図書館>
イベント>
Leviathan【AS07】関連情報>
◆
企画イベント「ケルゲレン撃滅!」
●大規模襲来の予感
ケルゲレン諸島。【海魔の軍勢】の長らが訪れ、突然の噴火が起こり、そして謎の遺跡が見つかったこの地には、なぜか続々と魔獣が押し寄せていた――何かを予知し、それに従わんとするかのように。
聖戦機関はフランス海軍の協力のもと、すでに転移装置を載せた戦艦ローランを、モルビアン湾に停泊させていた。ここが唯一の、SINNの拠点といっていいだろう。
現在までに、この戦艦を襲う魔獣は、すべて駆除されている。しかし魔獣は諸島全域において、日に日に数を増しており、このまま放っておけばいずれ最悪の襲来を受ける可能性があった。
「何かが起こってからでは遅い。今のうちに、可能な限り数を減らしておくべきではないか」
戦艦の作戦室で、聖戦機関のある職員はそう言った――そして有志のSINNが、その任務に名乗りを挙げるのだった。
●火山には
遺跡の入り口が見つかっている火山方面。
その上空には、翼持つ魔獣が何体も、円を描いて不気味に舞っていた。
巨大なワシ、そして雷光をまとったタカのようなもの。
機動力のある奴らが、一気に攻めてきたら手を焼く事だろう。
さらに山頂近くには、双頭の巨大竜の姿も見えた。あれは魔神アンフィスバエナ。
こいつらを蹴散らさない限り、戦艦も遺跡調査も、無事に済むかどうか。
●ポルトーフランセには
かつてフランス軍の駐屯基地であったポルトーフランセ。ここはベヒモスらの襲撃を受け、半壊状態のまま野ざらしの状態となっている。そして現在、そこにはなぜか、【海魔の頂】レヴィアタンの姿があった。
事前の偵察により、彼女がファルスビーストである事がわかっている。
が、それでも危険な存在なのはたしかだ。
ほかに、コウモリの翼を持った黒豹と、蠍の尾&老人の顔&コウモリの翼を持つ獅子の姿が複数散見された。
●海中からは
モルビアン湾からそう遠くない近海、その海中にも、ひっそりとディアボルスが集っている事が判明した。
偵察によれば、下半身が魚のようになっている馬や、巨大な甲羅&山猫の頭&鋭い背びれ&6本の足を持つ魔獣が確認されている。
さらに漆黒の怪魚も控えていたという。これは魔神フォルネウスだろう。
戦艦が襲われればひとたまりもない。海中は奴らのテリトリーだが、なにか手を打たなければ。
■企画イベント「ケルゲレン撃滅!」
このイベントは、純粋な戦闘が中心となる無料参加イベントです。
PCは3カ所のうち一カ所を選択し、向かうことができます。この作戦の結果は、直後の第02回全体イベントシナリオにも大きな影響を与えます(具体的には、失敗した場合、「魔獣掃討」という選択肢が増えます)。
行動宣言では、100文字以内でプレイングを書けます。また装備や魔法vaは宣言時のものが反映されます。
行動宣言は、締め切りまでに何度でも行なうことができますが、反映されるのは最新のものとなります。
ここで受けた負傷や破損、使用した錬金素材はすべて、聖戦機関が責任をもって治療・補填します。
参加者の行動は必ずしもリプレイ内で描写されるわけではありません。あらかじめご了承ください。
判断の基準となるのは、装備、スキル、魔法va、プレイングです。
なお、各選択肢で最も優秀な働きを見せた1PCには、それぞれささやかながら褒賞が贈られます。
■戦場となる場所
・火山
見通しのいい場所で、山に向かって坂になっています。
敵はアンフィスバエナ、ガルーダ、サンダーバードです。降下してくる事もあるでしょうし、またこちらから飛んで挑む事もできます。
なお、火山は微弱に活動していますが、火口に近づき過ぎない限り安全といわれています。
・基地
