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【PF01】in the Carribean
オープニング◆クイーンマリー号が、丁度キューバ沖、カリブ海を航行中の頃、アンナに呼び集められた学生たち。 「じゃあ課題を出すわ」 やっぱり、という空気が学生たちの間に流れる。この年齢不詳の講師が召集をかける時というのは、大体こういう時だ。 「みんな、あれ見える?」 そう言ってアンナが指し示したのは、レストランの壁に飾ってあるタペストリー。にっこりと笑い、アンナは言う。 登場キャラ
「そろそろかな」 Aiフォンの画面を確認してから、海賊に扮したアイザック・ブライトンは顔を上げる。彼の目の前には、レストランへ続く扉。 「あら、こんな時にAiフォンですの? 随分と余裕ですこと」 胸を強調するような海賊衣装のエリザベト・バリンデンが、ふふんと鼻で笑う。 「こんな時に余所見するなんて、あんたも随分余裕だな」 「なんですって?!」 忍者風味の海賊衣装に身を包んだ澤渡龍兵はエリザベトが振り向いた瞬間、扉を開いて走り出す。目標は、壁にかかったタペストリー。 「フライングじゃなくて?!」 エリザベトは悔し紛れにそう叫ぶが、時計を確認したら龍兵がレストランに飛び込んだその瞬間こそが、アンナの指定した十分後だった。 「喚いてる暇があるなら、動き出した方が得策だと思うがな」 きいきいと甲高い声で叫ぶエリザベトの横を通り抜け、海賊らしい姿に変身した劉文。彼はナックル片手にレストランへと踏み入れ、その場の全員の注目を集めるよう、声を上げる。 「我が名は7つの海を力で制覇せし大海賊、皇龍!」 何事かとざわめき文に視線を向けるレストランの客達。そして、他の参加者達も、文に注目する。 「お宝は俺が頂く!」 龍兵の後を追い駆け出す文に、観客達はなるほどサプライズの海賊ショーか、と納得したように場の空気が緩んだ。しかし、そんな中、一人の壮年の男性が古風なアタッシュケースを片手に、慌てた様子で席を立つ。 「宝は俺のもの‥‥海賊同士の戦いの始まりだ!」 海賊の下っ端風の衣装に身を包んだニコライ・ホーキンズの走る横を、入れ替わるようにその男性はレストランから出て行った。 「その宝は俺もの‥‥お前達に渡す訳にはいかないさ」 堂々とした風体で現れたのは、リュヌ・アカツキ。彼は、観客の注目を集めた後、ナイフを片手に比較的テーブルの空いている通路を選んで駆ける。 「この宝は俺のものだ!!」 そう叫んで真っ先にタペストリーを手にしたのは龍兵。しかし、その瞬間彼の足元にクナイが刺さる。咄嗟に顔を上げた龍兵の視界にに、別のクナイを懐から取り出して構えるエラ・ウォーカーの姿が映る。 「そのお宝はミーのものデス!」 色々と間違ったような忍者の姿は、態と忍者衣装に海賊テイストを取り入れた龍兵の姿と妙にマッチしていた。忍者風の二人が睨み合いをするそこへ、切り込んだのは文。 「敵は一人では無いぞ」 こうして、戦いの火蓋は切って落とされた。 「ところで、貴方は行かなくても良いのかしら?」 階段を上って少し行った所で、アンナはくるりと振り返る。 「あちゃあ‥‥気付いてた?」 へらりと笑う宍倉静に、アンナもにこりと微笑んだ。 「当たり前じゃないの。私に気付かれないように尾行するなんて、10年は早いわね」 ふふ、と笑うアンナに、静は肩を竦め、尋ねる。 「まぁ、追ってたのはオマケみたいなもんで‥‥アンナ先生は、ここで待ってる予定?」 「ええ、みんなにも階段を上ったところと言ってあるからね。それがどうかしたのかしら?」 尋ね返すアンナに、静はにやりと口角を上げながら、ワイヤーを手にした。 「いやね‥‥先生に渡すまでが課題、だろ?」 端にワイヤーを巻きつけ始める静を、アンナは楽しそうに見つめていた。 ◆ 「ぐっ!」 エリザベトの攻撃を正面から受けてニコライは倒れこむ。倒れた先のレストランの客は、エリザベトに拍手を送った。 一方文は、エラを退けてタペストリーに手を伸ばす龍兵へと踏み込み、拳を打ち込む。 「っぐ!!」 避け損ねた龍兵は倒れ込む。