オープニング
◆不死者って暇なのか
港町ウラートにはここ最近、バーヴァンが勢力を伸ばしている。
もともと、様々な場所から人々が入り、表も裏も、善も悪も、光も闇も、全てをごった煮にしたような街だ。バーヴァンが暗躍していたとて、簡単には手を出せない。ある意味都合の良い街でもある。
「ついに準備が整いましてございます。ライラディア様」
女バーヴァンが恭しく頭を垂れる。
「うむ、我が悲願。我らが王をお迎えし‥‥そして」
ライラディア、その女、『絶血公主』ライラディアと呼ばれるバーヴァンは感慨深くうなずく。
王を迎え入れる。とはいかなる意味か?
「ここは、大々的に人々を集め、話を広めましょう。既にこの街には我ら眷属やシンパが多くおります。その威を見せつける時」
「ほう」
「そう、このウラートが、バーヴァンの支配する最初の土地になることを内外に示すのです」
女主人にバーヴァンの女・セラは告げる。
だが、主人の反応はセラの想定を上回るものだった。
「違うぞ、セラよ」
「違う、といいますと?」
「我らはもともとこの世界の支配者。コモンどもからその土地を返してもらうに過ぎないのだ。そう、我らが王、ガルバ様の元に!」
◆ガルバ、カミング!
ハウンドギルドにもたらされた噂は、なんとも眉唾物の内容だった。
『バーヴァンの王、ウラートに来たる! 会いたい方はこちらへ』
などという内容の看板がウラートのみならずローレックの街にも立てられていたのだ。
「ふざけた真似を。奴らの仕業か」
怒りを隠さないエドマンド・シルバー。彼はウラートに巣食うライラディア一派とは因縁浅からぬ関係なのだ。
「また、妙なことを考えているのやもしれん。行ってみるしかあるまい」
と、まあ、胡散臭いことこの上ない場所へ向かうことになった。
行先は先ごろバーヴァンと繋がりがあって殺されてしまったザッカーという名の商人の屋敷だった場所だ。商家は潰れ、空き家になっていたのだが、いつの間にやらバーヴァンの拠点にされていたらしい。
「いらっしゃいませ。ああ、ハウンドの皆様、ごきげんよう。何か事件かしら? それとも私たちを退治に? ええ、ですが、我らが王はそんな些細なことは気にしません。どうぞ中へ」
宵闇に包まれたウラートの高級住宅街の一角で迎えてくれたのはバーヴァンの美女。かつてこの屋敷で暮らしていた者でもある。
そして、通された屋敷の中で目にしたものは‥‥。
「来たか、ハウンドよ」
間違いない、バーヴァンの王、そう呼ばれる存在。ガルバ!
「頭が高い! ガルバ様の御前であるぞ!」
「よい、彼らはある意味では友人のようなものだからな」
いきり立つライラディアをガルバが制す。
「さて、ここへ来たということは、この私に会いに来た、ということであろう? ちょうど退屈していたところだ、少し話をしようではないか」
ガルバは何を考えているのかわからない。戦うか?
だが、この場にはバーヴァンだけでなくコモンのような人々も集まっている。バーヴァンのシンパなのか、それとも操られているのか、はたまた興味本位で集まった人々なのかもしれない。ともあれ、そんな人々がいる状況でガルバやバーヴァン相手に暴れるのは得策ではないだろう。
「ご心配なく、今日はガルバ様のお披露目式。集まった方々に危害を加えることなどありませんよ。もちろん、妙な真似をしなければ、ですが」
ガルバらに代わりセラがそう告げた。
確かに、明確な敵意は感じられない。
さて、こんな状況下でどうしたものか?
選択肢
a.ガルバと対話 | b.絶血公主と対峙 |
c.状況調査 | z.その他・未選択 |
マスターより
皆さん、愛してま~す!
ガルバ、登場です。
まぁ、なんか面倒な奴ですが、こいつとの付き合いもあと少し、ってところでしょうか。
今回はなんかウラートに行ってみたら「マジでガルバいんじゃん、ウケる」みたいな状況です。インスタ映えしそうですね。
この機会にいろいろ聞いてみるのもいいかもしれません。
また、エドマンドはライラディアやセラと対峙してます。ガルバには興味ないので。
ライラディアやセラ、ザッカーの屋敷での事件についてはK次郎のリプレイ『【SE15】吸血鬼すぐ殺す』『【SE16】吊り橋効果アリ』『【絶血】資金源を叩け』をご参照ください。
この状況で色々調べてみるのもありかもしれません。聞き込みとか。
それでは皆さんの参加を‥‥俺は待ってるぜ!
