オープニング
◆
グレコニアのとある谷。
その奥深くに城砦はあった、この城砦は完全に地下に埋まった遺跡だ。
遺跡内の広間でを構えるのは、数人の赤目の男女だ。
バーヴァンノーブルだ。
彼らの頭がザッハ大公だった。
バーヴァンの支配階層、この男は稚気が抜けない。
先日もハウンドに戦いを挑んだ刻に、相手をする配下にまじって、ハウンドと一戦交えたものだ。
当人は納得しておらず、ハウンドギルドにダミーの依頼をし、はぐれたガーベラをとらえたのだ。
「ほんだらがはようはなせい、いまならはんごろしですませたるわ」
彼女を人質にして、ハウンドたちに戦いを挑む。
ハウンドたちはこの谷に向かっている。
配下のバーヴァンノーブルが報告した。
遺跡は地下にあり、昼であろうと、夜であろうと日が差すことはない。
もはや、必勝。
配下のノーブルはそう告げるが、ザッハはカエルの尿より下種なハウンドを許す気はない。
汚い手を使われたからには、それ以上の汚い手で叩き潰すのだ。
「私はカンオケで休む、ハウンドたちが来たら起こしてくれ」
「おまえなんかは、はうんどのみながたこにして、うまれてきたのをこうかいさせたるで」
「お前にはわかるまい、軽く遊んだだけなのに、それを斬りかかるハウンドの愚かしさを」
そう言ってザッハ大公は髪を後ろになでつける。
「この屈辱は倍にして返す」
ザッハは地下室(にあたる部位)のカンオケで眠った。
それから数時間後目を覚ます。
「来たかハウンドども」
四体のバーヴァンノーブル、そしてバーヴァントロールを引き連れ、ザッハは決戦に挑む。
玄関は開かれ出迎えるザッハ大公の前に躍り出るハウンドたち。
15メートル四方の広間の中央にはガーベラがカゴに入っており、それを起点にハウンドとバーヴァンたちは向いあっていた。
いま、戦いが始まる。
選択肢
a.大公対峙 | b.ノーブル |
c.トロール | z.その他・未選択 |
マスターより
いい子にしていたハウンドの皆さんには、きっと素敵なプレゼントがあったでしょうね。
ということでハウンドに遺恨を持ったバーヴァン退治です。
ガーベラを誘拐していますが、ガーベラは鳥かごに入っています。
よろしければガーベラ開放などもお願いします。
では皆さんが良き冒険をされることを。
※【SubEpisode15】聖夜の星は誰が為に 関連シナリオ
シナリオ結果に応じ、新たなアイテム登場に繋がります(イベントページを参照して下さい)。
登場キャラ
◆闇あるところ光あり
「みなさん、エエンレラを付与していますので、思う存分やってください!」
そう、
シェール・エクレールが周囲に活を入れる。
シェールは弓を構えているが、あまり広くない部屋では、打撃力は期待できそうにない。
(早く片付けて応援に回らなければなりませんね)
「よし。今日の獲物はバーヴァンって事だね。お前ら残さず狩って喰らい尽くしてやるよ」
そう、
ユミル・エクレールが言い出すのは、迫真のジョークだろう。バーヴァン系統は一般的に食用には向いていないのだ。
あえて、食の新たな地平を目指すフロンティアスピリットだろうか。
「待ってろよガーベラ、この遺跡が日光には満ちていなくても、お天道さんに顔を向けて生きてれば大丈夫だ」
「──プリズマティック、お前たちの時間は一生訪れない」
高速詠唱で一気に展開される『聖域』。
その創造者である、
ソランジュ・スピースが宣告した。
(流石バーヴァンは卑怯な事を考える。間抜けな害虫どもの駆除を徹底的にしてやろう──これこそ、私の灰色の脳味噌の使い所に違いなし、だな)
プリズマティックの力により空を飛ぶことを封じ、時刻を昼に変え、加えてすべての傷が重くなる、という徹底したバーヴァンシフトに出る。
しかし、日光が差さないところではソルは成就しない。昼間だろうが、遺跡の中では(それがただの分厚いだけの石壁でも)同じことだ、とそうバーヴァンノーブルは思っていた。。
(いかん策士が策におぼれたか、笑うべきだな──と、ピンチには)
「ならない! 輝け日輪!!」
籠手に込められた魔力がソルの力を解き放った。
