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浜辺で素敵な
オープニング◆「夏といえば海よ。砂浜よ!」 バァン、とボードに貼り付けた砂浜の見取り図をバシッと叩きながら、アンナ・ヴィドルフは拳を握り締める。 「夏といえば海よね。そんな訳でみんな、海‥‥行きましょ」 しかし入学してそれほど時間は経っていないながらも、学生たちはこのアンナという講師の事をなんとなく、解ってきていた。そして、今回は補習の講義だ。だから、遊びに行くだけ、なんてことは、ある訳が無い。 「で、今回はなんですか?」 登場キャラ
青い海、青い空、そして白い砂浜。ぱっと見理想的な夏のビーチに、突如として現れた寿司職人。ビーチの海水浴客達は、テレビの撮影かそれともイベントか、と騒いでいる。 「こんなもんでしょうか」 その横にバーベキューセットとスイカ割りセットを置くスーツの男性の正体は、MNで飲食系問屋の営業に変装した棋流山デス男だった。 「こっちの準備も終わったよ」 そう言ってその怪しい二人組+各種娯楽用品の元へ歩いてきたのは今井天。彼は、浜辺を挟むように置いてきた指向性聴音装置を軽く指差した。 「少し行ってきますね」 頷く寿司職人ゴッド・ニギル氏に声をかけ、デス男は売店の方へと歩き出した。 「俺も、情報収集だな」 その後ろ姿を見守りつつ、取り敢えず天はAiフォンを取り出した。 「夏の白い浜辺に青い海! ワクワクするね!」 一番西の売店の席に座り、神崎真比呂がシャーベットをひと掬い。 「まっぴー、これ付けてみて?」 店員からトロピカルドリンクが運ばれてきたタイミングを見計らい、真純清輝がピンクのリボンを取り出し、真比呂の髪を結ぶ。 「やっぱり似合うね、ピンクのリボン」 嬉しそうに笑いながら、清輝は自身の指に予め付けておいた指輪の日焼け跡を触る。それから、用意してきた観光用の地図を机に。この店の店員は、先程から見ている限り四人。全員男性でみんな同じように制服と紺のエプロンをしている。 今トロピカルドリンクを運んできた店員は外れだろう。リボンも見当たらなければ、リボンという単語に反応もしない。先程清輝と真比呂がカウンターで注文した店員も同様だ。 「このシャーベット美味しいよ!」 真比呂と清輝がちらりと視線を向けたのは、紅嵐斗。 「らんらんも買ってきなよ」 さり気なく促す清輝に、真比呂も頷く。その視線は、奥から出てきた新しい店員へと向けられている。 「アンナ先生の奢りだしね」 真比呂の発したその言葉に、店員がぴくりと反応したのを清輝は見逃さなかった。地図を手渡す清輝に頷き、嵐斗は席を立った。 「オススメはどれですか?」 真ん中の店のカウンターで、微笑みながら店員に尋ねるのは、MNで変身したヤスミナ・リベラ。この店へは本日四度目の来店だった。 毎回違う所へ付けているピンクのリボンは、今回左の手首に巻いていた。 「このパイナップルのフローズンドリンクがオススメですよ!」 「じゃあそれで」 女性店員は、注文をしたヤスミナのリボンを見つめ尋ねる、 「リボンって流行ってるんですか? さっきお見かけした客さんもつけてらして、その前も」 それあたしなんだけど、と思いながら相槌を打つ。 「巷で流行ってるの。お姉さんの知り合いでも、付けてる人居る?」 軽く微笑みながら答えるヤスミナ。店員の女性は、フローズンドリンクを用意しながら頷く。 「うちの店長も今日はピンクのリボン付けてたんですけど、教えてくれなかったんですよ」 フローズンドリンクを手渡してくる店員に、ヤスミナは心の中でガッツポーズを決めた。 「店長さんもつけてるのね。是非お話ししたいわ」 そう言うと、店員は少し考えてから、困ったように笑う。 「でも店長、基本裏方なんでちょっと出て来ないかも」 困ったような店員に、ヤスミナは礼を言って踵を返す。それから少し考えて、Aiフォンを取り出した。 「別れた彼氏に貰った指輪は海に置いてくると次の恋が早く訪れるらしいですよ、雪蓮!」 ヒントを探しに売店へ、とやってきた席。そこは一番東の売店だった。向かいに座る林秀玲の話に、妹の林雪蓮は不機嫌に頷く。 「え‥‥彼氏?」 半ば強引に引っ張ってここまで連れてこられた雪蓮だが、秀玲の口から発せられた単語に目を白黒させる。 「店員さん! 指輪の隠し場所に丁度良さそうな所、知りませんか?」 秀玲は噂をネタにして、品物を運んできた女性店員に声をかける。一方、雪蓮はというと。 「指輪‥‥え、彼氏? 姉さんに彼氏? 私聞いてな‥‥もしかして‥‥結婚?!」 一人極限まで混乱しながら、ぶつぶつと呟いていた。 