【HH04】惨劇の夜と魔豹

担当成瀬丈二
出発2020/09/09
種類ショート 冒険(討伐)
結果成功
MVPアザリー・アリアンロッド(da0594)
準MVPリザ・アレクサンデル(da0911)
ベドウィール・ブランウェン(da1124)

オープニング

◆Kill Them All?
 慈悲なき洞窟への探検に備えたハウンドのキャンプがある。
 今は星が降りそうな夜だ。無論、表に出れば寒さの洗礼を受けるだろう。
「あーさぶさぶ」
 ガーベラがトイレから帰ってくると(ガーベラに花をつむ、とかそういう言い回しは似合わぬ)、足音がした。
「誰や?」

登場キャラ

リプレイ

◆月と地と闇と
「今回も強敵だべな」
 そう言って、エルシー・カルはミスリルの斧頭や穂先を持つ、ハルバードを構えた。
 命綱として戦技魔法の成就に入るが、相手──魔獣グリマルキンたちは待ってくれない。
(むう魔法を成就する前にケガするべ‥‥いや──ここはバクチを打つかぁ)
 彼女は自らの防具に命運を託す。
 魔獣の爪が食い込む──さすがプレートアーマーだ。猫程度の爪ではビクともしない。これにガードを加えれば、まさしく鉄壁だろう。
「サテ、マンゾク?」
 魔獣は負けたにも関わらずエルシーをあざ笑った。
 今、攻撃した一匹目とは別に、後ろに控えた二匹が姿を変える。
 魔獣の本性、黒猫から黒豹に。その背中にはコウモリの翼があった。
 爪は鋭そうだ。
 エルシーが戦技の限りを尽くして、防具で受け止めても‥‥わからない。
「はあ、ドキドキするほど大ピンチだなっす」
 しかし、エルシーは何物にも恐れを抱かないのだ。
 一方、ベドウィール・ブランウェンは、魔獣が『犬がキライ?』程度の感想しか持っていない。
「さて、こちらとも遊んでくれませんか? 猫の扱いは結構得意です」
 言って、シノビブレードを構えなおす。この得物で受けに徹する。簡単には崩せないだろう。
 ──と、思いたい。

◆水と月と‥‥
「仲間の血は、己の血で贖ってもらうわ」
 無頼漢相手にスカラベ型ゴーレムをけしかけるべく、装身具に手をかけるのは、アザリー・アリアンロッドだった。
 無頼の輩が凄腕でも石造りのゴーレムには、相応の時間をかけないと倒せないと思いたい。
 その間に魔法を成就する、それが彼女の狙いだ。
「殺!」
 しかし、男はその様子を見て踏み込んできた。
 アザリーは先ほどの黒い炎を伴った斬撃を警戒する。彼女が盾を使わなかったのは幸いだ。無頼の輩の得物、ショーテルは盾さえ乗り越えるような造りなのだから。
 漆黒の刃が迫る。非常に高い水準の腕前であり、ハウンドでもこれだけの斬撃を繰り出すのは難しいだろう。
 故にアザリーはかわし切れず、体勢を崩したところを刃がらえた。その刃はプレートアーマーで十二分に防御した彼女の肌に食い込む。同時に黒い炎が噴き出した。
 黒い刃にはルミナパワーが付与されており、切れ味は余計に鋭利。
 存外に面倒くさい相手──アザリーは思わざるを得なかった。
 体力も消耗し、そこに黒い炎が迫る。その力を渾身の精神力でアザリーは耐えきった。しかし、彼女の防具は対魔法戦では十二分な力を持たない。
「こんな夜中に襲いに来るなんて、礼儀を知らない人ね‥‥どうして私たちの命を狙うの?」
「命令だ」
「あら、喋れるのかしら? 意外。叫ぶだけしかないと思っていたわ」
 言って、アザリーはスカラベ型ゴーレム起動する。
「さて遊んであげて‥‥次はもっと激しいプレイのため、準備するわ」

(アザリー少し時間を!)
 焦った様子の、リザ・アレクサンデルが端的なことを思う。時間とはこの場でもっとも作り出すのが難しいリソースだ。
 血だらけのガーベラの唇に回復薬をあてがう。
「さあゆっくり飲み込んで」
 ガーベラが嚥下する。
 容態は安定する。
「じゃあフルパワーであばれよっと‥‥アザリー」
(魔物を使役するテイマーがいるくらいだし、魔物の中にもテイマーがいるのかもしれないよね‥‥?)
「けれど、ムチは持っていないから、あれはダーナ崩れだろうね‥‥ローレライしている時間はないか」
 言ってリザはタイマソードを構える。

◆月光に導かれ
 エルシーは周囲を巡る二匹の黒豹グリマルキンの動きに注目する。
「どうせかわせないべ‥‥殴られるのが怖くなければ、襲って来い」
 誘ったところでハルバード叩き込む覚悟だ。相手がどういう攻撃に弱いかはまるで分からない。
 しかし、二匹が連携して飛び込んできた! 迫る二匹の片方にエルは豪胆に背を向け、片方をたたき切る。
 いや、見事な体さばきで避けられた。
「い、今のをかわすべか‥‥面倒だべ」
 背中からの攻撃は防具に防御を任せたエルシーだが、相手の爪はこちらを斬り裂けない。
 前方からの敵は体を立て直した後に彼女に飛びかかる。
 ガードの代償で回避が出来ない彼女だったが、避けも受けもできないが、喉笛に迫る一撃を弾いていく。
 攻撃を避けるか、弾くかそんな防御重視の戦いは、長丁場になりそうだった。
 しいて言えば、エルシーが本当に戦いを一時間続ければ、戦技魔法のための魔力が尽きるのだが、グリマルキンにそこまで理解出来ない。
 ただ、一般論を言えば、プレートアーマーを着込んで、ハルバードを振り回せる豪傑なのだ。敵に回せば退きたいだろう。

