オープニング
◆反省しない男
「フヒヒ……今日はいかにもってな洞窟に来てやったぜ。蔓草や崩れた石で隠されようとも俺様の目は誤魔化せねえぜぇ!」
以前とある遺跡でドラゴンに遭遇しながらもなんとか逃げ延び、しばらくローレックの街で金稼ぎに奔走していたはずの男は――なんとほんの1ヶ月で遺跡荒らしに復帰。
頑丈さだけが取り柄の背嚢を背負い、とある山の麓でひっそりと口をあけた洞窟を見つけるや早速乗り込むことにした。
(洞窟の入り口には何かの台座らしき石が左右に並んでいた。……ってこたぁ、昔はこの洞窟に何者かが出入りしてたってことだよな。しかも入口を飾るってことは単なる洞窟じゃなくて特別な場所だったはずだ)
洞窟の内部には明り取りとなるような穴はなく、男は松明の光だけを頼りに洞窟を探索する。
するとある程度歩みを進めたその先、色とりどりの石を敷いた石畳が広がっていることに気づいた彼は思わず拳を握った。
壁に光を向けてみれば複雑な文字がびっしりと刻み込まれている。
(よっしゃ! ここはかなり手が入ってんな……権力者の墓か? それとも何らかの祭祀を行っていた聖地とか? まぁ、お宝があれば何でもいいんだけどな!)
男は浮き立つ心のまま、どんどん足を進めていく。
だがその先には祭壇がぽつんと置かれているだけだった。
(……ちっ、何だよ。特別なお宝はナシか。もしかして俺の前に誰か入ったのか?)
彼はここまでの遠き道程を考えるとはらわたが煮えくり返る思いになり、祭壇に思い切り蹴りを入れる。すると――どさ、と重い音が響き渡った。
「ん? なんだ、何か落ちたンか?」
男が祭壇の下を覗き込む。そこにあったのは青緑がかった美しい石板。
石床に落ちながらも傷ひとつついていない清楚な色のそれに男は思わずため息をついた。
「……これはいいもんだ。多分この洞窟はこいつを守るために造られたんだな」
そう言いながら彼は石板をいそいそと背嚢へ詰め込む。
石板の表面には古代のものと思われる細やかな文字がびっしりと刻まれている。
歴史好きの貴族や骨董品の収集家、この島を研究する歴史家らにとって垂涎ものとなるに違いない。
「よし、他に入れるモンはなさそうだしさっさとおさらばするか!」
こうして重い荷物を背負い彼が張り切って洞窟から引き揚げようとしたその時、ばさりと空を切る重い音が響いた。
反射的に宙を見上げると羽根が生えていない大きな翼を持った――蝙蝠に酷似したモノが複数、彼の真上を円を描くように飛行している。
「くそっ、こんなとこにも魔物が棲んでんのかよッ!」
彼は足元の石を掴むと宙を舞うそれに勢いよく投げつけた。しかし石はまったく当たる気配がない。
むしろ石板の重みで動きの鈍っている男を弄び殺そうと『奴ら』は下降し始めた。
「……こうなったら仕方ねえ、徒労になろうと命あっての物種だッ!」
男は背嚢を掴むと目の前にいる蝙蝠の中で一番大きなものにそれを力いっぱい投げつけた。ドンっと鈍い音がすると同時に奴が体勢を崩した瞬間、男は懸命に駆け出す。
「くそっ、こうでもしねえと逃げられねえなんざ……くそっ!!」
彼は洞窟から飛び出すや以前と同じく胸元から紙切れを取り出し、薄れゆく記憶から敵の特徴を記録した。
(魔物は蝙蝠に似ていたような……? あとは何体かいて……特別な武器はもってなかったような……?)
