闇の策動

担当留菜マナ
出発2022/11/18
種類イベント 冒険(討伐)
結果成功
MVPティファル・クラウディア(da1913)
準MVPエフィ・カールステッド(da0439)
エクス・カイザー(da1679)

オープニング


 その日、ハウンドギルドで依頼を探していたハウンド達のもとに魔物討伐の依頼が舞い込んでくる。
「巨大な海老の対処をお願いしたいのです」
 そう告げて、ハウンド達の前に現れたのはとある港町の領主の使者。
 その支援要請を受諾したハウンド達はウーディア地方のとある港町にある領主の屋敷へと招かれた。
 堅実な作りの領主の屋敷。

登場キャラ

リプレイ


「……なにも知らずに出港してたら危なかったかも?」
 目の前の光景に、ユナは状況の整理をするように呟く。
 目線の先にはハウンド達が乗り込む予定だった船。
 罠に嵌めようとした壮年の男性――ガンコナーの企みは自らの手によって明るみになっていた。
「誰も聞いてないと思って大声で喋ってたら、聞かれたくない人に聞かれちゃったってあるよねぇ」
 ユナはガンコナーの行動に親近感が湧いていた。
 ふとした拍子に目が合う。
 ガンコナー自身は気づいていなかったが、ユナの心に仄かな温かさが広がる。
(だいじょうぶ。ユナもだよ)
 言外の想いを込めて、ユナは優しく見守っていた。
「エビ狩りかと思ったら、デュルガー狩りも追加されるとはやることが多くなってきましたわね」
 エフィは先を見据えるように決意を込める。
「とはいえ、私のやることは変わりませんわ」
 エフィは仲間を支援するためにアポロンボウを構えた。
「流石、デュルガーは碌な事を考えんな」
 ガンコナー達の有り様を見て、ソランジュが呟く。
「この間抜けな害虫共の駆除を徹底的にさせて貰おうか。この私の灰色の脳味噌を最大限に生かすとしよう」
 ソランジュは来たる戦いに向けて思考を加速させていった。
「粗忽な奴らだが、こちらとしては大助かりだな」
 エクスを現状を見極める。
 今はこちらが奇襲攻撃を仕掛けられる状況とはいえ、もし集団で混戦状態になったら返り討ちに遭うだろう。
 思い出すのは勇者に憧れて故郷を発った日。
 エクスは最善手を目指し、皆と作戦を練り合う。
「船の上と水中の戦いは同時に仕掛けよう」
「はい、師匠!」
 エクスの導きに、キョンは高らかに応えた。
「デュルガーは食べられないですが、海老は食べられます。私の狩るべきは海老でしょう」
 そう把握したシェールは、前衛の仲間にエエンレラによる浄化の力を付与する。
 さらに自身にシューティングブレスを成就していく。
「取りあえず、デュルガーを滅ぼしましょう」
 ノーラは周囲の状況からそう判断する。
「今日は食べられる相手もいますし、シェールちゃんが狩るので問題無いです」
 ノーラは仲間の位置を確認しながら機会を窺う。
「どこにでもデュルガーは出てきますわね。感心しますわ。もちろん悪い意味でですけど」
 ローザは至るところに現れるデュルガー達の出没状況に感心する。
 彼らを突き動かすのはデュルガー特有の行動原理。
 ならば――
「ここは一つ、徹底的に相手をしてあげましょうか」
 ローザは不敵に微笑んだ。
 そして、ルミナパワーとスカイランニングを成就させていく。
「随分好き勝手にやろうとしているべ。悪さ出来ない様に滅すべさ」
 エルシーは確固たる意思を示す。
 バサラフォームでアイアンフラッシュと同化した腕。
 さらにガードとアースアーマーを成就させて防御力を上げていくつもりだ。
「私達は水中戦を挑みます。水の戦いは水属性のヴォルセルクが最大の力を発揮する場です」
 ナインは水中へと赴く意思を示す。
 事前にウォーターランニングを成就し終え、ローレライで水の剣を生成していた。
 さらに水の剣とアクアの潜撃銛バルアクアにルミナパワーを付与していく。
「あのエビはメロウの集落も荒らす厄介な暴れ者なのよね」
 アクアの声音に怒りの感情が迸る。
 彼女はこの海域付近に住むメロウ達から巨大な海老によって集落が荒らされているという話を聞き及んでいた。
(キングドラゴンが許さないんだぜ!!)
