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かぼちゃパーティー
オープニング◆「秋だな」 真面目な顔で談話室の扉を開けるなり、そう言うカイ・エリクセン。彼の足元には、何が入っているのか大きめのトートバッグが転がっていた。 「今月末には、ハロウィンというイベントがあるのだろう?」 カイはハロウィンについて何かしら思うところがあるらしい。続きを促すように黙る談話室の他の面々に対し、カイは心得たとばかりに小さく頷く。 「ざっと調べたところによると、どうもカボチャを大量消費するイベントらしいじゃないか。外身をランタンにするということは、中身は食べるのだろう? カボチャをたくさん食べるというのは、大変難しい事のように思う。料理のレパートリーの幅がモノを言うのだろう」 登場キャラ
満足気なカイと、食べるには多い量のカボチャ。 「取り敢えずは、くり抜くぞ」 せっせと作業を始めるカイ・エリクセンの様子を、ライリー・ホワイトは微笑ましく見守っていた。 「ハロウィンですか‥‥懐かしいですね」 フルパワーで作業するカイにより、カボチャはあっという間に皮と中身に分けられていく。 「この外側は本番ではランタンにするのだろう? 今回は食べねばもったいないから食べるが‥‥ハロウィン本番で食べるのはこの中身だ‥‥そうだろう?」 そう確認するカイに、紅嵐斗は肩をすくめる。 「おれの住んでた日本だと、ハロウィンの認識は割と雑だったからね‥‥そういうのも良いんじゃないかな?」 カボチャをくり抜いて外はランタンに、中身はみんなでワイワイ食べる。日本でのハロウィンなんて、仮装しておやつを配るイベントくらいのものだ。海を渡り人から人へ伝えられていくうちに、文化は変容し、順化していくものだ。故に、カイがこうだと思い、誰かがそれを受け入れるのであれば、それもまたハロウィンの一つの形‥‥という事で、良いのかもしれない。 「さて、おれは何を作ろうかな‥‥」 ある材料で出来るものは‥‥と、嵐斗はAiフォンでレシピを検索しはじめた。 「俺はパンプキンスープを作ろうかな」 ギアで検索しつつ、そう申し出るのはイーノク・オルティス。 「パンプキンスープ、良いですね。他にも焼いたり、色々使い道がありますもんね」 相槌を打つライリーはというと、まだ何を作ろうか決めかねていた。その時、ガチャリと談話室の扉が開いた。 「なんか、みんなでカボチャ料理を作って食べるんだって?」 顔を覗かせたのは一条葵。通りかかりでちらりと覗いて帰った学生から話を聞いたのか、それともがやがやと騒いでいるのを外から聞いたのか。 「カボチャ料理を食べるのが主目的ではないぞ。来たるハロウィンで大量に余るであろうカボチャの中身の調理法を模索するのが今回の目的だ」 キリッとした顔でつらつらと語るカイに、ライリーが困ったように笑う。 「ハロウィンで、外身をランタンにするなら中身が余るだろう、ということ‥‥みたいです」 よくランタンになっている巨大カボチャの中身は一般的には食さない。その事がわかっているのか、わかっていないのか‥‥多分、わかっていないのだろうが。葵は呆れ半分、困り半分に額に手を当てる。 「おい、そんな話だったのか?」 そうこぼすものの、机の上に並んでいるものはまごう事なくカボチャだ。食べる為のカボチャ。 「ま、いいや」 どんな事情であれカボチャは食べる、と葵は談話室に入室し、調理の為に手を洗い始める。 「カボチャ‥‥プリンが食べたい‥‥!!」 談話室に放置されていた誰のものかわからない料理本を食い入るように熟読しているのはオリバー・カートライト。彼の読んでいるのはまさしくカボチャプリンの作り方のページだった。 