「注文お願い!」 そこへ入れ違いに扉を潜ってきたイザベル・クロイツァーが元気よく声をかける。髪飾りをつけている女性店員が、イザベルに駆け寄る。 「こっちで伺いますよ!」 メニューを持ってきた店員に、イザベルはちょっと考えて、トロピカルドリンクを頼む。 ちょっと待ってくださいね、と言う店員の背に、イザベルは尋ねる。 「そういえば、最近何か埋めたりした?」 「埋めたり?」 首を傾げる女性店員に、イザベルはへらっと笑った。 「最近、そういうの流行ってるって聞いたんだけど」 「そうなんですか?」 ハズレかぁ、と思いながら、ドリンクを受け取って売店を出る。 「どーしよっか」 貰ったドリンクを飲みながら、店外に待たせていた狼のフェンに尋ねると、フェンはわふっと答えた。 「あっ!」 その時に視界に写ったピンクに、イザベルは顔を上げる。 「ピンク‥‥って、なんだ‥‥」 「もしかして間違えちゃいました?」 ふふ、と笑ったのは、ルイ・ラルカンジュ。際どめの水着に、フラミンゴの浮き輪。SNS映えしそうな格好に、ピンクのリボンで髪を結んでいる。 「でも、ピンクのリボンが目印ですよね!」 笑いながら海の方へ歩いていくルイに、イザベルはフェンと顔を見合わせた。 ◆ 「このドリンク一個で」 嵐斗がメニューを頼みに行った男性店員は、足首にピンクのリボンを付けていた。店員がくるりと踵を返した時にそれに気付いた嵐斗は、その背中に声を掛ける。聞いた事のある名前、だったのだろうか。 「僕たち、アンナ先生っていう方にオススメしてもらって。ここのドリンク、美味しいですね」 そう言うと、店員はちらりと嵐斗に目を向ける。 「そうなんだ。アンナ先生って、厳しい?」 「たまに変な課題を出してきたりするんですよ」 そう返しながら地図を広げる嵐斗に、店員は首を横に振り店の裏手を指差した。 「大変だね。あ、もし外に行くなら暑いから気をつけな。ドリンクの空き容器は、店の裏手にでも捨てておいてくれ。穴が空いてるかもしれないから、転ばないようにな」 ドリンクを手渡してきた店員に嵐斗は頭を下げ、少し早歩きでテーブルへと向かう。 ヤスミナから店長が怪しいという情報を得たデス男は、飲食系問屋の営業マンとしてゴッド・ニギル氏が来ている旨を店員に話し、店長との接触を測った。店から出ていたヤスミナは、近くに居たイザベルと合流する。程なくして、ヤスミナのAiフォンへ連絡が入った。 「指定されたエリアの真ん中付近らしいわ」 「そう言う事なら、わたしとフェンに任せてよ!」 自信満々に頷くイザベルは、フェンを連れて中心の方へと向かう。 「いくよ、フェン」 鼻を鳴らすヤスミナとフェン。少しでも他と違う匂いがするかどうか、集中する。すると。 「ここ、かな」 金属の匂い、アンナの纏った華やかな香り。その2つを嗅ぎ分けて、フェンは前足で砂を掘り始めた。 「指輪を埋めるには、何処がいいと思います?」 秀玲は通りかかった先程と別の女性店員を捕まえて尋ねる。 「指輪ですか?」 にこりと微笑んだ女性店員が、ゆっくりと近付いてくる。観察に徹していた雪蓮はエプロンの腰紐の所でピンクのリボンが揺れたのに気がついた。ちらりと秀玲に目配せすれば、秀玲も気付いて頷く。 「別れた彼氏に貰った指輪を、埋めようと思うんです。どこがいいかなぁって」 秀玲のその問いに、店員は少し考えてから頷く。 「他の人の埋めた指輪の近くじゃ無い方が良いよ。今日は2つくらい埋めた方が居たと思うから、その間から対角線くらいが良いんじゃないかな」 そこまで話終えたところで彼女は別の客に呼ばれ、その場を去った。 「対角線上、か」 秀玲の話を、他にも聞いて居た人間が一人。というよりも、それ以外の話も全て聞いていた人物。天はAiフォンを耳から離し、砂浜を見回す。 砂浜中央付近の指輪はフェンが掘っていて、イザベルとヤスミナはその様子をチェックしつつパラソルの下で水分補給をしている。店の裏手にあるらしい指輪は、情報を得たグループが探す筈。その対角線となれば、海に近い方だ。 「あっちだな」 場所はわかった。あとは、人手を確保しないと。 天は、Aiフォンを取り出した。 ◆ 「いた!」 売店から出てきた真比呂に、浜辺を歩いていたルイが手を振る。外に出てきた店員を観察したり声を掛けたりしていたルイだが、結局欲しい情報は掴めないままだった。 「ルイ! 欲しいものあった?」 「なかなか見つからないですね‥‥」 首を横に振るルイに、真比呂に続いて出てきた清輝が指の日焼け跡をこっそり指差した。それを見て、ルイがハッとする。 「らんらん、トロピカルドリンク飲み終わっちゃったねぇ。