倉庫や居住棟などが、多くが壊れた状態で存在しています。が、まだ日が浅いため劣化は見られません。
ファルスレヴィアタンは、一人で寂しそうにごそごそ探し物をしているようにも見えます。
ほかにグリマルキンとマンティコアがいますが、隠れる場所が多いため奇襲に注意が必要でしょう。
・近海
凍てつくような寒さの荒海です。よほどの対策をしない限り、泳ぐのは至難なのですが、敵を倒すには潜る事が基本になるでしょう。
ゴムボートや小型クルーザーは貸し出せます。希望者はフランス海軍より貸与されます。
中にはフォルネウス、タラスク、ケルピーがいるようです。
■作戦スケジュール
行動宣言期間:
12月12日20:00?12月15日23:00
結果公開:
12月18日夜
■行動宣言はこちら
企画イベント「ケルゲレン撃滅!」に関する内容を記述するカテゴリー。
●空翔ける聖と魔
「‥‥ッ!」
ブランシュ・ブランシャール(
sp4332)はガルーダのくちばしにえぐられ、1秒ほどきりもみ落下した。が、それがさいわいして他の魔獣の追撃を逃れた。
「ちょっと‥‥もう!」
荒井 流歌(
sp5604)はニクスを撒き散らすと、大慌てで後退する。ジュラルディン・ブルフォード(
sn9010)のパペットらが援護に来てくれなかったら、危ないところだったろう。
ここは火山上空。速い浮遊速度と豊富なホスティアをもつエンジェリングらの『囮作戦』は、思ったほど単純にはいかなかった。
「やはり数が多いためでしょう」
イーノク・ボールドウィン(
sd3868)は上空を見据え、神に祈る――すでに皆に、サナティはチャージしてあった。
「へっ! 空中戦なら俺も自信があるんだぜ?」
カミーユ・ランベール(
sf0920)は臆する事なく飛んでいった。サンラファエルよりは遅いサンウリエルだが、その硬度は段違いだ。多くの敵が群がり、容赦ない打撃を浴びせてくるが、カミーユは恐れを知らず突っ込んだまま、さらに仙級テラをぶっぱなして注意を惹きつける。
「機と見た! 奔れ雷よ‥‥フルメン!」
エテルナ・クロウカシス(
sp1494)も魔法攻撃に加わり、文倉 羽留(
sn2556)も八つ当たり気味にフルメンを放った。
そして村正 刀(
sf6896)は、ゲミニーで分身した状態で、ダブルイグニス!
「どうだ! ‥‥おおっと」
が、悶えたサンダーバードが雷撃を吐き出してきた。魔獣は一斉に散開し、恨みを晴らさんと瞳を光らせる。
「しーちゃん、逃げて!」
十文字 翔子(
sf7297)は聖獣シムルに叫んだが、間に合わず、白い獅子はガルーダの爪でズタズタにされ、落下した――マイア・イェルワジ(
sj7576)は慌てて抱きとめ、すぐにサナティをする――助かった。ホッとする翔子とマイア。
「一瞬も気は抜けないってことだね」
エスター・ゴア(
sq0475)、カグヤコウモリの彼女はアニムウェンテの素早い飛行でサンダーバードを翻弄すると――
「1匹でも多く減らすのです!」
ヒメコ・フェリーチェ(
sq1409)、翼を生やした狐娘もまた、アニムウェンテの転移能力でそのサンダーバードの背後に回り、そのままランディングアタックでそいつを落下させた。そしてヒメコが飛びのきざま、南郷 龍馬(
sq3216)がショットガンをバスバスと撃ちこんだ。
「なかなかの連携を見せるな、悪魔もSINNも‥‥俺も空中戦を挑んでみるか」
その頃オルフェオ・エゼキエーレ(
si1323)は、寡黙にスコープを覗き込み、ぶ厚い引金を優雅に押し込み、静かな顔で爆音を轟かせ、淡々と上空の魔を撃墜していた。
敵の一団、そして上空のSINNとも離れた地面からの援護射撃。それでも時には、そこを襲うサンダーバードもいた。電撃が地面を襲う。だが無傷だ、エティエンヌ・マティユ(
