挑め最強の最前線

担当成瀬丈二
出発2022/06/15
種類ショート 冒険(討伐)
結果成功
MVPフルミーネ・ヴェンティ(da1894)
準MVPリュドミラ・ビセット(da1372)
エルシー・カル(da2004)

オープニング


 さて、パイロ・シルヴァンという男がいる。
 ローレックの街、いやオーディアを守る、金羊騎士団の団長だ。
 そして、サーディアという女性がいる。
 呪いの書を持つデュルガーだ。
 雨の昼下がり、ふたりはローレックの街の外に立つ。

登場キャラ

リプレイ

◆戦いは続く
「サーディア、こういう日が来るとなんとなく思っていた‥‥言葉はいらんな。武人なら拳で!」
『デュルガー』サーディアを前に、トウカ・ダエジフが胸を叩き、絶叫をあげる。
 サーディアは動じない。
 もはや語るまい──ということだろう。
 そして、雨は上がった──エルマー・メスロンがウェザーコントロールを使い、荒天を晴天へと変えたのだ。
 エルマーはイーグルドラゴンと共に姿を隠している。隠形を越えた透明化である。ただ、サーディアには通用しない。呪文を使ったのだ、位置は明確に分かる。
 そういう前提はさておき、ドラゴンがサーディアに通用する手段はファングひとつしかない、ドラゴンでどれだけ当てられるか分からない。
「‥‥気は進みませんけれど、やる以上は全力ですね」
 自分に言い聞かせる、リュドミラ・ビセットだった。
 まだ、傷を負ったものはいない。
 ゆえに銀の矢を番える。
 彼女の弓が唸りをあげた。
 軽々と躱され、そこに、マサカ・ダエジフが飛び込む。
「甘い感傷など侮辱!」
 二刀流を使い長短の銀の剣を使い果敢に攻め立てる。
 サーディアも剣を振り、確実に弾いていく。足さばきが攻撃をさせない間合いを維持していた。
 戦技魔法ではない、体に染みついた戦技だ。
「ご老体ばかりではないべ!」
 利き手からアイアンフラッシュを展開した、エルシー・カルが打ちかかる。
「おらの防御力と勝負だべさ」

◆二撃必壊
 しかし、サーディアは余裕だ。
「では、二撃で」
「舐めるな!」
 エルシーが闘気を高める。
 サーディアが余裕でエルシーの間合いに入る。
「ガードの弱点は避けないこと、故に」
 エルシーに対して、サーディアは剣を振り下ろした。
「大技も決まる」
 ビッグショルダーの守りを打ち抜き、エルシーの体にしびれが走る。
 続く一撃。
 エルシーの体をおおう完全な鎧は破壊された。
 サーディアの本気は、鋭く重い一撃だ。
 雷撃が振ってくる。
 打ち下ろす、フルミーネ・ヴェンティのゼウスだ。
 避けることも、反応することも出来ない一撃。
 サーディアはゼウスを剣で斬り、威力を削いだ。
「え?」
 フルミーネの目は、信じられないものを見る目だ。
 だが、トウカが飛びかかる。
「全ては斬れないだろう!」
 全力で間合いに飛び込み、バサラフォームを展開。
「ドラゴンバスターシールド!」
 トウカの切り札だ。

◆奥の手
 間合いはサーディアの剣より内側だ。
 だが、サーディアのコートが動いた。
 まるで蠢く影のように、ドラゴンバスターシールドの杭を受け止める。
「これは邪神様から賜った衣です。デュルガーとしての力を発揮した私を止めるのは難しいですよ」
 サーディアの奥の手だ。
 それでもエルマーは、愛竜を駆って飛び込む。
「挑まずにはいられません、吾輩も!」
 衣の一部を千切り、ジュソの媒体としようとする。
 もっともサーディアは今まで魔法を使っていないので、魔力は充溢している。
 故にジュソは無力。
「回復などしていませんよ?」
「‥‥」
 エルマーはパイロの攻撃を治したのは違うのか、そうツッコもうとする。
 だが、図書館にあったひとつの言葉を思い出した。
「空蝉ノ体か!」
 サーディアは、今まで疑似的にコモンの肉体を構成していたのだ。その肉体を破棄して、無傷のデュルガー体に切り替えた。
「おらはまだ立ち上がれるべ、そして避けないべ」
 エルシーがアイアンフラッシュを手に、サーディアに突入する。
「最後の武器は勇気だべ!」
 サーディアの眼は言っていた。
 ──受けて立つ、と。
 カウンターアタック! そしてバーストアタック。
 一撃がアイアンフラッシュに決まれば、エルシーは成すすべはない。
 異音がした。
 かわしたサーディアの一撃が、アイアンフラッシュを粉砕したのだ。
「させないよ!」
 マサカが脇からサーディアの隙目がけて飛び込む。

