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夏の午後のお茶会
オープニング◆「このサンドウィッチ美味しいわね」 女子生徒は、午後の日差しの中、カフェの庇の下のテラス席で一緒に来た友人に微笑みかける。暑いからか、それとも時間が昼を微妙に外しているからか、テラス席は彼女たちの他に数席埋まっているだけで、空いている。彼女たちが来た時はまだ中の席が埋まっていたが、注文して料理が運ばれてくる頃にはもうかなりの生徒たちや他の客は帰ってしまっていた。 「ここ、結構紅茶もコーヒーも美味しくて良いよね」 同じように、話しかけられた友人の女子生徒もサンドウィッチを頬張る。そこへ、柵の外から顔を覗かせたのは。 「そうでしょう? 私もそこのサンドウィッチ、好きなのよ! あとね、オススメはフルーツタルトよ!!」 登場キャラ
「お茶会…ふむ。やはり普通の飲食とは違うのでしょうか」 メニューを眺めながら首を傾げるミセラ・リーヴィスに、アンナが笑う。 「そんな気張ってなくて良いのよ。みんなで食べて、お茶飲んで、そんなものよ」 「左様で。あまり馴染みが無いものでして」 その横では栄相セイス目をキラキラとさせていた。 「わーい! じゃあ、私もオススメのフルーツタルトにしようかなー!」 それからメニューに視線を落とし、見つめる事しばし。 「紅茶とココア、どっちがいいかな?」 「私はフルーツタルトの甘さをすっきりと引き立てる紅茶にしますよ」 迷うセイスに、集推スイホが答える。 「私も紅茶ね」 頷くエリーゼ・クレーデルに、少し考えた後セイスも紅茶に決めたらしい。 「ところでタルトはベリー系? ベリー系なら是非とも食べて見たい‥‥かしら」 「紅嵐斗、趣味はゲームだよ。よろしくね」 近くの学生に向けて、紅嵐斗が自己紹介をする。彼らの目の前には、注文したフルーツタルトと紅茶が並んでいた。 「俺はケン。よろしく」 続いて挨拶するのは、ケン・サトウ。 「俺はニコライだ。こういったものは初めて食べるんだが‥‥」 興味深そうにフルーツタルトを見つめるニコライ・ホーキンズに、嵐斗は思わず苦笑する。 「そうだね、食べちゃおっか」 そう言う事であれば自己紹介どころではないだろう、と思っての提案に、ニコライは小さく頷きフルーツタルトを一口。 「美味しいな」 嬉しそうにフルーツタルトを食べるニコライに、折角だし嵐斗は1つ気になったことを聞いて見ることにした。 「その花のコサージュ‥‥綺麗、だね。どうしたの?」 尋ねられ、ニコライはちらりとコサージュに目をやり、頷く。 「お茶会と聞いたので」 一応、オシャレを。 ぽつり、とニコライは付け足した。 「ここのカフェのフルーツタルトは美味しいですよね。先生もご存知でしたか」 フィーア・シュヴァルツが、嬉しそうにくすくす笑う。 「ええ、勿論よ。甘いもの好きなら外せないくらいには美味しいわよね」 幸せそうにタルトを口に運ぶアンナに促され、フィーアもタルトを一口。 「そういえば、アンナ先生とはあまりお話した事がありませんでしたね」 アンナは頬に手を当て、困ったように首を傾げた。 「そうなのよねぇ。なんだかタイミングがね‥‥でも、サッカー部は部長も副部長もしっかりしててくれて、助かるわ。まぁ部長と副部長しかいないのだけどね!」 ふふ、と笑うアンナに、フィーアが紅茶を口に運びながら尋ねる。 「どうしてサッカー部の顧問に‥‥とか、聞いても大丈夫ですか?」 フィーアの質問に、アンナも紅茶を口に運び、頷いた。 「勿論よ。私、単純にサッカー好きなのよね。それに、アレって結構コミュニケーションが大切なスポーツでしょ?」 「コミュニケーション‥‥そうですね。コートも広いですし」 フィーアは顎に手を当て、少し考えながら頷く。それを見ながら、アンナは嬉しそうに続けた。 「そうそう。人数も多いし、意思疎通がちゃんと出来てないと上手くいかないのよ。そういった意味でも、私にピッタリだと思わない?」 ふふ、と悪戯っぽく笑い、アンナはパチッとウィンク。 「もっと人数増えたら、試合とかしたいわね」 「そうですね。そして、いつかはクレーコートじゃなくて芝でプレイ出来るようになりたいです」 そう言うフィーアに、アンナはニコリと笑う。 「クレーコートだと、転んだ時痛いしね」 ふふふ、とお互い笑い合いながら、アンナとフィーアはタルトを切り分け、口に運ぶ。 自分で声をかけ、端の方の席に腰掛け、タルトを口に運びながら、氷見彩玻はさっきから落ち着かずにちらちらとある方向を見つめていた。 