今はこれが精一杯。彼は外に繋いでいた愛馬に跨るとすぐさまローレックの街へと向かった。
◆相変わらずな男
「……で、今回は洞窟冒険編ですか」
「ああ、そうだよ。洞窟にゃロマンがあるだろ。で、今回の石板はアレだな、とにかくスゲー奴よ。なんだか文字がびっしり刻まれていたし、青緑の綺麗な石でつくられていた。俺は古代文字どころか現代の文字も読めねえが、あれは絶対にとんでもない価値があるね。絶対に!」
何も持って帰れなかったくせに何故か得意げな顔をする遺跡荒らし。ギルド職員はあきれ顔を苦笑に変えて話を実務的なものへ切り替えた。
「まぁ、それはそれで構いませんが。……それにしても蝙蝠風の魔物ですか。野放しにはできませんね」
「ああ。記憶が曖昧なんだが……蝙蝠風の魔物ってことは多分翼があったんだと思う。もしそうなら厄介だ。魔物が外に出ようものなら好き勝手やらかす可能性があるからな」
「了解しました、情報提供に感謝いたします。それでは早速ハウンドに呼びかけを行いましょう」
文字が細やかに刻まれた石板、もしかしたらそれにはハウンド達の新たな力になる文言が刻み込まれているかもしれない。
蝙蝠に似た魔物を討伐しつつ謎の石板の回収を優先するべし――そんな内容の依頼が書面として案内板に貼られたのは遺跡荒らしがギルドから出て間もなくのことだった。
選択肢
a.攻撃する | b.仲間を支援する |
c.敵を引きつける | z.その他・未選択 |
マスターより
いつも大変お世話になっております、三毛野です!
今回はドッキドキの洞窟探検、しかも頑張れば新しい魔法を獲得できるかも……?
不思議な石板を入手するために邪魔者となる魔物を討伐するシナリオです。
敵は暗所を利用しながら積極的に攻めてきますが、冷静に対処すれば十分に対処できるはずです。
敵を見事殲滅し、洞窟に残された石板もしっかり確保する完全勝利を目指していきましょう。
皆様のご参加、心よりお待ちしております。
※【SubEpisode07】新魔法を獲得せよ 関連シナリオ
シナリオの成功等により新魔法が実装されます。
登場キャラ
◆洞窟浪漫
「ここが問題の洞窟か。確かに光が入り込むような穴は期待できそうにないな……飛行する魔物は勿論、足元にも気をつけねば」
そう言いながら
アイオライト・クルーエルが洞窟内の湿った地面を踏みしめた時、「はいはい、ライトの魔法で照らすわね~。カモ美、頑張る☆」とくすくす笑いながら
カモミール・セリーザがライトを用い、前方を明るく照らし出した。
その瞬間、壁に刻み込まれた紋様が照らし出される。
ソレイユ・ソルディアスはその光景を興味深そうに見つめつつ、義兄弟の
リディオ・アリエクトへ溌溂と語り掛けた。
「洞窟にお宝、ロマンだよな! まぁ、たいてい障害もつきものなんだけどさ。でも、それもまた冒険の醍醐味ってな」
「ああ。遺跡に眠る青緑色の石板か。お宝って感じでいいねえ。しっかり手に入れないとな、ソラ」
盗賊団を名乗るクランに所属している者同士、遺跡におけるお宝探しは心躍るものらしい。
ふたりはルミナリィで視界を確保し、怯える素振りもなく先へ進んでいく。
そんなふたりとは別の意味で洞窟にロマンを感じる者もいた。
ベル・キシニア、闘争に快楽を感じる女傑である。
「そうだな。洞窟にはロマンがあるな。……いつどこで襲撃してくるかわからない魔物というロマンが」
そう不敵に微笑みながらも彼女はオフシフトを身に宿し、周囲に神経を張り詰めさせる。
飛行可能な魔物はどの角度から強襲を仕掛けてくるか読めないからだ。
一方、スニークブーツで足音を潜めつつアイオライトを警護するように立ち回るのは
シャルル・シュルズベリ。
彼はカゲヌイブレードに手を掛けながら魔物の正体を推測する。
(デスをいつでも詠唱できるようにはしておりますが……恐らくは死の魔法が通じない相手でございましょう。範囲も狭くございますし。態々危険を冒す必要はございますまい。となりますと、この刃か暗器にて仕留めるが定石と愚考しますが……さて)
いずれにせよ飛行できる魔物となれば動きを見極めねば良い獲物にされるだけ。
シャルルもベルと同様、常に先手をとるべくひとつの音も聞き逃すまいと神経を集中させた。
誰もが思う。
この島の平和を守り、無辜なるコモンを救うための新たなる力を手に入れる機を決して失うわけにはいかないのだと。
◆暗闇と羽音
小石を敷き詰めた床、そして壁にびっしりと刻み込まれた紋様……いや、ルーン文字。
それらを目にしたハウンド達は思わず息を呑んだ。
「……なるほどな、遺跡荒らしが興奮したのも無理はないぜ」
