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あのね、玩具貰った!
オープニング◆とある公園での事。両親が目を離した、僅かな隙に。 「この玩具なんだけど‥‥お兄さん、もう要らないんだ。君にあげよう」 四歳児に、この怪しさを判断する事は出来ず、彼は素直に受け取った。 「ありがとう、おにいさん!」 手渡された長さ10センチ、高さ5センチ程のトラックのおもちゃを受け取り、地面を転がし始める。 登場キャラ
「みんなを連れてきたでゴザル」 チャイムを鳴らしたのは、スティーヴ・カラサワ。事件の概要を説明された直後、この家を尋ねてきていた彼は、アレンの音声を録音し玩具の写真を撮影した後、昼過ぎに他の友人を迎えに行くと行って出ていったのだった。 「ようこそ」 「久しぶり」 出迎えてくれたアレンの父親に、和やかに挨拶をする紅嵐斗。ポケットの中に陳華龍から預けられたカード型盗聴機がある事を確認しながら室内へと足を踏み入れる嵐斗に、父親は頷く。 「ちょっと‥‥遅くなった‥‥」 時刻は17時少し前。ディルク・ベルヴァルドが目を向ける町並みは、大分暗くなっている。 「いや、良いんだ」 「失礼するわ」 アリス・クラークも、挨拶を返す。そのままリビングへと向かう四人。 「待ってたのよ!」 アレンの母親の笑顔と嬉しそうな声。 「スティーヴおにいちゃん!」 「おまたせでゴザル」 「またあそんでくれるって‥‥やくそく、おぼえてる?」 何処と無く不安そうに聞いてくるアレンに、スティーヴはしゃがんで視線を合わせ、頷く。 「勿論でゴザル」 「やったー!」 嬉しそうに歓声を上げるアレンだが、その両手は大切そうにトラックの玩具を抱き締めている。 「おれも一緒に遊んでいいかな?」 柔らかく笑い、尋ねる嵐斗。 「実は‥‥俺も‥‥持ってきた‥‥」 ディルクが車庫を模したキャリーを持ち上げれば、アレンは目を輝かせた。 「それかっこいい!」 「一緒に‥‥遊ぼう‥‥」 アレンは頷くディルクの手を握り、子供部屋へと引っ張っていく。 「じゃあ、俺たちはアレン君と遊んでくるよ」 嵐斗はそう言って、大きく頷く。 「あぁ、さっきアレンにジュースを買ってきたでゴザル。オレンジジュース、好きでゴザルか?」 尋ねるスティーヴに、アレンの両親は頷いた。 「ええ。もし良かったら、コップに注いで後で持っていくわ」 「この辺りとか、細くて良い感じの道デスネ」 呟きながら道を確認していく訪問販売員は、MNで姿形を変えたエラ・ウォーカー。エラは左右に目をやって、その通りがよく見える窓も確認する。 「道路と窓の確認はこのくらいで大丈夫でしょうカ‥‥」 アンナに借りた地図を開き、自身が歩いた道を確認する。まずアレンの家に向かう道は家を挟んで左右に二本。 ここらの住宅は大きな庭がついているし、勿論それはアレンの家も同様だ。なので、戸数に比べ面積は広い。どこかの家屋に潜んでいるとしても、マークしなければならない件数は少ない。 そして、アレンの家の裏手と、向かいの家のそのまた向こうに公園がある。アレンが犯人に玩具を手渡されたのは、この二つの公園の内、アレンの家の裏手の公園だった。 どちらの公園も木が多く生えていて、面積があるため、隠れるにはうってつけだ。少し考えてから、エラはアレンの家の裏手の公園へと歩いていった。 目を輝かせ、アレンが見詰めるのはディルクのキャリーから大量に出てくるトラックの玩具。アレンが抱えるそれと、全く同じ型。集めるのは結構大変で、それなりの時間がかかってしまったが、でもその苦労と釣り合うくらいの反応は貰えた。 「おそろい?!」 「‥‥お揃い‥‥いっぱい‥‥楽しい‥‥」 頷くディルクに、一台一台持っては並べていくアレン。嵐斗も持参したドローンを取り出す。 「おれもこういうの好きなんだ」 「あれも楽しそうでゴザルよ」 嵐斗が飛ばすトンボ型ドローンを指差し、スティーヴが言うが。 「むし‥‥」 両手にトラックを持って呆気に取られるアレンに、嵐斗は苦笑い。 丁度その時、子供部屋の扉がノックされる。 「ジュースよ」 小さな机の上にコップを並べるアレンの母親に、三人は礼を言う。アレンはと言うと件のトラックを抱えたまま、もう一つのドローンである太陽の塔を見つめている。 「あと少しでお夕飯なの。良かったら、食べていって」 そう言って子供部屋を出ていく母親だが、アレンはその間も不思議そうに太陽の塔の頭部分を見つめながら、目を擦る。 「‥‥‥‥アレン‥‥疲れた‥‥?」 そう言うディルクに頷いて、嵐斗は子供に害の無い量の睡眠薬をジュースに混ぜ、ジュースをアレンに手渡す。 