「‥‥混ざりたいのかしら」 その様子を見ながら、エリーゼはぽつりと呟く。そういえば、自分自身も少し前まで、談話室に行くのも緊張してたと言うことを思い出した。何事も挑戦よね‥‥声をかけてみようかしら。そう思ったその時、彩玻に声をかける青年。 「もう少し、待ってみようかしら」 「今日は甘いもの、食べるんですか?」 エリーゼが様子を見ようと決めた時、横からかかった声にハッとして、声の方へと目を向ける。 「あ、えっと‥‥談話室で会った時、食べてなかった気がして」 そんなにたくさん話した事は無いけれど、と声をかけてきたミセラの視線が、エリーゼのタルトの方へと向けられる。 「ええ、今日は戴くわよ。夜中じゃないしね」 確かにそんなに話した事はないが、エリーゼはミセラが気になってはいたのだ。同じ属性だし、そして彼女の真摯に努力する姿勢は好ましいと思っていた。 「あっ、あの‥‥‥‥」 一方その頃、彩玻は見た目は普段通りだが内心物凄く焦っていた。というのも、先程までずっと見つめていた相手が、何故か自分の方へと歩いてきたから。その相手であるジェームズ・クレイトンは、近づいてきただけでなく、あろうことか彩玻に話しかけてきた。 「な、それ。美味いよな。俺は気に入ったんだけど‥‥君はどう?」 彩玻の心臓は物凄い勢いで拍動していた。しかし、感情が表に出ないため表情はあまり動いていない。ただ、挙動はこれ以上ないほど、不審だ。 「う、うん。おいしいよ、ね。先生がオススメしてくれるだけのことはある‥‥と思う」 さっきからちらちらと見てしまうのは、彼の鼻から下、顔の下半分。何がどうって、彩玻が昔片思いしている内に、彼女の目の前で事故に遭い、亡くなってしまった相手に、凄く似ているのだ。だから、さっきから近くの学生と話しながらもちらちらと視線がいってしまっていた。サングラス取れ! と念を送り続けていたのに、まさか話しかけられるとは! 想定外も良いところである。 「あ、俺はジェームズ。よろしく」 「えと‥‥私は氷見彩玻‥‥よろしく」 なんとなく目についたから声をかけてみたものの、話してみてもなんだか挙動不審だ。ジェームズは、少し考える。 もしかしたら、彼女は男性が苦手なのかもしれない。だとしたら、悪い事をしたな。 「またどっか‥‥授業とか、仕事とかで、会うかも知んないからな。その時はお互い頑張ろうぜ」 ジェームズは彩玻の事を思って、席を立つ。そして、紅茶のカップとタルトの載った皿を持ってふらりと別の席へと歩いていった。 「‥‥‥‥あぁ、もう」 その背を見つめながら、彩玻はがっくりと項垂れた。 ◆ 「まだ基礎しか学べていないからこそなんだろうけど、周りの人たちの活躍を見ているしかできない自分が悔しいんだよね」 ケンはフォークで皿の端を突きながら、ぽつりと零す。 「少しでもできることをしようとはするけど、素人のレベルでやっているだけだから、俺じゃなきゃいけないってわけじゃないしさ」 そう言ってフォークをカランとテーブルに置くケンに、ニコライも頷いた。 「俺も、同じようなもんだ。色々とやっていく内に自分の未熟さを痛感するよ。だけど、此処での日々はとても充実している」 そう答えるニコライに、ケンは少し驚いて、目を瞬く。 「そうか。‥‥そうやって悩んでるの、俺だけじゃないかもしれないな」 ぽつりと呟き、ケンは小さく頷いた。 「仲間と共に行動できるっていうのも良いものだよな。だから、学友たちの事をもっと知って、距離が近付けたら、と思ってる」 ニコライの言葉に、嵐斗も笑顔を見せた。 「せっかくの場だから、もっとお喋りしようよ。好きなこととか、得意なこととか‥‥これから頑張りたいこと、とかさ」 きっと先生も学生同士の交友を深める為に、この場を作ってくれたんだろうから。口には出さないが、嵐斗はそう思っていた。 「うん、俺は‥‥出来ることを増やしたいけど、まだそこまでが遠いなって感じだ。自分の実力を付けるしかないんだろうけど、先は長いよなぁ‥‥やるしかないっていうのは、解ってるんだけどさ」 そう言うケンだが、その姿勢は先程より幾分か前向きになっているようだった。 「やっぱりフルーツタルト美味しい! 先生、皆も他におすすめないですか?!」 嬉しそうにタルトの最後の一切れを口に入れて、セイスがびしっと手を挙げて周りに尋ねる。 「このシフォンケーキなんか、美味しそうじゃないですか?」 スイホは穏やかにメニューを指差した。 「あ、ほんとだ! 美味しそう‥‥」 楽しそうな様子でメニューを見つめるセイスに、スイホの頬が自然と緩む。 「ん? なんか私、変な顔してた?!」 それに気付いたセイスが、慌てて顔を抑えるが、スイホは首を横に振った。 