(ふむ、思ったより知恵がありますね‥‥タイマソードを借りられれば、黒猫を襲いたかった、いやノルンズダガーで攻めますか)
 ベドウィールは懐のノルンズダガーの重みを思い出し、考えを実行に移した。月光のように忍びやかに黒猫に迫る。
「──!」
 完全な不意打ち。黒猫型グリマルキンはそれなりの傷を負った。しかし、流血はない。
「コ、コロス!」
「やはり本物のデュルガーですか? 血が出ないとは‥‥」
 ベドウィールははじき出す。少なくとも以前に戦ったインプは出血しなかった。

 一方、自身に魔法を付与しているアザリーを襲おうとする無頼の輩だったが、リザの気配を感じたのか、そちらに注意力をそがれたようだ。
 襲いかかるスカラベ。その攻撃を完全に見切り、ショーテルと黒い炎で破壊し切る無頼の輩。
 完全なオーバーキル。相手にしてみれば、戦力がわからないので、全力で排除したのだろう。
 目を細めるアザリー──三秒稼ぎ、その間にミタマギリの魔法をグリーヴァライモンに付与できたのだ。
「やっぱり攻めないと駄目だわ‥‥」
 アザリーが呟く。
「ありがとうね、ゴーレム!」
 一気に駆け寄るリザ。
 タイマソードをふるい、一撃を狙う。
 無頼の輩はかわし切れない! 砂場でバランスを崩したのだろう。今回は運がなかった。
 血がしぶいた。
「まず、最初の血ね。少しきつめに取り立てるわよ」
 アザリーが血に酔ったように宣言する。

「ハウンドコロス」
 ベドウィールが傷つけた黒猫が有翼の黒豹に姿を変える。
 傷口が広がった。

◆悪夢の始まり
「殺!」
 無頼の輩はショーテルからの斬撃をアザリーに浴びせる。
「初志貫徹かしら?」
 同時に繰り出された黒い炎の苦痛をこらえるアザリー。
「シフールも殺せない、私も殺せない──本当にあなたは誰か殺せるの?」
 吐血しつつアザリーはあざ笑う。
 言ってグリーヴァライモンを突き立てるアザリー。無頼の輩はにやりと笑う。
 そして──。
 魔力を削り取られ気絶した。
 手からショーテルが取り落される。

「ヤバイ、ニゲルカ!」
 グリマルキンたちが合図しあうと、翼を広げる。
「負け猫が吠えてるべ」
 そこにエルシーがハルバードを突き立てる。
 多大な傷を負いつつグリマルキンは撤退した。
「深追いしないほうがいいべか‥‥」
 エルシーは追撃を断念。
 一方で話の焦点は倒れている無頼の輩に向けられる。
「これで縛るべ」
 魔鞭グレイプニルを引っ張り出すエルシーだった。

「黒幕は誰か、吐いてもらいましょうか? 我々少々手荒な手段をとってもいいですよ」
 ベドウィールの宣告。
 それからしばらくの『対話』ののち、無頼漢は言った。
『ウセルフラさまの手勢だ』と──。
「わーい『さま』つけとは、麗しい主従愛だね」
 リザがわざとらしく、言葉にする。
「よく言ったわ。イイ子ね」
 アザリーが彼のおとがいに手を当てた。
「なんか面倒そうだべ」
 エルシーは腕を組む。
「めんどうやなあ‥‥で、うせるふらってだれや?」
 ガーベラが不思議そうに問うた。周囲は一斉にツッコむ。
 ウセルフラ‥‥なぜか王位に就いていない、現在の王の兄だ。
 なぜ、彼が闇の住人と手を組むような輩に『ハウンド』を狙わせるのか?
「まだ、足りないピースが多そうですね。証人として王都に連れ帰りますか」
 ベドウィールがまとめる。
 しかし、ハウンドの夏は──つづく!



 8

参加者

a.仲間の血は、己の血で贖ってもらうわ。
アザリー・アリアンロッド(da0594)
♀ 25歳 人間 ヴォルセルク 月
b.大丈夫?なにかに憑かれたりしてない?
リザ・アレクサンデル(da0911)
♂ 20歳 人間 ヴォルセルク 水
b.とりあえずこちらで。
ベドウィール・ブランウェン(da1124)
♂ 23歳 人間 ヴォルセルク 月
b.前に出て頑張るべさ。
エルシー・カル(da2004)
♀ 18歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地
 こんかいばかりはだめかも──いや、こんなところでしんでたまるかー!
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


デテクルハウンドミナミナコロセー

今は悪魔が笑う時代‥‥ハウンドとか言う外国人が‥‥我が邪魔をするなら‥‥つぶす。(???)