【SE12】ケットにゃんSOS

担当K次郎
出発2022/03/14
種類イベント 冒険(他)
結果大成功
MVPシルヴァーナ(da1215)
準MVPノーラ・ロネ(da2047)
ラーラ・ヒューイット(da2137)

オープニング

◆カーシーの使命
 ここはハウンドギルド内、研究班のミーティングルーム。
 リーダーらしき男が口を開く。
「我々研究班が得た情報、それは‥‥」
 他のメンバーがゴクリと固唾をのんで見守る。
「カーシーは遥か古代においては、コモンではなく、シーリーだったんだ!!」

登場キャラ

リプレイ

◆突入問答
 勢い良く娘が落ちたという縦穴に飛び込んでいく頭領。
 だが、ハウンドならばいきなり飛び込むような迂闊な真似はしないだろう。
「キングドラゴンは子供のピンチを見捨てないんだぜー!!」
 そう啖呵を切ってグドラは勢いよく飛び込む。
 そんな迂闊な真似は‥‥。まぁ、キティドラゴンだから‥‥。
「救出のためにー、突撃―!」
 それにノータイムで続くシルヴァーナ
 ま、まぁ、シフールだから‥‥。
 いや、シフールでもフラールは落ち着いてテレパシーを準備。
「よーし、じゃあ、任せたー!」
 と、連れてきたウルフに、正門側へ同行するに指示を出し、やっぱり突撃。
 だが、当のウルフは、というと‥‥。
 穴に消えた主人を見送り「あぶなそうだな」なんて顔をしながらその場に座り込む。主人もいないのに他のヤツについて行くほどの忠誠心は無さそうだ。危なそうだし。
 そんなウルフを横目に「あたくしは違いますの」と言わんばかりの表情ですました顔のベビィシムルはラーラ・ヒューイットの相棒だ。主人を守って進む気満々。
「さて、オバちゃんも行かせてもらうよ!」
「アマテラスは準備OKです。続きますね」
 続いてオスカル・ローズレア・クローゼのパラ組が穴へと飛び込んでいく。
 問題は‥‥。
「うーん、やっぱり無理だよねぇ」
 穴と自分の立派に育った身体を見比べて考え込むのはエア・カイザー
「僕としてはここへ颯爽と飛び込むのがシノビらしいんだけど‥‥」
 まぁ、厳しいだろう。
 だが、そんなエアを尻目に果敢に穴に飛び込むレア・クローゼ
 確かにエアよりは小柄だが‥‥。レアは穴にスポっと消えて。
「せま~~~い!」
 そんな声が穴から聞こえる。だが、飛び込んだ以上、行くしかない。
「やっぱり僕もあっちへ」
 とエアは正門の方へと向かった面々を追い掛けるのだった。

 その正門へ向かう移動中、エドマンド・シルバーは呟く。
「助けに行くのだろう? ハウンドなんだから。ん、不思議ではない、だろう?」
 以前の彼ならばそんなことは言わなかっただろう。だが、今は彼もハウンドだ。
「そうだ、エドマンド。か弱き命を助けに行くのが、我々ハウンドなんだ」
 彼に同調するようにアレックス・ブラックが頷く。
「はい、ハウンドなのですから」
 そしてラーラもまたそう言い切る。
 彼らはヴァンパネーロ、闇の中で生きてきた。同族を助けることはあれど、他種族を仲間とし他の種族を助けに行くことなどなかったろうし、考えもしなかっただろう。まぁ、ラーラのようなお人好しならばそういうこともあったかもしれないが。
「今の我々には誰かを救うために手を差し伸べることが出来るのだ」
 そうアレックスは胸を張る。
「よろしいのではなくて? 自らが為したいようにする。私はもともとそのように生きてきましたわ。さあ、雑談はここまで。着いたようですわよ」
 そういってローザ・アリンガムは強い意志を宿す視線を流した先にある遺跡の入口へと、皆の注意を向けさせるのだった。