バーヴァンノーブルの一体が信じられないものを見るように、目を見開く。
「続くよ。先ずはノーブル退治だね」
宣言するのは、
シーマ・アルテタだ。
「相変わらずバーヴァン達は汚い真似をするものだね。君達の醜悪さが顔に出ているよ」
バーヴァンノーブルたちはこの裏切者は鏡でも見ているのだろうかと思っている。多分、人間がわめくサルを見ても少し不快に感じるだけなのと同じだ。
ガーベラを誘拐したのも、サルをワナにかけるのに撒き餌を準備するのと同じだ。
シーマが舞うように、連打を繰り返すが、ノーブルたちも回避に徹する。単純な話だ。
プリズマティックは待てば切れる。
定命のものと違って、十分かそこらじゃれていれば、適当に反撃できる。
まあ、ユミルが一刀両断して終わるのだが。鞘に納めてからの抜き放ちまさに閃光のごとし。
万一打ち漏らしても、シーマが刻んでいく。
ふたりの刃にはシェールが魔力を帯びさせているのだから。
ただでは済まないのだ。
一旦、傷を負えば動きも止まる。そこに矢が突き立った。
シェールのそれだ。
「はいはい。永遠の命ですね、命は大事にすれば一生使えますよ」
◆悪あるところに光あり
身長二メートルを超す筋肉だるま、バーヴァントロールを見て、
ティファル・クラウディアがしたことはひとつ。
「──ゼウス」
魔法の杖の先からイカズチが奔り貫いていく。
(こんなタフな相手を抱えているとは、なかなか強力なバーヴァンの様ね。それでもバーヴァンは確実に滅ぼさなければならないわ)
多分、一様に抱えているバーヴァンは許さないという思い。
ただ、それは論理のコアを曖昧にしており、バーヴァンたちからすれば、ただの感情論だろう。
もし、闇の住人を許さないのなら、ヴァンパネーロももろともに討たねばならない。
「いけ、グリド!」
ドラゴングラスを鼻に乗せた、
セリス・エクレールがゴーレムに指示を出す。
竜の立像を思わせるセリスのゴーレムが打って出る。凄絶な殴り合い──にならなかった。ゴーレムの一撃はバーヴァントロールを破壊する。
グリドは無傷、打たれれば揺れるがそれ以上ではない。
バーヴァントロールは魔をうつ力がないのだ。
「──なんだか分からないけど、とにかくいいのです」
(このバーヴァン達は滅ぼさなければならない相手とは解ります)
拳を握るセリス。
後悔するのは
レナ・アルディーティだ。
アイスエイジで相手を弱体化させようとしたが、仲間のうちには三人、防寒装備をしていないものがいたのだ。
ユミル、ソランジュ、そして
ローザ・アリンガムだ。
(バーヴァンは実に卑怯で汚い真似をしている様だね。でも、周囲が狭すぎて──みんなを巻き込んで使えないか)
レナが仲間の援軍に回ろうにも、どちらを向いても巻き込んだ攻撃は、連携どころか足を引っ張りかねない。
「構わぬ。撃つのじゃ!」
それは、
ケイナ・エクレールの唇から発せられた。
◆困ったときの女神教宗教裁判
(人質を取るとは流石クソのバーヴァンじゃ。油断ならぬのじゃ)
ケイナがザッハ大公が傷を負ってなお、優雅な動きでかわし続けるのを見て、ヴォルセルクの剣裁きより、絶対当たる、パドマの攻撃魔法に重きを置かざるを得なかった。
自分たちを中心にレナがヴィンドスヴァルを撃っても、
ノーラ・ロネが準備している通り、アマテラスの結界を張れば助かると判断した。
ノーラは自身が把握している通り、アマテラスの結界の中にあるものは、プリズマティックにより聖域に引きずり込まれないのだ。
なので、ノーラは聖域の中でアマテラスを展開している。
しかし、ザッハは、ローザや
エルシー・カルの猛攻をアマテラスの結界を背にしのぐ。
結界越しにケイナが何度かプロメテウスを込めた矢(魔矢発動によるものだ)はかわされていく。
ノーラも仲間を巻き込まずに撃つのは限界があった。
さすがに弓矢を持った相手がアマテラスの中にいれば、ザッハ大公は余裕をもって気づく。
斬り結ぶローザ。
「全く、大公を名乗るモノが人質を取ってくるとは。全く語るに落ちまくっていますわね」
「猪に聞かせるには、豚の歌で十分だよ、レベルを合わせてあげてそれはないな」