そこへ、姿勢を立て直し、隙をついて飛び込んできたエラの一撃には、少し反応が遅れた。 「貰ったのデース!」 隙を突かれ僅かに反応の遅れた文を尻目にエラがタペストリーを手に取ったその瞬間。 「宝は頂くぞ!」 声高らかに現れたのは眼帯を付けた船長といった風情の羽乃森晴、同じく海賊テイストなターバンに白と青のボーダーの服を着た海賊芝犬となったゴンスケ。きゃあかわいい! と女性客から歓声が上がる。 「行くぜ!」 「わふん!」 走りながら晴は投げ手錠をエラへと投擲し、ゴンスケは予め指示された通りに走る。それをチャンスと見た龍兵が倒れた床の上からコインを投げた。 「今だっ!!」 投げたコインは炸裂し、辺りに煙が充満した。それを合図にする様に、その場の全員がタペストリーに向けて走る。 「わふん!!」 「良くやったぞゴンスケ!」 煙の中、いち早くタペストリーを奪取したのは芝犬のゴンスケ。ゴンスケからタペストリーを受け取った晴は、そのまま走って逃げようとしたのだが、その時。 「そう簡単には行かせないさ」 リュヌの伸ばしたメテオワイヤが、晴の腕に絡みついた。 「くそっ‥‥!!」 「さぁそれは渡して貰おうか」 芝居掛かった台詞をリュヌが発する。そして、締められたワイヤに晴の手からタペストリーが滑り落ちた。 「貰って行くぞ」 しかし落ちたタペストリーを拾ったのはリュヌではなく、文だった。 彼の立つ場所から出入り口までは程々に距離があり、そしてその間には多数の学友達が立っている。しかし、文はそのままテーブルを縫うように走って行く、が。 「油断しましたね」 それまで気配を殺していたアイザックが隙を突き飛び出した。古傷を庇うようテーピングした手で掠めとるようにタペストリーを奪る。 「くそっ!!」 咄嗟に再度奪い返そうと踏み出す文や晴、エリザベト、立ち上がった龍兵に、エラ、それから距離を詰めていたリュヌへ向けて、アイザックは持っていた薔薇の花束を投げた。その勢いで散らばった薔薇に、一瞬一同の足が竦む。 「くそっ‥‥絶対奪い返す!」 手裏剣を片手に、龍兵がいち早く反応し、つられる様に他の学生達も走り出した。しかし、僅かに生じた隙に、アイザックは踵を返して直ぐさま客席を回り込むように走る。 「そろそろ行くかな」 その様子を見て、窓の確認も終わったし、と呟くヴォルク・ヴァレリィの横に、静が立った。 「今、どうなってんの?」 「‥‥見ての通りだ」 そう言って駆け出すヴォルクに、静はひょいと肩を竦めてから、走るアイザックの方へと視線を向けた。 「えーっと、この辺り‥‥かな」 その頃、一同海賊の下っ端としてやられた後こっそりレストランから抜け出していたニコライは、階段を上りアンナのいると言っていた付近へとやって来ていた。 「あら、もうタペストリーとってきたの?」 ニコライに気付いたアンナが、彼に声を掛ける。 「あ、いや‥‥そういう訳じゃ無いんだが」 さてどう言ってここからアンナに退いて貰うか。退いて貰うのが無理ならば、彼女の手前で視界を塞ぐように立てば気付かれないだろうか。 そんな事を考えながら再度MNを起動させようとした、その時。 「ヴヴヴ‥‥‥‥ガウガウ!!」 「えっ、犬‥‥あっ!!」 狼に吠えられ、咄嗟に身を捻った所為でバランスを崩し、ワイヤーに足を引っ掛けたニコライは、そのままワイヤーに引っかかって地面に転がった。 「アンナ先生‥‥これは‥‥?」 「わかってると思うけど、私じゃ無いわよ? でも、そこにトラップがあるわよ、っていうのも、公平じゃ無いでしょう? それにしても」 じたばたと暴れるニコライに、アンナは苦笑を漏らす。 「見事に引っ掛かったわねぇ。悪いけど、助けられないわよ」 「‥‥わかってる」 ニコライは、ワイヤーに絡まりながら大きな溜息を吐いた。 「この人数相手‥‥諦めた方が良いのではなくて?」 典型的な悪役のような台詞を吐くエリザベト。壁際に追い詰められたアイザックへじりじりと距離を詰める彼女を、ヴォルクが追い抜いた。 「なっ」 「そんなゆっくりしてたら、チャンスを逃すぞ」 ヴォルクはアイザックが盾にするようにしていた客席の内、一応皿の少ないものを選び足場にする。