【SE07】翔けろ仔竜

担当成瀬丈二
出発2020/11/28
種類ショート 冒険(討伐)
結果成功
MVPブシラ(da1951)
準MVPグドラ(da1923)

オープニング

◆魔の森のアイゼン
 しかし、ハウンドたちが魔の森で出会ったそのキティドラゴン『アイゼン』はクールそうな雰囲気を醸し出していた。
「なーあんさん、しんまほうしっとるんやろ? ぱーっとおしえとらんか」
 無遠慮なガーベラの言葉にアイゼンは首を横に振らない。
「すまない、この魔法は竜語魔法だ。それにドラゴンの心を掴めねば覚えられない」
「りゅーごまほう? ああ、きてぃどらごんのつかうあれやろ? なかまにひゃくにんくらいおるわ」

登場キャラ

リプレイ

◆魔の森でドラゴンの探索
「この距離なら──」
 そう言って、アステ・カイザーは、常人が弓と言われて、普通に思い浮かべるより、はるかに巨大な弓。
 ──ドラゴンボウだ──に、全身の筋力を総動員して、ジャベリンにさえ感じられる巨大な『矢』すなわちドラゴンアローを番える。

◆戦いは始まる、ドラゴンの夢を載せて
「あれが戦いの始まりを告げる」
 妹の雄姿を見ながら、エクス・カイザーはキティドラゴンの得物にルミナパワーを付与する。
 アヌビスハルバードを持った、グドラに。
 そして、グリーヴァブレードを携えた、ブシラも、己の得物にルミナパワーを付与してもらったことをエクスに感謝する。
 グドラは竜語に切り替える。
「おい、そこのドラゴン先輩、おいらたち五人がこれから相手をするぜ、尋常に勝負!」
 不意打ちするチャンスを逃してしまうアステ。
 グドラの意気に感じ、ブシラも宣戦布告!
「やあやあ、遠からんドラゴンは音に聞け! 近くば寄って目にも見よ!」

◆宣誓の価値──そして
 ブシラは頭上のズッキーニウィッグを指でさし。
「ドラゴン殿の相手を致す拙者こそは、サムライの魂を持つドラゴン、ブシラなり!!」
 ドラゴン語は咆哮である。当然のことながらフォレストドラゴンの気を引いた。
「GURURURU!」
 ふたりのキティドラゴンの宣言に応えるように、フォレストドラゴンから雄たけびが上がる。
「動かないでね当たっちゃうから」
 その瞬間を狙って、アステが気合一閃ドラゴンアローを射出する。
 まさしく、それは白銀の流星。
 尾のつけ根に深々と突き立つ。
「と、届いた」
 フォレストドラゴンの血がしぶいた。

◆進め! キティドラゴンたち!
「それ以上の手助けは‥‥無用でござる」
 ブシラがグリーヴァブレードを手に切り込んでいく。
「おいらも同じだぜ! でも、ありがとな、アステ」
 グドラは自らの願い──キングドラゴンとなる──の為に翼を広げ──竜の翼で大きくしたのだ──進んでいった。
「私は尾っぽの攻撃だけを引き受けよう。それ以上はしない」
 エクスはグリーヴァザンバを両手で担う。
「帰ってきたら、キュアティブするから」
 アステは笑顔で送り出す。

◆──刺青の価値は?
「すすむんや、みなのしゅう!」
 そう、ガーベラも送り出す。
「ありがとなガーベラ!」
 グドラが空を翔ける。腹部の刺青を使った、竜の翼の魔法だ。加えて竜の鱗、竜の尾を成就しており、自身の力で戦う準備をしている。
「拙者は武士だ!」
 愛刀を肩に担うように、突き進むブシラ。彼もまた、グドラのそれに加えて竜の息を自身に付与した。
 一気にドラゴンに肉薄!
 かたや、いち早く到着した、エクスは相手が何か集中するのに気づいた。
「魔法か! 受けて立つぞ!!」
 重力塊が放たれる。ガイアだろうか?

◆魂は砕けない!
「勇者は屈しない!」
 エクスは強い魔法的エネルギーをその身で受ける。
 もし、ルミナパワーをアイテムに蓄えられた魔力ではなく、自身で使っていたらその威力に屈していただろう。
 勇者の最後の武器は勇気かもしれない。しかし、その前には知恵があってもいい。
(骨にヒビでも入ったか?)
 痛みをこらえつつエクスはドラゴンが痛みで集中力を欠いているのを確認した。
(我が妹ながら恐ろしい腕前だ──)
 しかし、ブシラが後ろで巻き込まれた。
「ブシラ!」
 空中でグドラが叫ぶ。
 ──しかし!
「武士は退かぬのである!」
 ブシラは魔力を温存したのが幸い。深手は避けられる。
「突貫である!! 拙者とともに!」
「オッケーだぜ」
 とグドラ。
「だ、そうだドラゴン──私たちは屈しない!」
 エクスも不敵な笑みを浮かべた。
(まったく、オットコノコだからねえ)
 アステは後ろだが、何となく雰囲気を察して苦笑した。
 エクスが男の子扱いには当人には異論があるかもしれない。