ソレイユは小さくため息を吐くと盾を構え、マルチパーリングで守りを固める。
後は目につきやすいようマジカルトーチをかざした自分に魔物が襲い掛かる瞬間を待つだけだ。
そこにヘッドライトを点灯させたベルも同行し、埃にまみれた祭壇を見つけると「ふむ」と息を漏らす。
「これが件の祭壇か。奴の言う通り、祭壇以外のものはない、か。……となると、このあたりが襲われた場所なのだろうな」
その間にアイオライトはルミナリィによって確保された視界をもとに背嚢を探しつつ、死角となりやすい暗所にトーチを突き立てた。
シャルルも蝋燭を灯したランタンを置くことで暗闇の一角を照らし出す。
その間に杖の先をあらゆる角度に向け、魔物と背嚢を探すカモミール。
しかし悔しいことに上部は窪みになっている箇所が多く、怪しい影を見つけることは叶わなかった。
それでも表面が斬り裂かれた背嚢が無造作に床に転がる様を見つけた瞬間、彼女は声を弾ませる。
「……っ! 見つけたわよ~、大切な石板さん! 生憎背嚢は傷つけられちゃってるけど中身は大丈夫みたいねっ☆」
そこで早速彼女が背嚢の確保に向かおうとしたところ――後方で警戒に当たっていたリディオが駆けだした。
彼は夜目が利く、そして瞬時に強烈な殺気も感じ取ったのだ。
「……ッ!!」
カモミールを半ば抱きかかえ、地に伏せるリディオ。その背中の数センチ上で大きな爪が空を斬った。
――ばさり、ばさり。
巨大な翼を持つ人間の子供ほどの背丈の蝙蝠が3体、宙から迫り来る。その姿にカモミール、アイオライト、シャルルの3人が「ラージバット……!」とほぼ同時に呟いた。
また、その中で僅かに体躯の大きな1体に向かい、リディオが「ダークラージバットか、厄介な奴が出て来たな!」と苦い顔で呟く。
いずれも暗所に巣食い、いかな暗所であろうと獲物を正確に捉えて捕食する蝙蝠。
アイオライトが大太刀にルミナパワーを与える一方で、シャルルはアイオライトを支援するべくシュライクをカゲヌイブレードに宿した。
それとほぼ同時にベルがスカイランニングを成就、瞬時に空中へ舞い上がり蝙蝠達に向かいランスを向ける。
「飛べるだけなんて、肩透かしはやめてくれよ?」
彼女は不敵に笑った。これから怒涛の勢いで奴らを壁際に追い詰め、自由を奪った上で存分に命を懸けた戦いを楽しむのだと。
一方でカモミールは背嚢の紐を掴むと手元に引き寄せ、石板を確保した。
「光源は私に任せて~☆ それと蝙蝠が近づいてきたら奥の手で吹き飛ばすから~石板もちゃんと守ってみせるわ~」
その言葉には確かな自信が現れていた。リディオは立ち上がり、弓を構える。
「カモミール、光源と石板の安全は任せた。俺は3体全てをここに近づけることなく撃ち抜いてみせる!」
こくり、と頷くカモミール。これが不気味な蝙蝠とハウンドの戦いの幕開けだった。
◆光と闇の狭間で
蝙蝠達は闇を好む性質を持つため光源を巧みに避け、暗所からハウンドを爪で抉るという戦法を心得ていた。
「……っ、殺気である程度居場所がわかるとはいえ、相変わらず厄介なものだな」
シューティングブレスを宿したリディオが迫り来るラージバットに矢を放つ。
麗しい顔ながら鋭いまなざしで天を貫く姿は言い知れぬ迫力があり、その矢は眼前に広がる翼を見事に貫いた。
たちまち宙でよろめく蝙蝠の姿。シャルルはブラインドアタックを宿した腕に力を溜め込み、斬撃を加えるべき機を待つ。
しかし敵もむざむざ落とされる瞬間を待っているわけではない。
ダークラージバットは魔物法による分身を顕現し、高所からハウンド達を見下ろした。
「んもう、どれかひとつが本物なんでしょうけど……困ったことね~」
カモミールはそう呟きながらも杖を強く握りしめた。恐らく狙われるのは最も強き光源たる自分。
決して目を奴から離してはならないと。
――その頃、ソレイユは敏捷に動くことでラージバットの片割れを引きつけていた。
「随分立派な爪だと思ったがな、俺を倒すにはもう少し力が必要だぞっ」
敵の爪は幾度か彼の皮膚を引き裂いていた。
しかしソレイユは怯える様子を一向に見せずホルスを用いてラージバットの背を「堕ちろっ!!」と叫びチャージングで斬り裂く。
そのラージバットが体勢を大きく崩した瞬間、アイオライトはホルスで急接近し、大太刀で脇腹を翼ごと掠め斬った。シュライクの力を宿した彼の剣技は敵の骨をも容易く断ち、呆気なく地に落下させた。
一方でベルは最も力を持つであろうダークラージバットの分身を相手ににやりと笑う。
(なるほど、それがお前の力か。しかし全てが実体を持つわけでもあるまい!)