※RealTimeEvent【HoundHistory09】ダークヒュージを解呪せよ 連動シナリオ
本シナリオは、世界の歴史を動かす可能性を秘めた企画「リアルタイムイベント」に連動した特別シナリオです。
参加することで【HH09】を冠したグランドシナリオに参加する権利を得ることができます。
登場キャラ
◆悪意か敵意か
ハウンドが通されたのは、かつての持ち主が宴などを開いていたであろう大きなホールだ。
ガルバが現れた、とはいえ、実際にこの局面を作り出しているのは『絶血公主』ライラディアとその一味だ。そこに潜むは大いなる悪意なのだろうか。
「奴らめ‥‥」
溢れる敵意を隠そうとしない
エドマンド・シルバーは、まずは距離を取りその怨敵を睨みつける。
とはいえ、目を離すと飛び掛かっていきかねないような危うさがある。
「本拠地はここではないし、目的も別にあるはず‥‥」
そんなエドマンドを心配してか、
ラーラ・ヒューイットは声を掛ける。
「そう、ですよね、エドマンドさ‥‥ん?」
そう言って彼を落ち着かせようと振り向いた時には、既にラーラの視界から消えていた。
いや、いつの間にかライラディアの方に向かって歩いている。
「あっ‥‥」
と止めようとするラーラだが、エドマンドの横にスッと寄り添う影を見て思わず手を止めた。
「先走ってはいけませんわ」
半ば強引にエドマンドの腕をつかむ
ローザ・アリンガムであった。
「わかっている」
「本当ですの? 心配をかけないで下さいまし」
エドマンドもローザの腕を振り払うようなことはしない。もしかしたら、ローザが歯止めをかけてくれていなければ自分が暴走しかねないことを感じているのかもしれない。
「あら、エドマンド。それに、ローザさん、だったかしら」
近づくローザたちを制すようにセラが話しかけてくる。
「私の名前を?」
「ええ、もちろん。主なハウンドの名前やある程度のデータは集めてありますよ。情報収集は基本中の基本ですからね」
「随分と、デリカシーの無いバーヴァンですわね」
「誉め言葉として受け取っておくわ」
セラに対してはローザの敵意が増す。
「そんなことより、私は貴女の主人に聞いておきたいことがありますわ」
「‥‥いいでしょう。私の方からライラディア様には話を通しましょう」
戦いの気配はしない。だが、平和に終わるとも思えないが‥‥。
◆王との再会
「覚えているか王よ。私だよ」
遠慮もなく話しかけるのは
トウカ・ダエジフらしさ全開。とはいえ、王との会見、ということで彼女にしては神妙な面持ちだ。
「あの丸太はさしもの私も驚いたぞ」
そう、トウカは以前ガルバと対峙した時にぶっとい棒状のもので繋がった仲だ。それを思い出した思い出し笑いか、それとも社交辞令か、笑みを浮かべそう返すガルバ。
「覚えていてくれたとはな」
まんざらでもなさそうなトウカは右の拳を左の掌にバシンと打ち鳴らす。
「ならば、私のことも覚えているのだろう?」
トウカの横に進み出たのは
ベル・キシニアだ。
「お前か。あの時の返答は聞けるのかな?」
かつて、ベルはガルバに誘われた「強者を求めるなら私と来るか」と。
「ああ、あの時は誘ってくれてありがとうな。礼はいっておく」
意外と律儀なベル。
「ただ、私はここに大切な人がいる。帰ってこれない場所にはいかんよ」
でも丁重にお断り。
「そうか、そうだな、この私とて、自由に帰れるわけではないからな」
意味深なガルバ。いやいつもの調子ではあるのだろう。
「さて、今宵はよく来てくれたな。私からも礼を述べておこう」
ガルバは来訪したハウンドを見回す。
「血の主よ、お会いできて光栄だ、と言っておこう」
と礼を返す
ユーグ・ノイモントだが、その視線は隙なくガルバを窺う。値踏みする、というわけでもないが、見極めなければなるまい。
(不死ゆえの傲慢と、ただ戯れの為にコモンを惑わすのならば、私はこの刃を王に向けなければなるまい)
まずは、このガルバという存在が一体何を考えているのか、それを知ることだ。
そんな、緊張感ある状況など気にしない者もいるのだが‥‥。
「あー、いいですか? 仲間に頼まれた質問があるんで、よろしいでしょうか」
ムーン・シャドウは手を挙げて、早速質問を飛ばそうとする。空気など読まない。それがムーンという女だ。
「ほう、質問、か。いいだろう。何か訊ねたいことがあるのならば遠慮は無用だ。とはいえ、私とてなんでも知っているわけではないぞ」
ガルバはムーンの不躾な物言いにも鷹揚に応えた。
いったい、どんな問答が繰り広げられるのだろうか。ハウンドの長い夜が始まる。
◆地道にいこう
屋敷でガルバとの面会が行われているころ、
アレックス・ブラックはウラートの酒場にいた。
「なぁ、バーヴァンの王が来てるって話だが、どう思う?」
酒の席の戯言。だが、実際にある危機。いや、人によってはこれをチャンスと捉えるか?
