【SE14】ガーゴイル大襲撃

担当北野旅人
出発2022/11/07
種類ショート 冒険(討伐)
結果成功
MVPキャサリン・モロアッチ(da0421)
準MVPエクス・カイザー(da1679)
トサ・カイザー(da1982)

オープニング

◆不可思議なガーゴイル襲撃
 アルピニオ北部、ブラミール帝国の衛星都市の1つ、アビアリ。そこからの使者がギルドに持ち込んだのは、緊急の援軍要請であった。ざっくりいえば、どこからともなくガーゴイルの襲撃が連続して発生しており、対応に苦慮しているのだという。
 アビアリは、広さでいえばローレックの街とそう変わらないそうだ。施設や人口は遥かに少ないが、それなりの商業と工業の規模を持ち、兵士のほか自警団なども常駐している。街の周囲も、おおむね2メートル程度の石壁で囲われており、街としてはそこそこの防御力を有しているようだ。
 なので、ガーゴイルが数体襲ってきたところで、兵士らの尽力で、まあなんとかなる。とはいえ、宙を飛んでやってくる相手なので石壁は役に立たず、市民は絶えず怯えている。なにより、どこの誰がこんな攻撃を仕掛けてくるのかと、困惑するし、恐怖でしかない。

「気になる話だな‥‥私も同行させてもらおう」

登場キャラ

リプレイ

◆ハウンド緊急対応
 緊急事態を受け、ハウンドらは速やかに行き先を割り振り、散る。
 北門方面へ向かうは、エクス・カイザートサ・カイザーエルシー・カル
「ゴーレムの大群、相手にとって不足なし!」
 トサはサングラスをギラリとさせるが、エルシーは冷静だった。
「相手が不足というか、どちらかといえばこちらの人員が不足だべ」
「その通りだ、いかんせん敵の数が多い。出来るだけ討ち漏らしが無いように戦うだけだが‥‥」
 エクスは魔法の箒にまたがり、一早く壁へと向かった。

 一方、南門方面へは、キャサリン・モロアッチエア・カイザーが向かう。
「ガーゴイルの大量発生とは‥‥コレは人為的な可能性が高いよね」
 キャサリンの言に、
「まったく、誰だか知らないけど怒鳴りつけてやりたいよね」
 エアは本気とも冗談ともつかぬ顔で答える。
「なんでこんなことを‥‥ま、そこらへんは後で考えようか。まずは対処しないとね!」
 キャサリンが言うと、エアは「そゆこと!」と言って空を飛んだ。スカイランニングだ。
「こっちも機動力が命‥‥この場は合身あるのみ!」
 風創強化したGG、ビッグスカイ、その身体に乗り移るキャサリン。翼を得た人型巨大装置めいたガーゴイルは彼女自身となり――
「ゴー・ザ・ビッグスカイ!」
 今、大空へと飛び立つのであった。

 そして街中心部では、パメラ・ミストラローデル・ワーズワースが待ち受ける。
「いやはや、初仕事がこれとは、ハウンドの関わる事件は聞いていた以上に面白いねー」
 パメラがそう言うと、ローデルはジト目で彼女を見て。
「大丈夫なのか? 言っとくが私は助けんぞ」
「そっちこそ私が助けなくて大丈夫なの?」
「もちろん、だいじょばない」
「‥‥そこらへんに隠れててもらえる?」
 ローデルは堂々とそうさせてもらった。

