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【PF02】スプラッタ!
オープニング◆「ハァイ、みんな。今回は学園祭に向けてクモナルド・カカヴィンチ教授がなんだかすごいものを作るらしくて‥‥必要になるものを集めてくるよう頼まれてるのよね。そんな訳で、みんなにお願いしたいのはこれ!」 そうアンナに示されたのは、アメリカの前衛芸術家、ロバート・ジョンソンの作品『脳のオブジェ』。 「でもこれ、耐久性のことを全く考えてないのよね。しかもちょっと大きいの‥‥直径5メートルくらい? 本人が言うには、ちょっとした衝撃で壊れちゃうそうよ。繊細さも含めて、脳を模している‥‥とかなんとか」 「じゃあ、どうするんですか?」 1人の学生が不安になって尋ねる。そんな壊れやすいものを、どうやって持ってくるというのか。ほぼ不可能に近いのに、それでも持ってくるのか。学生達の不安な顔を見て、アンナは笑う。 登場キャラ
「やぁ、君たちが僕と一緒に映画を見てくれる人たちかい? こんなにたくさん来てくれるなんて‥‥僕は幸せ者だなぁ! 教授にお礼言わないと」 学生達が来るや否や、ロバート・ジョンソンは上機嫌で地下のプライベートシアターを案内し始める。 「あ、あの! 比良賀ソラといいます、今日はジョンソンさんとご一緒出来るって聞いて‥‥!」 プライベートシアターの扉を開け、学生達に好きな席に座るよう声をかけるロバートに握手を求めるソラに、ロバートは一瞬目を丸くするも、直ぐに笑顔でその右手を強く握り返す。 「もしかして、僕の作品を見てくれてるのかな? ありがとう、えっとソラさん‥‥ロバートでいいよ、今日はよろしくね」 主役で家主なのだから、と学生達に促され、真ん前そして真ん中の席に座るロバート。その左横にはソラが腰掛ける。 「ソラさんもスプラッタ映画好きかな? どれから見ようかなぁ‥‥用意してもらったやつ、どれも良い作品ばかりだなぁ」 DVDを漁るロバートの横では、ソラが表情を固まらせてぱくぱく口を開閉していた。 「これなんか良いんじゃない? 飛び散る臓物、滴る血、乱れ飛ぶ肉片! スプラッターは最高だよねぇ!」 ロバートの右隣に座ったのは、李紅花が変身したキラークイーン。キラークイーンはチャイナドレスのスリットからすらりと伸びる脚を組み、彼の手元にあるDVDを指差した。 「これは僕もオススメの一作だよ。君、なかなか解ってるね!」 「同好の士と出会えて、私も嬉しいよ! あぁ、でもこれもなかなか良い奴だよねぇ、こっちも結構」 「でもこれも捨てがたいなぁ‥‥」 アヒャヒャ、と笑うキラークイーンとロバートは、楽しそうにDVDを物色し始めた。 「スプラッタといえばホラーですよ、ホラー! これなんか私はオススメですよ!!」 キラークイーンとロバートがDVDを見繕う中に頭を突っ込む桜葉千歳。千歳のオススメは、数年前に公開されたホラー映画。 「これ、確かに面白かったね。内臓の出来がとてもリアルで」 そんな風に何を見るか、わいわいと選別しているのを横目に、天空院星は肩を落とす。 「ジョンソンさん、目的の品を快く提供してくれるのはありがたいですが、スプラッタ映画ですか‥‥」 片手に持つビニール袋の中には、日系の食べ物が多く売られてる店舗でゲットして来たレバーやハツなどの焼き鳥。そして、もう片方の手には。 「あっ、それ‥‥SF超大作じゃないですか! エイリアンの造形、人類の葛藤、それからエイリアンが人類を捕食するシーン‥‥最高ですよね!!」 「あ、この映画‥‥わかります?!」 「その監督の次に撮った映画も‥‥あ、そこの棚に並んでますよ」 「本当ですか?!」 星は椅子に内臓系焼き鳥の入った袋を置いて、目を輝かせながらロバートの方へと駆けていった。 