sj6626)のローレム、結界があるから。
「我らに救いを、悪魔に死を‥‥!」
同じ狙撃班、有栖川 彼方(
sp2815)はそいつに鉛弾を食わせ、のけぞったところをマリク・マグノリア(
sp3854)の戦車パペットが砲撃し、霧と変えさせた。
「わざわざ護衛ありがとう。でも、ちょっと遠いね」
エティエンヌは、ミョーに離れて立つマリクに歩み寄る。マリクはそのぶんだけ、あとじさる。
「ローレムは勘弁してくださいよ‥‥スレッドが切れちゃいますんで」
「ふふ、冗談だよ」
「俺もローレムはいらないぜ‥‥これがあるからな!」
ヤズゥン・ディガ(
sa2434)は、ウィースの魔法の手で、接近するガルーダを妨害していた。そしてそいつは、新たなる対物ライフルの狙撃で、爆ぜた。
『お待たせしました』
ブリギッタ・ブライトナー(
si7746)は――ヘリで駆けつけたのだ。ドアガン役として、地上と上空に睨みを利かす。
それに細かく指示するは、弟のギルベルト・ブライトナー(
si7759)。そしてヘリの操縦者はその兄のユリウス・ブライトナー(
si7758)だ。
「空だ! 敵だ! つまりヘリの出番だなっ!」
「わかってるから近寄りすぎないでね」
ギルベルトはパペットも用いて偵察しながら、そう言うと――ふいに微笑んだ。もう1つヘリを見つけたからだ。といっても、ヘリのオモチャみたいなものだったが。
それはミラベル・ロロット(
si6100)のガンシップパペットだった。心強い道連れができたってわけだ、とギルベルトは、内心でごちた。
――こうした活躍があり、翼ある魔獣は順調に数を減らし、ついにはアンフィスバエナを射程に捉えるまでになった。
「暴れられる前に倒しちまうか」
カミーユはサナティを成就させ仲間を癒す。するとマイアはゲミニーで分身し、「隙を作るのですよ!」と残った中級ディアボルスを惹きつけに回った。
竜が飛んだ! でかい、速い! それは一挙に空飛ぶSINNを蹴散らし、さらに毒の息を吐いて追い討ちをかけてきた。突然の情勢変化に、イーノクやブランシュらは回復に追われる。
後方やヘリからの援護射撃も、強力な再生能力に加え、魔的な鱗に阻まれなかなか決定打とならない。
「まずいな‥‥だがやるしかない!」
「その通りだね」
アーク・カイザー(
sq0753)とシグルフリート・ウォールター(
sp9359)、両クレスニクが翼はためかせ強引につっこむ。アークは再生封じの魔剣を、シグルフリートはミョルニルを叩きつける。が、強力な牙が2人を襲い、獣人といえど翻弄される。
「ヒャッハー! ひゃはああ!?」
碇矢 未来(
sp5129)は大口を開けた竜にアサルトライフル[閃]の魔法のビームを撃ち込んだが、同時に息を浴びせられ、悶えた。
「まるで伝説の竜‥‥しかし、ここで止めねばなりません」
イーノクが祈る。
「わかっています」
その祈りを受け、オルフェオが放つ。
「タエ、お願い」
児玉 初音(
sp1503)も祈る、友人が必殺の一矢を放てるように。
「今度こそだ」
鷺沼 妙子(
sp1602)は、グラディウスやグラビィタを絡めた超威力の必殺矢を放った――しかも今回は、伝承の弓シャールンガを用いて、だ。
オルフェオの一弾と妙子の矢は、それぞれ違う頭に突き刺さった。鈍い爆音が轟き、アンフィスバエナは大きくのけぞる。
『今だよ!』
ギルベルトがそう言うが早いか、翻弄されていたエンジェリングとクレスニクらも陣形を取り戻し、残っていた魔法を息を注ぎに回った。竜の魔神は、そのまま態勢を整える間もなく、ついに打ち倒されたのだった。
●探りあいの果てに
「まさか、南極に封印があるとかか?」
陸奥 政宗(
