[最終決戦を終えて]
こうしてみると、平和というものがなんなのか、よくわからなくなってきます。
少なくともこれは、とても脆い、危ういものです。
ほんのちょっとしたきっかけで、平和は消えてなくなります。吹けば消えるロウソクのような、ちっぽけな灯りです。
でも、この灯りは、人類の希望であり、安心であり、温かみでしょう。こんなに頼りないとしても。
ふとした突風でさえ、この平和は消えてしまいます。だから僕は、このちっぽけな掌で、せいいっぱい、この平和のゆらぎを包み込みます‥‥ええ、ヤケドするかしないかの、ギリギリの距離でね。もし、あちちってなったら、あなたも少し手伝ってくださいね?
【SH19】オープニングコミック
[寛永に平和が訪れ‥‥脅威はそこへ]
関ヶ原における『天下分け目の人鬼決戦』は、来世人ギルドを中心とした、人類側の勝利に終わった。
鬼の総大将たる鬼神の
豊臣秀吉は、『八つの玉』の力を前にその無敵性を封じられ、敗色濃厚と見るや、三種の神器の1つ八咫鏡を用いて、どこへともなく転移逃亡してしまった。
八咫鏡はもともと、空間に強く作用する法具。秀吉はおそらく『この次元ではないどこかへ逃げ込んだ』と考えられた。
いずれにせよ、その転移は一方通行だ。こちらの次元に八咫鏡が残されている今、鬼神が再度、この寛永に転移してくることは考えづらく、結果的に『鬼神はこの世界から完全に閉め出された』という形となった。
その後、鬼の封印は解けたが、鬼神がこの次元にいないせいだろうか、大量に出現した鬼達だったが、明らかに弱体化しており、ギルドは総出でその脅威を駆逐。こうして寛永の世に、鬼の脅威はなくなった。
さらに、乱れていた気脈も安定し、化身の出現報告も減少していく見通しだ。つまり以後、来世人がいてもいなくても、寛永は泰平の世となっていくわけである。
「やれやれ、導師の役目を終わりじゃな。どうしよっかな、もすこしギルドに居ようかな‥‥え、来世に戻りたいとな?」
安倍晴明、の生まれ変わり、であるらしい
十人ちゃんに、来世人は訴える。自分らを現代から寛永に招いたのが安倍晴明なのだから、安倍晴明たる十人ちゃんがなんとかしてくれないと困る、というのだ(正論)。
「うーむ、出来ればそうしてやりたいが、晴明の記憶がまだあやふやなので、どうしたらいいものやら‥‥いや、待つのじゃ‥‥」
600年前の晴明が、来世人召喚の儀に用いたという八咫鏡。それを握る十人ちゃんが、隻眼を押さえてうずくまる。
「これを使えば‥‥おそらくは‥‥ええと、どうやるんじゃったか‥‥」
そんな折であった、恐るべき凶報がもたらされたのは。
「なにぃ、来世に鬼が出現じゃと!?」
[未来の惨状]
それは、『秀吉なき後の寛永』に、新たに(そしておそらくは最後に)落ちてきた新来世人が伝えたものだ。
スマホに残されたニュース映像。そこに映し出されたのは、壊滅した東京と、そこにたたずむ、巨大な怪獣――いや、これはあの、秀吉が巨大化したものに相違ない。
「全長50メートルの巨大生物が、ビームを放ったり、大小の分身を生み出して破壊を始めたんだ。すぐに自衛隊と在日米軍が応戦し、ミサイルなんかも直撃させたんだけど、全く効いてないんだ。いや正確には、瞬時に肉体を再生させているようだとかなんとか‥‥」
なんということか。鬼神は来世へ転移し、しかも巨大化しているという。この事態には、様々な憶測が打ちたてられた。
「ある意味最初から、寛永と現代とはポータルが開かれた状態だったんだ。秀吉にその気がなかったとしても、現代に次元の穴が繋がったのは不思議じゃない」
「巨大化してるのは、奴本来の姿なのか、あるいは、時を超えた来世人が超人性を得たような効果が働いたのか」
「もし超級の鬼ノ体を有しているなら、核兵器を束にして撃ち込んでも滅ぼせない可能性がある」
――どうやら、現代に帰るべき理由が増えたようだ、しかも早急に。
[いざ、平成戦国時代へ]
