'; document.write(js_file); var sflg = smartphoneCheck(); if(sflg == 1){ if (window.innerHeight > window.innerWidth) { document.write('\n'); } else{ document.write('\n'); } document.write('\n'); } else{ var rand = Math.floor( Math.random() * 100000 ) ; var css_file = 'https://rexi2.net/pd/css/style_pc.css?' + rand; document.write('\n'); document.write('\n'); } function map_show(){ // キャンパスの要素を取得する var canvas = document.getElementById( 'map-canvas' ) ; // 中心の位置座標を指定する var loc = '38.8950811,-77.0290676,14'; var ary = loc.split(","); var latlng = new google.maps.LatLng(ary[0],ary[1]); // var z; var z = ary[2]; if (z == '' || z == undefined){z = 15;} z = parseInt(z); // 地図のオプションを設定する var mapOptions = { zoom: z , // ズーム値 center: latlng , // 中心座標 [latlng] }; // [canvas]に、[mapOptions]の内容の、地図のインスタンス([map])を作成する var map = new google.maps.Map( canvas, mapOptions ) ; // ドラッグできるマーカーを表示 var marker = new google.maps.Marker({ position: latlng, title: "", draggable: true // ドラッグ可能にする }); marker.setMap(map) ; // マーカーのドロップ(ドラッグ終了)時のイベント google.maps.event.addListener( marker, 'dragend', function(ev){ // イベントの引数evの、プロパティ.latLngが緯度経度。 var lat1 = ev.latLng.lat(); var lat2 = ev.latLng.lng(); document.getElementById('gmap').value = lat1 + ',' + lat2; }); } -->
hi,jack!
オープニング◆ICPOの捜査官としての任務の帰り、アンナと同行した数人の学生はホテルへ帰る為にバスに乗り込んだ。学生たちはそれぞれ、任務を終えた後でほっとした表情をしている。 バスは一般的なバスで、座席は前部三列までが1人掛け、その後ろから2人掛けの椅子が6列。それが左右に並んでいる。一番後ろだけが5人掛けの長椅子。 学生達はそれぞれ思い思いの席に座り、アンナは5人がけの長椅子の前、2人掛けの席の窓際に座る。並んでいた乗客が全員腰掛けて、バスのエンジンがかかる。 学生達は隣の友人と話をしたり、居眠りしたり。 その時だった。 登場キャラ