sa0958)らは警戒しながら、基地の跡地へと足を踏み入れる。
そして――物陰からグリマルキンが跳びかかる! が、ビート・バイン(
sf5101)はあらかじめ向けていたライフルを引き絞り、そいつをギャウッと迎撃。アーサー・ラヴレス(
sa4830)がグングニルを投げつけ、とどめを刺した。
「うん、人間レーダーがあると違うね」
クリシュナ・アシュレイ(
sa0267)はアビス・フォルイン(
sa0959)とアシェン・カイザー(
sd3874)にそう言った――2人はベネディクタでの祝福ほか、ディプレンドによってあらかじめ敵の隠れ場所を察知しているのだ。
「はは、人間レーダー、か‥‥」
アビスは、ちょっと情けないな、という顔をし、
「人間レーダーでやんすか‥‥」
アシェンは、なかなかイカすな、という顔をした。
「というわけで、居場所はわかってんだよ‥‥出て来いや雑魚共がァ!」
鷹宮 奏一朗(
sp8529)が吠えるや、マンティコアとグリマルキンが数体、空から向かってきた。志島 陽平(
sa0038)は慌てずにまっすぐ斜め上を見据え、グリマルキンに拳をぶつける。
「大将首を狙うにしても、まずは伏兵を処理しておくのが肝要‥‥行くぞ!」
御剣 キョウ(
sp0401)が拳銃のマルチショットで凍結の弾をばらまけば、
「獣ちゃんの相手なら任せて頂戴ねん☆」
そうして鈍った相手にニーチェ・シュートラー(
sp6098)が拳を蹴りを叩きつける。
「シャム、存分に暴れてくれ」
ラティエラ・テンタシオン(
sb6570)の聖獣シムルは、今や彼女と天使の環[シャムシエル]によって繋がれ、飢えたライオンのようにグリマルキンに挑んでいた。
「はあっ!」
キャサリン・モローアッチ(
sd2653)が魔剣[GateOfLightning]でマンティコアを霧散化させれば、九朗 或(
sd4780)は即座にエムンドで浄化。
「この島で復活するのは難しかろうが‥‥どこで復活されても困るからな」
九朗がつぶやくと、キャサリンもうなずいて。
「そうね、せっかくのチャンスと考えればいいのよ‥‥世界じゅうから、SINNに倒されにディアボルスが集まってると思えばね」
そうした掃討と並行し、SINNらはすでに、ファルスレヴィアタンを捕捉していた。
「探し物、ね‥‥何してるのか」
「さァな。貯金箱でも落としたのかもよ」
リュカ・フィオレンツィ(
sk3006)とルナール・シュヴァリエ(
sp6369)はそうささやき合う――なお2名は、隠密技術だけでなく透明化もしており、くわえてウィリディシア・クレール(
sj3049)のローレムCROSSを身につけているため、魔神相手でもそうは見つからない状態といえた。
また、精気感知をされず、音を立てずにもいられるパペットでも、観察はおこなわれていた。ハーケン・カイザー(
sc1052)である。
「SINNが来てる事は勘付いてるだろうが、偵察に気づいた様子はないな、これが。しかし、あっちこっちのガレキをどかしてロッカーを開けて、何を探しているのやら‥‥?」
「ファルスレヴィアタンについては完全な知識がありますわ。咆哮、大罪、魔結界‥‥厄介な能力ばかりですけれど、何を狙っているのかは皆目見当がつきませんわ」
アンネリーゼ・ブライトナー(
so1524)は戸惑ったようにしつつも、皆とモンスター知識を共有する。
「で‥‥もうやっちゃっていいんだろ?」
御剣 龍兵(
sa8659)が皆に問う。
「ああ。奴の目的を突き止めたいところだったが、このままではラチが明かない。殲滅が第一の目標だ、躊躇はしない」
ラミア・ドルゲ(
sg8786)は遠方からクロスボウを構え――放った。それを合図に、SINNは一斉に勝負を挑む!
