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【SD】甘味の夢を掴み取れ
オープニング◆製菓業界では知らぬもののいない大企業『Sugar Dream』。 その大企業は、個人経営の他店舗の営業妨害をしたりといった悪事を働き、そして社員には時間外労働を強いており、パワハラなども常態化していたという。そして、明らかになったのは裏で蠢く組織『Sweet Devil』の存在‥‥。 スイーツを愛する講師達からの報告を受け、アンナ・ヴィドルフはすぅっと目を細める。その視線は冷たく、怒りの炎がゆらりと立ち上るかのようだった。 「スイーツを侮辱する者は許すべからず‥‥、さぁ、行くわよ」 アンナは、静かに告げる。アンナの静かな怒りはひしひしと感じるものの、果たしてどこに、何をしに行くのか。首を傾げる学生達に、アンナは答える。 登場キャラ
ビルから出てきた構成員を物陰から録画していたゲルト・ダール。構成員は休憩時間のようで、近くの中華料理店で昼食を取り、その後ドーナツ屋でドーナツを食べ、コーヒーを飲みながらスマホをいじっていた。途中、注文するのに発言しているので、声紋偽装の為のデータは事足りる。 ゲルトは席を立ち、店を出た彼の進路を確認し、急いで別の路地を走って先回りする。建物の角に身を潜め、催眠スプレーを構え、噴射する。構成員は悲鳴を上げるより前に意識を失い、倒れる。 「ケビン・スミス‥‥ね。じゃあ、ちょっと失礼」 懐から財布を拝借して免許証を確認、その後指紋を撮影し、Aiフォンへデータを転送する。そして、ゲルトは寝息をたてるケビンを数秒間見つめ、呟く。 「起きるかも。縛っといてもらおう」 ゲルトはアンナへ連絡するため、Aiフォンを操作しつつ、ゲルトは呟く。 「僕達の希望、甘い物。その世界を侵した罪は大きいよ」 MNで配達員に変身した今井天は、怪盗カードを潜ませた配達物を手に、警備員に近付いていく。 「配達物です」 「中には入れないよ。俺が預かる決まりになってる」 そう言う警備員に天は配達物を渡し、配達用紙を取り出す。その間に、予め侵入タイミングの指示を出していたドロイドの鼠とカタツムリがビルの中へと入っていく。 「じゃあ、サインを」 「ああ」 サインをもらった天は警備員に礼を述べ、その場を後にする。物陰でAiフォンを取り出し、ちらりと顔を出してビルの方をうかがう。まだイーサンの来る気配はない。天は、ドロイドのカタツムリと鼠にタイミングを見てエレベーターに乗り込むようにと指示を出し、そして。 「全てを見通すククの眼から逃げれると思うなよ」 天は僅かに目を細めた。 ドローンで室内の映像を撮影したスティーヴ・カラサワは、Aiフォンで映像を確認する。 「撮影できた範囲では監視カメラの場所は把握できたでござるが‥‥」 とはいえ、全てではない。しかし、操作が必要になる監視カメラも全てではない。とりあえず無効化しなければならないのは一階の会議室の監視カメラだ。それから金銭の受け渡しをする映像が必要‥‥しかし、どこでそれが行われるかわからない以上、動きようがない。 この倍率であれば会議室の映像を確保する事はできる。いざとなれば、顔が映るよう角度を変えながら遠方からドローンで撮影しよう。 そう考えていたスティーヴの元に、ゲルトから連絡が入った。 「お疲れさん」 そう言って手を振り、ゲルト扮する構成員ケビンは警備員の横を通りすぎていく。 「出てったときは一人だったろ?」 「外回りの奴が帰ってきて、丁度そこでばったり」 構成員達が着ているスーツ、それから構成員達に雰囲気を似せるよう、MNで姿を変えたスティーヴがへらりと笑う。 「ふむ」 それでも表情を曇らせる警備員の元に、MNで警察官に変装した陳華龍と、通行人を装ったアンナ・ヴィドルフが近付いていく。 「すいません、この方からビルの裏手で殴り合いの喧嘩を目撃したと通報が‥‥ビルの方ですか?」 問いかける華龍に、警備員は目を白黒させる。 「私は警備員をやっておりますが‥‥何時頃の話で?」 しどろもどろに受け答えをする警備員は華龍に促され、持ち場から離れていく。 「あの辺りで‥‥今から二時間ほど前に」 「その時間、私はまだ持ち場についていませんね」 その隙を突き、二人はビルへと足を踏み入れる。 「おっと」 スティーヴはAiフォンを落としたフリをしつつ、部屋の隅の死角へ移動する。その後、ゲルトは会議室の構成員に声をかけた。 「おい、ここは俺が見ておくから、上がんな」 その言葉に、彼は目を瞬き、それから大きく頷く。 「気が利くじゃねぇか! んじゃあちょっと一服させてもらうぜ。