「ママが持ってきてくれたよ」 「これ‥‥どんなおもちゃ?」 ジュースをストローで飲みながら、尋ねるアレンの瞼が、ゆっくりと落ちてはぱっと開く。睡眠薬で眠りにつくまで、あと少し。 「最新型の玩具なんだ。動かしてみる?」 「うん‥‥」 ジュースを置き、手を伸ばした、その時。 瞼が完全に落ち、アレンの身体がかくりと傾く。 「寝ちゃった‥‥」 アレンの身体が床に当たる前に身体を受け止めたディルクは、トラックをゆっくりと静かに取り上げる。眉間に眉を寄せたアレンの空いた腕の中に、スティーヴが作ったトラックを滑り込ませる。 「ミーと午前中も遊んでいたから、仕方ないでゴザル」 言いながら、スティーヴと嵐斗は頷き合う。その間に、ディルクは工具を取り出してトラックの解体に取りかかる。スティーヴと嵐斗は、作業の音に気付かれないよう、会話を続ける。 「寝ちゃったって言ってきた方が良いかな」 「先に片付けといた方が良いでゴザルよ」 「結構散らかってるもんね」 「放っておいたら、アレンが怒られてしまうでゴザル」 会話を続けながら玩具を片付ける二人と、黙々とトラックの解体作業を進めるディルク。ボディーの覆い部分を外すと、盗聴機と爆弾が露になる。構造を見るに、爆弾とシャシーはしっかりと接着されていて、今ここで剥がすのは難しいだろう。盗聴機は、ボディーの内側にテープと接着剤でくっ付けられていた。 「これはアレンのだ」 片付けの音を立てつつ、嵐斗がスティーヴに目配せする。 スティーヴはアレンの手をトラックのキャブ部分に移動させ、自分が作った偽物のトラックのボディーを剥がし、静かに盗聴機付きの物を被せる。 「アレンの持ってるのは、このままにするでゴザル」 スティーヴは片手でアレンがキャブを持つ手を支え、ディルクは静かにボディーを固定。 その間に、嵐斗は爆弾を受け取り、扉へと。 「一通り片付いたし‥‥寝ちゃったって言ってくるよ」 カチャリと扉を開けて廊下に出ると、そこには。 「ここからは、科学のステージよ」 「よろしく」 手を出すアリスに、嵐斗はボディーの無い爆弾付きのトラックを手渡した。 ◆ 目の前にあるのはマンホール。路地裏の情報屋から手に入れた情報から割り出した、一番安全な爆弾の解体場所。 その廃工場は資金難で、回りを柵に囲まれたまま放置されていた。人もおらず、マンホールもあるし好都合だ。 「この爆弾‥‥結構面倒な作りね」 ざっと検分したが、業者から買っただけあって、適当に作った爆弾よりは出来が良い。判断するや否や、アリスはバレッタを外して鋼糸を伸ばし、先に爆弾のついた玩具と炸薬量を減らしたC4爆弾を付け、マンホールの中程に固定。それから、500メートルまで遠ざかり、Aiフォンを取り出す。 「爆弾だって、物理法則を知れば恐れるに値しないわ」 細長い丈夫な筒の中では、爆発のエネルギーは上下方向に逃げる。趣味は科学、特技は科学を豪語するアリスにとって、爆弾の処理など造作も無かった。 「そろそろ、動きだしましょうか‥‥」 身を隠したダストボックスの中で、アイザックは小さく呟いた。時刻は朝の4時前。 アイザックは狭いダストボックスの中でAiフォンを操作し、自分の隠れるダストボックスの横に置いてあるトランクの中の電波妨害装置を起動させる。 盗聴機の音にノイズが混ざるのを怪しんだ犯人が動き出すのを、昨日エラや他の仲間達と相談して怪しいと目星を付けた通路に配置したドロイドと肉眼で監視。 身代金を取りに来るのが犯人とは限らない。これは、華龍も同意見だった。だから、盗聴機の受信機を持った犯人にわざとアクションを取らせ、その所在を確認する必要がある。 「誰が許そうと‥‥私は許さない」 彼の身に起こった事件。同じ方法で追い詰められ、殺された両親。 瞳を細めたアイザックの脳裏に過るのは、自分自身の過去だった。 「そう簡単には見つからねぇか」 盗聴機の探知機を持ってきてくれるよう情報屋に頼んだが、物品のやり取りを断られた大神隼人。代わりに手に入れたアレン宅周辺の怪しい男を見かけたポイントを早朝サイクリングを装い見回りをしながら、仲間たちからの連絡を待つ事にした。予定では、そろそろ電波妨害装置が起動する時間。相手が動き出すのも時間の問題だろう。 「こいつと勘が頼りだな」 「不調かな」 眉間に皺を寄せる若い男性は、イヤホンをしたまま首を傾げる。天然パーマ、ニット帽と、大きなメガネ。 「外に出れば雑音も消えるかと思ったけど」 24時間営業のファミレスから出てきた彼は、イヤホンを繋げた手のひらサイズの小さな機械を弄くりながら歩く。 