◆北側の迎撃
 箒で飛ぶエクスは、すぐに街の外から飛んでくるガーゴイルを視認した。
「片っ端からやるしかないか」
 一直線に空中戦を仕掛け、抜き放たれている斬馬刀を打ち込む。鋭いグリーヴァの刃は青銅のボディをも切り裂き、そいつはきりきり舞いながら落下する。
 エクスはすぐにそいつにトドメを刺すが、直後、新たなガーゴイルに襲われ、なんとか刀で防御する。
「こいつは先ほどよりできるタイプか‥‥」
 瞬殺はできないか――その間に、別のガーゴイルが、上空を抜けていくのがちらりと見えた。
「待てぇい! 私が相手である!」
 トサが呼び止めると、なんとまあ、3体ほどが急降下して襲ってきた。
「話せばわかるではないか」
「偶然だと思うべ」
 エルシーはそう言いつつもしっかり加勢。
「唸れぃ! 衝撃のぉ‥‥ソオオオド・ボンバアアアァッ!」
 トサの握る長大な太郎太刀から剣気が炸裂し、3体がまとめてのけぞる。
「こっちは堅実に行くべよ。止めてなんぼだべさ」
 エルシーの蛇矛が追撃を加え、敵からの反撃は頑強な鎧や魔力で受け流す。すぐに3体は哀れな彫像と化したが、休む間もなく別のガーゴイルが襲い掛かる。
「どんどん行くぞ!」
 エクスが上からガーゴイルを叩き斬り、落下したのをトサが薙ぎ払い、加勢にくる奴をエルシーが食い止める――しかし。
「ダメだ、押さえ切れないべ」
 エルシーの言う通り、ガーゴイルの街侵入は防ぎ切れるものではなかった。
「とにかく、一体でも多く目の前の敵を屠るのである!」
 トサが奮起する。エクスとエルシーは、言われなくてもわかってることをトサに大仰に言われるとちょっとイラッとしたが、それを顔に出すことなく、ひたすら剣を槍を振り続けるしかなかった。

◆南側の迎撃
 エアと、巨大ロボットと化しているキャサリンは、堂々と空中戦を繰り広げていた。
「こおおん‥‥のおっ!」
 エアの両手に握られている二本の忍者刀が同時に閃き、さらに蹴りが決まる。連続攻撃を受け空中でよろめくガーゴイルに、
「いっけええええ!」
 キャサリンもといビッグスカイのロケットパンチがブチ込まれ、翼折れたガーゴイルはぐらりと落下し、地面に激突して砕け散る。
「それほど強い相手じゃないけど、数が厄介だね」
 キャサリンは思わずこぼす。北側と比べ南側は2人で対応しているのだ、無理もない。
 着実に1体ずつ、連携して破壊していくのだが、すでに何体ものガーゴイルが別方向から侵入している。そちらにはとても手が回らない。
「今日から参加したパメラには内部の対応を任せたけど、大丈夫かな?」
 エアが不安げに言う。キャサリンは、ロボットの首をグリグリ振って、こう答える。
「今は心配してもしょうがないよ。ここで可能な限り数を減らすのがベストだと思うな」
「‥‥信じることも大事、か」
 エアはパメラの健闘を、その無事を信じた。信じるしかなかった。

◆街の危機に、一人
 パメラは軽く頭を抱えそうになっていた。
「ありゃりゃ‥‥どんどん来るじゃないか。仲間の討ち洩らしをなんとかしよう、と思っていたけど、ちょっとモレモレ過ぎだと思うんだ」
 新人がたった1人で、いくらなんでも無理ゲーすぎる――とはいえ、パメラ自身が窮地に陥ったともいえない。ガーゴイルは別に、パメラを狙ってきているわけではないからだ。
 なのでとりあえず、手近に舞い降りたガーゴイルを、相手する。
「せーの‥‥はあっ!」
 祢々切丸。異常に長いグリーヴァソードは、ガーゴイルの片腕を軽々と斬り飛ばした。それでも敵は果敢に反撃してくるが、パメラはなんとか食い止めつつ、さらに斬り、斬り、斬り倒す。
「依頼で初めて仕留めた魔物、か‥‥けどしみじみ眺めている時間はないね」
 他のガーゴイルはすでに、あちこちの家屋へ攻撃を仕掛けている。すぐに駆け付け、斬り付け、斬り結び、倒す。
「ふう‥‥やれるかな‥‥でもわりとキリがないし」
 自身もすでに流血していた。
「あんまり頑張りすぎると、むしろ私がやられちゃうんだけどなあ」
 と、ぼやいたところで、なんと急に舞い降りた3体のガーゴイルに囲まれてしまった。どうやらターゲットにされてしまったらしい。
「あちゃー‥‥」
 これは死んじゃうかもしれない。覚悟が決まったわけじゃなく、ただありのままそう感じた、その直後。
「力こそパワー!」
 ビッグスカイが突進してきて、3体をまとめてぶっ飛ばした。
「うーんいい手応え。この突進に必殺技名をつけたいけど、まぐれ当たりだからどうしようかな」
 キャサリンののほほんとした声がした直後、エアも飛んでやってきた。
「パメちゃん、平気!?」
「な、なんとかかんとか‥‥助けにきてくれたの?」
「水際で防ぎ切れなかったけど、もう外から襲撃はないから、各個撃破に加わるよ!」
 と、エアが言うと、北側からもハウンドが駆け付けてきた。事情は同じだ。
「急がないと住人に被害が出る」
「手分けして潰していくべ」
 エクスとエルシーがそう言うと、トサは指を天に突き立てることで「おまかせあれ」と主張した。