例の取締役さんを迎えにいったボスが帰ってくる前に戻るわ。持ち場離れたってバレたら怒られちまう」 そう言いながら彼は立ち上がる。そんな彼に、ゲルトは机の上に乗ったままだった荷物を指差した。 「ボス宛じゃねぇのか。客人が来るなら、ボスはそっちに直行だろ。持ってけ。荷物持ってきたってなりゃ、誰も怒りゃしねぇよ」 「そりゃいい。どうせ執務室で話し合いだろうから、持ってっとくわ」 頷きながら荷物を手にする彼に、ゲルトは笑う。 「時間がねぇだろ。早くエレベーター乗っちまえ」 その言葉に、彼は慌ててエレベーターへと走る。あせる彼の視界には、物陰に身を潜めるスティーヴは異物と認識されなかったようだ。 「今日はここの用心棒を勤めさせて貰う。宜しく頼む」 一階、客の荷物を預かっている一室の扉を開いた煌宵蓮は、ゲルトと再度持ち場を代わった構成員にそう挨拶をする。 その頃にはもう既に監視カメラによる映像は、スティーヴが仕掛けた映像トランスミッターにより偽映像に差し替えられているのだが、彼は全く気付いていない。 「あんたがなんとかってオネーチャンに紹介されたっていう?」 失礼なほどまじまじと顔を覗き込んでくる構成員に、宵蓮は一度目を閉じて、肩を竦めた。 「信用ならないというのなら‥‥一度手合わせしてみるか」 ファントムノダチの柄に手をやると、構成員は首を横に何度も振りながら、後退りする。 「いやいや良いんだよ! あの美人のオネーチャン、すげぇ人なんだろ? ボスが取引してる情報屋から紹介されたオネーチャンなんて、何者だか知らねぇけどただ者じゃねぇ事くらいわかるって、そのオネーチャンに紹介されたあんただってそしたらただ者じゃねぇんだろ‥‥つか、あんたあのオネーチャンとどういう知り合い?」 その何者だかわからんオネーチャンは怪盗プレシャスだ、とは流石に言えず、一度首を横に振り、溜め息を吐く。 「仕事上の付き合いだ」 『Sugar Dream』のお菓子って最近美味しくないの、と言うプレシャスの顔を思い出しながら、ファントムノダチの柄から手を離した。それから、監視カメラが正常に動いていた場合、死角になる壁際へと向かい、もたれかかる。これで、もし今監視カメラの映像を見た誰かが宵蓮が映っていない事に気が付いたとしても、言い訳がつく。 「そ。あー、俺はマークだ。よろしく‥‥、っと、おいでなすったぜ。取締役さんだ。いつもここで俺が荷物を受け取って、ボスと取締役さんは執務室でタイセツなお話、ってな」 二人の到着に気づいた彼は宵蓮から視線を離すと、走って二人を出迎える。 「アレが、例の」 宵蓮は彼がイーサンの荷物を受けとるのを眺めつつ、ぽつりと溢した。 ◆ 「いつも通り頼むぞ」 執務室で向かい合うイーサンとベルナール。その横には、女性秘書が涼しい顔をして控えている。 「あぁ‥‥なに、俺とあんたの仲だろう。なぁ、イーサン?」 手渡された封筒の封を開け、中の札束をかるく引き出して確認をし、ベルナールはにやりと笑う。その横のゴミ箱には、天が荷物に入れておいた適当なチラシが捨てられている。 「額面が希望に沿っていたようでなによりだ」 ふふ、と笑うイーサンに、ベルナールは手を差し伸べる。イーサンはその手を固く握り、そのまま二人、ハグをした。 「君の組織あっての我が社の飛躍だ。これからもよろしく頼むよ、ベルナール」 挟んであった怪盗カードはとっくに移動し、部屋の隅からその様子を撮影している。ドロイドの鼠とカタツムリもこの部屋に侵入済みで、ビルの外、比較的遠方にはスティーヴのドローンが飛んでいる。それぞれアングルを変え、どう動いても手元と顔が確認できるよう、多角的に撮影していた。 「次はどうする?」 たずねながら身体を離すベルナールに、イーサンは笑う。 「目指すはナンバーワン‥‥いや、製菓業界のオンリーワンだ。その為なら手段は選ばんよ」 ディルク・ベルヴァルドのAiフォンに、華龍から連絡が入る。内容は、警備員は片付けた、というもの。あの後、華龍はビルの裏手まで警備員を連れ出し、アンナが気を引いている隙に華龍が彼の背後へと回り込み、昏倒させたのだった。 それから数分後、天とスティーヴから証拠映像を確保することができた、という連絡が入る。 ディルクはAiフォンを仕舞い、装備を確認し、何食わぬ顔でビルへと入っていく。 「おい!!」 すごい勢いで寄ってくるディルクに、一人喋り続けていたマークは備え付けの椅子から立ち上がる。宵蓮も壁から背を離し、ファントムノダチの柄に手を掛けた。 「警備員はどうしたんだよ!」 悪態を吐きつつ向かってくるマークに、ディルクは散弾銃を構える。 