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世界スイーツフェア
オープニング◆マスター、悩む「う〜〜〜〜ん」 その日、喫茶店オフィーリアのマスターは、朝から悩んでいた。もっというと、昨日も一昨日も悩んでいた。 「マスター、そんな悩まなくても」 休憩時間、ナオ・ブレイズフォートは、コーヒーを淹れてマスターの座る席の前に置く。先日コツを掴んで以降、毎日練習してコーヒーもかなり美味しく淹れられるようになっていた。 「でも、もう来週なんだよ。このフェア」 登場キャラ
メニュー開発のため休みにしてあるオフィーリアで、集まってくれた学生達‥‥しかも過半数が男子という面々に、マスターは凄い勢いで頭を下げる。 「今日は本当にありがとうございます! 助かります」 その様子に、今回のフェアのメニュー作成がかなり難航していた事がうかがえて、アンナ・ヴィドルフは苦笑を浮かべる。 「手伝いが必要だと聞いた。俺で良ければ‥‥」 そう言いながら、アルフォンス・サインツは呼んだパティシエに作ってもらったスイーツの入った箱を二つ、机の上に出した。ちなみにパティシエはまだオフィーリアのキッチンにおり、今は先程マスターと話し合った結果渡した陳晶晶の持参したレシピのスイーツと、夕星将太郎の提案したカステラと琥珀糖、それからオリバー・カートライトのお勧めであるスティッキートフィープディングとトライフルを作成してもらっている。 「ご当地的なもので、そこそこ手に入る材料でってことであれば、いくつか紹介できると思う」 そこで、アンナはふと思い出した事を口にする。 「出身地‥‥スウェーデン、だったわよね?」 スウェーデン、といえば、あれだ。美味しくないお菓子代表、サルミアッキ。 顔をしかめるマスターとナオ・ブレイスフォート、そしてアンナ。表情には出ないものの、同じく試食係を買って出た陳華龍も内心穏やかでなかった。しかし、例えサルミアッキであったとしてもスイーツはスイーツ。 「何であっても、正確無比な判定をしてみせる」 覚悟を示す華龍に、アルフォンスは目を瞬いて、それから肩をすくめる。 「いや、大体何を考えているかはわかるが‥‥流石にサルミアッキはお勧めしない」 ほっ、と胸を撫で下ろす面々を前に、アルフォンスは一つ目の箱を開ける。中から出てきたのは、スウェーデンが発祥と言われているカネールブッレ、表面にアイシングがたっぷりと施されているキャロットケーキ、北欧でよく食べられているベリーパイの三つ。 「すごい美味しそう‥‥!!」 目をキラキラさせるナオは、素早く取り分けるための皿を用意して、それぞれナイフで一口大に切り分け始める。 「あとは、女性向けに良いと思ってこれも。SNS映えもする」 そう言って取り出したもう一つの箱を開けると、緑色のマジパンに覆われた半円状のプリンセストルタが丸々一つ出てきた。 「たしかに、これならSNS映えも間違いなしですね。でも、私の紹介するものもSNS映えしますよ!!」 そう言って桜葉千歳は保冷材の入った箱を取り出す。 「ふふふ‥‥夏ですよ、夏! 夏といえば、ホラーです!!!」 じゃーん! と言いながら楽しげに開けた箱の中には、脳みそ型レアチーズケーキと目玉ゼリー、骸骨クッキー。 「あぁ‥‥まぁ‥‥すごいわね‥‥」 よく見れば確かにスイーツだとわかる程度の見た目ではある。しかし、それでもぱっと見はかなり尖った見た目ではあった。 「材料は普通のモノと変わらないですからね、形が特殊なだけで。でもジャムを血に見立てて添えたりとか最高じゃないですか」 口調に熱がこもってきている千歳は、もはや周りの事を気にしていなかった。 「それと血に見立てたブラッドオレンジフレーバーの紅茶をセットと言うのもアリです。嗚呼、ホラー最高最強至高です!!!」 立ち上がり、拳を握りしめて力説する千歳に、マスターは苦笑しながらそれぞれのスイーツを小皿に取り分けていく。 「見た目はアレでも目玉ゼリーなんてぷるぷるしてて美味しそうですよ」 そう感想を述べるマスターに、千歳は嬉しそうに頷く。 「そうですよね! これは日本の創作スイーツです!!」 更にホラースイーツの魅力を語り続ける千歳に、マスターはふんわりと微笑み、続ける。 「でも、あんまり日本らしさは無いので‥‥ホラーフェアとかハロウィンフェアとか、別の機会にぜひ」 折角持ってきてくださったのに申し訳ありません、と頭を下げるマスターに、千歳はがっくりと肩を落とすが、すぐに気を取り直し取り分けた小皿を配っていく。 「残念ですが仕方ありませんね。でも美味しいんですよ! 食べてください!」 ただコンセプトがずれていただけで、ダメだと言われた訳ではない。そしてホラーを否定された訳でもないのだ。千歳は次の機会に向けて、プレゼンを続けるのだった。 ◆ 「味は普通に美味しかった」 千歳に意見を求められた華龍は、ゼリーとチーズケーキに対する味の感想を素直に述べる。 「私は真実を暴くもの、ゆえに嘘は決して吐かない」 怪盗としての美学でもあるその矜持故、華龍の意見に嘘偽りはない。 