「いだっ!? SINNめ‥‥SINNめ!」
レヴィアタンは刺さった矢をへし折り、向かうSINNに怨嗟の目を向ける。そして、拳にうっすらと黒いオーラが浮かび、ついに――魔結界[封緘]を使ってきた。
景色の変化はない。しかしこの中では、魔法の成就ができないのだ――通常であれば。
しかし、SINNは成就した。
「主よ、主よ、我らは汝の名によりて預言し、汝の名によりて悪鬼を追ひ出し、汝の名によりて多くの能力ある業を為しにあらずや」
烏ツ木 保介(
sd0147)が、どこか白々しくその文言を唱えたにせよ、スピニアムは正しく成就され、しかも一発でファルスレヴィアタンのあらゆる能力を封じてしまった。光のいばらが、少女を全身に巻きつき、どこか背徳的な光景をSINNに見せた。
「なっ!? な、なんで‥‥こんな‥‥」
「神様はみんなの味方だよー」
ハルキュオネ・バジレア(
sh3934)が言った。彼女と保介はすでにカルマ魔法を成就させており、魔結界の妨害は意味をなさない。そのうえプロデジョム[成功]まで発揮されては――まさに神の力が、偽魔王の邪悪を上回ったのだ。
「うそだ‥‥みんなの味方なんて、いやしないんだ‥‥うわああああっ!」
ファルスレヴィアタンは、その状態でなお、危険なほどに力を有していた。動きを阻害されてるとは思えぬスピードで前衛に迫り、細腕からは想像もつかぬ豪力を叩きつけてくる。
しかし、魔法が使えればこっちのもの。けが人を癒やすことが私のライフワークのジェローム・モローアッチ(
sc1464)がサナティを飛ばし、アンネリーゼが豊富な回復薬を手渡し、そしてルナールが、龍兵らが果敢に挑み、ミリーナ・フェリーニ(
sa0081)は転移銃で的確に傷を増やしていく。
「うう‥‥ぅ‥‥」
少女の動きがさらに鈍る。もはや憐れしか誘わない。勝負はついた。そこで保介は聞いてみた。
「いったい何を探していたんです?」
「‥‥‥‥‥‥プレゼント」
「へっ?」
「なっ、なんでも、ない‥‥! おまえらなんか、しねばいいんだ‥‥!」
だが、そうはいかない。SINNは生きねばならぬ。そして魔物は、去らねばならぬ。
少女の形をした哀訴の魔が消滅したとき、SINNには達成感と、そして、なんともいえぬ疑念が残った。
「プレゼント‥‥ですって?」
話を聞いたウィリディシアは、眉をひそめるしかなく。
「たぶん‥‥クリスマスプレゼントじゃないか?」
アントーニオ・インザーギ(
sa5938)はぽろっとそう言った。まさか、と皆はざわめいたが――
「‥‥まあ、寂しそうだったのは確かだよな。悪魔にこう言うのもナンだが‥‥メリークリスマス、お嬢ちゃん」
奏一朗はそう言うと、もう興味を無くしたかのように、くるりと背を向けた。
●まさに魔の海域
あったかそうなアットゥシを着たニア・ルーラ(
sa1439)の操るクルーザーには、ナイ・ルーラ(
sb0124)が乗り込んでおり、ベネディクタのあとはディプレンドにて『悪魔群探知機』の役を務めている。
そしてナイによれば――海上での囮作戦は効果が薄いようだった。
「‥‥来ない?」
三輪山 珠里(
sb3536)は海上に浮かび、ホスティアの腕輪も発揮させ、海中のディアボルスをおびき寄せようとしていたのだが、それに引っかかったのは最初のうちだけで、その後はなかなか浮上しようとしないようだ。
「悪魔ホイホイ体質に引っかからないとは‥‥敵もばかではありませんねえ」
茂呂亜亭 萌(
so4078)は舌打ちする。
同様に、ファミリア・サミオン(
sb0511)操るクルーザーでも、迫らぬ敵に対して業を煮やしていた。
「行くのか‥‥気をつけろよ、イチサン」
ラルフ・フェアウェイ(
sg4313)の支援を受け、ローウェル 一三(
so2674)は硬い表情でうなずく。水中では拳銃もニクスも役には立たないだろう。しかし彼女にはサンガブリエルがあった。
そうして、続々と飛び込むSINNたち――しかしゴスタ・ユオン(
sp9246)は、すぐに顔をしかめる。
