜花(ka00569)
Lv298 ♀ 23歳 武忍 来世 大衆
サポート
c.僕も大概見る目がないね。とりあえずけじめだけはつけたい所やけど。
潤賀清十郎(ka00609)
Lv297 ♂ 27歳 神忍 来世 異彩
c.山王祭に負けねぇくらい、こっちも派手に喧嘩祭といこうぜ!
莱堂凌駕(ka00613)
Lv325 ♂ 17歳 忍僧 来世 大衆
サポート
e.夏は…カレーでしょうかね…?
遠野絃瑞(ka00651)
Lv223 ♂ 28歳 武忍 来世 質素
c.煮ても焼いてもたたきにしても不味そうだ。どう料理するかな、これが。
アイナ・ルーラ(ka00830)
Lv215 ♀ 24歳 武僧 来世 婆娑羅
サポート
c.あの困ったちゃんを倒せばいいのね?
升田千絵代(ka00869)
Lv475 ♀ 25歳 武陰 来世 傾奇
サポート
g.水際のせくしー柴えんじぇる、こと、このヤームルが救いだして見せようぞ!
ヤームル・アイマーヴィ(ka00918)
Lv275 ♀ 15歳 忍傀 来世 異彩
e.こっちで準備を進めるか。
由良悠頼(ka00943)
Lv228 ♂ 17歳 陰忍 来世 大衆
e.作ったり調達したり、出来ることあればいーなー
由良紫苑(ka00953)
Lv229 ♂ 17歳 武忍 来世 質素
b.支援を中心に。
花織ひとひら(ka00978)
Lv249 ♀ 17歳 神僧 来世 異彩
b.「お平と仲間を助けてくれ」と雪歌に頼まれたわ。あれ、惚れてるのかねぇ?
ヴィオラ・イリューシア(ka01047)
Lv283 ♀ 50歳 武神 来世 異彩
サポート
f.よろしくお願いします。
銀煌人(ka01137)
Lv197 ♂ 32歳 武傀 来世 大衆
f.シナッシーは今日も元気にひゃっはー!
越中団次郎(ka01138)
Lv331 ♂ 32歳 武僧 来世 婆娑羅
サポート
c.選ぶのもなんだけど、触手人魚はどうやら俺達人間にとっても敵みたいだしね
相葉楡(ka01176)
Lv312 ♂ 27歳 武傀 来世 麗人
サポート
e.大豆(頷き)
銅蒼桜(ka01232)
Lv223 ♂ 20歳 武神 来世 異彩
f.影縫ノ術で敵の足止めを掛ける予定だ。
ヤズゥン・ディガ(ka01287)
Lv350 ♂ 22歳 陰忍 来世 質素
サポート
c.前は頭ぁ逃がしたけん、今度はキッチリ命(タマ)ぁ殺(と)っちゃるわい。
毒島右京(ka01318)
Lv291 ♂ 35歳 陰僧 来世 大衆
d.私たちの音頭を聞け~!!(ドンドコドンドコ)
田中カナタ(ka01429)
Lv215 ♀ 18歳 武陰 来世 異彩
サポート
a.相手の勢いを利用して刺突するのが無難か。得物に不安があれば提供する。
海動涼(ka01489)
Lv262 ♂ 22歳 武僧 来世 異彩
サポート
f.ウチは攻撃しながら負傷者の手当ても…ひ、紐水着着て!(真っ赤)
蓑下海里(ka01493)
Lv273 ♀ 18歳 忍僧 来世 質素
e.いいにおいの料理を作って頑張ります。
近藤彬(ka01498)
Lv329 ♀ 19歳 武神 来世 婆娑羅