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【CP】聖夜の贈り物
オープニング◆人気の無い路地裏で、表通りの飲食店が裏口に積んでいる木箱に腰かけている少年が一人。 「お、おい坊主‥‥」 おずおずと声を掛けた青年に、少年はにっこりと笑う。 「お兄ちゃん、僕預かりものしてるんだ。これ、お兄ちゃんに渡すようにって頼まれてる。その代わり、封筒をもらってこいって言われてるんだけど」 ぶらぶらと足を揺らす少年に、青年は鞄から封筒を取り出し、押し付けるように差し出す。 登場キャラ
クリスマスイブの夜。三階に詰めているのはダヴィドと、二人の手下達。ダヴィドは机に向かい、部下二人はポーカーに興じていた。 「ボス、ガキどもの様子を見てきましたよ」 ノックと共に、扉の外から掛けられた声に、ダヴィドは帳面から顔を上げた。 「どうだった?」 ダヴィドの問いに、開いた扉から現れた男は、にやりと笑う。 「奴ら、これで友達やシスターに美味しいご飯を食べさせてあげられる、なんて喜んでやがりますよ」 その返答を、ダヴィドは鼻で笑う。 「めでたい頭のガキどもだ。だが、奴らが働いてくれるおかげで俺達の面は割れねぇし、手間も省ける、運び屋を雇うコストも削減、良い事ずくめだ」 笑みを溢しながら、ダヴィドは机の上に広げた帳簿へと目を向ける。 「強いて言えばガキどもを食わせるのに金がかかる事くらいだが、孤児院のガキどもは犬の飯に毛が生えた程度でも有り難がって食ってるし、文句が出りゃあ孤児院とシスターに送る金が減るって言やあ一瞬で黙る」 楽しそうに目を細めるダヴィドに、マフィアの男もにやりと笑う。 「流石ボス」 二人して下卑た笑いを浮かべている所へ、もう一人、別のマフィアの男が走って来る。 「大変です!」 「なんだ」 不機嫌そうに立ち上がるダヴィドに、一枚のカードを手渡した。 「ドアの隙間に挟まってたんです」 カードを受け取り、文面に視線を落とすダヴィド。 「『大切なモノを頂きに参上します。‥‥首洗って待ってなさい! ファンシー・ガール』?」 ダヴィドは眉間の皺を深くして、舌打ちをする。 「なんだこれは。我々のアジトが解る人間など‥‥」 「どうしますか」 部下二人に問われ、顎に手を当て思案するダヴィド。その時、ドガッ、と何かが壊れる音がした。そして、銃の発砲音。 「ボスッ!!」 「一階の奴らに銃を持ち、応戦するよう伝えろ! それから、ガキどもを落ち着かせろ。状況次第では使えるかもしれん。しかし、混乱して暴れられては面倒だ。その場で待機させろ、わかったな?!」 二人にそれぞれ指示を出し、ダヴィドは自身の拳銃をデスクの引き出しから出して、銃弾を装填していく。 「貴様らのシマを頂く、大人しく失せろ!」 ドアを蹴破ったのは、MNで黒服のマフィアに姿を変えた陳華龍。続いて、金で雇ったマフィアの下端達が一階に押し入っていく。好きに暴れて構わない、と言われているせいか、下端達は勢い良く、ダヴィドの手下達へ向け発砲する。 「ボスからの命令だ、応戦しろ!」 階段から降りてきた男の声で、ダヴィドの手下達はそれぞれ倒したテーブルや棚の陰に身を隠しつつ、懐から拳銃を取り出した。 「そんな事で、この場を守れるとでも?」 華龍はマフィアが倒したテーブルを蹴飛ばし、破壊する。 「てめぇら、どこの傘下の連中だ?!」 素早く拳銃を構え、至近距離から発砲するマフィアの男。