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真紅の宝石
オープニング◆「みんな、集まったかしら?」 教室に集まった学生達に、アンナ・ヴァドルフはとても楽しそうに尋ねる。 「えっと‥‥今日は何ですか?」 時に無茶な課題を出してくるアンナに警戒した男子学生が、不安そうな顔をした。その様子を見て、アンナは笑う。 「そんな警戒しないで良いわよ。今日はみんなでパーティに行こうと思うの。場所はここ‥‥わかる? この豪邸よ。ここ、イタリアでも有数の大富豪の邸宅なのだけれど」 登場キャラ
「さて皆さん、礼服のサイズは大丈夫ですか?」 自身も礼服を着て、リュヌ・アカツキが確認する。リュヌと棋流山デス男のコネで手に入れた礼服に間違いは無いとは思うが、と仲間達を見渡せば、それぞれ合ったサイズの礼服に身を包んでいた。 「アルカさんと冴香さんがいないね。冴香さんはさっき、化粧するの手伝って貰ったんだけど」 集まった面々の顔を見て、ゲルト・ダールが首を傾げる。 「冴香さんは僕たちより早めに屋敷に行ってて、ご主人に話があるっていうから、作戦の説明もついでにして貰う事になった。インカムもしっかり持ってたから、大丈夫だと思う。アルカさんは別行動」 ジョー・プリンスの答えに、ゲルトは頷き、そして聳え立つ豪邸の方へと目を向けた。 「パーティの後半に手品をさせていただいて、その様子を録画して後でお送りすると言う事で、録画のためのカメラを設置してもよろしいでしょうか?」 壮年の男性に、中藤冴香はカメラを持ち、尋ねる。 「勿論」 彼がこの館の主人であり、ローゼンナハトの協力者だ。 「すまないね。このような手間を取らせてしまって」 「いえ、お気になさらず。では、このカメラはあちらに設置させて頂きます。こちらはお嬢様に。お会いするのはカメラの設置後の方になりそうですので、先にお渡しさせて頂きます」 主人にイヤリングを手渡しながら、冴香は微笑む。 「ありがとう。きっと喜ぶ。あと、君たちへの協力だが‥‥。聞いた限り少し手荒なようにも思えるが、元はと言えば私の責任でもある。娘と妻に被害が及ばないのであれば、協力させて頂こう」 冴香は頷き礼を述べ、カメラを設置する為その場を離れる。 そこへ入れ替わるように主人の方へと寄っていったのはアルカ・アルジェント。 「それでは、先ほどのお話‥‥ご協力頂けるかしら」 そう主人にのみ聞こえる位の小声で囁くアルカに、主人は少しだけ、顔を顰めた。 「少し考えさせて貰ったんだがな、君の提案したやり方では、妻にそうと気付かれずにブローチをすり替えるというのは無理なように思うのだが‥‥我儘を言うようだが、私は妻に嫌われたい訳ではないのだ」 その時、人並みの向こうからブロンドの髪の美女と、栗色の髪を持った少女が手を繋いで歩いて来る。 「それに、娘が少しでも不安な様子を見せたら‥‥娘だけではない。妻が不快感を示したら、娘も悲しむのではないだろうか」 主人はそう言うとアルカからの返事も待たず、ふっと顔を逸らしてしまう。 「では、ご協力頂ける範囲で結構ですわ」 ここで言い争う訳にはいかず、食い下がる訳にもいかない。 「あなた、お待たせ。この子のお友達への挨拶は一通り‥‥そちらの方は?」 途中までにこやかに歩いていた彼女の顔に、陰りが見られる。 「ええ、私はご主人にお仕事でお世話になっていますの。今日はお招き頂き感謝しますわ」 「お母様?」 義母の僅かな変化に気付いたのだろう。今日の主役である娘が、不安そうに義母を見上げる。 それを見た主人がすっとアルカの側から身を離したのに気付き、彼女がハッとした、その時。 「お誕生日おめでとう、リトルレディ」 コサージュを手に少女に声を掛けたのは紅嵐斗。 「貴方は?」 「父がいつもお父様にお世話になっていてね。これは、細やかだけどお誕生日のお祝いに」 彼女は少し伺うように義母を見上げるが、彼女が穏やかな顔で頷いたのを見て、素直にそのコサージュに手を伸ばす。 「ありがとうございます。