【HH09】乾坤一擲作戦始動

担当成瀬丈二
出発2023/04/08
種類ショート 冒険(討伐)
結果大成功
MVPカモミール・セリーザ(da0676)
準MVPカーミレ・セリーザ(da1860)
グドラ(da1923)

オープニング

◆鍵はダイヤモンド。
 地のダークヒュージドラゴンの名前はダークアダマスドラゴン。
 アダマス‥‥古い言葉でダイヤモンドを意味する。
 解呪の鍵はダイヤモンド──ハウンドギルドの中に戦慄が走った。
 その名を冠するドラゴンということなら、何か関連があるのだろう。
 ダークアダマスドラゴンを全解呪する鍵(はたして『全』という表現が適当かはさておき)は、その名を持つ宝石なのだろう。

登場キャラ

リプレイ

◆金剛の大地へ
「──超、GG‥‥合身」
 風の女神を思わせるゴーレムと合身するのは、カーミレ・セリーザだ。
「後は女神にすべてを任せるニャ」
 手を組む、トラエ・モンだった。
 彼女のレジストメンタルはどれだけ通じるのだろうか──それは分からない。
「魔法で好き嫌いの感情を逆転させるから‥‥仲間割れだけは注意してね~!! プリズマティック」
 魔法の杖を構えて、カモミール・セリーザが聖域を作り出した、どんな巨大な生物でも、範囲に一部が含まれれば、聖域に取り込まれるのだ。
 プリズマティックの効果は、ダメージは負傷迄、好き嫌いの感情は逆転する。
 ドラゴン語が分かる人に口を開けてもらうよう頼んで貰う。
 それが手はずだった。
「幾つか策がありますがまずはミドルドラゴンVSヒュージドラゴンの怪竜大戦争から開始どすえ‥‥切り札その一!」
 指を鳴らすのは、エリアル・ウィンフィールドであった。
 しかし、シャドウドラゴンは後方で、息を荒げている。
 さすがに自分を圧倒的に上回る存在と戦闘する気にはならない──どころか、本来なら好意を持っている、エリアルに容赦なく攻撃しだした。
 高速詠唱からのルナが情け容赦なく女主人を苛む。
 裏を返せば、命を奪うの逆くらい愛しているということだが──。
「なるほど──そうなりますどすか、切り札その三十六!」
 エリアルがグリーヴァ語の知識をもってしてその切り札を開陳する。
 そう! 身をもって。
 つまり、逃走だ。
 実際闇そのもののブレスを吐かれたら、状況は非常に混沌になるところである。
「おいらあんたを軽蔑するぜ!」
 そう、グドラが翼を広げて宣言する。彼も好悪の感情が逆転していた。
 もちろん、尊敬すべきダークアダマスドラゴンへ向けられた感情は、軽蔑となってしまう。
「全力をもって打ち倒すぞ!」
「引いてください、グドラ様」
 そう、リュドミラ・ビセットがダークアダマスドラゴンの周囲を飛び回る。
「食べるなら私を!」
 ぱっくんちょ!
 リュドミラは呑まれた。
 しかし、そこに飛び込む影が幾つか!
「させぬよトカゲ風情が!」
「ダイヤを寄越せ!」
 そう言って、エクス・カイザー『も』呑み込まれる。
「させへんで!! はいぱーるみなぎりや!」
「こうなることは計算済みですぅ──でも、少しだけ怖いですぅ」
 カーミレも合身したまま突撃する。
「まずい、本物のダイヤだ! 全部よこせ‥‥全部」
「これでも食らえですぅ!」
 うわあと叫びながら、ガーベラも、口の中に飛び込む!
「うわあ、よだれまみれや!」
 四人ともに咀嚼されずに飲み込まれる。
 生暖かい粘膜に全身を包まれる。
「コモンのために死んでたまるか! 私は大事な人の為に生きる!」
 ダークアダマスドラゴンの胃の中で、エクスプロージョンを開放するエクス。
 吐血しかかるダークアダマスドラゴン。
 しかし──努力が実を結んだ。
 周囲からはダークアダマスドラゴンの全身が光輝いたように見えるのだ。
 まるで地上の太陽のように。
 そして、聖域は消え失せる。
 全解呪──そんな言葉がハウンドたちの脳裏をよぎる。
「ありがとうコモンよ。そして全ての生命よ」
 ダークアダマスドラゴン、いやアダマスドラゴンの重々しい声が響く。