今、ギルドの奥座敷には、八咫鏡が安置され、その前で、十人ちゃんが一心不乱に祈りを捧げていた。
鏡の上方、その宙空には、ぼんやりと歪む空間が見える。これが、十人ちゃんが「たぶんこれでいいと思う」と作り出した、現代へのポータルだ。彼女が念ずる間、これが開かれる。
「さあ、行くのじゃ。八つの玉と共に。玉があれば、あの秀吉を倒せるやもしれぬ‥‥」
十人ちゃんは、自信なさげに告げる。
すでに幾人かの先遣隊が、このポータルを通過した。だが、戻った者も、行き先の状況を知らせる者もいない。これは『おそらく現代に通じていて、おそらく一方通行』という触れ込みだからだ――そしてそれが正しい事は、すぐに身をもって証明できるだろう。
行けば、現代に帰れる。しかしそこには、未知なる戦いが待っている。
残れば、おそらく平和が得られる。すでに寛永に馴染んだ来世人の中には、そもそも現代へ戻るつもりもなかった者もいる。しかし、現代を見捨てるのは正しいことなのか。
大和人にとってはどうか。見ず知らずの未来へ向かい、命がけで助太刀したあげく、もう二度と寛永には戻ってこれないかもしれないのだ。
しかし――行くしかない。ここでじっとしていることなど、できない。その場に立つギルド員らは、覚悟を決めて、次元のゆらぎに飛び込み、白い光に包まれ、そして、落ちた先は――
[東京壊滅、そして]
東京の都心部は壊滅していた。焦土ではないが、主要な建造物ほど破壊されていた。東京タワー、スカイツリー、国会議事堂‥‥
判明しているだけで、何万人もが犠牲となっている。多くの避難者が発生し、大きな混乱とマヒが日本を覆っている。
政府は主要閣僚を残し、大阪に臨時集結し対応に当たっているが、混迷は避けられない様子。
日米による定期的な空爆は続くが、効果は上がっていない。
海外の一部の国は核攻撃の是非を検討している。
世界各国は日本へのサポートを表明しているが、支援物資の調達以外に、それほど役には立っていない。
被害の拡大ペースは、世界規模で見れば、わずかずつ、わずかずつだ。しかし、いつかは、世界のどこが破壊されてもおかしくない。あるいは、全てが。
こうした状況下、来世人ギルドの面々は、大阪の臨時国会そばに拠点を構え、『秀吉殲滅作戦』を模索することとなった。
※本かわら版公開から、最終グランドシナリオリプレイ公開迄、本ゲームは『戦国来ちゃいました現代編』となります。
現代編の世界観的補足や、特別ルールがありますので、
こちらの解説を読んでくださるようお願いします。
特に注意してほしいのは、期間中に本ゲームに参加(現代シナリオ・チャット・アジト等)したキャラは、全て『寛永より次元の裂け目を超えて現代(来世)にやってきた者』という扱いとなります。寛永に戻れる保証のないまま、現代へやってきたキャラとみなされますので、寛永に残る決意の方は十分ご注意ください。
・連動シナリオ期間
2018年12月6日~31日
※最後のグラシナは、連動シナリオ参加およびMVP・準MVPの獲得に関係なく、全キャラがメイン参加対象となります。予めご了承下さい。
・投稿イベント「ただいま、現代」
2018年12月6日~2019年1月3日
選択肢と100文字迄のプレイングによって現代での日常を投稿する無料参加イベントです。
投稿内容の一部は後日、リプレイ形式で公開されます(リプレイ公開済)。
詳しくは
コチラのページをご覧下さい。
・特別イベント「再会の刻」
2018年12月6日~2019年1月13日
キャラが、現代で大事な人等に再会した際の感想を独白的に述べ合う無料参加イベントです。
詳細は「仲間>アジト一覧>来世人ギルド>
再会の刻」
・現代兵器PG
2018年12月11日~1月13日
現代編でのみ使用可能なガチャを販売します。自衛隊装備や各種兵器は来世人の使用許可が下りています。
・最終グランドシナリオ公開
2019年1月11日
※2019年1月1~10日は、世迷シナリオ期間となります。