 海を眺めたグドラは朧気な故郷の村を想起する。
「水の魔物は水のキングドラゴンが相手なんだぜ!!」
 グドラは闘志を燃やすとウォーターランニング、竜の鱗、竜の尾、竜の翼を成就していく。
 トライデントにルミナパワーを付与したグドラはバーレルアーマーを脱ぐと海へと飛び込む。
「水中戦ならメロウの出番よ!」
「では、アクアさん、参りましょう!」
 アクアは下半身をメロウ本来の姿に戻すと、ナインとともに海に飛び込む。
(海の平和を乱すのは許さないわよ!!)
 アクアは潜撃銛バルアクアを構えて突貫した。
「デュルガーと大きな海老が相手の様ね」
 ティファルはガンコナー達に意識を向ける。
「デュルガーを倒すのは英雄の物語としては最高の題材だけど、大きな海老というのはどうかしら」
 思案を巡らせたティファルはフライを宿すと空へと舞い上がっていった。
 彼女と同様に、空中から攻撃を仕掛けるのはローザとキョンだ。
「フライで上空を飛んで、リーダーぽいデュルガーに向けてゼウスです!」
 キョンは奇襲攻撃の急先鋒を務める意思を示す。
「エルーカちゃん、デュルガーは引き受けるんで、エビは頼みますよ!」
「任せてなのー!」
 キョンの激励に呼応するように、エルーカは応えた。
 奮起したエルーカがユナのもとへと駆け寄ってくる。
「でもそれはそれで、港町の平和は守らなきゃ!」
 戦いへと意識を切り替えたユナは成すべき事を心に刻み込む。
「エルーカちゃん、まずは大エビさんを抑えよう!」
「頑張るのなのー!」
 ユナの決意に、エルーカは不撓不屈の意思を示す。
 戦場となる海へと視線を向けたユナはスライスシールドにルミナパワーを、逆の手にルミナシールドを生み出した。
 ハウンド達の戦いの準備が次々と整っていく中、ガンコナー達はいまだに気づく気配はない。
 そこに戦いの先駆けとばかりに凄まじい閃光が奔る。
「な、何事だ!」
「へっへーん! 裁きの雷、思い知ったか!!」
 フライで空に舞い上がったキョンがゼウスをガンコナーに向けて放ったのだ。
「ゼウス!」
 キョンのゼウスによって怯んだ隙に、ティファルが追撃のゼウスを叩き込む。
 ティファルが上空から放ったゼウスの連打はまさしく雷轟電撃。
 猛烈な迅雷の嵐から、ガンコナー達は必死に逃げ惑う。
「相手になるべさ」
 前に進み出たエルシーは後衛に目が行かないように正面から真っ向勝負を挑む。
 それを切っ掛けに、ハウンド達は一斉に動き始める。
「くっ、何故、我らの居場所が判明した!」
 思わぬ奇襲を前にして、ガンコナーは海へと目を向ける。
 姿を現したのは巨大な海老。
 だが、水面に躍り出たその矢先、その体表を一本の矢が突き立つ。
「海老を狩りますよ」
 シェールは霊弦のドラゴンボウを引き絞ってからニの矢を放つ。
 狙い澄まされた矢が疾風の如く、巨大な海老に放たれた。
 狙撃手として巨大な海老との距離を目線で推測する。
 シェールは船上で距離を取りながらドラゴンアローを撃ち込んでいく。
 苛烈な連矢から逃れるように、巨大な海老は港に近づこうとした。
 だが、ユナ達は巨大な海老の動きを押し留めようとする。
「エルーカちゃん、掩護射撃、お願い!」
「はいなのー!」
 ユナの意思に応えるように、エルーカは矢を射続ける。
「エビ狩りをさせてもらいますわね」
 エフィはアポロンボウを構えると魔矢発動を駆使し、矢にデスをセットして撃ち込んでいく。
 二人が放った矢は巨大な海老の動きを乱す働きをした。
(みんなを護ってみせる!)
 連矢で動きが鈍った巨大な海老に向かって、ユナはスライスシールドを構えた。
 そこにエフィとエルーカが追撃の矢を撃ち込む。
 巨大な海老は水面を波打つと水中へと潜っていった。
「仲間をデュルガーの攻撃から守りましょう」
 その間隙を突いて、ノーラはアマテラスを成就させる。
 彼女に襲いかかろうとしていた子鬼は何かに弾かれたように押し返された。
 そこで子鬼は彼女の周囲に結界のようなものが張られたという事に気付く。
「クソ忌々しいが、デュルガーは滅すだけじゃ」
 ガンコナーはその間に距離を取ろうとしたが、ケイナが放った一条の矢が阻む。
 彼女はアマテラスの結界には入らず、盾や遮蔽として使っていた。