彼女は複数いるダークラージバットの中から最も殺気が強く放たれているものを感じ取るとスタンアタックを仕掛けた。
意識さえ刈り取れば後は存分に叩くのみ!
しかしその殴打は呆気なく空を切った。
奴はまさか分身と本体を瞬時に切り替えることができるのか!?
ベルが急ぎランスを引き戻すも時、既に遅し。
ダークラージバットの群れが一斉に飛び掛かり、彼女の胸元を鋭く引き裂いた。
「……っ!」
辛うじて空中に踏みとどまるベル。
だがダークラージバットは宙を自在に駆ける彼女を抹殺すべき獲物として認めたようだ。
(……カモミールと石板が狙われるよりはマシだが、余裕のある状況とも言えんな。空中戦では奴らの方が速く私では分が悪い。かといって地上戦に持ち込むには……攻めて堕とす以外にないな)
傷の疼きに耐えながら彼女はダークラージバットを睨み返した。次こそ必ず堕としてみせると。
◆天と地の戦
「お前達に長く付き合うつもりではないのでな。落ちろっ!」
リディオはそう叫ぶとエエンエラにより雷の力を宿した矢でラージバットの胴を貫き、地上に落下させた。
全身が痺れた哀れな蝙蝠。
それをシャルルが太刀筋の見えぬ切っ先でずぶりと地に縫い付けるが如く貫くと、奴は一瞬びくりと体を震わせたものの、それっきり動かなくなった。
「まずは一体目、討伐にございます」
鮮やかに剣を抜き、紳士然とした所作で一礼するシャルル。彼は次の目的を既に定めている。それは既に死にかけているラージバットなどではなく、今なお宙で猛威を振るうダークラージバットだ。
(奴が地上に墜ちた時こそ我が好機。その隙、決して見誤らぬよう心がけましょう……!)
その頃、カモミールはベルの危機を察すると勇ましく杖を振りあげた。
「当たるかどうかは別として、私のマジカルショックは馬並よ、てね☆ ……吹き飛んじゃいなさいっ!!」
すると彼女の杖から発された不思議な衝撃が蝙蝠達を一斉に撥ね飛ばした。
その結果は破壊力こそないが、狙ったものが本体であることを示している。
(よし、あいつが本体だな。幸いトーチの光が届いている今なら……!)