少しは注意して踏みつけたものの、そういう扱いをすれば多少の衝撃は致し方ない。 「きゃあっ!」 目の前の机を駆け抜けるヴォルクに、客の女性が驚きの声を上げる。勿論出し物であると疑ってはいないようだが、それにしても少しやり過ぎた、かも知れない。 「不届きな海賊だ。食べ物は、粗末にすべきではないな。なぁ、お嬢さん?」 足跡と皺の残るテーブルクロスをさり気なく直しながら、リュヌが朗々と歌い上げるようにそう発せば、先ほど驚きの声をあげた女性はほっとしたように肩から力を抜き、落ち着きを取り戻したようだった。 そんな一幕を尻目に、ヴォルクは後一歩の所までアイザックと距離を詰めていた。そこで、アイザックは何を思ってか、タペストリーを持った手を大きく振りかぶる。 「何だ‥‥?!」 しかし一撃を確実に食らわせる為、勢い付いたヴォルクは急に止まる事は出来ず、目の前をタペストリーが飛んでいく。咄嗟に伸ばした手も、残念な事にタペストリーへは届かない。 「届けっ!!」 球技はサッカー部に入っていて得意ではあるが、かと言って然程肩に自信がある訳でもない。パスのタイミングには自信はあっても、投擲には不安が残る。大丈夫かという不安がアイザックの胸を過る。しかしアイザックの不安をよそに、投げたタペストリーは途中で失速して床に転がったものの、目的の場所へは到達した。 「裡門頂肘!」 それを受け取ったのは、文だった。 「何だと‥‥!!」 さては元から協力する気だったのか、とヴォルクは目の前のアイザックへと視線を向ける。 「アンナ先生は、奪い合って『も』良い、と言いましたから」 笑みを浮かべるアイザックに、思わず舌打ちをするヴォルクだが、ここで足を止めてしまえばそれこそ二人の作戦通り、という奴だ。 「くそっ、あっちかよ!」 龍兵達も、ハメられた事に気が付き既に文の方へと足を向けている。 それを見て、ヴォルクも負けじと文の方へと走り出した。 ◆ 「あとは俺がタペストリーを無事届ければ‥‥!!」 それで課題はクリアだ。その際に、親友のアイザックと協力した旨を説明すれば、アイザックにも相応の評価がされる筈。そう信じて駆け抜けようとしたレストランの入り口で、不意に横から伸びた手。 咄嗟に身を捻って避けようとするが、僅かに掠めた一撃に姿勢を崩す。正確に手首を狙った一撃は、タペストリーの持つ手指を緩めるには十分だった。 「ここまで様子見に徹していた甲斐があったよ」 そこに居たのはジョー・プリンス。ジョーは呟きながらもその手を止めようとはしない。今の今まで、好機を掴むために唯ひたすら動きの読みに徹し、そして漸く見えた光明。ここで諦める訳にはいかなかった。 実力は格上の相手。しかし、ジョーには先制の利があり、そして逃げてしまえば恐らく、こっちのものだ。 「貰って行くよ!!」 姿勢を崩した相手が構えようとするその手から、タペストリーを引ったくり、走る。階段の1段目に足をかけ、段を飛ばしながら駆け上がる。後ろからは追いかける学生達が、走りながらも牽制しあっている音が聞こえている。ここでもたもたしている暇はない。 「っ‥‥トラップ?!」 しかしジョーの行く手を、ブービートラップが塞ぐ。通路の端では、ワイヤーを解いたニコライが今度はカルトロップを踏んで痛がっていた。 ワイヤーを避けてその向こうに見えるアンナの元へ、と一歩踏み出したジョー。と、そこへ。 「ヴぅ‥‥バウバウ!!」 「犬?!」 丁度ジョーからは見えない所に居た狼が吠える。流石に少し驚いて、一瞬動きが止まったその時。 「隙あり!!」 「あっ!!」 結局レストランに行ったは良いが然程中まで走らずに踵を返す事になった静がいち早く追いつき、そしてジョーの手からタペストリーを奪ったのだ。 そして静は自分の仕掛けたトラップは勿論軽やかに交わし、辿り着いた先で、アンナへとタペストリーを差し出して、笑う。 「これで良いんだろ、先生?」 受け取ったタペストリーを確認し、アンナは顔を上げる。 「ええ、お疲れ様」 その笑みに答え、アンナも頬を緩ませた。
参加者
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