◆正面突破
 ラーラの杖の先から放たれる光が暗闇を照らす。
 正門から突入したハウンドの前に現れたのは犬のような顔をしたゴーレムだ。
「アヌビスゴーレムだ、これ」
 エアが断言する。
「切れ味が鋭い武器は効かないから注意して! ハァー」
 ため息を吐きながらエアはカゲヌイブレードを鞘に納めて仲間にアピール。
「ならば、貫くまでだ!」
 アレックスの繰り出したレイピアは確実にゴーレムの腹を貫く必殺の一撃。
「この手応え、得体がしれんな」
 だが、その威力は特殊なボディ構造により半減されてしまう。
 そこへ禍々しい鎌が暗闇から出でるかのように繰り出される。
「ならば、徹底的に細切れにして差し上げますわ!」
 ローザのデスサイズがゴーレムを薙ぐ。
 負けじとゴーレムもハルバート風の槍を振り回し応戦してくる。
「やらせん!」
 そこへエドマンドがカバーに入りそれを食い止める。
「そんな大振りでは狙われるぞ」
「想定の内ですわ。カバー、してくださるのでしょう?」
 悪びれもせず応えるローザ。
「やれやれ」
 軽く肩を竦めるエドマンド。
「まぁ、その辺はなんとかするさ」
 ポン、とエドマンドの肩を叩くアレックス。
「右からもう一体、来ます」
 と、ラーラの声が飛ぶ。
「あまり離れすぎないでください」
 息を切らし追いつくラーラ。暗い遺跡の中では彼女のライトが頼りだ。
「まぁ、目が慣れてくれば少しはなんとかなるけど。まだ、外から近いしね」
 とはエアの言葉。
「って、来たよ!」
 振り下ろされた攻撃をエアは鼻先を掠める程度で回避する。
 そのまま懐に入り込んで剣と拳を叩き込んだ。
「合わせる」
 更にアレックスがレイピアを突き込む。
 威力は半減されているとはいえ、ルミナパワーを込めた攻撃を立て続けに叩き込まれれればゴーレムのダメージも蓄積していく。
「止めですわ」
 更にスカイランニングで空中を駆けるローザがデスサイズを振り下ろす。
 どうにか一体を片づけるが‥‥。
「―――ルナ。近いゴーレムへ」
 バシュン、と放たれたラーラのルナがもう一体のゴーレムを撃つ。
 それを目印にしたかのようにハウンドたちは一斉攻撃。
「甘い!」
 反撃はアレックスがルミナシールドで受け流す。
「いけ、アリー!」
「い・き・ま・す・わよー!」
 単純な威力なら仙級のルミナパワーを宿したアリーのデスサイズが一番だ。ならば、如何にしてその一撃を通すか。ここに戦技でも加わればかなり強力なのだが贅沢は言っていられない。
「攻撃はこちらでなんとかする」
「もう一体、出ました」
「わかっている」
 敵の動きを素早く察知したラーラが声を掛けたときには既にエドマンドがそちらを抑えに動いていた。
「うんうん、ヴァンパネーロのみんなも随分とハウンドらしくなってきたよね」
 などと戦いの最中に頷くエア。
 ヴァンパネーロがハウンドギルドに加わってからもうすぐ一年になろうとしてる。個人や小さな共同体の中で生きてきた彼らが団結して戦っているのは感慨深いものだ。
「エアさん、そっちに行ってます」
「え、ああ、はいはいっと」
 エアは負けられない、と華麗に剣を叩き込んでみせた。
 アヌビスゴーレムはしぶといことはしぶといが倒せない相手ではなさそうだ。
 だが、しかし。
(ええ、はい。そうなんです。で、そちらは‥‥)
 ラーラはテレパシーで仲間と連絡を取っている。そう、縦穴から突入した仲間と、だ。
 目的は遺跡の攻略などではない。人命救助。そのためにはこんなところで足止めを食っているわけにはいかない、が。さて、どうしたものか。
「あ、もしかして」
 そして、ラーラは気付く。ライトを掲げながら注意深く周囲を見回していたが故に。
 遺跡内部の一角に感じた変化に‥‥。