ソレイユはホルスでダークラージバットのもとに急接近するとネットを投擲、ダークラージバットを頭上から包み込んだ。
翼の自由を失った蝙蝠は落下するのみ。
そこでベルはルミナパワーが込められたランスで力いっぱい突いた。
「空の舞は楽しかったか? もっともお前が羽ばたくことは我々が許さんがな!」
胸をまっすぐに突かれたダークラージバットの悲鳴が洞窟内に響き渡り、奴はどおっとネットごと床に転がり落ちる。
その間にリディオは残りのラージバットへとどめの矢を放った。
それは蝙蝠の頭を見事に貫き、声を発する間もなく命を絶つ。
「後はダークラージバットだけか。早く仕留めないと……!」
その頃、シャルルは流れるような動きでカゲヌイブレードを身動きの取れないダークラージバットに突き刺すと、蝙蝠の体内に毒が巡ったのか暴れんとする様が弱くなるのを目に留め「毒が効いたようでございます。今こそ、とどめを!」と叫んだ。
カモミールがライトを集中して当てる間にソレイユのチャージングが、ベルの全力の突きが、そしてアイオライトの鋭き刃がダークラージバットの命を粉砕する。
こうして謎の石板を手に入れるための戦いは、終わった。
◆蝙蝠の毒
戦いを終えてハウンドギルドに帰還する間、ソレイユが突如高熱を出して倒れ込んだ。
どうやらラージバットの持つ毒が体を巡ったらしい。
「遅効性の毒か……早いところ休ませないといけないな」
そう言いながらリディオはソレイユの前でしゃがみ込む。
「ソラ、俺の背を貸してやる。街に帰ったらまずはゆっくり休むんだ。いいな?」
「……ん、悪い。ありがとな……リディ。……へへ、あの背嚢を返したら遺跡荒らしからお礼とかもらえるかな……」
そう言ってリディオの背に身を預け、目を閉じるソレイユ。
一方でダークラージバットからの攻撃を受けていたベルもその身を心配されていたが、幸いにも胸元に切り傷を負った以外の影響はなかったらしい。
だがアイオライトは慎重なもので、水筒の水を布に含ませるとベルに手渡した。
「いずれにせよ傷口の洗浄だけはしておいた方がいい。魔物の毒は解明されていない部分も多いからな」
「感謝する。そうだな、今回は運が良かっただけで奴も毒を秘めていたかもしれん。蝙蝠を相手にする際は気をつけなければならんな」
ベルはそう言うと血で濡れた胸元を丁寧に拭った。
一方でカモミールとシャルルは背嚢から石板を取り出すや小さくため息を吐いた。
鮮やかな青緑の石は古さを全く感じさせず、美しく輝いている。
後はこの石板をハウンドギルドに届け、刻み込まれたルーン文字の意味を確かめるだけ。
歴史的価値への興味と知的好奇心をくすぐる石板は間もなくしてギルドの職員に手渡されたのだった。
◆石板の意味
ギルド職員が石板を無事に受け取った後、しばらくするとルーン文字に造詣の深い職員が活き活きとした顔で羊皮紙を手にハウンド達のもとへやって来た。
「これはなかなかに面白い魔法ですよ。その名は『トルネード』。風のパドマが仕える魔法とお見受けしました」
「風のパドマ魔法……ね」
カモミールは彼が先ほど解読したかぎりという羊皮紙を借り、捲りながら石板の内容を確認しようとする。
しかしその内容は魔法そのものだけではなくある種の自然学についても解かれており――要は冗長な面が多く、一度目を通しただけでは理解しにくいものだった。
「なるほど。興味深い内容ではございますが、魔法そのものの真髄に触れるには些かの時間が必要ということでございますね?」
シャルルの問いに職員が頷く。
「はい。しかし皆様のおかげで傷ひとつないため、解読そのものはさほど時間はかかりますまい。解釈には多少の手間がかかりましょうがね」
いずれにせよこれで謎の石板に記された言葉はハウンド達の手に渡った。
風のパドマ魔法『トルネード』――果たしてそれはどのような力を宿しているだろうか?
10
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参加者
| | a.後衛から弓矢で攻撃の予定だ。
| | リディオ・アリエクト(da0310) ♂ 26歳 人間 カムイ 風 | | |
| | b.はいはい、ライトの魔法で照らすわね~。カモ美、頑張る☆(笑)
| | カモミール・セリーザ(da0676) ♀ 31歳 ライトエルフ パドマ 陽 | | |
| | c.囮になって敵をカモ美のライトの範囲に誘導してみるつもりだ。
| | ソレイユ・ソルディアス(da0740) ♂ 21歳 人間 ヴォルセルク 陽 | | |
| | a.懲りないやつだな。まぁ、私は戦えればそれでいい。
| | ベル・キシニア(da1364) ♀ 28歳 人間 ヴォルセルク 風 | | |
| | a.厄介な敵だな。光源を確保できるのは有難い。無事石板を回収しよう。
| | アイオライト・クルーエル(da1727) ♂ 28歳 人間 ヴォルセルク 陽 | | |
| | b.無事に石板を持ち帰り、解読に回せるよう尽力いたします。
| | シャルル・シュルズベリ(da1825) ♂ 33歳 人間 カムイ 月 | | |