しかし、華龍に命中した弾丸は、ファントムアーマーの防弾性能により阻まれ、致命傷を与える事が出来ない。 「話すとでも思うのか?」 意識して冷たく言い放ち、華龍は男の右足を大口径の拳銃で撃ち抜いた。 「何が起きてるの?」 ダヴィドに子ども達を落ち着かせるよう指示された手下の男が三階の扉を開けると、子ども五人が男へと駆け寄って来た。 「お前達は静かに、ここで待つんだ」 子ども達は互いに顔を見合わせ、それからゆっくりと男から離れていく。 「おい、ワルター」 真ん中に置いてある机へと静かに腰を下ろしていく五人の子ども達に彼はほっと息を吐きつつ、窓際に座っていたマフィアの男に声を掛ける。 「下からの報告によると、敵対するマフィアの連中のようだ。ボスは、ガキどもを使って手を引かせるつもりだったようだが‥‥相手が相手なだけに無理そうだな」 声を潜め、イタリア語で話す男に、ワルターと呼ばれた男は頷く。 「折角仕込んだガキどもだ。また拐いに行くのや面倒だろ? お前はここでとにかくガキどもを黙らせてろ。下の奴らは、俺達に任せろ。いいな?」 「逃げる事になったらどうする?」 そう問い返すワルターに、男は鼻を鳴らした。 「そうなりゃ、ガキどもは始末するしかねぇな。そんときゃ声をかけに来る。それまで、ここは任せたぞ」 ひらりと手を振り、男は部屋から出ていき、扉に鍵をかける。 「無責任だよなぁ」 ワルターが唇を尖らせ、窓際の席へと足を向けたその時、勢い良く窓が割れ、それから。 「なんで、運命は弱い人間に悪戯をするんだろう」 月を背に、割れた窓から室内へと身を滑り込ませたのは紅嵐斗の怪盗姿、サイドスワイプ。それを見て、ワルターは子ども達を手で制し、懐に手を突っ込む。 「どうやってここに」 隣の家の壁と家の外の壁を伝って。サイドスワイプは胸の中で答えつつ、ワルターに向けて香水瓶型手榴弾を投げた。 「何だ?」 ワルターは転がってきた香水瓶型手榴弾を目で追うが、すぐに鼻を鳴らし、香水瓶を部屋の角へと蹴飛ばす。 「驚かせやがって」 懐から拳銃を取り出したワルター。サイドスワイプは素早く鞭を振るい、拳銃を弾く。 「ぐっ」 落ちた拳銃を拾おうとしゃがみこんだ時、香水瓶型手榴弾が炸裂した。壁際から撒き散らされた青いジェルは、床に落ちた拳銃とワルターを巻き込み、凝固した。 「驚かせてごめん」 サイドスワイプが子ども達にそう言った瞬間、展開の早さに固まっていた子ども達が慌て出す。 「お兄ちゃん!!」 ワルターに駆け寄ろうとするフランシスを、サイドスワイプが制した。 「聞いて欲しい事があるんだ」 優しく語り掛けるサイドスワイプに、子ども達は目を瞬いた。そんな彼らの様子に微笑みを浮かべつつ、サイドスワイプはAiフォンを操作。ダスティン・ガーランドへと連絡を入れた。 ◆ 「ドーモ、ファントム・サワタリです」 一階の敵を掻い潜り、階段を上がったところで鉢合わせたマフィアへ、澤渡龍兵‥‥いや、ファントム・サワタリはお辞儀をする。 「なめた真似を!!」 彼は素早く拳銃を懐から取り出した。しかし、ファントム・サワタリは素早く身を沈め、拳銃を持つ手を掴み、関節技をかける。 「がっ」 床に拳銃が落ちた、その時。 「はぁっ!!」 ファントム・サワタリを追随していたドロシー・ロマンシアであり、予告状の出し手であるファンシー・ガールの回し蹴りが顔面に入った。 「ごはっ」 気を失った彼を離し、ファントム・サワタリは立ち上がる。 「子ども達は」 どこにいるだろう。