◆地の呪いは──
 全身が幾重にも重なったダイヤモンドのようなウロコで覆われた巨体だ。今までとは違い、明らかに知性を感じさせる。
「少し待ってほしい──今、吐き出す」
 描写は控えたい。
 だが、吐しゃ物の中に、四人の姿があった。
「大いなるドラゴンはん。うちたちはあなたの力になれたやろか?」
 エリアルが居住まいを正して、アダマスドラゴンに挨拶をする。
「この上なくな。これよりしばらく、大地の精霊たちを力づけるのに、力を絞るため、今すぐに力添えはできないだろう」
「なんとニャ。でも、どうしてダイヤモンドを呑み込んだニャ?」
 トラエが納得のいかないように問いかける。
「恥を忍んで言う。ダークサイドだった私はダイヤモンドが大嫌いだ。コモン的に言えば、子供がクスリを嫌がるようなものだ。それが陽の精霊の干渉で好悪の感情が異常になった、結果として大好きになった、ということだ」
 おそらく、大地の精霊力との共振が、どうこうということらしい、コモンが研究をすれば、分かるかもしれない、あるいは分からないかもしれない。
「おいらはよく分からないけど‥‥他に何かできることはないかな」
 グドラが頭をかきながら、アダマスドラゴンに話しかける。
「他のヒュージドラゴンを、邪神の干渉から解き放ってもらえるとうれしい」
「よしやるぜ! 絶対やってみせるぞ。そうしたらおいらが、キングドラゴンになる一歩だぜ。でも、呼ばれたいから、助けるんじゃないぞ、困った相手を助けたいんだ」
「お願いする『キングドラゴン』お前の未来に期待しよう」
 深々とハウンドたちに頭を下げるアダマスドラゴン。
「ふう。大団円なのん☆」
 言ってカモミールが親指を立てる。
 そして、ダークサイドのエクスマリスがプリズマティックによる、好悪の感情を反転する効果を越えられない、それは、予想しなかった。
 しかし、逆説的に皆がお互いに持っている好意など、それを確認できたも同然であった。
「後は勝利の美酒を味わうために帰還しますか。そして次はヒュージドラゴン全てが全解呪された知らせを持ち帰りたいものですねぇ」
 カーミレが帰り支度を始める。

「ひとつ願いがある」
 エクスがアダマスドラゴンの目を見据えた。
「なんなりと」
 その言葉にエクスがはっきりと口に出す。
「『友』と呼ぶことを許してほしい」
「よろこんで。『友』よ」
 アダマスドラゴンの目は笑っているのかもしれない。

「今更な質問だが、ところでお前たちはなんなんだ?」
 アダマスドラゴンは、目の前に立つコモンたちに問うた。
 このドラゴンが、孤独のうちに、どれだけの月日を過ごしたか、それは分からない。
 しかし、このコモンたちは、ついぞ見たことのない存在であった。
 まあ、コモンとあった記憶はダークサイド当時かもしれない、知性も低下しているのである。
 リュドミラは少しはにかみながら言った。
「通りすがりのハウンドです」
「そうかハウンドか」
 言われたリュドミラの言葉をどう思ったか不明。
 しかし納得したのか、うなずくアダマスドラゴン。
 そして、ハウンドたちはいずことも知れぬ大地を、ドラゴポータルで後にするのだった。

 このアダマスドラゴンを全解呪するという、偉業のひとつはハウンドギルドで大きく扱われることになる。
 コモンとその仲間は、ダークヒュージドラゴンとさえ戦い、解呪できる、その一例として、だ。
 しかし、ハウンドたちは『KillerQueen』でしばしの休息を味わうだろう。
 とはいえ、道は半ばだ。全てのヒュージドラゴンを解呪したわけではないのだ。
 だから、今しばし、戦いは──つづく!

 そして──
「アダマス先輩って呼んでいいか?」
 アダマスドラゴンはハウンドたちとの時間を追憶する、そして瞑目した。
「‥‥いいとも後輩。どうか女神からの祝福を」
 そうつぶやく孤独なヒュージドラゴン。
 枯れた大地にそそりたつ、周囲の木々はわずかに緑の芽をのぞかせていた。



 7

参加者

b.魔法で好き嫌いの感情を逆転させるから…仲間割れだけは注意してね~!!
カモミール・セリーザ(da0676)
♀ 31歳 ライトエルフ パドマ 陽
b.幾つか策がありますがまずはミドルvsヒュージの怪竜大戦争から開始どすえ
エリアル・ウィンフィールド(da1357)
♀ 49歳 ダークエルフ マイスター 水
a.箒で飛び回って注意を引こうと思います。
リュドミラ・ビセット(da1372)
♀ 22歳 ライトエルフ カムイ 火
c.「乾坤一擲」、私の好きな言葉だ。 さあ、一勝負いくか!!
エクス・カイザー(da1679)
♂ 30歳 人間 ヴォルセルク 火
c.新型GGと合身してダイア運搬を行いますねぇ。
カーミレ・セリーザ(da1860)
♀ 41歳 ライトエルフ マイスター 水
c.絶対に正気に返してやるんだぜー!!
グドラ(da1923)
♂ ?歳 キティドラゴン ヴォルセルク 水
a.今回もレジストメンタル! でもってルナで注意を引くニャ!!
トラエ・モン(da2209)
♀ 28歳 ケットシー パドマ 月
 はあ、つかれたわ。おんせんいきたいわ~。
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


ケンコンイッテキ作戦始動!

ダークアダマスドラゴンの解呪作戦の参加者募集。作戦名は『ケンコンイッテキ』だ。オーディア城中のダイヤモンドを食べさせるこの作戦にミドルヘイムの明日がかかっている。