「カボチャを裏ごしして‥‥卵液と混ぜる、か」 調理の時間の大半は蒸して冷やす時間のようだ。実際つきっきりで作業する時間はさして無いだろう。手が空いたら周りの調理を手伝おう、と決めつつ、オリバーはカボチャプリンの作成に取り掛かり始める。 「プリン、と‥‥蒸し物か。パンプキンスープ‥‥じゃあ、俺は‥‥そうだな」 思案する事しばし。葵は周りに目をやり、どうも甘いものが多そうだと目星をつけ、ぽんと手を打った。 「それなら、俺はステーキを作ろう」 そう宣言した葵に食いついたのは、くり抜いたカボチャをシリコンスチーマーをレンジに突っ込んだカイ。 「ステーキ? 肉は無いぞ」 首を傾げるカイに、葵はカボチャを一つ手に取る。 「カボチャを厚く切って、レンジでちょっとだけ蒸して柔らかくしてからソテーする。味付けはステーキソースだ。肉では無くカボチャのステーキになるが、美味いと思うぞ」 カイは少しだけ考えて、それから頷く。 「俺の知っているステーキでは無いが、カボチャのステーキか‥‥確かに美味そうだ。良いかもしれないな」 ふむふむ、とどこからか取り出したメモ帳に書きながら、カイは自分が仕込んだシリコンスチーマーの様子を見にレンジの方へと歩いていく。勿論だが、まだ出来上がってはいなかった。 「皆さんたくさんお料理をご存知なんですね‥‥私は‥‥」 調理に取り掛かる面々に感嘆しつつ、ライリーは食べた事のあるカボチャ料理を思い浮かべていく。そして、今ここで調理されている途中の料理のメニューと照らし合わせ、被らないもので、おススメの物を頭の中に羅列していく。料理とお菓子作りなら、そこそこ自信がある。 「‥‥パウンドケーキにしましょう」 自分の作るお菓子を決めたライリーに、レンジを見て満足したカイが寄ってくる。 「パウンドケーキか。美味しそうだが、どうやって作るんだ? 調べればわかるかもしれないが、出来れば見せてもらいたい」 そう申し出るカイに、ライリーはふわりと笑って頷く。 「じゃあ、一緒にやってみましょうか」 「それはありがたい」 ライリーの提案に嬉しそうに頷くカイは、まず何が必要かライリーに確認し、メモを取り始める。他の面々も、それぞれ必要なものを用意し、調理の準備に取り掛かっている。そんな様子を横目で眺めていた嵐斗は、何を作るか悩みながらAiフォンを弄っていた手を止め、頷く。 「みんないろんな料理を作るみたいだから、おれは手軽に摘めるものにしようかな」 そう呟く嵐斗のAiフォンに表示されていたのは、カボチャチップスの簡単なレシピだった。 ◆ 「混ぜると、こんな感じになります。ここで混ぜすぎると膨らまなかったりする原因になりますので、注意してください」 小麦粉などの材料と潰したカボチャのペーストを混ぜ合わせた生地を見せながら、ライリーはカイに説明する。 「ふむ‥‥細かい注意点はあるものの、さほど難しい所は無いんだな」 頷くカイに、ライリーは型を用意しながら頷く。 「その細かい注意点をよく見落として失敗するので、気をつけて下さいね。あと気をつけるべきは分量でしょうか‥‥お菓子を作る時はしっかり測ってレシピ通りの分量で。これが基本ですね」 カイはアドバイスを真面目に聞き、しっかりとメモに書き記す。 「そして、これをゆっくりと型に流し込んで‥‥」 零さないように、混ぜ合わせたボウルから用意した型へと記事を流し込み、軽く数回空気を抜く為に型を10センチほど型を持ち上げ、机に落とす。 「空気抜きをしないと、焼きあがったパウンドケーキに大きな穴が出来てしまったりしますので、忘れない方が良いと思います」 そう言うライリーに、カイは興味深そうに小さく頷く。 「確かに、大穴の空いたケーキは嫌だな。そういう細かい作業が出来上がりを左右するのか。