「バーヴァンに酒じゃなくて血の樽でも提供したら儲かるかねぇ?」
とは酒場の主人の弁だ。
「おいおい、本気で言ってるのか?」
アレックスは肩を竦める。
「あ、いやいや、大勢にちょっとずつ血を頂いて、それを魔法かなんかで上手いこと保管出来ればいい感じの商品になったりしないかな、と」
「なるほどな。というか、あまり危機感は無いんだな」
「ああ、この街はそういう街でしょ。いままでもオーディアの玄関口、ってことで色んな事件があったでしょ」
ドローレムが上陸したり、デュルガーが襲ってきたり。まぁ、事件には事欠かないのがこのウラートだ。
(もう少し、大勢の話を聞いてみないといけないな)
アレックスの夜もまた、長くなりそうである。
◆なぜなにガルバ
せっかくガルバと膝を突き合わせて話せるチャンス。ここはいろいろと聞いてみようじゃないか。という流れ。
「以前と同じ問いをさせてくれ」
真っ先に切り出したのはベルだ。
「いいだろう」
「でが、今一度問う。今の世の強者を紹介して欲しい」
ベルらしい問いではある。
「先にひとつ、私から質問してもいいかね?」
「ああ、なんだ?」
そこへガルバの逆質問。
「なぜ強者を求める?」
「ははっ、愚問だな。世界を救った後に、そいつらと戦いたいからな」
女は迷いなくそう答えた。
「そうか‥‥強者、となると、既に上位のドラゴンやデュルガーとは戦っているのであろう? それ以上の相手となるともはや神々、邪神の類しかあるまい」
神、ガルバそう告げる。
「他の世界へいけば、そういった強者もゴロゴロいるのだが、残念だ」
「んー、でも帰れないんだろ? あ、でも王は帰ってきてんのか」
ベルに代わって疑問を口にしたのはトウカ。
「私はある使命を終え世界から追放されたのだが、完全なる不死性を得ていたため消滅することなく、別の世界へと飛ぶこととなってしまった。それが切っ掛けか、時代を超え、次元を超え、様々な世界を流浪する身となったのだ」
何やら込み入った事情がありそうなガルバ。
「故に、元の世界に帰ってきた、といってもそれは元の世界に似た別の世界なのかもしれぬ」
つまりは並行世界のようなものなのかもしれない、と。
「とんでもねー話だな」
頭を抱えるトウカ。
「そんじゃよ、頭の悪い私にもわかるように教えてくれよ。前に王は世界の敵でも味方でもない、ってようなこと言ってたよな。だったら、王やバーヴァンてのは何なんだ? その『ある使命』ってのに関係があるのか?」
言葉より手を出す方が楽だと考えるトウカだが、ここは精一杯言葉を捻りだす。
「別に隠し立てする必要も、無いな。ならば話そう‥‥バーヴァン、いやヴァンパイアは太古の昔、邪神との戦いの中で闇の勢力に対抗するために神々に生み出された戦闘種族なのだ」
「「「「な、なんだってぇーーー!!!」」」」
衝撃の事実。
「高い不死性と、闇の住人に似た特性により、コモンらでは対抗しづらい戦闘局面でも互角以上に戦えるように設計されている」
なるほど、ヴァンパネーロが瘴気に強かったりと、闇の住人的に扱われているのもそういう理由だったのか。
「じゃあ、なんでバーヴァンはコモンを襲ったり、なんなら自分たちこそが世の支配者のように振舞ってんだよ?」
そうなるとトウカには余計に疑問が浮かぶ。
「ヴァンパイアの力の源はコモンの血肉であったのは設計当初からだ。そして、コモンの血肉を得て、コモンのために戦う、それがヴァンパイアの最初の使命であった」
強大な力は、大きな代償を伴う。
「神々の戦いが終わると、ヴァンパイアは不要となり、私はこの世界から追放された。そして、王を失ったヴァンパイアたちは、昼に弱いという欠点から、コモンの脅威ともなり得ず、徐々に社会から隠棲するようになっていったのだ。そして、王の再来を望み、コモンへの支配欲を募らせていった」
「じゃ、じゃあ、王はどうなんだ? コモンを支配したい、って思ってるのか?」
「‥‥ふむ、それは、どうなのだろうな」
その質問には自問するような答えを返すガルバ。
