「腹筋が‥‥割れてる」

担当成瀬丈二
出発2021/11/16
種類ショート 日常
結果成功
MVPティア・ターンズ(da2187)
準MVPアクア・パッツア(da2185)
トサ・カイザー(da1982)

オープニング

◆狼の条件──あるいは脱ぐとスゴいんです
 グレコニアのとある領主からの依頼があった。
 池に潜む魔物から、牧場を守る任務をこなすのは造作もなかった。
 ともあれ、彼らは依頼主の好意で、つぶした牛を炙り焼きを囲む。
 俗にいうバーベキューである。
 塩と肉汁の香りが周囲を支配する。

登場キャラ

リプレイ

◆お願い! マッチョル! ──夢の終わりは旅のつづき
 広がる光景を見ないように、アクア・パッツアが懸命に牛肉と無差別級無制限一本勝負を繰り広げる。
(牧場で発生した、池の魔物を退治するお仕事。だから、デビュー戦に丁度いいかなって参加して、たしかに水中戦で自分で言うのもあれだけど、かなり活躍したつもりだけど‥‥)
 メロウの彼女の独壇場は水中戦だ。
「真の強敵が、陸にいる仲間だなんて思わなかった‥‥」
 アクアが思い返すのは、魔物との戦いで頼もしかった、少しヘンなお兄さん。
 態度が大きいけど大暴れしてた、かなりヘンなDGSの人。
 全身を甲冑に包んだ、あまりヘンじゃない凛々しいカーシーのお姉さん。
 同期でデビューしたフィルボルグスのお姉さん。彼女は普段はマトモだったけど、ここまで脳みそに牛肉が詰まっているなんて‥‥!?
 ──繰り返す悪夢に苛まれるアクアは、私はもう何も見ていない、何も覚えていないと、心の中繰り返し、肉を食べ続けるのみだった。
 奥へ! 奥へ、もっと奥へ!!

◆ロマンとリアルを抱きしめたまま──焼肉何キロ食える?
 ──少し時は遡る。
「牧場主さんのご厚意によって牛さんが犠牲となり、私たちは今美味しいお肉を食べることができています。
 牛さんに感謝を捧げるためにも美味しくお肉をいただかなくてはいけませんわね」
 ‥‥と、エフィ・カールステッドの厳かな祈りとともに始まったバーベキューパーティー。それは、混沌というかカオスというべきか、もうケイオスな様相を呈していた。

「私とて勇者を名乗る者、鍛えた肉体は引けを取らんぞ」
 脱いだエクス・カイザーがポーズを取り始めた。
 キルト製の下着を身にまとい、金色の野ならぬ枯草の野に舞い降りる。
「──筋肉というのはただボリュームがあればいい訳ではない。
鍛えすぎた筋肉はかえって動きを阻害してしまう」
 エクスが歯を光らせながら笑みを浮かべる。
「私のようにしなやかな筋肉こそ戦士には重要なのだ」
 キメのセリフを上腕二頭筋とともに主張する。

◆最凶と腐敗と──万華鏡戦線
「面白い──この常勝不敗の私の肉体美を披露する時が来たようだな!?」
 勢いよく装備を外し、ついでに滅多に外さない偽DGSも外すのは!? 何者だ!
「そして、こんな事もあろうかと鍛え続けたこの肉体!」
 おお、膨張する自意識! 肉体は膨れないのがミソである。
「カイザー家秘奥義、影筋肉(シヤドウマッスル)! 筋肉言語発動──我が筋肉にかなうものなし、我が筋肉は絶対無敵なり!!」
 そう言って、突き上げた腕で主張しながら、トサ・カイザーが、背中でも語る。
 それを見た女性曰く──。
「背筋が猛っているよ──‥‥全く鬼神が宿ってるカンジだね」
 そう言って、ティア・ターンズはトサの背中に向けてサムズアップサイン。
「まったく、ハウンドの男性陣ってのは噂以上にトンチキだね!? あたしは好きだよ!!」

◆戦争は女の顔をしていない──魔女の顔をしているのだ
「じゃあ、女性陣はどうだべ?」
 問う、エルシー・カルに関しては、ティアは返す。
「予想通りにトンチキ!」
 どんな噂が流れているのだろう‥‥ハウンド近辺の情報の流れ、一回精査してもいいかもしれない。
「いいカラダしてるから行けば?」
「脱ぐともっとすごいべ」
「!‥‥ふむ」
 ティアの感嘆をよそにエルシーはスーツアーマーを脱ぎだす。
「誰よりも重い装備着ているから、お前の筋肉が多分最強だって、うちの狩猟団の姐さん達にも言われたべさ」
 最近、絶滅危惧種第一位の呼び声も高いカーシーは昔はマッチョ最強だったらしい。
「おらが揃えた防具、鍛えた戦技、練った魔法の総合力──つまり硬さはハウンドでも屈指とかいわれれたべ。おらもまあ五本の指に入るべと自負していたべ──でも、純粋な筋肉はどうだべな?」
「ほう新旧対決! で、筋肉のコツは?」
 ティアは問う。
「重い装備着て、一杯動き回れば、良い筋肉がつくべさ。鍛えた背筋はクラーケンを持ち上げ、猛き腹筋はドラゴンの一撃にも耐えられる──いやおらは仲間と培ったこの肉体を信じているべ」