「作りもんだからいいが‥‥好き好む気持ちはわからねぇわ‥‥」 後ろの方からわいわいしながらDVDを選ぶ前方の一団を見ている宍倉静は、ぽつりと呟く。一応前の方に行こうという気持ちはあったものの、積極的な集団に押されて後ろの方に移動したのだった。 「ま、これ見てりゃ仕事してくれるってんなら、それで良いが」 連れて来たボルゾイの背をぽんぽんと撫でれば、ボルゾイはくぅんと微かに鳴いて顔を上げた。 「ふふ、映画、楽しみですね」 中藤冴香は後ろの方で普段通りニコニコとしている。 「‥‥リエラさん?」 「え、ええ、怖くないわよ」 冴香の隣に座るガブリエラ・ユレは、かくかくと小刻みに頷く。 「‥‥大丈夫ですか?」 「大丈夫、勿論よ。スプラッタなら問題ないわ」 ホラーでなければ。ガブリエラは、心の中で付け足した。 「えー‥‥何か食べたいものとか、あります? ちょっと用意してきますよ」 何処と無くテンションの低く尋ねるのは、ルーカス・ヘルキャット。挨拶する時にキッチンを借りたいと申し出ていたルーカスに、ロバートは快く応じてくれた。 「定番で言えば、コーラとポップコーンかな」 本当はワインとかでも良いと思うのだけど。そう思いながら、ユベール・ヴィエルヌが手をあげる。 「じゃあ、それとフライドポテト、ホットドッグくらいでいいでしょうかね‥‥」 「ら、嵐斗君、ちゃんと隣にいてくださいね?!」 暗くなったプライベートシアター、明るくなる画面。希望者に配られたのは、ポップコーンやフライドポテト、ホットドッグ。 周立夏は隣に座る紅嵐斗に囁く。 トイレに行く回数を減らす為、飴玉とミネラルウォーターだけを用意した嵐斗は、そんな立夏の様子に苦笑する。彼らの前では、画面が映画会社のロゴを映し出していた。 「トイレ以外では居なくなる予定無いけど‥‥立夏さん、体調が優れなくなったら、無理しないでね」 もう既に結構ヤバそうな顔をしている立夏は、それでも首を横に振る。 「別に怖くはありませんから‥‥いえ、ごめんなさい。怖いですわ‥‥臓物とか‥‥リアルなんですの?」 立夏の主張で前の方に座ったけれど、どうしたものかと嵐斗考えた、その瞬間。 徐々に落ちていく光量と、それから着いた画面。そして、突如大写しになるゾンビ。何か別の番組のプロモーションが冒頭に入っており、それが映し出されたのだとは、解るけれど。 「‥‥‥‥っ?!」 「っ‥‥だっ、大丈夫?」 咄嗟に立夏が抱き着いたのは、嵐斗の腕。声にならない悲鳴を上げる立夏はギリギリの状況だけれど、しがみつかれる嵐斗的にも結構ギリギリな状況と言える。 (温もりとか柔らかさとか‥‥っ、でも、本気で怯えてるのも解る‥‥!!) 嵐斗はなんとか心を落ち着かせ、立夏の手を握った。 「脳のオブジェ、ねぇ」 ぽつりと呟きながらポップコーンを口に運ぶのは、林雪蓮。目の前の画面では人間の脳が大写しになっていた。それを見て彼女の頭を過るのは、ここに来る時に確認させてもらったオブジェの事。 オブジェを見て思ったのは、前衛芸術って難しいなって事。 (それにしても、あんなものが自分の頭の中にあるなんて‥‥なんだかぞっとしないわね) そんな事を考えつつ、ちらりと周りの賑やかな面々に目を向けて、小さく溜息を吐いた。 「これは良いホラーですね。ひたひたと躙り寄るような恐怖を煽りつつ、ここぞという所で現れるゾンビ‥‥素晴らしいです」 後ろの席から千歳がホラー部分に関する感想を述べれば、ロバートは嬉しそうに応じる。視線は尚も画面に釘付けだ。 「そう、そうなんだ。特にゾンビのリアリティね、‥‥ほら、この映画の撮影期間に連続殺人事件があっただろう? 一時その時の死体に似てるっていうんで、放映が中止になりそうだったんだけど、公開してくれてよかったよ」 そう語るロバートに、千歳はさり気なさを装って尋ねる。 