 ――結局のところ、家屋損壊多数と、住民の一部軽傷、兵士も死者ゼロという具合で、大襲撃は抑えることができた。
 だが、見張りは再び、叫んだ。
「怪しい男とガーゴイルがこちらへ向かってきます!」

◆ヌガシタロス見参
 門の外、荒野で対峙する、ハウンド6名と怪しい男&銀のガーゴイル。
「うわ、寒くないの?」
 パメラが思わず聞くと、
「それも修行の一環なのだ」
 男は即答した。
「それより、その‥‥誰? まさか今回の黒幕だったりする?」
 エアが指差して聞くと、男は「待ってました」とばかりに答える。
「いかにも! 我こそフンドラ教団大司教、ヌガシタロス! ガーゴイルを操り、この『フンドライザー』で原罪を祓う者なり!」
「ほう、面白い。受けて立つのである」
 トサが不敵な笑みで前に出た。するとヌガシタロスは、
「フンドライザー、発射ァ!」
 その錬金砲から、ピンク色の怪光線を発射させ、ハウンドらに向け薙ぎ払った!
 それは予測不能に近い射線で、多くのハウンドが回避もできぬまま浴びるはめになった。エルシーだけはイヤな予感マックスだったので、とっさに伏せてかわした。トサは堂々と浴びた。
 かなりの威力であった。死ぬほどではないが‥‥そして何より、それは皆に脱衣衝動をもたらした。
「ぬ、脱がずにはいられないいいい」
 エアは仮面も忍者装束も脱ぎ捨て、水着だけになったが、それを脱ぐ手も止められないため、とにかく足を動かし、トップスを放り投げながら岩場の陰に跳び込んだ。
「むぐ‥‥だが、ハウンド男子を嘗めるな!」
 エクスは灰色のフンドシ一丁になり、腰に手を当てる。
「ほう、それは我が教団製の‥‥それを愛好しているとはさすがハウンドだ」
 ヌガシタロスは賞賛の目を向ける。
「私もグリーヴァに憧れを持つクランの一員として、実は褌愛好者の一人だ!」
「素晴らしい! だが‥‥」
「だが? そう、だが‥‥これも脱がざるを得ないのだっ!」
 エクスの脱衣衝動がその程度で収まらないことを、ヌガシタロスは見抜いていた。エクスは為すすべもなく最後の一枚に手をかけシュルシュルとほどくと、それで前を隠しながら駆け出し岩場の陰にダイブ。
「きゃあああ!? ここは使用中だああ!」
 が、エアに蹴り出され、慌てて大樹の陰へ駆けていった。
「ふっふっふ、ヌガシタロスとやら、読めたぞ」
 トサもまた、服を脱ぎまくり、フンドシ一丁になっていた。
「フンドシの力でいえば、私のほうが遥かに高レベル。ゆえに、おまえの負けは確定的‥‥」
「なんだと? というかなぜお前はフンドシを脱がずにおれるのだ?」
 ヌガシタロスが首をかしげるのも無理はない。脱衣衝動は通常、完全に全裸になりたくなる衝動だからだ。エクスのようにフンドシを脱ぎ捨てずに堂々としていられるのはおかしい。
 しかしトサは、平気な顔で、フンドシ姿で仁王立ち、である。
「それは、私の褌力(ふんりょく)の賜物‥‥」
 これは大ウソである。実はトサは、フンドライザーを浴びたものの、脱衣衝動自体を精神力で抑え込めていたのだ。しかしその後、自分からフンドシ以外を脱ぎ捨てたものだから、脱衣衝動に陥っていると勘違いさせてしまったのである。
「バカな‥‥教団の外にこれほどの逸材が‥‥そもそもそのフンドシはなんだ、我が教団製ではないが‥‥」
「ふふふ、このシン・フンドシのパワーを受けるがいい!」
 トサのフンドシは、ビリーブ氏特製のもの。そして前垂れを引くことで、咆哮を発揮する!
「おおお‥‥恐ろしい恐ろしい‥‥」
 ヌガシタロスはトサに対し、すっかり怯えてしまった。トサは仁王立ちして高笑いを続けた。
「あの‥‥決着つけていいかな?」
 キャサリン、いや、ビッグスカイは、このデカい拳でフンドライザーをバキッと叩き割った。なお彼女は、脱衣衝動は被ったけど、今のとこ裸(ま、ガーゴイルの姿だし)なので、とくに影響は受けなかった、的な。
「せー、のっ」
 エルシーもヌガシタロスの頭をパッカーンとぶっ叩き、戦闘不能にした。
 すると、これまでじっとしていたシルバーガーゴイルが戦闘モードになったのだけど(要はヌガシタロスの影響を脱し、無差別モードになった、的な)、エルシーとビッグスカイがガチンコで組み合った結果、なんとか破壊できたのであった。
「いやー先輩がた、すごいすごい!」
 パメラは笑顔で拍手していたが、
「せめて隠しなさあああい!」
 エアがあちこち隠しながら岩から飛び出し、グイッと陰に引きずりこんだ。パメラ氏、実はずっとマッパだったんだけど、本人まったく気にしてなかったし、他のハウンドも自分で精いっぱいだったのであった。

