【SE07】研究と健康の為に

担当成瀬丈二
出発2020/11/06
種類イベント 日常
結果成功
MVPパオラ・ビュネル(da2035)
準MVPパメラ・ミストラル(da2002)
エイル・グラシア(da1892)

オープニング

◆ハウンドギルドにて
 ハウンドギルドでは新しい魔法の調査が大きなブームとなっている。
 ブームと言うと語弊がある‥‥しかし新しい魔法は、ハウンドたちに新たな力をもたらすハズだ。
 現在、ガーベラが調査中の資料は、様々な石材だ。
 古式ゆかしいコモン語の石板もあれば、古代文字ではないかと思われる石碑に刻まれた文章もある。
 また、舞とも何とも不明な絵もある──それらを解析するのが新魔法につながる研究だ。

登場キャラ

リプレイ

◆漢(おとこ)たちの戦場
「整理整頓に取り組むでござる」
 パラのパドマ、パルパ・グラッセンが最初にそう切り出した。
 新魔法の資料部屋の惨状を見れば、コモンとして当然のリアクションである。
「いよいよ、それがしのハウンド生活が始まるのでござるな‥‥それにしても散らかっておるな、皆様お疲れのご様子。部屋の掃除にも取り組むとしよう」
 しかし、研究スタッフたちは親が殺されそうな表情を浮かべる。
「知ってるか? 寝る前の運動で朝までぐっすりなんだぜ?」
 こう言って、にこやかに親指をあげるのは、ソルム・タタルである。
 その『運動』という単語を聞き、ミドルヘイムが蹂躙されたような表情を浮かべる、研究スタッフたち。
「これをちゃんと行えば疲れも溜まらず、リフレッシュできるぜ!」
 無邪気なソルム。まるでデュルガー王を見るような視線の研究スタッフ、その中にいた小さな影に目をつける。
「えーっと、寝ようとしてるヤツは‥‥っと。お──アンルシア、ちょうど良かった、体を動かすため、走りこみに行くぞ! 街を一周もすればぐっすりだぜ?」
 頭は半分以上眠っている、アンルシア・オールブライトの頭が左右に揺れた。
「はふ。では僕はひと眠り‥‥え? ストレッチ? 走りにいくんですか!? 僕も!? 今‥‥から」
「YES! YES!」
 元気な返答のソルム。彼は自分よりかなり背が低い、パラのアンルシアの頭を軽くてのひらで叩く。アンルシアは丈の短い衣装のため、性別不明に映ることもあるらしい。
「ふぅ‥‥ずっと起きっぱなしで、皆さんとってもお疲れで‥‥これ以上は僕も‥‥はふ‥‥眠気が来てしまって」
 現実逃避するように解説をするアンルシア。
 しかし、ソルムは白い歯を見せる。
「細かいことはいいんだよ」
「それって──いやああん! 絶対に疲れるやつじゃないですかヤダー!」
 子犬を背負うように、ソルムの肩に担がれると、ゾンビの群れを率いるようにアンルシアとともに表に出たのであった。
「交代要員である、ゆっくり休むのだよ」
 一方、パルパに視線を送る、エルマー・メスロン。魂のアイコンタクトだ。
 単純に言えば『研究スタッフが出払ってから、急ぎ整理整頓に励むのである』という内容。
 まあ、それなりに互いに情報は共有した方がいいかもしれない。多分、きっと‥‥メイビー?
 エルマーは文字に関しては異才とも言うべき実績をたたき出し、一種の権威と見られているようだ。
 いや、研究スタッフのテンションが壊れてきているだけかもしれない。
 たまにはそういう状況も存在する‥‥『たまに』ではあるが。

◆食〇のパ〇ラ
 ハウンドギルドの調理場で、パオラ・ビュネルは干し肉を炙り、あるいはイワシを香草を併せて調理する。
 パンに乗せ、手軽につまめるようにと、考えてはいるが、イワシの場合、パンがぐずぐずになりがちだ。
 これがミドルヘイムの常識である。
 ビール入りのマグを片手に、エイル・グラシアは干し肉を乗せたパンをかじる。
「ふうむ、これも一味違って面白い味じゃ」
 つまみに良いな、とはエイルの弁だ。
「進展はどうです」
「こういう疲れたときには、いきなりがっつり食べるよりも、こういうので軽めに済ませた方が‥‥あとが楽だったりすると思ったのですが」
 あれ、誰に答えたのか? とパオラは周囲を見渡す。
 そこにはマグを片手に持った、タィテ・オルサナナがいた。マグからは蜂蜜酒の香りが自己主張する。
「そういう考え方もあるのですか──なぜ固い料理を?」
「満腹だと眠くなるし、固いからいいんです‥‥噛めば頭が刺激されて目も覚めますし、噛むほどに食材の味も楽しめますし。って、退屈じゃありませんか」
「面白いです、興味深いです」
 ちょっとパイプを吹かすので失礼、とタィテは言って、この場を離れる。
「──」
 一方、パメラ・ミストラルはシチューを作る。乳成分たっぷりな濃厚な味──様々な意味はあるが、一皿で完結している品だ。
 完成度の高さはプラスαを入れづらくなる。マンドラゴラの下準備だけでそれなりに試行錯誤してしまう。
 そして、パメラとパオラで気づく。パオラはあくまで軽食を目指す。一方、パメラは相反する──おなか一杯がっつり食べてもらおうという意図だ。
 両立するのは難しい──いや、どっちかを選んでもらうのは簡単だが、どちらかが残ることが前提である。
「かくなる上は──」
 パオラが口に出す。沈黙のパメラ。
「味勝負」
 口に出すのは、アレッタ・レヴナントだ。
「では、審査員にはわしもじゃな」
 エイルが口びるを舌で湿す。
 無言で挙手するタィテ。何だかんだあって、聞いていたようだ。
 アレッタはうなずくと、黙ってハーブティー──ミントティーを出す──。
「全員、口の中をすっきりさせてからでもいいっしょ」
 ──さあ! いざ、尋常に!