ゴミは店の裏手、って言ってたねぇ。穴が空いてるかもしれないんだってぇ」 嵐斗が物凄い勢いでドリンクを飲み干したのを見て、清輝は確認した後ルイに目配せを。 「それは危ないですね。僕も行きましょうか」 そして四人は店の裏手へと歩いて行った。 丁度その頃。 「あったー!!」 フェンが咥えてきた指輪をイザベルが受け取った。 「ちょっと‥‥しー、だって!!」 「あっ、そうだった」 慌てるヤスミナに止められて、イザベルがハッとして、両手で口を塞いだ。 「おねーちゃん! 結婚なんて、聞いてないよ!」 穴を掘っている雪蓮に歩み寄る秀玲に、雪蓮はばっと顔を上げて叫ぶ。 「えっ、結婚?! お、おおお落ち着くべきですよ雪蓮っ!!」 「だってさっき彼氏って‥‥!!」 わたわたと慌てふためく雪蓮に、宥める秀玲。仲良いなぁと思いつつ、天は穴を掘り続ける。 「あっ、それは創作ですよっ! すいません、先に説明すれば良かったですね」 そう返す秀玲は、くすっと笑いながらしゃがみ込み、砂に手を伸ばす。 「それにしても‥‥久しぶりのおねーちゃん、ですね」 嬉しそうに笑う秀玲に、雪蓮が目を丸くして真っ赤に顔を染めた時。 「あ‥‥あった」 その向こう側で、天が指輪を掘り当てた。 「この辺りかな」 店の裏手で清輝が呟く。どこから掘り返すべきかと顔を見合わせる3人を他所に、徐に歩き出すルイ。 「場所わかるの?」 尋ねる真比呂に、ルイは笑顔で振り向く。 「ふふっ、僕の勘は当たるんですよ」 若干フラミンゴの浮き輪が邪魔そうだが、ルイはしゃがみ込み、ざくっと砂を一掴み。広げた掌の中には。 「ほら、あった」 「え‥‥ほんとだ‥‥」 目を丸くしてきらりと光る指輪を見つめる蘭斗に、ルイはパチンとウィンクを飛ばし、にっこり笑う。 「においで分かるんです」 ◆ 「みんなお疲れ様」 3つの指輪を手に、ビキニの水着にサングラスをかけたアンナがにっこりと微笑む。 「早めに終わって良かったです」 ゴッド・ニギル氏の握ってくれた創作寿司を手に、デス男が頷く。その向こうでは、蘭斗と真比呂と清輝の3人がバーベキューセットに火を点けていた。 「火、点いたよー」 清輝の声に、未だ拗ね気味の雪蓮の手を秀玲が引っ張った。 「行きましょう、雪蓮っ!」 「えっ、ちょっと‥‥」 ぱたぱたと駆けてくる二人を微笑ましく見守るアンナの肩を、イザベルが掴む。 「ねー先生!」 「あら、どうしたの?」 尋ねるアンナの手から、イザベルがさっと指輪を1つ取り、にやりと笑う。 「わたしが見つけたんだよ、これ! だから、結婚してっ!」 心底楽しそうなその顔に、アンナも楽しそうに目を細め。 「冗談‥‥」 だよー、と続けようとしたイザベルの額に、軽く口付けを。 「私を揶揄うなんて、10年早いわよ」 ふふ、と笑うアンナは、指輪を持ってバーベキューセットの方へと向かう。 「大丈夫?」 固まるイザベルに、ヤスミナが心配そうに尋ねる。 「やられた‥‥っ!!」 悔しそうに呟いた後、イザベルはヤスミナの手首を掴む。 「スイカ割り! スイカ割りやろう! 粉々にしてやるんだから!!」 「壊さない程度にお願いしますね」 妙な気合が入るイザベルの背に、デス男が叫んだが、聞こえてるのかどうか。 「マヒロさーん!」 ケータリングで受け取った、飲み物のグラスを持ったルイが真比呂を呼びながら歩いてくる。それにしても、ピンクのフラミンゴは目立つ。 「はい、これどうぞ」 「え‥‥ありがと」 バーベキューセットの方に向かっていた天にグラスを手渡す。そのままルイは真比呂のところまで歩いてきて、その手を取る。 「一緒に泳ぎません? 楽しんだもの勝ちですよ!」 「良いわね! 折角の海だもん!」 ワイワイと騒ぎながら走り出す真比呂とルイの背を見送りながら、天は手渡されたピザを一欠片取って齧りつく。 「今日は結構面白かったな」 そう言いながら、残りのピザを蘭斗に手渡す。 「そうだね。あ、食べ終わったらみんなでゲームやろうよ。カード、持ってきたんだ」 そう言ってカードセットを取り出す蘭斗に、天も持参した物を引っ張り出した。 「んじゃ、その後は花火やろうぜ!」 まだ明るいけれど、きっと一通り終わった頃には程よく暗くなり、花火の映える時間帯になっているに違いない。 「ねえ、すずきさんは肉焼くよぉ?」 清輝の声にハッとして、二人はトングを持った。 程なくして肉の焼ける音と美味しそうな匂いが漂い始める。こうして、学生たちは暗くなるまで夏の浜辺を満喫したのだった。
参加者
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