凄く嬉しいですわ」 そう言ってコサージュを手にドレスの裾を持ちぺこりと頭を下げる彼女に、嵐斗は思わず笑みを浮かべる。 「ごめんあそばせ。急用を思い出しましたわ」 主人がアルカから距離を取ろうとした時点で、作戦を決行するのは多分不可能だろう。そう判断したアルカは、すっと人波に紛れるようにその場を後にした。 その背を少し見守った後、嵐斗と共に3人の元にやって来たゲルトが、少女の前に歩み出る。 「こんにちは、御嬢さん」 ぺこりと頭を下げた後、握った手から花を出して見せた。 「すごい!」 ゲルトはにこりと笑顔で、彼女に花を手渡す。 「リトルレディ、僕達と少しご一緒願えないかな?」 カードを手に持ち、恭しく頭を下げる嵐斗に、彼女は両親を見上げる。 「行っておいで」 頷く主人に安心した少女は笑顔で手を振って、別のテーブルへと歩いていく。 ◆ 「こちらにいらっしたのですね。この度はお招き頂き光栄です」 娘を見守る夫婦に、リュヌが声をかける。 「奥様も、ご機嫌麗しゅう」 挨拶され、彼女も挨拶を返す。 「胸のブローチ、素敵ですね」 そう微笑むリュヌに、彼女は一瞬目を見開くが、直ぐにその目を細めて微笑む。 「このブローチね、この人が人にあげると言うのを貰ってしまったの。とても綺麗だったのだもの、ねぇ?」 そう言いながら、彼女は無邪気に微笑んだ。 楽しそうにカードゲームをしている少女をちらりと伺いつつ、アイザック・ブライトンが夫婦へと歩み寄る。 「お招きありがとうございます」 柔和な笑みを浮かべ、挨拶をする。その胸の内は、見た目程落ち着いていなかったが、そんな様子は微塵も見せない所作だった。 「こちらこそ、ご足労頂き申し訳ない」 その隣に立つ妻も主人の友人と思ったのか、アイザックに微笑む。 「早いもので、あの子も10歳になりましたのよ」 アイザックは素知らぬ顔で少女の方へと目を向け、口を開く。 「とても可愛らしいお嬢様ですね。とても貴方に似ていらっしゃる」 彼女は数度目を瞬いて、それからゆるゆると首を横に振った。 「残念ながら、私には似ないと思いますわ。何せ、実の子では無いのですから。だけど、とても可愛いわ。素直で、良い子よ」 優しそうに笑うその表情の裏側に、何かを隠しているのか否か。アイザックは、少し目を細めた。 「あぁ、そうでしたか。申し訳ありません」 「良いのよ。血は繋がっていなくても、私はあの子を愛しているもの」 その笑顔の裏側に何があるのかはいまいち判然としなかったが、その隣で嬉しそうにする主人を見て、アイザックは思う。 きっと彼女は娘の事を愛している。そう判断しても、良い気がする。 アイザックは二人に別れを告げ、その足で向かうのは中庭の方向。 「見ていられない事、力になれない事を、お許しください」 脳裏を過るのは、過去の記憶。磔にされた自分の事を救うため、全てを差し出した両親の事。 仲間達の作戦が、娘さんに自分と同じ思いをさせませんように。 パーティ会場に巧妙に紛れ込んでいる仲間達に一言詫びを入れながら、アイザックは中庭への扉を開き、夜空に祈る。 ◆ 「こちらにいらっしゃいましたか」 妻に声をかけたのは、遊里覧ミユ。その姿はこのパーティ会場にあって異質。ミユがMNを使って変身したのは、普段の姿よりも大人びた、準捜査官の姿だった。 彼女の顔に、少しだけ警戒の色が浮かぶ。 「実はここ最近、赤いルビーを使ったブローチが狙われる事件が相次いでいるのです。聞き取り調査をしていたところ、奥様がそういったブローチを持っているとの情報が入り‥‥」 ちらり、と主人に視線を送ると、彼はミユがローゼンナハトのメンバーであると察したようで、小さく頷いた。 了承と受け取ったミユは、メモを取り出しながら話を続ける。 「怪しい者、少し変わった出来事など、ございませんでしたか? もしありましたら、情報提供頂けると助かります」 彼女は心配そうにブローチを指先で触れながら、首を横に降った。 「いえ‥‥」 その返答を聞いてから、ミユはメモを仕舞いながら、数度頷く。 「わかりました。