◆女の戦い、竜虎あい撃つ──あるいは爆裂!
「あははははは、面白いことを始めるもんだね!?」
 ティアの顔は赤い、アルコールが回ったのだろう。
「あたしはこういうのは大好きだよ!! だから、今、ここで──新旧対決しようじゃないか、昔はカーシーと言えばナンバー1マッチョだったよな。だけど‥‥今じゃあ、二番目だ」
「じゃあ、一番目は何だべ」
 口笛を吹きつつ、ティアは自身を親指でさす。
「フィルボルグスを差し置いて肉体美を競おうなんざ十年早いよ!!」
 ティアは言いながらも、具足を脱ぎ捨てて、自慢の肉体美を披露するのだった。
 肌がほんのり赤く染まり、僅かながらも色気が、彼女のアクセントという差し色となっている。
「ハウンドとしては新人だけど、フィルボルグスの戦士とて鍛えた筋肉は先輩方に引けを取らないよ!」
 具足の下はビキニ姿だ。池の清掃をしただけあって、水着の着用はもはや当然!
「ストロングビューティーと称えられたこの肉体、とくと拝みな!!」
「ほう、中々の筋肉だべ。お前さんの行動指針とふたつ名は?」
 ティアに問うエルシー。彼女もほろ酔いしたのかもしれない。なお、もっと大きな可能性は『すでに出来上がっている』なのだが──‥‥。
「正義。マッチョウーマン二号」
 一号が誰かは問うなかれ!
 ノリのままポージングをしようとした瞬間、ティアのビキニのトップが内から吹き飛ぶ!
 ティアの筋肉の内圧に負けたのだ。
「パライソだべ」
 遠くから見ていた牧童がそうつぶやいた。

◆狼たちの条件──戦士たちの挽歌
 年頃の女性がそういう状況に陥っても、すでに酔っぱらたトサとエクスは気にしない。
 彼女がいるエクスはともかく、トサは‥‥──問うなかれ!
「それは駄目ェ──! 見せられないわよ!」
 アクアが慌てて、皿で隠そうとするのだった!
 エフィが料理人セットから鍋蓋を取り出し、アクアに渡す。
 手に持った皿が、一枚から二枚になれば、二倍のパワーがある‥‥はずだ。
 無論、二枚の皿を持ったアクアが二倍多く回り、三倍のパワーでジャンプすればいいのだ(多分)。
 まあ、できるなら、最初から、その力を別のところに向けろよ‥‥という意見は耳が痛い。

◆そしてオーディア島に帰る──ハウンドドリーム!
 そして、半日にわたる胃袋無制限一本勝負(ということになった)、その戦いで結局勝ったのは──誰だろうか? 勝利者などいない‥‥みんな戦いに疲れ果ててしまったハウンドたちである。
 なお、エクスとトサの両者は筋肉と胃袋がぶつかり合い、でダブルノックアウト。
 年の近い近親者は得てして強大なライバルとなる。
 ただ、エフィの前に積みあがった皿が一番多いのだ。
 彼女こそが筋肉の本当の目撃者かもしれない‥‥。
 目撃したから偉いという訳でもない──残念至極。
 それでも──あえて言おう、俺がマッチョだ。否! 俺たちがマッチョだ!

 それはさておくとしよう。
 休むと、オーディア島への帰路の支度をするハウンドたちであった。
 多分、もうしばらくこのハウンドたちの協騒曲は続くのだろう──そこ、狂騒曲とか言わない!



 6

参加者

c.もぐもぐ(筋肉に目もくれず肉を食べている)
エフィ・カールステッド(da0439)
♀ 20歳 人間 カムイ 月
a.私とて勇者を名乗る者、鍛えた肉体は引けを取らんぞ(ポーズ)
エクス・カイザー(da1679)
♂ 27歳 人間 ヴォルセルク 火
a.カイザー家秘奥義、影筋肉(シヤドウマッスル)! 我が筋肉は無敵なり!!
トサ・カイザー(da1982)
♂ 24歳 人間 ヴォルセルク 陽
b.誰よりも重い装備着ているから行って来いって姐さん達に言われたべさ。
エルシー・カル(da2004)
♀ 19歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
c.モグモグモグモグ(必死に見ないふりして肉を食べている)
アクア・パッツア(da2185)
♀ 15歳 メロウ ヴォルセルク 水
a.ハウンドってのは噂以上にトンチキだね!? あたしは好きだよ!!
ティア・ターンズ(da2187)
♀ 25歳 フィルボルグス ヴォルセルク 火


マッチョだ

俺が、俺が! 俺たちがマッチョだ!