「ロバートさんは、そういう‥‥殺害現場や動画などにも、興味がおありで?」 しかし、その質問にはロバートは首を横に振る。 「いやぁ、実際に惨殺現場とかに行った事はあるけどね‥‥そういったもののコレクションは無いかな」 「そうですか」 取り締まる側として尋ねた質問を否定され、千歳はこっそりと息を吐いた。 ◆ 「っ‥‥」 突然画面に現れたゾンビに、ルーカスが静かに息を飲む。さっきまで画面に出ていた脳や内臓は医療方面の技術を学んでいる為、慣れているのだが。 「ルーカスさん、大丈夫ですか?」 「えっ、ええ‥‥」 後ろの方から周りに気を配りつつゾンビの特殊メイクを興味深く観察していた冴香が心配して尋ねると、ルーカスは引き攣った笑みを浮かべつつホットドッグに齧り付き、咀嚼する。 次の瞬間、画面に映ったのは鈍く光る刃を持つナイフ。主人公が振り回すナイフが、ゾンビの身体を切り裂くと、傷口から腐った腸がはみ出てゾンビがべしゃりと崩れる。それを見て顔を顰める静だが、小さく被りを振って兄の記憶を振り払う。 気を取り直した静は、ビクビクするルーカスを見てそっと席を立つ。足音と気配を殺して、ルーカスの背後まで近寄り、それから彼らがホットドッグを嚥下した瞬間を狙って、手を伸ばす。 「よっ、と」 「ひぃぃいっ!!!!」 肩を突いたのと、それから映画の主人公が逃げ込んだ部屋の壁が崩れてゾンビが雪崩れ込んで来たのとが、運悪く重なってしまった。 「‥‥‥‥大丈夫か?」 脅させたのは自分だけど。悲鳴を上げたルーカスに、ちょっと悪かったかなと思った静は、彼にコーラを手渡す。それを見た静のボルゾイは、気遣わしげにルーカスの横で首を傾げた。手で軽く礼を述べ、コーラを飲んで一息吐いたルーカスは、がっくりと項垂れて一言。 「う、す、すいません‥‥お恥ずかしい‥‥」 そんな彼を見守りつつ、冴香はこっそりと席を立った。 「ええええエイリアンが‥‥宇宙船‥‥あっ、そっちはっ!!」 怖さを紛らわす為小声でぼそぼそと実況しているソラ。 「本当、この映画は傑作ですよねぇっ‥‥エイリアンの造形なんて、とってもリアルで‥‥!!」 ソラの斜め後ろで焼き鳥を齧りながらエイリアンへの物凄い愛を語る星に、ロバートも嬉しそうに頷く。 「特にこの後‥‥そうこの後! エイリアンにショットガンを奪われ‥‥!!」 微妙に話が食い違っているという事にお互い気付いていないが、楽しそうではある。 「今の最高だねぇ‥‥ショットガンの直撃! ミンチになる人間! 堪んないよねぇ? あれさぁ、撃った感触も最高なんだよ?」 キラークイーンはそう語りかけながら、持参したショットガンのグリップを握らせる。 「これ‥‥使った事あるのかい?」 尋ねるロバートに、キラークイーンは意味深に笑ってみせるだけ。それから、キラークイーンは変わった画面に目を向ける。その視線の先では、形勢逆転した人間達が彼らに残されたサバイバルナイフでエイリアンを斬り裂いていく。飛び散る臓物に、ロバートが子供のように顔を綻ばせる。 「これだよ、これ!! エイリアンとは言え臓物は人と変わらない‥‥これがこの映画の良い所さ!!」 興奮を露わに小声で叫ぶロバートにキラークイーンは目を細めて、組んでいた脚を掲げてみせる。 「どうしたんだい?」 尋ねるロバートに、キラークイーンは靴に指を這わせると、そこから刃物を取り出してみせた。 「今のもイイねぇ‥‥引き摺り出された臓物。ホラ、こんなので斬り裂かれてみたくなぁい?」 口元に笑みを浮かべ、半月のように瞳を細めるキラークイーンに、ロバートは笑う。 