◆その穴の先
 真っ先に頭領を追って縦穴に飛び込んだグドラの前には包帯に巻かれたアンデッドと思しき魔物に囲まれる頭領の姿があった。娘らしい存在は暗くて見えないが確かに泣き声が聞こえる。
「まってろー! GAAAAAAA!」
 グドラは咆哮すると竜の尻尾が現れる。
 そして、頭領の傍らに進み出ると敵を尻尾で薙ぎ払う。
「ここはおいらが引き受けるから、早くするんだぜー!」
「手助けはいら‥‥すまん」
 と、頭領を促すが‥‥。
「げ、こいつら普通の攻撃はきかねーのか!」
 ダメージを受けている様子の無い包帯巻き‥‥マミーに内心冷や汗。
「え、何、普通の武器じゃだめなの? じゃあ、銀の矢でいくねー」
 声がすれば、やや上からシルヴァーナの放つ銀の矢がグドラの近くのマミーに突き刺さる。
「ナイス! って、敵の数が多いぜ」
「うーん、そうだねー」
 一旦距離を取ってルミナパワーを使いたいグドラだが、多勢に無勢だ。そんな余裕はない。
「それじゃびゅーっ、っていくねー! ―――ヴァインドスヴァル!」
 そこへフラールの放つ吹雪が降り注ぎグドラに迫っていたマミーの動きを鈍らせる。 
「よーし、成功ー」
 頭上に対する攻撃手段の無いマミーではシフールの上からの攻撃にはなかなか対処できないようだ。
「今の内だぜ」
 グドラはルミナパワーの準備を始める。
 どんな敵なのかはよくわからないが、それならば戦う中で対応していけばいい。問題は、救出対象と、遺跡内の暗さ、そして、正門組と合流出来るか‥‥というか出口か。シフールたちやグドラなら飛んで脱出も可能だろうが‥‥。
「はいはい、お待たせー☆ オバちゃん輝いてるだろ?」
 べンヌヘルムから光を放ち、オスカルも降りてくる。
「ってー、大人気だね!」
 光に合わせてか、マミーどもが早速群がってきた。早速囲まれてしまうオスカル。
「なんだ、おいらの松明は嫌いなのかよー」
 と愚痴りかけてからグドラの脳裏に浮かぶ一つの考え。
(もしかして、こいつら火が苦手だったりしねーかな?)
 あの身体を覆う布に火を点けてやれば盛大に燃えたりしないだろうか、と。
「って、そのまえに!」
「ちょっとヘルプだよー!」
 オスカルが助けを求めている。
 そして、続いて降りて来たのはノーラなのだが。
 ドンッ―――。
「えっ!」
 穴の途中でノーラの首と腕に掛かる衝撃。
 穴の出口から床までは身軽な者やハウンドたちならどうにか着地できる程度の高さがあるのだが、その床どころか、穴の途中から降りれないのだ。
「えっ、えっ?」
 困惑するノーラ。
 だが、直ぐに気付く。
「闇の住人‥‥」
 そう、恐らく下にいるのは闇の住人だ。故に事前にCROSSに施したアマテラスの結界が干渉し、下にいる闇の住人、つまりマミーとぶつかっていて進めなくなっているのだ。
 幸いなことに、CROSSを祈るように握っていたので、衝撃は腕と首に分散された。これが首に掛けただけだったらぶつかった衝撃と穴を下りる勢いで盛大に首を吊っていたかもしれない。
「なんだい? なんだい?」
 そして、思いもよらぬ影響を受けたのはマミーも一緒だ。穴の出口の下にいたオスカル目掛けて集まったはいいが、突如として見えない壁が出て来て、しかも何かが落下してくるような勢いでぶつかって来たのだ。そりゃあ、押し返されるわけだ。数が多い分、どうにか受け止める形にはなったが。