「いえ、凄く楽しそうにケーキを選ぶんですね」 スイホの素直な感想に、セイスがぽっと顔を赤くした。 「えっ‥‥ええ‥‥。そんなこと〜‥‥でも、タルトもケーキも美味しいよね! あぁ、えっとその〜‥‥」 少し恥ずかしくなったセイスは、話を別の方へと向けようと少し考えて、ポンと手を打った。 「そう、スイホさんは兄弟とか、姉妹とかいる? 私は双子の姉がいるんだけど!」 唐突だったかな、と少し不安になるセイスだが、スイホは笑顔で頷いた。 「ええ妹がいます‥‥今日喧嘩したんですが」 「え、喧嘩?!」 喧嘩、という単語に、セイスは目を丸くする。 「どうしたら仲直りできるか‥‥いえ、これは関係ないですね」 そう言って話を変えようとするスイホを遮って、セイスが身を乗り出した。 「そういう時は美味しいものが良いと思うよ! このお茶会みたいに甘いもの食べるとか‥‥そういえば、マカロンも美味しそうだよね‥‥」 相談にのってるのか食べるものを選んでるのか曖昧になってきたセイスにスイホはまた笑い、取り敢えずセイスのお代わりと、もし気が向いたら妹との仲直りのための何かを頼む為に、店員を呼んだ。 「フィーアもミセラも、甘いものは好き?」 エリーゼは両隣のフィーアとミセラに尋ねながら、タルトを口に運ぶ。 「はい、好きですよ。ここのタルト、美味しいですよね」 頷き、残り少なくなったタルトを口に運ぶフィーア。 「ええ、大好きです‥‥でも太りやすくて、だから普段は控えていて‥‥。偶にはこうやって、食べるのも良いですよね。我慢ばかりでは気力も減る一方ですし」 そう言いながらタルトをフォークで一口大に切るミセラに、エリーゼも頷く。 「そういうの、あるわよね」 その時、ふっと視線を横にずらすと先程気にしていた彼女の元から青年が去っていく。彼女は、なんだか微妙に落ち込んだようなオーラを纏っているように見えた。もしかしたら、気のせいかも知れないけれど。 話しかけるなら、今じゃないかしら。 エリーゼは、気合いを入れて声を出す。 「ねぇ、こっち来ない?」 「‥‥え? 私?」 手招きすれば、彩玻が目を瞬いて首を傾げる。 「ええ。こっち来て、色々お喋りしない?」 その申し出に、彩玻は少し考えてから、フルーツタルトを持ってエリーゼの前の空いている席に座る。 「ありがとう」 正直片思いしていた相手にそっくりの人に怪しまれて、落ち込んでいた所だったから呼んでくれて凄く嬉しかった。いつものように、表情は殆ど動いていないけれど。 「いいえ。来てくれて良かったわ」 そう言ってふわりと微笑むエリーゼに、彩玻はあまりの可愛さに一瞬言葉を失った。 心が浄化されそう‥‥。 殆ど動いていない表情筋の裏で、彩玻の頭の中は大変な事になっていた。 「先生、ここのスイーツって持ち帰り出来るのかな?」 食べ終わったタルトの皿を片付けたジェームズは、紅茶のカップを持ってアンナの元へと歩いてくる。 「ええ、頼めば箱に入れてくれるわよ。お土産?」 尋ねるアンナに、ジェームズは頷く。 「ああ、こういうのが好きな奴が知り合いにいてさ。独り占めは良くないなって」 「そういう事なら、是非持って帰ってあげて」 アンナは嬉しそうにメニューを手渡す。 「さっきのは、季節のフルーツかな」 呟きながらメニューを眺めるジェームズを楽しそうに眺めるアンナに、そういえば、とジェームズは顔を上げる。 「先生の担当って社交だよな。この一言だと幅広いけど具体的にはどんなのやってんの?」 その質問に、アンナはふふと微笑んで、紅茶を一口。 「やってみないとわからないわよ‥‥って言いたい所だけど、じゃあ一言だけ。人と人の付き合いのパターンは1つじゃないの‥‥だから、どんな状況でも対応できるようにするのが私の授業よ。興味があるなら、いつでもお待ちしてるわ」 悪戯っぽく笑うアンナに、ジェームズも笑顔で答えた。 「今日の記念に、みんなと、それから先生も含めて、写真を撮っても良いだろうか。専用のカメラを持ってないので、Aiフォンで恐縮だが‥‥」 かれこれお茶会もお開きか、という頃。 そう申し出るニコライに、アンナは笑顔で頷いた。 「ええ、私は良いわよ。みんなはどうする?」 良いよ、と乗り気で並び出す学生、対照的に、写真は苦手、という学生。わいわいと賑やかに並んだり、その様子を眺めたり。 そんな学生たちは、それぞれの悩みや希望が見え隠れするものの、みんな未来に対する可能性が透けて見えるような、良い表情を浮かべていた。
参加者
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