「不良品だったって言えば、返金してくれるかな」 向かう先は、アレンの向かいの家の裏手にある公園。ベンチに腰かけて、正面に生えている大きな木の枝越しにアレンの家を見る。その時、何か物音がしたような気がした男は、首を傾げ。 「猫かな?」 それからもう一度、アレンの家に目を向け、呟く。 「まだ寝てるだろうし、まぁいっか」 イヤホンを耳と機器両方から外し、ポケットに突っ込んだ時、カチャリと音がした。 「は?」 男が目を向けた先に居たのは、拳銃を構えた華龍。 「動くな、1ミリでも動けば私は躊躇い無く貴様を殺す」 男はそれを見て、目を瞬く。 「俺が何をしたって?」 肩を竦めながらポケットに手を突っ込んだ男は、へらりと笑う。 「とぼけたって無駄ですよ」 「あんたら、何?」 華龍の向かい側に立つアイザックは、冷たく目を細める。瞳を覆うコンタクトは、振り向いたその男が、間違いなく犯人であると訴える。 「そいつで合っているだろう?」 変装看破に自信はあるものの、念の為確認する華龍に、アイザックは頷く。 「ええ」 そして、アイザックの視線は男へと向けられる。 「私は、お前を許しはしない。逃すつもりもありません」 ヘルムを被りながら一歩、二歩と距離を詰めてくるアイザックに、男は窮地を悟る。しかし、彼にはまだ、切れるカードが存在していた。 「まさか見つかるとは。でも、君たちだって解ってるんだろう? このスイッチを押したら、爆弾が爆発するって」 目を見開き、ポケットから取り出したスイッチを掲げる男。しかし、華龍は冷静に告げる。 「爆発は解除した。あとはお前だけだ」 「何?!」 男は数回スイッチを押し込むが、カチカチと音がするだけ。 「残念でしたね」 近付いてくる二人に、男は起爆スイッチを捨ててポケットから何かを取り出した。 「これは爆弾だ! 起爆させればこの公園一帯は吹き飛ぶぞ! それ以上近づいてみろ、お前ら二人と近隣住民、全員を巻き添えにしてやる!」 「何を‥‥」 自分達だけならいいが、近隣住民をも巻き込もうとするとは。アイザックは脳裏を過る過去に、顔を顰める。 「わかったらその拳銃をこっちに投げろ!」 血走った目で順番に見詰められ、二人は動きが止まる。 「卑劣な‥‥」 華龍は呟きながら、考える。情報では男の持っている爆弾はアレンに渡したもの1つだけ。あれはただのハッタリである可能性が高い。しかし、爆弾である可能性もゼロではない。 「わかった」 であれば、素直に言うことを聞くフリをして、不意を突いた方が確実だ。華龍はちらりとアイザックと茂みの方に視線を向ける。それから、地面に拳銃を置く。 「こっちに投げろ」 男が華龍の拳銃に集中した瞬間。 「オラァッ!!!」 先程華龍が目配せをした茂みの道なき道から現れたのは、自転車に乗った隼人。隼人は自転車のペダルを蹴って跳躍、右足で男の顔面を飛び蹴りの要領で踏み、着地する。 「隼人様! 爆弾を!」 地面に転がった犯人の握りしめている黒いものを指差すアイザックに、隼人はそれを拾い上げ、肩を竦める。 「盗聴機の受信機だ」 目を瞬くアイザックと華龍。その時、ベンチの後ろから飛び出したエラが、靴先から出したナイフの毒で身体の自由を奪う。 隼人から黒い箱を受け取ったアイザックに、エラは言う。 「確保完了デスネ。アイザック、連絡をお願いしマス」 「ええ。直ぐに」 アイザックに頷き、エラは男を見下ろす。 「子供に悪意を向け、危険にさらしタ。許されませんヨ」 「あれ?」 結局一回起きたものの、トイレに行ってまた寝直してしまったアレンは、チャイムの音に目を覚ます。 「らんとおにいちゃんのおもちゃ、あそべなかった」 呟いた瞬間、トラックのライトが点滅し、クラクションが鳴る。 「え、すごい! パパ!」 ベッドから飛び起き駆けていった先の玄関にいたのは、嬉しそうな両親と昨日会った四人、あと知らないお兄さんとお姉さん四人。 「アレン!!」 嬉しそうに抱きついてきた両親に困惑しながら、アレンは昨日の四人にトラックを見せる。 「このトラックひかるの! すごいよ!」 「見せてもらっても良いでゴザルか?」 アレンは頷き、トラックのキャブ部分を握ってスティーヴに差し出す。 スティーヴはトラックに手を伸ばし、ボディ部分を見えないように身体で覆って外すと、盗聴機の付いていないものに取り替え、笑う。 「大切にしたから、進化したでゴザルな」 「ほんと?!」 両親に両脇から抱き締められたアレンは、楽しそうに笑った。
参加者
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