「斬り裂かれるのはちょっとね‥‥大分、痛そうだ」 「私ねぇ、こういうの見てると悦くなってきちゃうんだよねぇ‥‥」 そう歌うように語りかけながら、ストン、とロバートの足の間に刃の出た靴を落としてみせた。そして、赤い舌で口元を舐めて、微笑む。 「どう? インスピレーション来た?」 一瞬身体を固くしたロバートだったが、ふと何か思いついたように顔を上げる。 「大腿動脈‥‥大腿骨、大腿神経! 大腿四頭筋に、腸腰筋‥‥いいね、次は脚でも良いかもしれないな!!」 そんなロバートに、背後からぽつりと一言。 「その前に、脳のレプリカをお願いしますね」 運が良いのか悪いのか、そこにいた千歳がこそっと話の軌道を修正した、その時。 「ああ゛あ゛あ゛‥‥」 声帯が潰れたような呻き声が、映画最後のED音楽の隙間から聞こえてくる。 「な‥‥な、な、ななな、何?!」 大したことないと言い聞かせ、なんとか画面を見ていたガブリエラがびしっと背筋を伸ばす。スタッフロールが終わり、メニュー画面に切り替わって明るくなった、その瞬間。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜!!!」 スクリーンの後ろから現れたのは、死人の顔、生々しい傷跡、ケロイド、そして引き摺るのは大腸だろうか。 「ひいいいぃっ!!」 ルーカス、本日二度目の悲鳴。 「うわっ‥‥!!」 ポップコーンを抱えていたユベールは、危うくポップコーンを取り落としそうになる。 「ぅっ!!!」 小さく声を上げながらびくりと肩を震わせるのは、雪蓮。内臓まみれで慣れてきたと思ったタイミングで現れた何かに、驚きを隠せない。 「ひぃえぇっっっ!!!」 ロバートの横で実況疲れで項垂れていたソラも、椅子が引っくり返りそうな勢いで驚いた。隣にジョンソンさんがいるのに、と気付いたのは、叫んだ後だった。 「〜〜〜っ!!!」 「っ‥‥‥‥だ、大丈夫だから!」 立夏にぎゅっとしがみつかれた嵐斗としては、怖いよりも困惑やら何やらが勝り、どうしたら良いか解らず取り敢えず立夏の頭を只管よしよししている。 「‥‥‥‥」 現れた姿に、きゅう、とガブリエラが気絶した。 「‥‥‥‥あら、リエラさん?」 冴香がガブリエラの顔を覗き込むが、反応はない。 「行ってやれ」 静が寄越したボルゾイにぺろりと舐められて、ガブリエラが目を覚ます。 「ひっ!!」 「リエラさん、私ですよ?」 目の前に現れた怖い顔に悲鳴をあげるガブリエラだが、その声を聞いてぽかんと口を開け、数秒後。 「サ‥‥‥‥サエカ‥‥?」 「ドッキリ成功です〜!」 ◆ その後、スプラッタ映画を見続ける事3本分。 「ん〜‥‥いや〜、楽しかったよ。みんな、ありがとう!」 冴香が呼んだバーガー店のデリバリーを食べながら、ロバートが礼を述べる。 清々しい笑顔を浮かべるロバートに、ユベールが大きく息を吐く。 「ま、気が済んだなら何よりだ」 すっきりした様子のロバートを見て、途中から戦闘の役に立ちそうな場面以外器用に居眠りをしていた静はさっさと部屋を抜け出した。ほぼ同じタイミングで、ルーカスが席を立ち辺りの片付けを始める。 「大丈夫、立夏さん」 自分自身も別の意味であまり大丈夫ではないのだけれど、と思いながら、嵐斗は真っ赤な顔で立夏に尋ねる。 「神様は幸せ者が嫌いなんですわ‥‥。嵐斗くん‥‥首が固まってしまいましたわ‥‥」 暗くなった画面を向いたまま動けなくなった立夏に、嵐斗は小さく肩を竦めた。 「ん〜‥‥みんなのおかげで、スランプを抜けられそうだよ。今ならきっと良いものが出来るに違いない!」 気持ち良さそうに伸びをするロバートを見て、残った学生達はほっと肩の力を抜き、席を立ったり話を始めたりと其々動き出したのだった。
参加者
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