「では行きますわよ」
 ガンコナー達に生じた隙。
 それを逃さず、ローザは一気に畳み掛ける。
 彼女は皆との連携を意識しながら、巧みに攻撃を加えていく。
「先手必勝! アプサラスで逃げられなくしてやるわ!」
 アステは近くの子鬼が動き出そうとした瞬間を狙ってアプサラスを放つ。
 聖なる力が収束した子鬼は能力を低下させられ、霧散化を一時的に封じ込められる。
「さあ、覚悟しなさい!!」
 アステが放つ聖なる光。
 彼女はピュアリティを連発して子鬼をじわじわと苦しめていった。
「あたしも参戦しますよ!」
 そこに着地したキョンが子鬼達との乱戦に参加した。
「パドマだけど格闘戦です!」
 キョンの意志に応えるように、魔法の杖の先から光の刃が伸びる。
「一気に仕留めるのみだ」
 子鬼達が飛来する船上に乗り込んだエクスは戦意を高めた。
 既にルミナパワーとマルチパーリングを成就し終えている。
 空中を乱舞していた子鬼達はスマッシュを付与したエルシーによって殴打された。
 さらにアイアンフラッシュの効果によって子鬼の動きを封じていく。
 その間隙を突いて、エクスはレーヴァティンを振るう。
(ストームで距離を取るのも大事よね。隙を突いてトルネードも使うわ)
 ティファルの魔法の杖の先から放たれた暴風が上空に離脱しようとした子鬼達を吹き飛ばす。
「魔物を使って、港町を襲うとは無粋な事を考えるものだね。君達の間抜けな醜悪さが顔に良く出ているよ」
 愕然としたガンコナー達に声を掛けたのはシーマだ。
「残念ながら、海老はきっちり狩られて美味しく食べられるだろうね」
 シーマはこの戦いの行く末を述べる。
「一旦、撤収する!」
 ガンコナーは不利な状況を把握し、即座に逃走を計ろうとした。
 だが、その初動を逃さず、ユミルはガンコナーの動きを阻害する。
「食えないデュルガーのお前は用は無いからさっさと滅びな。そこのデカイ海老は美味そうだ」
 ユミルは巨大な海老に目を向ける。
 彼女は既にルミナパワーとルミナシールドを成就し終えていた。
「取りあえずはデュルガーを排除するよ」
 ユミルはグリーヴァタチの切っ先をガンコナーに向けた。
 ケイナはアマテラスの結界を活かしてケーニッヒボーゲンで狙撃する。
 仲間の死角を狙う子鬼達の動きを乱して牽制していく。
 切迫した状況に焦燥を見せつつも、ガンコナーは攻勢に動き出す。
「ならば、ハウンドどもの包囲網を突き崩すまでよ!」
「そうはさせないよ~」
 シーマは歌いながら華麗にステップを踏む。
 身を捻って舞い踊るように動き、ガンコナーが振るった鞭を軽やかに躱していく。
 さらにシーマはミタマギリを付与したアイアンフラッシュで翻弄した。
 ユミルはガンコナーの鞭をルミナシールドで受け流す。
「デュルガーはさっさと排除するに限るね」
「君に逃げられても困る……。なるべく早く倒れてくれるとありがたいのだけどね」
 ユミルとシーマは一気に間合いを詰めるとガンコナーを切り裂いた。
 ブラインドアタックによる確かな太刀筋はガンコナーを捉える。
「追撃の手を緩めるつもりはないぞ」
 そこにソランジュがソルを放射して翻弄する。
 さらに霧竜の力が宿った魔法の杖の効果を用いてヴィンドスヴァルを放つ。
「逃しませんわ!」
 舞い降りたローザはデスサイズをガンコナーに振りかざす。
 子鬼達が加勢に向かおうとするが、エクス達によって阻止される。
「子鬼達の動きを止めましょう」
 ノーラはアマテラスの結界の中から子鬼達に追撃の矢を放つ。
 スターライトを付与したグリーヴァパワーボウで狙撃し、子鬼達の動きを妨げていった。
「おらの前に出て来た事を後悔するべさ」
 子鬼達が連矢を回避する際の一瞬の隙を突いて、エルシーはアイアンフラッシュを振り回す。
 シェールのエエンレラによって浄化の力を付与されている。
 その一撃を受けた子鬼は霧散する事もなく灰のように周囲に散っていく。
 さらに上空に離脱しようとした子鬼に、アステが成就した聖なる光――ピュアリティが放たれる。
「残念、ここで滅びるのよ!」
 アプサラスの効果によって霧散化する事も出来ない子鬼は周囲に散っていった。