「‥‥私は、王が持ち得るのは『不死ゆえの傲慢』なのでは、と思っていた。だが‥‥話を聞いて感じたのは『不死ゆえの諦念』ではないのか?」
話を静かに聞いていたユーグが感じたのは、ある種の諦め。
「それを最も古き眷属らの前では言えまいよ」
ガルバはふと、エドマンドらと睨み合っているライラディアの方に視線を向けた。
「あ、あの。では、王はヴァンパネーロの始祖のこともご存じなんでしょうか?」
そう問うたのはラーラだ。
「知らぬな。私が別の世界を旅する間にいつの間にかコモンの側に立つヴァンパイアが生まれていた、というだけだ。ともあれ、コモンのために生まれたヴァンパイアからお前たちのような存在が生まれてしまうのも無理もないことかもしれぬがな」
結構、スゲー話がポンポン出てくるぞ、という雰囲気になったそんな時‥‥。
「物凄く大馬鹿な話で恐縮ですが‥‥フンドラ教団という変態教団の教祖が「自分たちこそデュルガーや吸血鬼と戦う父なる神の戦士だ」なんて戯言を言ってたそうなんですけ‥‥あの変態教団の神様に狙われる心当たり‥‥何かあります?」
ムーン・シャドウは空気を読まない女だ(本日二度目)。
「アレか。アレは、本来ではあれば、このミドルヘイムに遺されている筈のないものといえるか。世界の流浪の果て、私は気付いたのだ。世界は何度も滅んでは、再び作り直されているのだ、と。ある時は伝染病で滅び、ある時はテクノロジーの発達過多により滅び、また、ある時は信仰による争いで滅んだ‥‥アレはその時の影響で禁忌とされていたものだろう」
「ん? んー? つまり王の話を統合すると、フンドラ教団はこの世界のものじゃない? 神が世界を作り直すときにウッカリそこに遺してしてしまった‥‥みたいな??」
空気は読めないが、何となく察しはいい女だ。
「で、結局、王は何がしたいのさ?」
究極のところ、トウカが聞きたかった答えは聞けていない。
「そうだな、此度は‥‥少し本気で戦ってみるのも面白かろう」
ガルバは少し、楽しそうに笑う。
ハウンドたちは結局そうなるのかー、と面倒くさそうな、なんとも言えない表情を浮かべた。ベルだけ嬉しそうにガッツポーズしているが。
「そして、忠告しておこう。私は‥‥限度が無いほど不死身だぞ」
この王、結構めんどくさい。いや、知ってたけど。
◆ウラートの夜は更け
アレックスは街の人々の話を聞きながら、対バーヴァンの協力者なんかもいないか探していたのだが‥‥。
「流石に、そう都合よくはいかないか」
「あーら、なに落ち込んでるの、おにいさん」
声を掛けたのは、こぼれそうなほど胸元がぱっくりと開いた服を着ているのと濃い目の化粧からして、娼婦と思しき女だ。
「なーに、ちょっと求めるものが無くてな。ああ、そうだ。最近バーヴァンが幅を利かせているようだが、何か知らないか?」
「ああ、それならお客さんから面白い話を聞いてね」
「ほう」
試しに聞いてみるものである。
「なんでも、バーヴァンがこの街を支配して国を作るんだってさ。冗談でも、なかなか面白い話でしょ?」
「なるほど、冗談、ならそれでいいが‥‥もう少し詳しく聞かせてくれないか?」
今のバーヴァンの動きからすれば、与太話だと聞き流せないようなことだ。
「そうさねぇ、だったら一晩ベッドの中で聞いておくれよ」
「む‥‥すまんが、いまはツレがいてな」
そこはアレックスも浮気などしてる場合ではない。
「つれないねぇ。まぁいいよ、ちょいとお手当てがもらえれば、ね」
「仕方あるまい」
必要経費である。
◆決意と決別と
睨み合うエドマンドとライラディア。
かつて居場所を奪われたエドマンドからすれば怨敵だろうが、ライラディアの方はどう考えているのかはよくわからない。
ローザはエドマンドが先走らないように腕を絡め。セラはというとずっとニコニコしているだけだ。こいつも何を考えているのかわからない。
「こんな場までも設けて、貴女の望みは何なのかしら、絶血公主?」
相手の感情はともかく、目的は聞いておきたい。戦いにはならなそうなのでローザは単刀直入に聞いてみることにした。