「チャーンス!」
 今が狙い時、とオスカルは戸惑うようなマミーに魔法の杖を向ける。魔法か、いや、杖からの伸びるは光の刃。
「オバちゃんも皆のママだから、マミーには負けないよ!」
 光の刃は布から中身にかけて一文字に切り裂いていく。
「よーし、おいらも」
 とグドラも今度こそ魔力を帯びた尻尾でマミーをぶっ叩くと、ふらふらしているところ攻撃しファイアー!
 松明の火? いやいや、そんなちゃちなもんじゃぁない。レーヴァティンの持つ魔力が、マミーの身体を焼いた。
「効いてる効いてる!」
 ご満悦のグドラは更に別のマミーへと斬りかかっていく。
 謎の障壁と火による攻撃により穴の出口からじりじりと下がるマミーども。すると、するとどうにかスペースが空いて、ノーラも下に降りてくる。
「大丈夫かい、ノーラちゃん」
「はい、ちょっとびっくりしましたが」
 ちょっとトラブったが、これでこの場での安全地帯を確保できたのは大きい。
 ならば、次は頭領の娘を保護しなければならないが‥‥。
「ミシャ! ミシャ!」
 頭領が娘の名を呼ぶ。だが、泣き声はいつの間にか消え、暗闇が周囲を支配する。
 万が一のことがおきてしまったのか、それともまだ無事なのか‥‥。
「なんだか変な感じがするー」
 頭領の追っていたフラールが一旦、動きを止める。
「くっ、なんだこの気持ちの悪さは」
 頭領は思わず口元を抑えた。
「もしかしたら瘴気かもー」
 フラールが仲間に警鐘を鳴らす。
 瘴気ではあれば、幼いケットシーが耐えられず気絶してしまっていてもおかしくは無い。
 少なくとも、瘴気を発する存在がいて、娘はどこかで気絶しているという可能性が高い。
「だったら、作戦変更! とっつげきー!」
 そこへ躊躇わずランタンを抱えたシルヴァーナが突っ込んで行く。危険だが、物語を悲劇にするようなことは彼女のアイデンティティが許さなかった。
 泣き声はさっきまであっちの方でしたはず、と勘で飛ぶ。マミーからの攻撃は無いが‥‥明らかに空気が気持ち悪い。この瘴気に耐えなければ!
「頑張ってー!」
 その姿に、フラールは思わず祈った。羽妖精の加護を、羽妖精へと。
「ううっ」
 ふらふらになりながらもなんとか瘴気に耐え、飛ぶ。そして、灯りの範囲に見つけた、娘を。
「危ない! 僕が相手だよー!」
 だが、気絶した娘は襲われる寸前。そこへ飛び込むシルヴァーナ。
 闖入者に襲い掛かるマミーたち。
 娘を庇い、次々とマミーの爪がシルヴァーナに突き刺さる。
 そして‥‥、シルヴァーナは最後の力でランタンをごと近くのマミーにぶつかると、ロウソクの火がマミーに燃え移る。
 その灯りの中で‥‥シルヴァーナは消えた‥‥。
「―――ファイアボム! さあ、あそこまで行くんだよ!」
 オスカルが叫んだ。娘があっちにいるなら近くのマミー軍団は吹き飛ばしても大丈夫だろう。迫りくる敵を食い止め、味方を促す。
 布を燃やされたマミーを目印にして、ハウンドと頭領は肉薄する。瘴気など構っていられるか。シルヴァーナがどうなったかは不明だが、今は行くしかないのだ!