 その頃、巨大な海老は俊敏な動きで水中を自在に動き回っていた。
 ハサミによる猛連打を加え、ナイン達が仕掛ける連携攻撃を颯爽と回避してくる。
(ローレライの為の水も豊富にあります)
 その猛攻を食い止めるために、ナインは水の剣を構えた。
 一瞬でも気の抜けない相手。
 彼女は以前、巨大な海老と戦った事があった。
(これは退治したら、美味しく止めを刺すべきですわね)
 厄介なハサミによる攻撃の範囲を見計らいながら、ナインは水の剣を伸ばして斬りつけた。
 その隙に、アクアはグドラと連携して巨大な海老をしきりに攻める。
 二人が狙うのは巨大な海老の腹部だ。
(罠を張るのは良いけど、海の平和は乱さないでほしいわねッ!!)
 アクアはチャージングで巨大な海老を攻め立てる。
(お前みたいな悪いエビに、正義のドラゴンは負けたりしないんだぜ!!)
 グドラは巨大な海老にトライデントを突き立てた。
 巨大な海老が疾風の勢いで迫るが、アクアは颯爽と身を躱す。
(トドメよ!)
 アクアは潜撃銛バルアクアで貫くと、ローレライで生成した水の剣で斬りつける。
 だが、その渾身の一撃を巨大な海老は耐え抜いた。
 巨大な海老は重々しいハサミの突きをアクアに振るったが、そこにナインが割って入る。
(私には一緒に戦う仲間がいます)
 それは事実。
 今まさにグドラとアクアはナインの傍で彼女と共に戦うために身体を張っている。
(仲間を傷つけるのは許さないわよ!)
(許さないんだぜ!)
 奮起したアクアはグドラとともに攻撃を加える。
 一進一退の攻防。
 機に乗じて、グドラ達は巨大な海老を港へと誘い出す。
 ユナとエルーカは水面に躍り出た巨大な海老のもとに駆け寄る。
「大エビさんの動きを止めなくちゃ!」
 ユナが巨大な海老の動きを押し留めようとした事で生まれた空隙。
「逃しませんよ!」
 その隙を逃さず、シェールはドラゴンボウを引き絞ってから水精霊の力が宿ったドラゴンアローを放つ。
 その一撃を受けた瞬間、巨大な海老は息絶えた。
「任せるのじゃ!」
 その間にケイナは魔矢発動で地上に上がった仲間達へとキュアティブを飛ばす。
 ガンコナーは事態の変化を感じ取る。
 いつの間にか残されたのはガンコナーと一体の子鬼のみとなっていた。
 既にガンコナー達の霧散化は封じられている。
「まだ簡単には終わらんよ」
 ソランジュは港の隠場で身を潜めていたガンコナー達に歩み寄るとそう宣告した。
 ローザ達は既に地上に降りている。
 フライで空に舞い上がったキョンがローザ達にソランジュの作戦を伝えていたのだ。
「プリズマティックを使う。勿論、威力は2倍、空間は昼、飛行不可だ」
 ソランジュはプリズマティックを成就し、仲間とガンコナー達を聖域内へと引きずり込んだ。
 その瞬間、飛来していた子鬼が落下する。
「間抜けなお前らに相応しくきっちりキレイに滅ぼしてやるぞ」
 周囲の変化に動じていた最中、今度はソランジュがソルを撃ちまくる。
 ガンコナー達が難を逃れようとした矢先、ユミルがチャージングで子鬼を貫く。
 ケイナはその間に傷ついた仲間達を回復していった。
 さらにユミルはソードボンバーの溜めを済ませる。
 ガンコナーの鞭を受けながらもソードボンバーを炸裂させた。
 そこにアステが成就したピュアリティが放たれる。
 聖なる力を浴びた子鬼は霧散する事も出来ず周囲に散っていった。
「逃がさないんだからっ!!」
 その隙にガンコナーは動き出そうとするが、ユナが投げたスライスシールドが命中する。
「港町の平和を奪った重みを知るがいい!!」
 そこに跳躍したエクスがガンコナーに強烈な殴打を叩き込む。
 エクスプロージョンによってルミナの力を解放したその拳。
 強打を受け、倒れ伏せたガンコナーに一筋の聖なる破魔矢が貫く。
 それを受けたガンコナーの体は灰のように周囲に散る。
 その散り際、ガンコナーは歩み寄ってきた狙撃手の姿を捉えた。
「ふう、なんとか届きましたわね」
 戦況を見ていたエフィは状況に乗じて、浄化を伴うハマヤアローを撃ち込んだのだ。
「わ、我らの計略が……」
 ガンコナーはそう言い残し、塵になって消えていった。