「大人しくしてろよ!」 拳銃を客席に順番に向けながら、犯人の1人は叫ぶ。その間に犯人グループのドライバーは正規の運転手を運転席から引き摺り出し、席に腰掛けた。 「てめぇは床で転がってろ!」 拳銃で威嚇してるのと別の犯人が運転席から放り出された運転手の襟首を引っ掴み、客席の方へと放る。 事態の早急な収束を狙う李蕾はそのタイミングで飛び出そうとしたが、彼女より先に動いた人影があった。 「大丈夫か?」 そこへ駆け寄ったのは、真ん中辺りの席に座っていたテオ・ギャラックスラー。 「余計な事すんじゃねぇ!」 叫ぶ拳銃を持った男に、テオは洋傘を片手に肩を竦める。 「すまない。つい動いてしまってね」 礼を言う運転手を前方の空いている席に座らせて、自分もさり気なく運転席の近くの空いている席に腰掛けた。 その様子に、蕾は少し視線を巡らせ、乗客達の様子を伺う。テオが飛び出したのにも関わらず犯人に攻撃を加えなかったという事に、まるで意味が無いとは思えない。他の学生達が動かないのにも、多分理由があるのだろう。 それから蕾は、今度は興奮状態の犯人達に目をやる。今飛び出せば、下手をすれば誤射の可能性が否めない。そう判断した蕾は、浮かしかけた腰を再度椅子に落ち着けた。 「何こそこそしてやがる!」 その時最前列に目を向けたもう1人の犯人が叫ぶ。 「お、おじさん達、やめたほうが良いって思うわ!」 応じて叫ぶのは、銃声がするまで流れる景色を眺めていたドロシー・ロマンシア。ドロシーが敢えて何時もより子供っぽく叫んだ言葉に、犯人は溜息を吐き苛立たしげに舌打ちをする。 「とっとと黙らせろ」 「るせぇな! 言うことを聞かないガキは嫌いだ」 その様子に呆れたように、拳銃を持った犯人がドロシーの席まで歩いていく。 「いい、じゃあお前他の客の方見てろ。おい嬢ちゃん、まず俺たちはおじさんじゃねぇ、おにいさんだ。それから、嬢ちゃんにはわからんだろうが、俺達はこのアメリカって国が嫌いなんだよ。俺たちを不幸にしたこの国に報いてやんねぇと、気がすまねぇんだ」 ドロシーと話し始めた拳銃の犯人と入れ替わるように、素手の犯人が他の客席の方へと向く。 その入れ替わりの隙を付くように、学生達のポケットの中でAiフォンが震えた。それに気付いたテオが後ろの座席をバックミラー越しに確認すると、紅嵐斗がAiフォンを片手に持っているのがちらりと見える。 「怒らないでね? だってこんなこと、ただじゃすまないわ。おにいさんにも、大事な人や心配してくれる人がいるはずよ?」 「んなモン居たら、俺たちはこんな事しなくて済んだ。お袋だって親父だって、とっくに病気で死んじまったよ」 彼は今の所、ドロシーに拳銃を向ける様子は無い。説得の余地がありそう、と判断したドロシーは言葉を重ねる。 「いないのなら、もっとダメ! だってこれから会うかもしれないのに、もう会えなくなっちゃう!」 精一杯子供らしく振舞うドロシーに、犯人はかぶりを振って片眉を持ち上げた。 「お嬢ちゃん‥‥そりゃ、考えが甘いぜ」 諦めたような顔をする彼に、ドロシーは続ける。 「だって、わたし子どもよ? おとぎ話が好きだし、世の中もそうならステキだって思ってるもの!」 拳銃に怯えているように装いながら説得を続けるドロシーに、ドライバーが肩を竦めた。 「おい、うるせぇぞそいつ」 彼は溜息を吐き、遂にドロシーに銃口を向けた。 「嬢ちゃん、お喋りはここまでだ。それ以上話すようなら、天国で演説してもらう事になるぜ」 そう言いながら安全装置を外す彼。彼が本気で撃つつもりならドロシーとしては銃を蹴り飛ばすしか無いが、それにしては少々距離がある。どうしたものか、と思ったその時。 「‥‥悪いな。その子、世間知らずなんだ」 そう言って手を挙げる大世宮典人に、もう1人の犯人が視線を向けた。 「お前、あいつの保護者か?」 「‥‥そんなもんだ」 そう返す典人の手を掴み、犯人は引っ張って立ち上がらせる。 「なら、あいつを黙らせろ。出来んだろ」 「‥‥あぁ」 手を持った犯人に引き摺られるままに揺れるバスの床を歩き、ドロシーの横に連れて来られる。 「ありがと」 小声で言うドロシーに、典人は首を横に振る。手を離した犯人は典人をその場の床に座らせてから少し移動し、運転席に凭れ掛かる。 「あとどんくらいで着くんだ」 「五分くらい走らせて信号を渡って、そこからまた十分くらいだ」 舌打ちをする彼を呆れたように横目で見ながら、拳銃を持った犯人は入れ替わるように後ろの座席の方へと向かう。途中、彼はバスの真ん中よりやや前の方に座って目を閉じている宍倉静にちらりと目をやり、肩を竦めて呟く。 