呟きは、ファンシー・ガールの鋭い制止によって遮られる。 「こっちから、何か‥‥」 ファンシー・ガールの先導で、二人は一つの扉の前へとやってくる。そして、顔を見合わせる事数秒。手を伸ばし、ドアノブを捻ったファントム・サワタリは首を横に振る。 「そういうことなら」 鋭く息を吐きながらファンシー・ガールが突き出した掌底は、木製の扉を破壊した。 「あら」 そこにいたのは部屋の隅でジェルで固められたままのマフィアと、窓際で身を縮める子ども五人、サイドスワイプだった。 「これからこの子達を逃がそうと思うんだ。一階は大丈夫?」 護衛の縫い包み熊のドロイドの操作をする嵐斗は、二人に問う。 「大丈夫だと思う」 頷くファントム・サワタリに、エミリーが問う。 「私達、どうなるの?」 ショックを受けた様子のエミリーの背を、サイドスワイプが擦る。 「おれ達が無事、君たちをシスター達の元まで送り届けるから」 ◆ 舌打ちをしながら、ダヴィドは金庫のあるタンスの方へと不機嫌そうに歩いていく。 「ガキどもが!」 三階で金庫とダヴィドを守っていた一人のマフィアが、二階を覗きながら叫ぶ。 「殺せ!! そこの窓から見えんだろ!!」 「すいません!!」 怒鳴られた三人の手下達は、ドア側の窓へと走っていき、拳銃を構える。 「逃がすかよ!!」 そこへ、僅かなブレーキ音をさせながら暗闇に紛れる色合いのボルタSが滑り込むように停まった。 「仲間か?!」 眉間に皺を寄せ、照準を合わせようとする三人。それに気付いたダスティンの怪盗姿、疾走する迷子は、コイン型手榴弾を握りしめる。その間に照準を合わせたマフィア達は、車体を撃ち始める。 「届かないな」 窓から様子をうかがう疾走する迷子はAiフォンを取り出す。そしてサイドスワイプへと発信、すぐに電話口に出たサイドスワイプに、疾走する迷子は言う。 「三秒後にドアを開けてくれ」 言い終わるが否や、疾走する迷子は素早くドアを開け、コインを投げた。 「いち」 素早くドアを閉めた次の瞬間、地面に落ちたコインは炸裂し、煙幕を発する。 「見えねぇぞ!!」 「に、さん!」 三秒数え、疾走する迷子は後部座席のドアを開ける。それと前後して、廃屋の扉が開いた。 「急いで!」 薄れていく煙幕の中、疾走する迷子に促され、サイドスワイプと縫い包みの熊に護衛され、五人の子ども達は駆け込むように車に乗り込む。 「頼んだ!」 サイドスワイプが扉を閉めるのと、ボルタSが走り出すのは、ほぼ同時。 「ちと狭くて悪いが、詰めてくれるかい?」 優しい口調で言いながら、疾走する迷子はマフィア達の追撃を逃れるため、ハンドルを切った。 「くそっ!!」 悪態を吐きながらも、なおも拳銃を構えるマフィア達。その時。 「はっ!!」 ファンシー・ガールが扉を壊し、その隙間からファントム・サワタリが部屋の中へと滑り込む。 挨拶は忘れずに、身のこなしは軽やかに。突然の襲撃に浮き足立つ窓際のマフィアの一人を掴み、隣のマフィアへと投げつける。 「くそっ」 折り重なる二人を横目に見つつ、ファントム・サワタリに照準を合わせるマフィア。だが、その銃口から銃弾が発射される事はなかった。 「わたしの事、忘れてたでしょ?」 ファンシー・ガールの側背からの強烈な一撃に、マフィアは崩れ落ちる。 「お前こそ、油断していたな」 その言葉に、二人は振り返る。そこにいたのは、金庫を背に立ち銃口を二人に向けるダヴィドだった。 「腕は頭の後ろだ」 怪盗達に向け指示をして、折り重なったままの二人を横目で見る。 