「旦那っ」 威勢良く言いながら振り返ったマークの横っ面を、宵蓮は少し考えた末拳で殴り飛ばす。 「ぐはっ」 壁の方へと勢い良く飛んでいったマークに、ディルクは散弾銃を放つ。すると、部屋中に爆音が響いた。 「社長の荷物はこれだ」 そう言って、宵蓮は机の上の鞄をディルクに手渡す。 「カネで人の心は買えないが‥‥それでも、手加減はしてやった」 気絶したマークに、宵蓮は呟いた。そんな彼から、ディルクは急いで鞄を受け取る。 「ここからは‥‥時間との‥‥勝負‥‥」 ディルクは素早く鞄を開け、タブレットPCを取り出し自分のノートPCを繋げると、パスワードごとデータをコピーしていく。 爆音を聞き、異変を察し立ち上がる二階の会議室に詰めていた構成員達。二階が一番早く異変に気付くはず、と待機していたゲルトは、誰よりも早く立ち上がる。 「俺が見てくる。今日は例の客人も来ている。お前らはそっちを頼む。ボスと客人の安全が第一だ。間違っても二人を現場に近づけるなよ」 暗示にかけるように声を掛ける否や立ち上がり、ゲルトは会議室を出ていく。廊下に出ると、エレベーター前のゴミ箱を軽くノックする。 「帰るよ」 「了解でござる」 その合図に、蓋から顔を出すスティーヴ。ゲルトは頭に紙ゴミをくっつけたままのスティーヴに困った表情を浮かべつつ、ゴミ箱から引っ張り出してあげたのだった。 ◆ それから数日後の昼の事。『Sugar Dream』本社にある休憩室、紅茶が並べられているテーブル。そこへ運ばれてくるのは、クリスマスの新商品、ベリーソースのフォンダンショコラとクリスマスツリー型のストロベリームース、西洋柊型のチョコをあしらったブラウニー、サンタクロースのイラストが描かれたプディング。 「皆さん、ありがとうございました」 告発者であるタチアナは、呼ばれてやってきた学生達とアンナにそう礼を述べる。 他の構成員達が来る前になんとかその場を離脱する事が出来た学生達は、あの後少しの時間と設備を使ってパスワードを解析、イーサンのタブレットPCの中身を確認した。保存されていたデータの中には、『Sweet Devil』との取引額が詳細に記載されている裏帳簿やイーサンとベルナール、イーサンとイーサンの秘書とのやり取りのメール‥‥秘書が『Sweet Devil』と手を切った方がいいと進言しているものや、同業他社の支店の状況や妨害工作についてのコメントが書いてある営業計画書が含まれていた。 これらを外部メモリに保存、ついでに紙媒体にも印刷し、当日中に可児丸警部へ匿名からの情報提供として手渡した。映像記録は、かなり良いものが確保できた。エレベーターに二人で乗り込む場面はスティーヴが仕込んだWiFiカメラが、金銭の受け渡し現場については天が潜ませた鼠とかたつむりのドロイドの映像、マークにより運び込まれた荷物から出てきたカード型梟ドロイド、それからスティーヴがドローンで外から撮影した。その映像を、顔と額面を把握しやすいよう、かつ不自然のないようスティーヴが編集し、可児丸警部へ提供した。 その日の騒動については、他の荷物も荒らしてばらまいて帰った為、暴漢による強盗事件として認識されたらしい。とは言え、彼らも馬鹿ではない。強襲された直後、一両日中にビルの内部を片付け、別の場所へ移る事に決めていた。イーサンもまた、その場にいた事はやましい訳で、その件についても情報収集を始め、然るべき処置をすべく行動を開始してたようだ。しかし、可児丸警部の動きはその両者の動きよりも早かった。人数が少ない事も幸いし、素早い対応で令状を取り身柄を確保し、証拠を突きつけ逮捕まで漕ぎ着けた。 次の日、『Sugar Dream』は新体制を発表した。黒い取引と関与のある役員は全員辞職、次期代表取締役には告発者であるタチアナが据えられた。その裏では、勿論学生達やローゼンナハトの口添えや情報提供が行われていたというのは、言うまでもない。 「皆様のおかげでこの会社は生まれ変わる機会をいただきました。精一杯、笑顔を作れる夢のような会社に立て直していきます。お礼と言うにはささやかですが、今日は沢山スイーツを食べていって下さいね」 にっこりと笑うタチアナの合図で、新しいスイーツが運ばれてくる。スイーツを運んできた開発部の職員達は、タチアナに許可を得て学生達に感想を聞いていく。そうこうしている内に、和気藹々とした雰囲気になっていき、いつの間にか大人数でのお茶会へと変わっていく。こうして、新生『Sugar Dream』の新商品を囲む賑やかなお茶会は、橙色の夕焼けが沈む頃まで続いたのだった。
参加者
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