【SE07】命燃え尽きるまで

担当成瀬丈二
出発2021/01/13
種類ショート 冒険(討伐)
結果大成功
MVPシェール・エクレール(da1900)
準MVPアステ・カイザー(da0211)
ケイナ・エクレール(da1988)

オープニング

◆アルピニオにて
「ということや、れっつごーやで!」
 言い出しっぺのガーベラがアルピニオ奥地の森にある、女神の彫像を探しに行く。
 それはハウンドギルドで大々的な探索が行われた新魔法の調査の一環という名目だ。
 何でも先日、新魔法を覚えていたカムイが落命した。
 それでも新魔法の調査をギルドは続けた。

登場キャラ

リプレイ

◆いくさの準備──
 敵の名称はダークフィールドドラゴン。それは暴力直前のディスカッションで確認できた。
「え?」
 しかし、それ以上にアステ・カイザーが思い知らされた現実があった。
 彼女が切り札にしたかった、アプサラスの魔法は現状では確実性に欠けるというのだ。
 ユミル・エクレールから、そう聞かされたからだ。
「まあ、最初のうちはバクチだな。相手の魔力がハンパじゃないから、五分五分にさえ持ち込めないな」
 魔法を使えば、魔力も減るはず。その大原則を当てにするしかない。
「絶望させる訳じゃないのじゃが、対策が立てづらい相手じゃのう」
 天を仰ぐ、ケイナ・エクレールだ。
 エクレール一家が知っている範疇では、相手は魔物法を三種類持っている、ということだ。
 たとえば、ドラゴンでありがちな、特定属性のパドマ魔法などではないのである。
 なので個体ごとに使う魔法次第で、火を放ったり、氷を同一個体が使う可能性も否定できない。
「とりあえず、傷を負わせれば、可能性はゼロじゃないよ? でも、ねえ?」
 大げさに、シェール・エクレールが言う。そうDFドラゴンに魔法を積極的に使わせればどんどんと勝率は上がっていくはず。
 その魔法にハウンドたちが耐えきれるかは‥‥まあ、別の問題となろう、相手が攻撃魔法を使ったのに対応して、魔法で癒しても、消耗戦だ。

「やりようはあるべ」
 ドラゴンフライで肩を叩いた、エルシー・カルが口を開く。
「喉元の逆鱗を突けば‥‥結構どうにかなるべよ」
 しかし、確実な知識を必要とするということ。
「私は反対。確実性のないバクチだよ、それは勝率ないんじゃ」
 ユミルはそう言うが、DFドラゴンの高い運動能力と竜の鱗という二重の鉄壁の守りを無効化できるはずだ。
 当たれば確かに大きいが、工夫なしで当たるものではない。
 ケイナはユミルに賛成らしい。
「ドラゴン相手にバクチじゃと、頭がいろいろと──」
「うんわかったべ、最後の手段にするべ」
 エルシーはそう言って、ケイナに謝った。

◆──プランEで予定通り!
「竜の鱗は突破できるアテがあるが‥‥ふたつ」
 そう、エクス・カイザーは情報を吟味する。
 ビア・ダールやシェールが切り札として持っているドラゴンボウ。それでドラゴンの牙を削り出してつくった矢じりなら、竜の鱗を突破できる‥‥当たれば。
 DFドラゴンが躱せなければ、竜の鱗を無力化することは十二分に可能だ。
「あと、プランEかねえ?」
 ドワーフの、セイ・ローガンがヒゲをいじる。
「プランBではないので?」
 問うのはビアは、ネタに関しては、薄々察してはいるらしい。
 結局、暴力で解決ということになった。
(しかし近寄る機会があれば──解呪を試したいもの。多分、解呪してもドラゴンの気性は変わらないでしょう。しかし、タマシイだけでも、殺す前に救済をしてあげたい)
 ビア──どこまでも優しい男である。
「じゃあいくでみなはん!」
 シフールのガーベラも、相変わらず元気であった。

◆風と怒声、吹き荒れる!
 ハウンドの前衛の重装備は自らの存在を宣伝して回る行為。
 故にDFドラゴン相手に不意打ちは成立しなかった。
 DFドラゴンは息を吸い込み、周囲数十メートルに咆哮を轟かせる。
 アステとケイナ、シェール、そしてガーベラは勇気を打ち砕かれてしまった。
「ぜ、絶対大丈夫だから──」
 アステは震える手でグリーヴァヒゴユミを引こうとする。
「ちびっ子、少し待つのじゃ‥‥」
 シェールに声をかけるケイナ。
「こ、こわくなんかあらへんわい!」
 虚勢を張るガーベラ。
「おらに続くべ!」
 エルシーがエエンレラを付与してもらったハルバード、グリーヴァ風の誂えのそれを頭上で振り回しながら突貫する。
 回避? 彼女はそんなものは考えない! 己の武具の前には少々の攻撃だろうと、生き延びるのみ!
 ドラゴンフライが唸りをあげ、回避『しない』DFドラゴンを直撃する! しかし、堅固な鱗に弾かれた。
「! 硬いべ──何か魔法を使うべよ」
 叫ぶエルシーの手元から、しびれるような感触が伝わってくる。
「およけください、エルシー様!」