 その頃。
 レアは、まだ縦穴の途中で苦戦してた。思うように下へと進まない。いや少しずつは進んでいるが‥‥。
「早く、早く行ってやらないと」
 助けてあげないと、その気持ちと裏腹に、身体が進まぬもどかしさ。
「これが引っ掛かる、か‥‥ちっ」
 服はぴっちりとしたバトルドレスで動きやすいが、どうにも2本の剣が引っ掛かることがある。ならば。
「邪魔だぜ」
 剣を鞘ごと外すと、縦穴の下へ滑り落とす。
 この辺の思い切りの良さが彼女の武器でもあるともいえよう。
「だれか、下で当たっちまったら勘弁な!」
 今は一秒でも時間が惜しいのだ。

◆強行突破
 正門組は守護者ともいうべきアヌビスゴーレムを相手取りながら、どう進むべきか模索していたのだが‥‥。
「今、あちらの方で爆発があったかもしれません」
 周囲の状況を観察していたラーラはその異変に気付く。
(ええ、やはりファイアボムですか。はい、ありがとうございます)
 テレパシーで縦穴組とは連絡は取れていたが、どうすれば合流できるかさっぱりだったのだが、これで、光明が見えた。
「あちらに通路があるっぽいです。そちらへ向かえば合流できるかもしれません」
 暗闇だが、きっとそっちに道がある。
(はい、そうです、こちらの敵はアヌビスゴーレムらしいですね。はい、え、そうなんですか?)
 更に情報交換でわかったことがある。
「みなさん、聞いてください。どうやらアヌビスゴーレムは倒されても復活してくるらしのです」
 その辺の情報は詳しいノーラから受け取ったものだ。アヌビスゴーレムに備えられた能力というか、守護者としての機能が明らかになる。
「では、ここで戦い続けても消耗するだけ、ということか」
 エドマンドが唸る。
「だが、脱出経路は確保しなければいけなかろう。そうなると私では向かんな」
 アレックスは僅かな間に考えをまとめると‥‥。
「エドマンド、我らはここで敵を引き付ける、ということでどうだ?」
「構わんよ。ならば奥には‥‥いけるか、ローザ。エア」
 スカイランニングを駆使する二人に白羽の矢が立つ。
 エドマンドの問い掛けに、既に二人は宙を駆け出していた。
「それは愚問というものですわ」
「そんじゃ、行ってくるよ☆」
 二人は振り返らずに駆ける。頼もしい限りだ。
「目標、一番近くにいるマミーへ。―――ルナ」
 ラーラは縦穴組が交戦しているという敵を目掛けルナを放つ。それは壁をすり抜けつつも、爆発があったと思しき方向へと飛んでいく。
「あちらです」
 それは道標となり、暗闇を切り裂いていく。
 暗闇の中へと走る仲間を見届けつつ、視線を近くのアヌビスゴーレムに切り替えるラーラ。
 そこには既に武器を振りかぶったゴーレムが!
「やらせんよ! ぐっ」
 カバーに入ったアレックスが攻撃を受け止めるが、それは守りをすり抜け、その身を傷つける。
「竜の鱗を貫いてくるか。だが、その程度では!」
 反撃、とアレックスがレイピア構えると。
「弱点は胸元のスカラベです」
 受け取った知識を伝えるラーラ。
「ありがたい!」
 繰り出すレイピアは狂いなくゴーレムの胸元のスカラベを貫く。そのダメージにゴーレムは倒れる。
「次が来るぞ」
「わかっている」
 だが、休んでいる暇はない。エドマンドの呼び掛けに、アレックスは直ぐに別方向に向き直る。
「少しだけですが‥‥お願いします」
 とラーラな呼び掛ければ、相棒であるベビィシムルが軽く吠え、アレックスの傷を癒す。キュアティブを使ったのだろう。
「これが続くと長くは持たんかもしれんな。だが‥‥やるだけやるというものだ」
 託すしかない。仲間を信じて。
「次のが近づく前に叩く、射線をあけてくれ」
 とアレックスはエドマンドに呼び掛けると。偽グリーヴァブレードを構えた。
 刃から放たれたのは光の衝撃波。敵を切り裂く希望の一撃。
「みなさん‥‥どうかご無事で」
 その光が走るのを見て、ラーラは祈らずにはいられなかった。