◆謎多き教団
 その後、キャサリンが中心となって、軽く家屋の応急処置等を終えると、ひっ捕らえたヌガシタロスを伴ってギルドへと帰還した。
 そしてインタビュー(キビシイ尋問)と、破損された謎の装備解析により、様々なことが判明した。
「あの頭の装置で新規製造したガーゴイルを操っていたようだな。だが、まったく未知の錬金工学によるもので、サッパリ復元できそうにない‥‥」
 渋い顔のローデル。
「ちなみにフンドライザーとやらも詳細は不明だが‥‥ま、こんなものは壊れたままでいいだろうな、うん」
「それを造ったのが、フンドラ教団というわけか」
 エクスは確認するかのように聞いた。ローデルはうなずくと。
「教団のアジトがリムランドの僻地にあることも吐いたようだが、ローレック王やハウンドがどう対応するかは、なんとも言えないだろうな。この技術力は正直、気になる点が多いのだが‥‥」
「ほんと、実に興味深いよ! ぜひイロイロ教えてほしいものだね!」
 キャサリンは目を輝かせる。
「フンドラの敵陣に乗り込むならば、望むところである!」
 トサは天に指を突き立て言った。
「私は‥‥あんまり望まないかもしれない」
 エクスは歯切れが悪かった。
「僕は激しく望まない」
 エアは遠い目でつぶやいた。
「おらもちょっと相性が悪いべ。鎧を脱がされると、自慢の防御力がなあ‥‥」
 エルシーはひたいを押さえ、嘆息する。
「私は相性良さそうだねー。いっちゃおっかなー」
 パメラが軽く言うと、エアが「よしなさい」と肘でこづいた。



 5

参加者

b.ゴー・ザ・ビッグスカイ!
キャサリン・モロアッチ(da0421)
♀ 21歳 ライトエルフ マイスター 風
a.魔法の箒で空中戦を仕掛けるか。なんか嫌な予感もするが。
エクス・カイザー(da1679)
♂ 28歳 人間 ヴォルセルク 火
b.誰だ、こんなの送り込んだのは―!?
エア・カイザー(da1849)
♀ 26歳 人間 ヴォルセルク 風
a.ふ、これは我々に対する挑戦と受け取った!!
トサ・カイザー(da1982)
♂ 25歳 人間 ヴォルセルク 陽
a.真っ向勝負だべさ。
エルシー・カル(da2004)
♀ 20歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
c.いやー、初仕事でこれとは、ハウンドの戦いは噂以上だねーw
パメラ・ミストラ(da2242)
♀ 24歳 人間 ヴォルセルク 水
 私は逃げ遅れたシフールを探し保護してくる!
ローデル・ワーズワース(dz0050)
♂ 45歳 人間 マイスター 水


迎撃し、その謎を突き止めたまえ!

こんな事態は私の知識に照らしてもありえないことだ‥‥ともかく尋常ではない。だがまずはハウンドとして、ガーゴイルをガシガシ破壊したまえ! そして尊きシフールがいれば全力で守るしかないッ!