冷たい水温は、レジストアクアリングが防いでくれる。ライフセーバー用の聖品服もある。怪力だって――しかし、沈む! ジャイアントソードは無理か、まずい――
と、雫石 結氷(
sp9763)が助けにきた。フクロウでありながら、アニムマーレで水かきを生み出した彼は、ゴスタを支え、一度海面へと浮上し、剣を預けさせる。
「すまない‥‥甘く見てた」
「お気になさらずに。僕はどうせサポート役です。水中ではネブラも使えませんし‥‥」
そうなのだ。水中戦はSINNに著しく不利だった。海の怖さを知り尽くしたナタク・ルシフェラーゼ(
sa2677)と、人外の身体能力を誇る狼牙 隼人(
sa8584)がバディを組んでさえ、中級ディアボルス相手に、やっと互角に渡り合えるかどうか、だった。
「もががぼばごぼ!(チクショウきついぜ!)」
隼人らは一度浮上する。敵は深追いはしてこない、水面・水上は危険とわかっているのだ。
「どうしましょうか‥‥マリンパペットはありますが、これだけでは‥‥」
サラ・オブライエン(
so7648)が不安げに言うと、レティシアは熟考のすえ、結論を出した。
「‥‥こちらの人数と相性では、敵を全滅させるのは不可能だわ。少しでも数を減らし、そして無理なく撤退するのを目標としましょう」
その際に重要なポイント――まだ慎重姿勢なままのディアボルス達(おそらく魔神が指揮しているのだろう)を、海中にておびき寄せる。それを殲滅し、こちらが不利と悟られる前に帰還する。
「一番怖いのは、タラスク達が大挙してクルーザーを襲う事ね。多少は防げても、2?3体に取り付かれて身動きできなくなったら完全にアウトだからね」
修正された作戦において、一番危険な役を買ってでたのはアリス・フリュクレフ(
sq1159)と一三だった。
「そう簡単にはやられないわよ。頑張っちゃう☆」
上級アニムマーレで『水を得たウサギフィッシュ』と化したアリスは、ケルピーとタラスクを挑発するように泳ぎ、マリンパペットの待ち受ける一帯におびき寄せる。一三もまた、寡黙に素早く遊泳し、敵の一団を挑発する。
奴らが向かってくる――だが、2人が水面に浮上するより早く、その行く手をケルピーが塞ぎ、さらに別のが突進してきた! 高速移動だ。
が、何かが水中に飛び込む。隼人、ナタク。それらが魔獣を追い散らす。シャーロット・エルフィン(
si6767)のペンギンパペットや、ニア、レティシアのパペットらも、必死に凍結効果を与える。一三が水上に飛び出す。魔獣が追いすがる。隼人とナタクがメタスタシスで転移する。ゴスタとラルフが、アリスを引き上げる。
「まさに今こそジャンジャンバリバリ!」
萌の手がかざされる。フルメンが放たれ、放たれ、放たれる。さらに船上の仲間が射撃を加え、浮上した、あるいはしつつあったディアボルスが冬の海にのたうつ。
「よし、長居は無用だ」
カーク・ルッフォ(
sc5283)がエンジンをスタートさせる。他のクルーザーも同様に。追わんとするケルピーの姿もあったが、数は少なく、SINNの操縦者は問題なくそれを避け、やがて悪魔も、深追いをやめ戻っていく。
「あばよ、馬魚のとっつぁん☆」
ニアは順にパペットを回収しながら、そのパペットの瞳ごしに確認できた敵の状況を反芻する――多少は倒せたけど、まだだいぶ残してしまったな、と。
「悔しいねえ‥‥ま、軍艦に寄ってきたら、ただじゃおかないさね」
ファミリアはそうぼやくと、急に寒気をおぼえ、ぶるりと震えた。
◆各地の戦果
火山:
大成功 集まっていたすべてのディアボルスの殲滅に成功!
基地:
大成功 集まっていたすべてのディアボルスの殲滅に成功!
近海:普通 魔神は倒せず、敵戦力も半分弱しか殲滅できなかった。
◆優秀者
カミーユ・ランベール(
sf0920)
烏ツ木 保介(
sd0147)
茂呂亜亭 萌(
so4078)
※優秀者の3名には、武器・防具・アクセより1つ、お好きなアイテムを配布します。但し過去の全イベ系のアイテム、オンリーワンアイテムは除きます。
お問い合わせフォームより
12月25日までにご連絡ください。
|