 領主達に事の顛末を報告した後、エフィはふと思い出したように真剣な視線を向けた。
「……狩ったエビですけど、持ち帰って焼いたり、スープにしちゃだめですかね」
 エフィは指をくわえながらそう懇願する。
 領主達は顔を見合わせた後、持ち帰るお手伝いをさせてほしいと願い出たのだった。

 狩りの知識のあるシェールとノーラとユミルは解体、血抜きなどの下処理の作業を行った。
 漁師達に引き上げられ、港に運ばれた巨大な海老は綺麗に解体されていく。
 やがて、持ち帰った巨大な海老を使って食事会を行う運びになった。
「私、考えたの。この後は食事会。そこで獲れたての魚を振る舞ったら、きっと喜ばれるんじゃないかなって」
「それはいい考えだ」
 妹が発した名案。
 そして兄の沽券を守るためにもエクスに断るという選択肢はなかった。
「ところでこの海老は美味しいのかしらね」
「生でも焼いても美味しいです」
 ティファルの抱いた疑問に、ノーラは応えた。
「これだけ大きければ食べ甲斐がありそうよ。調味料と道具を借りて料理するわ」
「焼くのも煮るのも良いですね」
 ティファルとシェールは巨大な海老を用いた料理に胸を高鳴らせる。
「お手伝いします」
「腕によりを掛けますわ」
 ナインとエフィは気合を入れて料理の手伝いを申し出た。