「見た目以外はな」 最後に付け加えた一言に、アンナは苦笑しつつもアルフォンスが持参したプリンセストルタを口に運ぶ。 「このケーキ美味しいわよね。マジパンだから見た目のアレンジもしやすそうだし。マスター、どうかしら?」 そう声をかけられたマスターは、ふむと唸りながら口の中のキャロットケーキを飲み込む。 「このキャロットケーキもおいしいですよ。甘いながらも人参の風味が活きている‥‥素晴らしいケーキです」 そこへ、キッチンからトレーを持ったナオが出てきた。トレーの上には、キッチンでパティシエが作ってくれたスイーツの数々。 「たくさん作ってもらいましたよー!」 言いながら配膳していくナオを、晶晶と将太郎も手伝いつつ、スイーツについて説明を加えていく。 晶晶の用意したレシピは、主に東南アジアと中華のスイーツ。 「プトゥバンブー、米粉を竹筒に詰めて蒸している東南アジアのスイーツだ」 皿に乗せられている現在は竹筒は外され、外側にココナッツフレークがまぶされている。 「続いて、杏仁豆腐だ。中国発祥で、薬膳の側面も持つ。ヘルシーなスイーツさ」 別の皿に盛られているのは、白くてぷるぷるしたスイーツ。 「これは知っていますよ。日本でもコンビニやスーパーで気軽に買えましたからね。しかし本場の杏仁豆腐は風味も違うんでしょうから、楽しみです」 頷きながら受け取ったマスターは、そう言いながら杏仁豆腐をしげしげと眺めている。 「この二種類とも、地元のシンガポールではよく食べられていたんだ。材料も地元では簡単に手に入るもので、この辺りでも輸入品のスーパーとかで買える」 続いて机に並べられていくのは、将太郎の提案したカステラと琥珀糖。 「普通のカステラとはなんか違いますね?」 首を傾げるナオに、将太郎は頷く。 「焙じ茶が練りこんであるんです〜、風味が出てお勧めですよ〜。日本、て言うと抹茶と思われがちやけど、俺は焙じ茶の方が好きですね〜」 確かに、色合いが少し茶色っぽい。興味津々と言った様子で眺める面々に、ナオは一口ずつ配っていく。 「あとはそれね。非常にイギリスっぽいというか、なんというか‥‥」 最後に残ったのは、オリバーのお勧めであるスティッキートフィープティングとトライフル。スティッキートフィープティングはSTPとも表記されるお菓子で、茶色いトフィーのソースが焦げ茶色のスポンジにこれでもかとかけられている。トライフルは、スポンジケーキやカスタード、フルーツなどを器に層状に重ねたスイーツだ。 「イギリスやヨーロッパでは代表的なスイーツだと思う。甘いものは好きだから、結構こういうのは‥‥まぁ、食べてみたらわかると思うぜ」 そう説明するオリバーだが、この二種類のスイーツが甘いであろうことは、食べなくても見た目と匂いでわかる程度に甘そうだった。 ◆ だいたい全てを制覇した頃には、全員の腹がかなり膨らんでいた。 「‥‥世界には色々なスイーツがあるな」 どことなく満足げにつぶやくアルフォンスは、目の前の空っぽになった皿を見つめる。 「どれもそれぞれ美味しかった。特色が出ていて良かったと思うが‥‥」 食べる毎に感想を言っていた華龍はまとめるようにそう言うと、マスターはうーんと唸る。 「そうですね‥‥世界広し、と感じられるラインナップでした」 そう言うマスターに、千歳はたずねる。 「全部採用ですか?」 勿論、途中で却下された自身が提案したメニュー以外は、という事であるが。 「特にスティッキートフィープティングはイギリスらしい‥‥良くも悪くも、といった感じはするわね」 思わず感想を漏らすアンナに、オリバーは苦笑する。 「まぁ、ものすごく甘いな」 ナオは杏仁豆腐の入っていた器を持ち上げて、にこりと笑う。 「私はこれが一番食べやすかったですよ〜! 健康にも良いって聞くと女性は嬉しいですよね」 メニュー提案者の晶晶は満足そうに頷く。 「作りやすさもあるし、メニューに入れてくれると嬉しいな」 「日本出身者としては、焙じ茶カステラはなかなか馴染み深い味がしていたし」 それぞれの話を聞きつつ、マスターは悩みながら、メニューの草案を作っていく。 「焙じ茶ラテ、とかも結構流行ってるくらいですし〜」 将太郎のその情報もメモにとりつつ、マスターは紙にさらさらと書き込んでいく。 イギリスからはスティッキートフィープティング、あとトライフル、スウェーデンからは特に特色の目立った二品、キャロットケーキとプリンセストルタ。プリンセストルタは作るのが少し大変そうだから数量限定で。あと、中国から杏仁豆腐、シンガポールから、竹が確保できればストゥバンブー。日本からは焙じ茶カステラと琥珀糖。 その間に、ナオが淹れた食後のコーヒーと紅茶が配られていく。十分程度した頃。 「こんな感じですね。皆さん、ありがとうございました。助かりました!」 草案を完成させたマスターの晴れやかな顔に、コーヒーや紅茶をすする学生達は、それぞれ達成感を胸に、出来上がったメニューを見せてもらう。そのメニューの草案は、学生達の協力により、世界スイーツフェアの名称に恥じない、そうそうたるラインナップとなっていた。
参加者
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