へらず口を叩くザッハ大公。
「頼んでないべ!」
エルシーが迫る。
大技を繰り出せばラッキーヒット以外ねらえないのだ。
格上相手にはあまり相性がよくないのだ。
エルシーはそのことを一番知っている。
しかし、ローザには時間がない。
カルラの持続時間を粘られたら、自分は倒れる。
「では、己の器を思い知らせて上げましょうか。この小物が」
ローザにも笑みを浮かべる余裕がない。
その時、吹雪が荒れた。
レナが放った、魔法の杖の特殊能力を使ったヴィンドスヴァルだ。
ケイナとローラはアマテラスでノーダメージ。
レナにすれば、ふたりがうかつに倒れない(と、思いたい)攻撃であった。
日輪の力を込めたエルシーの銀の槍が、後頭部を貫く。
左わきからローザの切り上げたデスサイズが、脊髄まで滑って行った。
ふたりともにヴィンドスヴァルの攻撃で肉体がガタガタになる。
ザッハ大公は気の利いた遺言も残さず、他人から奪うだけの生涯にピリオドを打った。
ガーベラが鳥かごを揺らしながら自己主張。
「みんなあんがとなー。だしてくれんか?」
セリスが鳥かごを開けると、ガーベラが出てきた。
「大丈夫?」
「たいへんだったで」
なお、ローザはケイナの力によるキュアティブで生をつないだ。
「ん~間違ったかな?」
ケイナが笑みを浮かべる。
「この程度で死ぬとは、少し根性を入れるのじゃ」
ともあれ、エルシーは傷らしい傷を負っていない。
「お嬢様に何を言うの、デスサイズより重いものを持ったことがあんまり‥‥ないのに」
こうして、ハウンドたちはガーベラを救出し、ザッハ大公とその一党を激滅した。
だから、ハウンドの戦いは‥‥つづく!
5
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参加者
| | b.エエンレラの付与と回復補助です。
| | シェール・エクレール(da1900) ♀ 19歳 人間 カムイ 風 | | |
| | b.ホルスでガーベラを回収してから雑魚退治だ。
| | ユミル・エクレール(da1912) ♀ 24歳 人間 ヴォルセルク 陽 | | |
| | c.ゼウスで狙い撃ちね。
| | ティファル・クラウディア(da1913) ♀ 26歳 ライトエルフ パドマ 風 | | |
| | a.回復と援護射撃じゃ。
| | ケイナ・エクレール(da1988) ♀ 30歳 人間 カムイ 火 | | |
| | a.前で時間を稼ぐべさ。
| | エルシー・カル(da2004) ♀ 21歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地 | | |
| | c.こちらに回ります。
| | セリス・エクレール(da2012) ♀ 19歳 人間 マイスター 風 | | |
| | b.プリズマティック、効果は2倍、空間は昼、飛行不可だ。
| | ソランジュ・スピース(da2063) ♀ 23歳 ライトエルフ パドマ 陽 | | |
| | a.今度こそキッチリがっちり仕留めてやりますわ。
| | ローザ・アリンガム(da2138) ♀ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 風 | | |
| | b.先ずはノーブル退治だね。
| | シーマ・アルテタ(da2139) ♀ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 月 | | |
| | c.アイスエイジを先に使うね。
| | レナ・アルディーティ(da2188) ♀ 19歳 メロウ パドマ 水 | | |
血を吸う鬼の大公
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グレコニアでバーヴァンがハウンドに牙をむく。ガーベラをオトリにハウンドをおびき出したのは、かつてハウンドに破れしザッハ大公だ!
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