「こんな時に寝てるなんて信じられねぇ‥‥まぁ、騒がれるよりはマシか」 静は、その呟きをぴくりとも動かずに聞いていた。 「メールが来てる」 「そういえば、さっき震えてたわ」 小声でドロシーに伝えた典人は、返事に頷きながら犯人たちの視界を遮るように身体を若干移動させる。ドロシーはその影で、Aiフォンを確認した。 ◆ 「外から必ず助けに来るから、変に動かない方がいいね」 ゲルト・ダールは周りの人々に聞こえるような声で言う。心理学に基づき、催眠術をかけるように紡がれるゲルトの言葉は、周りの人々に強い説得力を持って届く。 この子の言う通り、静かにしていよう。乗客たちはゲルトの言葉に納得し、ざわざわとした落ち着きのない雰囲気は大分緩和される。 その様子を見ていたアンナも、ほっと息を吐く。その瞬間。 「おいそこ、何やってやがる。外の奴らに連絡取ろうとしてんのか?!」 外、という単語に思考を引き摺られた犯人は、車外をちらちらと伺いながら嵐斗に近づいて行く。嵐斗はAiフォンをさっと隠してから、両手をあげた。 「いや‥‥ちょっと、気分が優れなくて」 送ったメールには、これからこのバスが通るであろうルートと、動き出すのに最適なポイントを添付しておいた。先程のドライバーの話を聞くに、嵐斗の予測したルートは正解だったようだ。だとすれば、この速度で動き続ければ信号に着くまであと2分程度。それまで犯人たちの動きを止めなければ、と嵐斗は両手を上げたまま考える。下手な場面で動けば、犯人達に余裕が生まれる。今の所、ゲルトの言った通りに乗客達は静かにしているが、何か起きた時、此方の準備が整っていなければ怪我人が出る可能性がある。 人命第一、とアンナは言った。そして、嵐斗自身誰か犠牲が出るのは避けたいと思っている。 「何かやってたんじゃねぇのか」 「そんな」 いざとなれば反撃するしか無いが、さてどう動けば最良か。向けられる銃口に、嵐斗が諦めて鞭を取り出そうと動いた、その時。 「ねぇ、そんな事はやめましょう? みんな死んでしまうのよ?」 立ち上がり、胸をはだけさせたまま両手を上げ、嵐斗に拳銃を向ける犯人に近づいて来るのはアルカ・アルジェント。漂う色香に、犯人は思わず拳銃を下ろした。 「さっきの女の子も言っていたけれど‥‥これから、良い事があるのかもしれないのよ?」 しかし、その言葉にハッとして、犯人は拳銃を持ち直す。しかし、その銃口の向く先は嵐斗ではなく、アルカだった。 その仕草を隙なく観察していたアルカは、彼らが訓練された聖戦士ではなく、不幸の路地に追い詰められた自棄であろうと推測する。 「そんな話は聞き飽きたんだよ。俺たちが、そのいつかをどれだけ待ったと思ってんだ? 死のうが何だろうが、俺たちには明るい明日なんてのは用意されてねぇんだよ!!」 唾を飛ばしながら捲し立てる犯人に、アルカはこくりと僅かに首を傾げ、妖艶に唇を歪ませる。 「生きましょう? 生きていれば、ステキなコトだってデキるわ‥‥。例えば、私とイイコトをする‥‥とか、ね?」 その言葉に、犯人達3人が僅かに肩を震わせた。しかし、直後素手の犯人はドライバーを叩き、そして拳銃を持った犯人はかぶりを振る。 「そ‥‥そんな甘い話そこらに転がってるわきゃねぇんだよ! 明日食う金さえ無い俺たちが、あんたと何か出来るのか?! 出来ねぇだろうが‥‥舐めんじゃねぇぞ!」 激昂した犯人は、拳銃の柄を両手で握り、引き金に指をかける。 「ハァ‥‥そんなにイキたいなら、1人でイケば?」 「この女ァ!!」 引き金を引こうとしたその時、バスが信号に差し掛かり、タイミングが良かった為にそのまま右折。犯人はバスが僅かに傾いた為に、バランスを崩す。その隙を見逃さず、アルカはMNを起動、辺りにベンタブラックの霧が立ち込める。そしてそれとほぼ同時に、ファントムガンを右手でホルダーから抜き、犯人の銃を構えた腕に押し付ける。 「残念だわ」 冷たい感触に固まった犯人の耳元で囁くアルカが引き金を引くこうとした瞬間、犯人の手の中から拳銃が消える。 「銃声が鳴っちゃうと、お客さん達が混乱しちゃう‥‥よね?」 犯人の拳銃を絡め取ったのは、嵐斗の鞭だった。 「なんだァ?!」 