 借りた厨房にエクスが手に入れた新たな食材が運ばれる。
 ナイン達によって巨大な海老や魚介類を使った料理が手早く調理されていく。
 やがて、テーブルに食欲をそそる料理の数々が並ぶ。
「美味しいですわ」
 エフィは幸せそうに料理を口に運ぶ。
「とろけるような味ですね」
「絶品なのじゃ」
 料理の出来具合に、シェールとケイナは舌鼓を打った。
「じゃあ、演奏を披露するわね」
 アクアはアクアリュートを構えると澄んだ歌声を響かせる。
 アクアリュートから奏でられるのは朝の海を連想させるような旋律。
 海を染めていく、朝焼けの煌めき。
 その調べはユナ達に幸せな一時をもたらしていた。



 4

参加者

a.アプサラスで蝙蝠デュルガーの能力と霧散化を封じるわよ!
アステ・カイザー(da0211)
♀ 27歳 人間 カムイ 水
c.後方から色々ぶち込みますね♪
エフィ・カールステッド(da0439)
♀ 23歳 人間 カムイ 月
b.…こういう失敗、親近感湧いちゃう。と、とにかくみんなを護ってみせる!
ユナ・プリセツカヤ(da0671)
♀ 20歳 人間 ヴォルセルク 陽
a.まず魔法などの中距離攻撃で奇襲を仕掛け、殴り込みが最善手かな。
エクス・カイザー(da1679)
♂ 30歳 人間 ヴォルセルク 火
b.ではウォーターランニングとローレライで水中戦を仕掛けます。
ナイン・ルーラ(da1856)
♀ 29歳 人間 ヴォルセルク 水
b.エエンレラの付与とドラゴンアローで海老を狙います。
シェール・エクレール(da1900)
♀ 19歳 人間 カムイ 風
a.デュルガー共を排除するかね。
ユミル・エクレール(da1912)
♀ 23歳 人間 ヴォルセルク 陽
b.ゼウスで空中から狙い撃ちよ。
ティファル・クラウディア(da1913)
♀ 26歳 ライトエルフ パドマ 風
b.水の魔物は水のキングドラゴンが相手なんだぜ!!
グドラ(da1923)
♂ ?歳 キティドラゴン ヴォルセルク 水
a.回復と狙い撃ちじゃ。
ケイナ・エクレール(da1988)
♀ 30歳 人間 カムイ 火
a.正面から勝負だべさ。
エルシー・カル(da2004)
♀ 21歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
a.アマテラスの使用とスターライトで動きを止めます。
ノーラ・ロネ(da2047)
♀ 18歳 パラ カムイ 陽
a.よっし、頭上から奇襲攻撃を仕掛けますよ!!
キョン・シー(da2057)
♀ 22歳 人間 パドマ 風
a.プリズマティックを使う。威力は2倍、空間は昼、飛行不可だ。
ソランジュ・スピース(da2063)
♀ 23歳 ライトエルフ パドマ 陽
a.では空から奇襲を掛けますわよ。
ローザ・アリンガム(da2138)
♀ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 風
a.前で戦わせて貰うよ。
シーマ・アルテタ(da2139)
♀ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 月
b.水中戦ならメロウの出番よ!
アクア・パッツア(da2185)
♀ 17歳 メロウ ヴォルセルク 水
 船の近くに巨大な海老がいるみたいなのー。
エルーカ・エルルカ(dz0054)
♀ 18歳 人間 カムイ 月


港町に潜む闇

漁師さん達を助けたいのなのー。