「ほう、裏切り者の小娘が私に問いたい、と‥‥いいだろう」
「ん」
ライラディアの態度が鼻につくローザだが、自分の敵意は殺す、エドマンドのために。
「我らが王、ガルバ様がご降臨されたこの地を、我らが王国の礎とするのだ。お前たちは我らが王の前に拝謁賜っているのだ。この上ない栄誉と知るがいい」
「バーヴァンが王国などと、御大層なことですわね」
「王がおられるのだ、王国があってしかるべきであろう?」
熱の入り方に、王に対する忠誠心‥‥いや、恋焦がれているという感じに近いものがあるのを感じる。ローザは、自分もエドマンドに対してはこんな感じになりかけてやしないか、とふと思った。まぁ、だからといって絶血公主と仲良くできそうだとは思えないが。
「では、戦うしか無いようだな」
エドマンドがそう宣言する。
「勝てると思うなよ、小僧。お前の力は評価していたが、軍門に下らぬのならば仕方ない」
絶血公主の瞳が一層赤く輝く。
どうやら戦いは避けられない‥‥。
と、そんな中で。
(おや、テレパシーですか)
セラは自分に向けれた念話を感じ取り、受け入れる。
(あ、あの‥‥セラさんはどうしてバーヴァンになろうと思ったんですか?)
声の主はラーラだ。こんなことエドマンドの前ではちょっと聞けない。
(ああ、何か勘違いをされているのですね。私は自分でなったわけではないですよ。ライラディア様に血を吸われ、眷属にされてしまっただけですよ)
(そう、でしたか)
(そんなことより、貴女)
(はい?)
(ぼやぼやしてると、あの積極的な子にエドマンドを取られてしまうわよ?)
(え、え、いや、あの)
(ああ、私はもうこんな状態だから今更エドマンドとは、ね。まぁ、彼は私とライラディア様を討って過去にけりをつける気満々のようだけど)
そして、ガルバとの謁見は終わりを告げた。
次に会うときは、戦うときだろう。
その時は、すぐだ!
8
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参加者
| | a.あの時の質問、もう一度させてもらおうか
| | ベル・キシニア(da1364) ♀ 28歳 人間 ヴォルセルク 風 | | |
| | a.ふむ、私もチョット質問をしてみるか。
| | トウカ・ダエジフ(da1841) ♀ 27歳 ダークエルフ ヴォルセルク 地 | | |
| | a.フンドラ教団がまたて出てた際の対応策について相談を…。
| | ムーン・シャドウ(da2079) ♀ ?歳 ヴァンパネーロ カムイ 月 | | |
| | c.皆が王との握手に赴くなら、私は地道に調査をしておくか。
| | アレックス・ブラック(da2081) ♂ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 陽 | | |
| | a.……話を伺おう。
| | ユーグ・ノイモント(da2085) ♂ ?歳 ヴァンパネーロ パドマ 火 | | |
| | a.…会っておけば役に立つ、かな?
| | ラーラ・ヒューイット(da2137) ♀ ?歳 ヴァンパネーロ パドマ 月 | | |
| | b.エドマンド、決して先走ってはいけませんわよ。
| | ローザ・アリンガム(da2138) ♀ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 風 | | |
| ふざけた真似を! | | エドマンド・シルバー(dz0053) ♂ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 地 | | |
バーヴァンの王、来たる?
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????? お前は一体、何をいっているんだ?
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