「おいうるせぇぞ! ここで事故ったら元も子もねぇだろうが!!」 慌てるもう1人の犯人と、その犯人に怒鳴りつけるドライバー。 「見てこいよ」 叱責され、犯人は客席の方へと歩いていく。そんな彼に突然投げつけられたのは、鮮やかな色彩の花が束ねられたブーケだった。 「な、なんだぁ?」 素っ頓狂な声を上げる犯人の視界を阻害したのは、先程と同じベンタブラックの霧。 「うっ‥‥?! なんだこりゃ?!」 犯人の腕を襲ったのは鞭だった。 「そちらのブーケは、貰っておいてくださいね」 声の主人は、MNによって変身した蕾。 「どこだ?! どこにいる!」 見えないながらも現状を打破すべく、犯人は無闇にそこらを殴りつける。 「きゃあっ!」 その拳が偶々座席の角に当たり、座っていた女性が悲鳴をあげた。 「そこか!」 声に当たりを付けた犯人は、その女性目掛けて拳を振り上げる。その時、座席と犯人の隙間に素早く滑り込んだ静。 「てめぇ、さっき寝てた‥‥!」 突然視野の外から現れた静に驚いた犯人だったが、言い終わる前に肘を極められる。 「ったく、面倒くせぇ」 うぎ、と呻く犯人を静は問答無用で指輪を嵌めた手で殴りつけた。 「銃はどこだ?!」 銃を絡め取られて慌てる犯人に、アルカがベストポケットを引き抜いて至近距離で銃口を向ける。 「こ、この女っ‥‥」 犯人が霧の向こうから僅かに見える銃口に気を取られている隙をつき、嵐斗は素早く腕時計を構え、スイッチを押す。 「殺してや‥‥る‥‥」 犯人はアルカに襲いかかろうと拳を振り上げたその時、嵐斗の腕時計から放たれた麻酔針に当たって意識を失った。 「何が起きてんだ?!」 仲間の悲鳴を立て続けに聞きながらも運転を続けていたドライバーが、混乱そのままに叫ぶ。 「おいお前ら! なんなんだよ! どうした?!」 客席の方を振り向こうとしたその時、ドライバーは左腕を掴まれバランスを崩す。 「‥‥退いてもらう」 左腕を掴んだのは典人。日本人にしては威圧感のある体格の良さに、ドライバーは一瞬目を見開く。 「なんだ?!」 ドライバーが拳を握り振り上げたタイミングで、典人の後ろから脇を抜け、ドロシーが躍り出る。そしてスカートを両手でたくし上げ、犯人の顎を蹴り上げた。 「‥‥ギャラガー、今だ」 典人が声をかけるより少し早く、テオが動き出す。 「これ以上衝撃を与えないよう、静かに止めてみせよう」 顎を蹴られ、そのまま典人に放り出されたドライバーと入れ替わるように、テオが傘を手にしたまま運転席へと滑り込む。 「任せるといい」 言うな否や、テオはハンドルを握り、走行速度を素早く且つ滑らかに落としていく。バスは道の端へと向かい、止まったことを感じさせない程自然にブレーキをかけた。 「やめろ!」 典人に横っ面を張られながらも喚くドライバーに、バスを止めたテオは洋傘の先を向ける。 「静かにして貰おうか」 傘の先端にある銃口が、火を噴く。気絶モードで射抜かれたドライバーは、その場に膝から崩れ落ちた。 「その傘、素敵ね! おとぎ話に出てきそう」 笑顔でそう言うドロシーと不思議そうな顔をしている典人に、テオはもう一度洋傘に目をやって、肩を竦める。 「知らないのか。紳士の必需品だと聞いたが。形から入るタイプなのでな」 「何かを為したいなら、手段を考えるべきだね」 ワイヤーや投げ手錠で拘束された犯人達3人は、アンナが連絡した警察官達に取り押さえられ、連行されていく。その項垂れた後ろ姿を見ながら、ゲルトが呟く。 「ところで、彼らはホワイトハウスにバスで突っ込んだとして‥‥何をするつもりだったんだ?」 洋傘を片手に首を傾げるテオに、嵐斗も同じく、首を傾げる。 「サイコロの旅で出目でホワイトハウス行きにでもなったのかも」 「国自体に不満があったのは間違い無いでしょうけど‥‥それにしても、お粗末なモノね」 そう返すアルカは、もうとっくに変身を解除している。蕾も同様で、その姿はバスに乗った時と変わりない。 「んじゃ、帰ろうぜ」 欠伸をかみ殺すような仕草をする静が、ぐっと伸びをする。 こうして、1人の怪我人も出すことなく、ハイジャック事件は無事解決されたのだった。
参加者
|