◆決着
 気絶していると思しき娘にハウンドと頭領が全力で駆け寄る。
「大丈夫だ、息はある」
 頭領が瘴気で自分自身も倒れそうなのにどうにか娘を抱える。娘を救わんとする父親の火事場の馬鹿力だ。
 近付こうと迫る敵。だが、そこには。
「行かせませんよ」
 ノーラの放った矢は、呪縛の魔力を与えられた弓より放たれしもの。その影を射られた敵は床に縫いつけられたかのように動けない。
「影はオバちゃんが作るから、ノーラちゃんはバンバンやりな」
 自身も前線に出て周囲を照らすオスカル。もちろん、格闘戦だってやっちゃうぞ。
 マミー如きにはそうそうやられない。だが、問題は、瘴気とその発生源だが‥‥。
「マズいねぇ」
 ふらふらっと、倒れ込むオスカル。瘴気に耐えられなかったのだ。
「あれは、マミーシャーマンです。もしかしたら瘴気の発生源はそいつかも!」
 ノーラは気付く。オスカルが倒れた周囲に見えるちょっと雰囲気が違うマミーがいる。
「誰か、お願いします」
 素早く矢を放ち、マミーシャーマンの動きを止めるノーラ。
 こいつをどうにかしないと全滅もあり得るかもしれない。
「そいつをぶっ倒せばいいんだな!」
 と勢いよく駆け込んできたのはやっと穴を抜けたレアだった。
「でりゃあ!」
 気合と共に両手にもったダガーを二振り突き立てる。
 だが、やはりマミーシャーマンの身体には効いていない。
「ちっ、なんだ、こいつ」
 瘴気で気絶しそうなのに耐えながらも一旦飛び退くレア。
「ねえちゃん、こいつを使えー!」
 と咄嗟にグドラが武器を地面に滑らせ投げ渡す。
「これか‥‥たぁー!」
 それはレーヴァティンだ。
「一刀だけだけど、やってやんぜ」
 今度こそ、と振り抜いたそれはマミーシャーマンの包帯を焼き尽くす。
 すると、瘴気が切れた。
 そして、生まれる勝機。
「こっちだよー!」
 フラールが頭領を誘導し、娘と共にノーラのアマテラス内へ避難完了。
「よーし、一気に行くぜー!」
「状況はよくわからねぇが‥‥おう!」
 気合を入れ直すグドラに同調し、穴から出たばかりで戦況がわからないが、レアは頷いて見せる。
 そして、そんな中で、フラールは結局地上に残ったウルフとテレパシーで念話していた。
(え、食べちゃダメかってー? ダメだよー!)
 そう、地上ではウルフが突然現れて倒れているシフールを見守っていた。それは、ブレスフラワーアーマーの効果で瀕死から脱して安全な場所に転移したシルヴァーナなのである。
「シルヴァーナ君も無事みたいだよー!」
 ウルフからの報告(?)を受けて、そう仲間に告げるフラール。
 そして、更なる朗報が。
「おまたせー! って見えるー?」
 暗闇の先だが、確かにこの声はエアのものだ。
「加勢しますわよ」
 と、品のある声も近づいてくる。
「はっ!」
 程なくして、暗闇からアリーのデスサイズの刃が閃き、マミーをぶった切る。
 正門組が合流したのだ。
 それ、すなわち。地上へのルートも確認された、ということ。
 最後の総力戦、いや、ここは逃げの一手。近づく敵を蹴散らしながらアマテラスで守られつつ後退だ。それが最善手。
「よし、撤退しようぜ。キングドラゴンだって逃げる時は逃げる」
「え、もう逃げるのかよ。いや、まぁ、そうだな。って、剣拾わねぇと」
「誰か、オスカルさんをお願いします。一旦アマテラスの中へ」
「ボクじゃ無理だなー!」
「シフールの方では仕方がありませんわ、私が抱えますわね。ほら、あなたも手伝って」
「はいはい、了解了解☆」
 いけるのか?

 そして、どうにかこうこうにか。正門付近まで撤退。
「みなさんが戻ってきましたよ」
「なんとか、持ったか、そっちはどうだ、エドマンド」
「ああ、大丈夫だ。まったくやれやれだな」
 合流に成功する。
 かくして、救出作戦は成功したのである。