◆雷のプレゼント
 その直前の空中へのアイコンタクト。
 フルミーネ、まとめて撃て、だ。
「──ゼウス」
 サーディアが如何に神速でも、三回の攻撃を同時にいなせない。
 否、四段攻撃!
 リュドミラが矢を射こんだのだ。
 マサカが体ごとぶつかり、ゼウスの電撃を身に受けた。
「だが戦える」
 不敵な笑みを浮かべるマサカ。
「その思い受け取った! ばあちゃん」
 トウカが拳を撃ち込む。
 サーディアのみぞおちを捉えた。
「やめてサーディアさまを傷つけないで!」
 シフールのリメーラが戦いに割って入ろうとする。
 同じくシフールのガーベラが彼女を止めた。
 ガーベラはリメーラの肩をつかむ。
「かのじょがえらんだたたかいや。まけるもかちも──」
 そう言うが、ガーベラの手は震えている。
 幾条もその間に稲妻が──ゼウスが撃ち下ろされた。
 サーディアはその攻撃を剣でさばく。
 しかし、さばききれなくなる。体力の限界だ。
 単純に反撃できない距離で、延々攻撃をしかける。
 シンプル・イズ・ベスト。

◆さよならの季節
「やめましょう、サーディアさん。戦う事もないですよね‥‥?」
 リュドミラがパイロの欠けた腕にリジェネレイトをかけた後、サーディアに呼びかける。
「いえいえ。私が戦うのは誰かの命だからではなく、私が戦いが好きだからですよ」
 救いようがないですがね、と笑うサーディア。
「あなたたち『戦士』が人々のために戦えるほど、崇高ではないですね。まったくもって、私はそういうのは苦手なタチでして」
 サーディアの首を抱くリュドミラ。その頬には涙が流れる。
「酒を飲みたかったな。もう一度、楽しい一晩をすごせたろうに」
 トウカが言って銀の短剣をサーディアの心臓らしき部分に押し当てる。
「では、さよならだな」
 エルマーが背中を向ける。
「いい戦いでした。ご武運を」
 サーディアの言葉が終わって一呼吸後、差し込まれたダガーにより、サーディアは浄化された。
「終わった‥‥?」
 フルミーネが、地上に降りてきた。
 彼女の小物入れもカラッポだ。もう、魔力を回復する秘薬もない。
「ああ、負け逃げか」

◆戦いはつづく──
「サーディアさま、幸せでしたか?」
 リメーラが天を仰ぐ。
「しらんがな。でも、さーでぃあは、たたかっているときが、いちばんうれしそうやったなあ」
 ガーベラはリメーラに背を向けたまま。
 ガーベラは死んだらそれまでだ、と思っている。
 彼女のおぼろな記憶では、サーディアは生き続ける。
 誰かが覚えている限り、サーディアはあり続けるのだろう。

「トウカ、今日は飲むよ」
 マサカが孫娘に声をかけた。
「百年生きているとこういう夜もあるものだから」
「好きだねえ。おばあちゃん」
 トウカが嬉しそうに、だがどこか寂しげに笑う。
「酒を持ってくるべきだったよ、末期に一杯したかった」

「まったくとんでもない相手だったべよ」
 エルシーが武器防具のカケラを集めながら、笑みを浮かべる。
「まあ、負けたと思うまでコモンは負けないべよ──だからおらは負けてないべ」
 重装甲を破壊できる腕前、戦技を使いこなす相手に今後も会うかもしれない。
「ああ、強くなりたい」
 エルシーは宵の明星にそう誓うのだった。
 俺たちは──ハウンドたちは、まだまだ強くなれる。
 吠える、そして走る竜犬の明日はどっちだ!

◆はじまり
 サーディアの遺品から一冊の本が発見された。
 この『呪いの書』。次はいかなる種が、種の呪いから解き放たれるか、知る者は──コモンの中にはいない。



 7

参加者

b.よろしくお願いします。
リュドミラ・ビセット(da1372)
♀ 21歳 ライトエルフ カムイ 火
c.(我が竜よ、行くと決めたら躊躇せず一気に行くのだよ。)
エルマー・メスロン(da1576)
♂ 51歳 ダークエルフ パドマ 陽
a.言葉はいらんな。拳で語るのみだ!
トウカ・ダエジフ(da1841)
♀ 26歳 ダークエルフ ヴォルセルク 地
b.雷霆万鈞、隅々まで焼き尽くして進んぜましょう。
フルミーネ・ヴェンティ(da1894)
♀ 27歳 ライトエルフ パドマ 風
a.前で盾役だべさ。
エルシー・カル(da2004)
♀ 19歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
a.この時が来る前に、もう一度だけ酒を酌み交わしたかったよ。
マサカ・ダエジフ(da2181)
♀ 50歳 ダークエルフ ヴォルセルク 地
 ほんだらー! はうんどのほんきみせたるでー!
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


サーディアとのラストバトル

サーディアの呪いの書を確保せよ‥‥ハウンドギルドに金羊騎士団団長パイロから依頼が来た。ハウンドよ、サーディアとの最強の最前線に挑め!