では、私はまたこの辺りの見回りに出かけますが、もし何かありましたらすぐに駆けつけます。お騒がせして、申し訳ありませんでした」 踵を返し、その場を去ろうとするミユに、彼女は縋るように手を伸ばす。 「あの‥‥大丈夫なんでしょうか」 心配そうに眉を寄せる彼女に、ミユは大きく頷く。 「心配要りません。それに、私以外の準捜査官も動いていますので、大丈夫ですよ」 そう言うと、彼女はまだ少し心配そうにしてはいるが、幾分か落ち着いたらしいと判断したミユは、その場を後にした。 丁度その頃。 「お誕生日おめでとう、レディ」 少女に目線を合わせる為、絨毯に膝をつきながら、ジェームズ・ワースが声を掛ける。ジェームズは参加者としての礼装ではなく、準捜査官としての正装に身を包んでいた。 「あなたは、お父様のお知り合いの方?」 「ええ、そんな所です。それに、別の用事もありましてね。‥‥今日は、君の誕生日だと聞いていますよ」 優しげに声を掛けるジェームズに、彼女の警戒が解けるのは早かった。 「私、10歳になったのよ。お母様にも、今日はちゃんとしなさいって言われているの」 嬉しそうに笑う彼女に、ジェームズは目を細める。 「お母上と仲が良いのですね。お父上とも?」 尋ねられ、少女の視線が少しだけ落ちる。その様子をジェームズは見逃さなかった。 「お父様と何かあったんですか?」 その問いに、少女は直ぐに笑顔を浮かべる。 「いえ、お父様も大好きよ。優しいもの。だけど、お父様、お仕事忙しいの‥‥だからあまり、お話出来なくて」 言葉にはしないが、きっと彼女は寂しいのだろう。そして、自分が大切にされていないのでは無いかと、少し心配なのかも知れない。そう思ったジェームズは、数回小さく頷いた。 「申し訳ありません、変な事を聞いてしまって」 それから立ち上がり彼はぎゅっと手を握って、ぱっと開く。その指先に摘まれていたのは、一輪の薔薇。 「あなたも手品がお上手なのね!!」 薔薇を受け取る彼女の言葉に目を瞬くと、彼女とカードゲームをやっていたゲルトと目があった。微妙に歪んだ口元を見るに、ゲルトもどうやら手品を披露したようだ。 「良い誕生日パーティを。ではまた」 「こっちは終わったよ」 合図を送るミユに手を振ったデス男の元へ、冴香からも合図が送られてきた。 「アイザックさんの古傷を抉るのは失態でございましたが、ここまで来た以上、役割を全うするのみ」 そう呟きながら、デス男は物陰でホッケーマスク姿の怪盗へと変身した。 ◆ 「さっき話してたの、聞こえちゃったんだけど」 嵐斗が少女に身を寄せる。少し声を顰めて尋ねる彼に、少女は首を傾げた。 「あのさ、君はパパとママ、本当に好き?」 その問いに、少女は少し考えて、大きく頷いた。 「好きよ。お父様は忙しいし、お母様は本当のお母様じゃないけれど、大好き」 その答えを聞き、嵐斗が安心して微笑んだ、その時。 「きゃあっ!!」 「お母様?!」 義母の悲鳴に慌てる少女を、ゲルトと嵐斗が引き止める。人波が俄かに左右に分かれ、その向こう側に見えたのは、ホッケーマスクの怪盗に囚われた彼女の義母と、それに対峙するように立つ父親と、彼の隣に立つ紳士。紳士の正体はMNで変身したシグナ・ガントレットだ。 「大丈夫だよ」 ゲルトが絨毯に膝をつき、彼女の肩をしっかりと抱きしめる。 「君のパパには、頼もしい友達がついてるから」 そう語りかける嵐斗に、少女は首を傾げた。 「無事でしたか」 そこへ駆け寄って来たのはジェームズ。 「私たちはここに居ましょう。ご安心を。あの方が居ますから」 父親を見つめながら言うジェームズに、少女は少し心配そうに頷いた。 「下手に動かない方がいい」 壮年の男性が主人を援護すべく機会を伺う男性達に声をかける。彼はMNを使って変身した大神隼人。隼人は飛び出そうとしている男性達を軽く諌めながら、主人の近くへと少しずつ目立たないよう移動していき、すぐ側の机の影に潜り込む。 「位置についたぜ。良い所で合図してくれ」 『今のところは待機しておいて』 インカムからの冴香の指示に従い、隼人はその場に身を潜めた。 