◆射抜く矢、逸れる矢
 ビアが注意を喚起して、引き絞ったドラゴウンボウから、矢を放つ。
 回避しない、魔法を使うという状況にビアは危機感を抱く。
 果たして放たれた矢は──DFドラゴンの肩口に深々と突き立った!
 そう、ビアの切り札の竜牙の矢だ。
「かわされなければ!」
 ユミルが斬りこみ、真銀のハルバードで逆鱗を貫く。
 DFドラゴンの苦悶の声。これで魔物法の成就はしばらく出来ない。
「シェール!」
 震える手で弓を引くシェール。
 放たれた矢は逸れていった。
「気にするでないのじゃ」
 ケイナが声をかけ、シェールの方に近づいていく。
 もちろん、次に備えてだ。戦いはまだ終わっていない。
「いくぞ! セイ」
「あいよエクス!」
 セイの僅かな懸念材料。
 それはブレードの魔力はマイスターにしか使えないこと。故に魔力は消耗する。
(行ける!)
 腕が伸びる、エクスもセイも。
「エクスプロージョン!」
『あえて』叫ぶエクス。
 ふたりの拳がDFドラゴンを捉えた!

◆ドラゴン去りし後──凱歌をあげよ
 セイとエクスがタイミングを計って撃ちこんだエクスプロージョンの前にDFドラゴンは呼吸を荒げる。
「やったかねえ?」
 背中の刺青を露わにしていたセイ。大切な人にしか見せたくない、それを露出したのは勝ちたいという闘志ゆえ。
「おそらく‥‥な」
 肩を大きく上下させているエクスの言葉、それは精いっぱいの誠意を示す。
「やれやれ、バトル好きの世界だねえ‥‥まあ、私もだけどさ」
 ユミルは微笑んで、エクスとセイの肩をどやしつける。
「力を封じたまえ、女神の名前にかけて──アプサラス」
 アステが女神に祈りを捧げ、アプサラスを成就。
 水の力がDFドラゴンの力を封じる。
 続けてビアが祈った。
「哀れみたまえ、救いたまえ、全ての呪われしものを──リムーブカース」
 ビアが女神に捧げた祈りはダークサイドのエクスマリスを雪いでいった。
 これでDFドラゴンはフィールドドラゴンになる。
 フィールドドラゴンはゆっくりと体を丸めた。
 そのままゆっくりと息を引き取る。
「あなたの魂に安らぎあれ」
 敬虔な表情のケイナが手を置いて、鎮魂の言葉を囁いた。

◆たったひとつの魔法──結末
 それから数分後、咆哮の恐怖から逃れたものも含めた面々が、女神像の調査をする。
「水属性のカムイ魔法だよね?」
 女神の彫像の台座、その刻まれた文様を見たアステはそれが自分が使える魔法だと直感で看破した。
「残念私はムリそう」
 そう肩を竦めるシェール。
「でも、仲間が強くなれば、今後の戦いできっと役に立つのじゃ」
 シェールの行いはムダではないとケイナは説く。
「浄化を司る力があるのでしょうか? 水属性の魔法となれば門外漢故分かりかねますが」
 ビアの言葉にアステはうなずく。
「きっと役に立てて見せるよ」
 新しい魔法の名はピュアリティ。解析がすむまで、しばしの時を要するだろう。
 そして、覚えた後で研鑽を積むことで力は磨かれる。
 この原石が玉になるかは、ハウンドたち次第だ。
 ──だから、ハウンドの冒険は‥‥つづく!



 6

参加者

b.アプサラスが通れば、一時的にでもドラゴンのMPを半減できるわね
アステ・カイザー(da0211)
♀ 27歳 人間 カムイ 水
a.前衛でひたすら戦う事しか出来んが、その分MPは温存しよう。
エクス・カイザー(da1679)
♂ 30歳 人間 ヴォルセルク 火
a.エクスプロージョンを撃ち込んでやるさね!
セイ・ローガン(da1834)
♀ 41歳 ドワーフ ヴォルセルク 火
b.狙い撃ちですね。
シェール・エクレール(da1900)
♀ 19歳 人間 カムイ 風
a.目の前の壁はぶっ飛ばしていけばいいのさ。
ユミル・エクレール(da1912)
♀ 24歳 人間 ヴォルセルク 陽
b.ふむ。あれがダークドラゴンでしたら、リムーブカースも試しますかな。
ビア・ダール(da1972)
♂ 54歳 ドワーフ カムイ 陽
b.回復じゃ。
ケイナ・エクレール(da1988)
♀ 30歳 人間 カムイ 火
a.前に出るべさ。
エルシー・カル(da2004)
♀ 21歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
 しんねんから、どらごんやんけ~‥‥おこしたらもともこもあらへんわ
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


眠い‥‥

たまには眠ろう‥‥うとうと。