◆そして──誰も‥‥
「ふむ、興味深いであるな」
 エルマーがメモに大体の判断──無論、短時間で、古代の書物を読破したわけではない──軽い覚え書のようなものだ。
「吾輩が見たところ、全属性のカムイが使える魔法と思われる」
 この魔法を矢にこめる魔法だ。何かの魔法を矢にこめ、矢の射程で発動できるという魔法らしい。

「しかし、これで『未知』が、ひとつ消えてしまったではないか‥‥いや、今のところは仮説にすぎないのだ!」
「‥‥なるほど、そういった事でござったか‥‥それがしは使えないが、アンルシアなどは嬉しがるであろう?」
 パルパは集めたメモを元の場所に戻していく。

「とはいえ、女性陣が静かになったであるが、見に行かなくて問題なかろうか?」
 パルパが興味深そうにするが、エルマーは押しとどめた。
「ジョシカイと言うものを知っているか? 今、女性陣はその忌まわしくも神聖な儀式に没頭しておるのだ──と、陽の精霊が告げておる」
 フォーノリッジ、気まぐれな陽のルミナが垣間見せる未来図のひとつだ。
 今日は陽精霊のお告げがあったの‥‥かもしれない。
「エルマーがそこまで言うとなれば、それがしは今は退いておこう」
 パルパが賢者の知恵──恐れ──に従って、そこは一歩下がった。

「おーい、残存率一割‥‥帰ってきたぜ」
 ソルムが肩を上下させながら、ローレックの街、一周ツアーから戻ってきた。
「おかえり、あれ? アンルシアは‥‥」
 アレッタがハープをかかえて、出迎える──どうやら、アンルシアは未帰還だ。
「さて眠る、食べる?」
 研究員は声をそろえた。
「眠りたい‥‥」
「では、一曲──」
 柔らかなメロディーを奏でだすアレッタ。
 数分の演奏の後に、研究員は眠りの園の住人となる。

 なお、ジョシカイの結果はパメラの圧倒的処理に終わったそうだ。
 独創的なアレンジを考えたパオラは基礎が足りていない。対して、オーソドックスな料理という王道を歩み、プラスアルファしただけのパメラである。
 その堅実さには、かなり及んでいなかった。
 たっぷりのシチューで胃を満たし、その上でひと眠りした研究員たちはまた、解読にいそしむ。
 新魔法『魔矢発動』が探求から実践による、実戦的な研究へとところを移すのは、間もなくである。

 こうして──ハウンドと研究員の日常が‥‥始まる!



 9

参加者

a.よく眠れそうな曲でも弾こうかねぇ。
アレッタ・レヴナント(da0637)
♀ 22歳 人間 パドマ 月
z.交代要員である、ゆっくり休むのだよ。
エルマー・メスロン(da1576)
♂ 50歳 ダークエルフ パドマ 陽
b.適度な飲酒は身も心も解きほぐすものじゃ!
エイル・グラシア(da1892)
♀ 31歳 人間 パドマ 風
z.知ってるか?寝る前のストレッチで朝までぐっすりなんだぜ?
ソルム・タタル(da1979)
♂ 24歳 ダークエルフ ヴォルセルク 地
b.(かきかき)『私は‥皆さんにシチューを作りますね。』
パメラ・ミストラル(da2002)
♀ 15歳 人間 カムイ 月
b.ふふ。いい口実です。
タィテ・オルサナナ(da2006)
♀ 20歳 人間 カムイ 水
b.何か目覚ましになるような、つまめるものを用意しましょう
パオラ・ビュネル(da2035)
♀ 20歳 ライトエルフ パドマ 地
c.はふ。では僕は一眠り……え?ストレッチ?走りにいくんですか!?僕も?!
アンルシア・オールブライト(da2037)
♂ 16歳 パラ カムイ 陽
z.整理整頓に取り組むでござる。
パルパ・グラッセン(da2044)
♂ 26歳 パラ パドマ 水


俺は疲れた──

誰も彼もが疲れていた──。