「ここは危ない」 ジョー・プリンスがさり気なく人々を誘導し、デス男の逃走経路を確保する中、デス男が口を開く。 「二者択一。最も大切な方をお選び下さい。私は“選ばなかった方”を頂きます」 デス男は片手に宝石、そしてもう片手に主人の妻を逃げないように捕まえたまま、主人に問う。 主人を見つめる妻の顔は恐怖で強張っていた。 「君は宝石を狙っているのだろう?! 彼女を離せ!」 叫ぶシグナに、デス男は薄く笑う。 「こうした方が楽しいじゃないですか」 「妻を返せ」 銃を構えるシグナの隣でそう答える主人を満足そうに眺め、デス男が肩を竦めた瞬間、外から数発、空砲の音。デス男は妻の胸元からブローチをひったくり、コインを投げ踵を返す。 「なんだ?!」 不安そうな声を上げるのはリュヌ。彼の言葉に、周りの客達はコインに注目する。次の瞬間コインが炸裂し、煙幕が辺りに立ち込めた。 「今よ」 「よし、行くぜ」 冴香の合図に隼人が駆け出す。そして煙幕の中、素早く主人の手を引き机の影に隠し、デス男に蹴りを入れて数秒間の格闘を繰り広げる。煙幕の効果で、側から見ると主人が戦っているように見える。 「くっ‥‥しかし宝石は頂きます」 薄れていく煙幕の中、デス男はジョーの確保した逃走経路を使い、外へと逃げた。 「待て!」 シグナは彼を追って扉から出て行く。 「どこに行ったのか暗くてわからないな」 追いかけようとする人間が数人いたが、リュヌが扉から真っ先に顔を出し、左右を見て首を傾げた事で追い掛ける気が失せたようだ。 その隙に隼人はまた主人と入れ替わり、主人は妻へと駆け寄る。 「大丈夫か?!」 「ありがとう‥‥」 それを見てほっとした少女の肩に、嵐斗が軽く手を置いた。 「ほらね、大丈夫だったろ?」 微笑む嵐斗に、少女は大きく頷く。 「お父様は貴方の事も大切に思っています。仕事で忙しくても‥‥ほら。貴方の事を、呼んでいますよ」 ジェームズが2人の方を指差す。少女が顔を向けた先では、父親と義母が彼女に向かって走ってきていた。 「お父様、お母様!!」 駆け寄る少女が2人に飛びついた時、ミユが室内へ足を踏み入れ、3人に駆け寄る。 「お父様、格好良かったわ!」 首にしがみつく少女に、主人は苦笑いを浮かべる。そこへ、ミユが声を掛けた。 「遅れて申し訳ありません。宝石は盗られてしまったようですね」 妻の胸元へと視線を向け、ミユは悔しげに顔を歪めるが、胸中では妻が思ったよりも落ち着いていた事にほっとする。 「ご安心ください。私が責任を持って怪盗を捕まえ、宝石をお返しします」 そう言うや否や、ミユは踵を返し扉から出て行った。数歩走って屋敷から離れた後、物陰でMNを解除した後、ぶはぁと大きく息を吐く。 「はー! つっかれたー! オトナって大変だ!!」 ◆ その後、お開きになりそうだったパーティの空気を変えたのは、冴香だった。 「折角のお誕生日パーティです。イレギュラーはありましたが‥‥手品を披露したいと思いまして。少しお時間を頂けませんか?」 冴香の提案を主人は快諾する。お互い、パーティを台無しにしたかった訳では無いのだ。 そうしてなんとかパーティは楽しい雰囲気で終わり、少女は笑顔で両親と手を繋ぎ、一緒に居てくれた3人に手を振って別れの挨拶をした。 「少し大事になってしまったけれど、こうしてルビーは手に入ったし、一応娘さんも楽しんで終わったみたいね。奥様にも怪しまれてはいないみたいだから、まぁ良いでしょう」 帰ってからルビーのブローチを手に、アンナは集まった学生たちに労いの言葉をかける。 「じゃあこのイミテーションは、後日私が犯人から取り返したものとしてお返ししに行くわ。お疲れ様」 そう言って、アンナはブローチを手に去って行く。彼女が何処に行くのかは学生達にはよくわからなかったが、兎に角これで一件落着、と言う事らしい。彼らはその結果に、大きく安堵の息を吐いた。
参加者
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