料理とは奥が深いな」 感慨深げなカイと共に最後の工程として熱したオーブンに型に入れた生地を入れたライリーは、規定の時間にセットして蓋を閉める。 「これで、あとは待つだけです。私は他の方の料理を見に行こうと思いますが、カイさんはどうなさいますか?」 たずねるライリーに、カイはメモをしまいながら頷く。 「勿論、他の料理も見に行くぞ。参考になる料理がたくさんありそうだからな」 並べられた数々の料理‥‥一番多く種類を作ったのはイーノクで、パンプキンスープを作る側、カボチャのマリネ、カボチャのサラダ、焼きカボチャと片手間で作ったにしては素晴らしいラインナップとなっていた。 「この焼きカボチャは上にバニラアイスをのせてデザートに食べような。昔‥‥両親と食べてたから、久しぶりで食べたくなったんだ」 スペイン系移民だった両親の事を少しだけ思い出しながら、イーノクはそう説明する。メインディッシュとなるのは、味付けと大きさから葵の作ったカボチャステーキだろう。嵐斗の作った薄切りのカボチャを油で揚げたカボチャチップスとカボチャのクラッカーーこれは柔らかく茹でたカボチャを潰して片栗粉や薄力粉、オリーブ油と混ぜてオーブンで焼いたものだがーーは料理の口休めに丁度良さそうだった。 「なかなか、壮観だな‥‥」 それぞれの料理の作り方と名前をメモしながらカイが呟くのとほぼ同時に、ライリーが机の上に焼きあがったパウンドケーキを置く。 「うまく膨らみましたよ」 目を細めるライリーに、カイは満足そうに頷く。 「混ぜ過ぎてしまったかと心配していたが、無事で何よりだ」 ライリーが席に着き、繋げた机に全員がつく。 「腹一杯になるまで食べられそうだな」 プリンを蒸して冷やしている間、少しずつ手伝った料理を前にオリバーは満足げだ。 「ところで、プリンは?」 たずねるカイに、オリバーは冷蔵庫を指差す。 「プリンは冷えてた方が美味いから後で取ってくるぜ」 並んだ料理の中にプリンが無いことに気が付いたカイの視線に、オリバーはそう答える。 「みんな綺麗に方向性が分かれたね」 そう言う嵐斗ではあるが、それぞれ全員の様子をそれとなく確認しながら料理を作成していたので、これはある意味チームワークと言えるだろう。 「カボチャのフルコースだな」 イーノクは机に並んだカボチャ料理の数々に笑顔で言う。 「これだけあれば、ハロウィン本番でも困る事は無いだろう。みんなの協力に感謝する。しかし‥‥あの量のカボチャでこの量になるとは‥‥みんな、体重は大丈夫か?」 メモをひらひらさせつつ、もし食べすぎを気にするようであれば保存しておくが、と続けるカイに、イーノクは首を横に振る。 「それはほら、この後動けば良いから」 イーノクが指差したのは外。 「それも一つの手ではあるな」 ふむふむと感心したように頷きつつその旨もメモを取るカイに苦笑しつつ、葵は席についている面々へと目を向ける。 「後のことは後で考えれば良いんじゃないか?」 そう言う葵に、ライリーも小さく頷く。 「お料理、冷めちゃいますしね」 頷き、それぞれに食前の挨拶を済ませ、カボチャのフルコースに手を伸ばす。 「これだけ揃えば、味のバリエーションもあるものだな。たかがカボチャと侮れない」 そう感想を零しながら、丁寧に味の感想を添えていくカイにそれぞれポイントだとかコツだとかをコメントしつつ、一同はカボチャ料理を楽しくつまんでいく。こうして、ハロウィンの予行練習と銘打ったカボチャパーティーの時間は過ぎていく。終わった頃には、カイのメモは、一冊びっしりと埋まるくらいに料理に関する情報が書き込まれていたのだった。
参加者
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