◆光あれ
 頭領の娘は大した怪我も無く、無事に救出された。
「念のため、メンタルキュアティブとかしといたし、落ち着いてくれたよ」
 シルヴァーナは自分の身体もボロボロだったのに優先的に娘の治療に力を費やした。
「すまんな、結局はお前らの力に助けられる形になってしまった。意地を通すのも馬鹿らしい話だったようだ‥‥」
「困ったときはお互い様、ですわ」
 気にするな、とローザは言う。
「だが、そうもいくまい」
「そうか、見返りを求めたわけではないが、確かに、話を聞いてもらえるとありがたいところだな」
 そう語るアレックスの言葉に頷くと、ハウンドたちの前で頭領は何か力が抜けた様子で宣言する。
「わかった、お前たちの申し出を受け入れよう。それで同胞が助かるならな」
 その言葉と共に、光が世界に広がっていく。ケットシーの代表が、受け入れた、ということ、それこそが、ディスミゼルの鍵。
「やったー!」
「やったぜー!」
 フラールとグドラが、パーンとお互いに手を叩き喜びを表現する。
「えーと、なんだ、あれか。これでダークケットシーが普通のケットシーになった、ってことかよ。なんか、あんまり実感ねぇぜ」
 とレアがいうのももっともだ。目の前にダークケットシーがいるわけではないのだから。
「その辺はオバちゃんたちの経験上、ああいう光が出てくればなんかディスミゼルOKって感じだから大丈夫だよ」
 うんうん、とオスカルが頷く。まぁ、とにかく大丈夫なのだろう。
「ですけど、ディスミゼルの使命を譲る、というのは具体的にどうなのかハッキリしませんね。そこのところはどうなんでしょう」
 ラーラがもっともな疑問を口にする。
「それについては、具体的な方法を考えた。それも影響したのだろう」
 と頭領が応える。
 その方法とは‥‥?
「あ、もしかして、ハウンドに‥‥」
 ノーラが思いついた言葉を口にする。
「ああ、そうだ。ディスミゼルに協力するならば、ケットシーもハウンドに送り込むしかあるまい」
 頭領のその一言により、ケットシーのハウンドギルド加入が決まったのである。
「それと、これを機に、サンドラの地に、しっかりとした定住地を設けようとも考えている」
「あ、それなら女王様にもちょっと頼んでみようか」
「それはありがたいが、可能なのか?」
 なんとなく言ったエアの言葉に驚く頭領。
「多分大丈夫かな、女王様とハウンドギルドは仲良しだから」
 そんなこんなで、遊牧的な生活を行っていたケットシーのコミュニティがサンドラに生まれることにもなったのである。

 新たなる仲間、ケットシーをよろしく!



 7

参加者

b.救助にいくよー! 護衛は任せて!
フラール(da0547)
♂ ?歳 シフール パドマ 水
c.救出のために突撃ー!
シルヴァーナ(da1215)
♀ ?歳 シフール カムイ 月
a.シノビなれども正面突破☆
エア・カイザー(da1849)
♀ 26歳 人間 ヴォルセルク 風
c.よーし、おいらがやっっけてやるぜ!!
グドラ(da1923)
♂ ?歳 キティドラゴン ヴォルセルク 水
c.よーし、オバちゃんが助けに行くよー☆
オスカル・ローズ(da2033)
♀ 51歳 パラ パドマ 火
b.アマテラスを展開して侵入します。
ノーラ・ロネ(da2047)
♀ 16歳 パラ カムイ 陽
a.そうだ、エドマンド。か弱き命を助けに行くのが、我々ハウンドなんだ。
アレックス・ブラック(da2081)
♂ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 陽
a.ライトで明るくします。
ラーラ・ヒューイット(da2137)
♀ ?歳 ヴァンパネーロ パドマ 月
a.立ち塞がるモノあればぶち壊すのみですわ。
ローザ・アリンガム(da2138)
♀ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 風
c.手数なら自信あるんだぜ。
レア・クローゼ(da2199)
♀ 18歳 人間 ヴォルセルク 風
 助けに行くのだろう? ハウンドなんだから。ん、不思議ではない、だろう?
エドマンド・シルバー(dz0053)
♂ ?歳 ヴァンパネーロ ヴォルセルク 地


ここまでくるともはや

偶然などではない!! 繋がるカーシーとシーリー、そしてダークケットシーのディスミゼルの条件‥‥それが示すものとは‥‥