◆完全勝利に‥‥見えたが?
 しかし、フォレストドラゴンの方にしてみれば、三人をただで済ませる気はない。
 大きく息を吸い込んだ。あばら骨の動きがウロコの上からでも透けて見てとれる。
 息を吐いた。
「ぐ!」
 ブシラとグドラは力のこもった指輪を向ける。ドラゴンブレスに対抗できるアイテムだ。
 威力は大きく減退する──はずだったが、この息は破壊的なものではない。
「ぐお!」
 三人は粘膜を苛む、毒素に決死にたえる。
 心身の鍛錬がされていなければ、毒素がもたらすマヒという運命を避けられなかった。
 体を鍛えておいてトクだったな!
「すげーぜドラゴンブレス!」
 グドラは歓喜と恐怖が入り乱れ、完全にハイになった。
「も、もし体が動かなければ‥‥」
 一方、ブシラは怖い考えになってしまう。それを見たエクスは一喝。
「恐怖におびえるな! 敵の前で竦むなど──ハウンドなら腹を括れ!」
「は!」
 ブシラは正気を取り戻した!

◆俺たちがドラゴンだ!
 その時、グドラはアヌビスハルバードをかかえて空中から突撃。
「おいらもドラゴンだからな」
 ハルバードの穂先が竜の鱗を突き破り、血がしぶいた。
 怒声を響かせるフォレストドラゴン。
「拙者もドラゴンだ! 拙者が――」
 ブシラが叫ぶ。
「おいらたちが――」
 グドラの声が──
「ドラゴンだ!」
 ふたりの声が唱和した。
 そしてようやく気付いた。
『生死を賭けた戦いをせよ』
 とはアイゼンの弁だったが、別に『倒せ』や『殺害しろ』とは言っていない。
「拙者たちがドラゴンであるが」
 と、ブシラ。つづくグドラの弁。
「おいらたちドラゴンだよね?」
「で、このドラゴンもドラゴンではないか?」
 エクスが最後に付け加えた。
 フォレストドラゴンは戦意を無くし、森の奥深くに消えていった。
 その後ろ姿を見送ると、アステが来た。
「大丈夫? ええと、勝ったんだよね」
 彼女はキュアティブをブシラとエクスに使うと改めて問うた。
 うなずくブシラ。
「聞こえていますかアイゼン殿。拙者たちがドラゴンだ。それが問いに対する解であろうか!!」
 そのブシラのドラゴン語での発声に返事があった。
「よくぞ気づいた! 今からそこに行くぞ」
 次の瞬間、アイゼンが虚空から出現し、翼を広げた。

◆翔べ、キティドラゴンたちよ!
 勝利を見届けたキティドラゴンのアイゼンは、一同を祝った。
「漢の顔になったな──そして、つかめたようだドラゴンの心を、ならば伝えよう‥‥竜語魔法のひとつ『竜の翔破』の力を」
 いくらか勿体をつけられた感はあるが、アイゼンからキティドラゴンたちに魔法が伝えられた。
 その力は、今アイゼン自身が見せたように瞬間移動するものである。
 そして、全ての属性のキティドラゴン、パドマであろうとヴォルセルクであろうと覚えられるものだ。
 無論、使えるのと覚えるのは別の話──これからハウンドギルドでアップデートされて普及されるもの。
「だから、全てのドラゴンの仔らにこの魔法を捧げよう」
 アイゼンはそう言い置いて去る。
「どらごんってなんかいやなぁ」
 と、ガーベラが虚空に消えるアイゼンの姿を見ていった。
「まず、拙者も打撃力をつけねば」
 ブシラが言った。いかに強大な攻撃手段があろうと、届かなければ意味がない
「おいらも‥‥地力かなあ? 多分、エクス兄ちゃんのルミナパワーが無ければ追い込めなかったと思うから」
「まあ、地力があるに越したことはないな」
 グドラのつぶやきにエクスが一般論を返す。
「うーん、殺す気ならあのドラゴンアローにもエクス兄さんのルミナパワー使ってもらえば良かったけど、あえて空気を読んだから」
「いや、ヘタすれば死んでただろう」
 アステの言葉にエクスは返す。
 後は魔の森から帰るのみ。
 ──故にハウンドの冒険は‥‥つづく!



 4

参加者

b.先手必勝! ドラゴンアロー!!
アステ・カイザー(da0211)
♀ 24歳 人間 カムイ 水
a.あの尻尾のトゲが最大の武器か、注意せねば
エクス・カイザー(da1679)
♂ 26歳 人間 ヴォルセルク 火
a.よーし、いくぜー!!
グドラ(da1923)
♂ ?歳 キティドラゴン ヴォルセルク 水
a.やあやあ我こそはサムライの魂を持つドラゴン、ブシラなり!!
ブシラ(da1951)
♂ ?歳 キティドラゴン ヴォルセルク 火
 どらごんか? うまいんか‥‥。
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


行け、(多分)竜の仔よ!

行け、竜の仔よ──ドラゴンは現にいるのだ‥‥。