「その二人を縛れ」 銃弾の一発や二発なら受けたところでなんとかなるし、ファントム・サワタリに至っては防弾のマントを持っている。この状況を切り抜ける事など容易いのだが、しかし。 「色々と話してもらう」 そう言いながら、じっと動かない二人を見て余裕の笑みを浮かべるダヴィド。その時。 「色々と話してもらうのは、ユーの方デス」 ダヴィドの首元にぴたりと忍者刀をあてながら、エラ・ウォーカー――風魔玉響は口を開く。 「どこから‥‥」 「普通に入り口からヨ」 目を細め、風魔玉響は続ける。 「ダイヤル錠の番号を教えるネ」 そして、再度ダヴィドの首元に忍者刀を押し当てる。 「早く番号を言うヨ」 数秒後、がっくりと肩を落としたダヴィドが言う。 「5209だ」 それを聞くや否や、風魔玉響は忍者刀を振るう。刃が頬を掠めると、麻痺毒が身体に回り、動けなくなる。 「ボス!」 「あなたは静かにしてて」 ファンシー・ガールの突き出した拳は、マフィアを昏倒させた。 「ユーもネ」 一人逃げようとしていたマフィアへと、風魔玉響はクナイを投げる。下腿に刺さったクナイの麻痺毒で、マフィアは倒れた。 マフィア達を黙らせた所で、風魔玉響はペンダントを使い南京錠を解錠、吐かせた番号でダイヤル錠を開ける。札束を中に入っていた鞄ごと抱える三人。 「クスリだな。こっちは警察に」 それに加え、ファントム・サワタリは一緒に入っていた麻薬の袋も一袋回収し、立ち上がる。 「『悪事により奪う者達。失う気分は如何か‥‥風魔玉響』、クリスマスプレゼント代わりに置いてくヨ」 風魔玉響の手を離れ、ダヴィドの目の前にひらりと落ちてくるカード。 「あんたらには、刑務所行きという名のプレゼントをくれてやろう」 ファントム・サワタリの捨て台詞と共に、風魔玉響が投げたコイン。床に当たると同時に、煙幕が部屋に満ちる。 「くそっ」 煙幕が晴れ、ダヴィドが悪態を吐き出した頃には、怪盗達の姿はどこにも無かった。 ◆ その日の遅く、孤児院に送り届けられた子ども達。彼らはいつもより遅く目を覚まし、慌てて食堂へと走っていく。朝だと言うのに、食堂の扉の向こうから、友達、兄弟達の笑い声と歓声が聞こえてくる。五人は首を傾げながら、扉を開ける。 「わぁ!!」 正面にあったのは小さなクリスマスツリーと、ジャパニーズニンジャコミック、文房具と、縫いぐるみ。そして、机の上には、豪華なな朝食。 「これ、どうしたの?」 目を丸くするグンターに、シスター・アガーテはふわりと笑う。 「サンタさんから、プレゼントが届いたの」 その返事に、五人は互いに顔を見合わせる。 「ケーキも、ターキーもあるのよ。それは今夜‥‥どうしたの? 調子でも悪い? それとも怪我かしら」 昨夜帰ってきた時、喜んでいたシスター・アガーテや他のシスターが、表情を曇らせる。そんなシスター達に、五人は首を横に振る。 「昨日車で送ってくれたお兄ちゃんが言ってたんだ。『聖夜には奇跡ってのがあるもんさ。俺も昔、世話になった』って」 そう言うフランシスに、他の四人は嬉しそうにプレゼントを見つめる。 「何かある」 駆け寄ったダーレは、クリスマスツリーの根本に刺さっていた怪盗名刺を手に取る。 『メリークリスマス。宝を盗みに、そして届けに』 きらきらと輝くカードを見て、子ども達は嬉しそうに顔を見合わせた。
参加者
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