オープニング
◆人体実験だ!
アルケミー──それは未知への挑戦。
アルケミー──それは力
アルケミー──それは勇気の証し!
「ということで、このアルケミーをずずっと堪能するがイイ」
自称、カマランさまの大ファン──そんなマイスターが、ハウンドギルドの研究員がいた。
名をネットフィールド(以下ネット)という。
彼からすすめられた飲料を飲んだのが始まりだった。
ミルクだったり、酒だったり、薬草茶だったり、それにアルケミーが混ぜられているとは‥‥思わなかったのだ。
「で、うちらになにをさせたいんや?」
問うのはミルクを飲んでしまったガーベラ。
「錬金術の発展のための礎になって欲しいのダ」
「なんぼだすんや? ‥‥おっしゃあ! のったで‥‥かねだしゃあ! あ、あ、なんじゃこりゃあ!?」
ガーベラは顔を赤らめると、シャツに手を突っ込んだ。
「おもてえわ‥‥」
そう自己申告した。
「脂肪の塊がそんなにいいとは思えぬガ‥‥面白イ」
ネットがうなずく。
「なにいれたんや!」
問い詰めるガーベラ。
「忘れタ、適当にダ」
弟子は(心の)師に倣う、らしい。
「おもたいわ!」
ガーベラもボケどころが違うらしい。
「さて、のこりふたつ‥‥どんな素晴らしい体験が待っているだろウ、楽しみダ」
ネットは確信犯だ。
──だから、ハウンドの日常は‥‥終わる!
選択肢
a.巨乳 | b.筋肉 |
c.性転換 | z.その他・未選択 |
マスターより
成瀬です。本当はガーベラが性転換する話にしようかと思いましたが、やっても恥ずかしくなさそうなのでい‥‥。
なお、ミルクは巨乳化? ひとつは性転換? ひとつはマッチョ化となるらしいです。
では、参加する皆さんにLUCK(幸運)&PLUCK(勇気)を!
登場キャラ
◆姉と弟? 兄と妹?
みなが‥‥人体実験の洗礼を受けていた、
巨乳と化した、
ガーベラもその例外ではない。しかし──中には悲劇もあった。
昔から言うではないが『巨乳はいいが、爆乳はいかん』と。
まず、ジョーカーのふたりから、見てみよう。
最初に、
ドール・ジョーカーが感じたのは、声の違和感だった。
「あら? ええ‥‥!? みんなどうしたの!?」
「そこそこのセクシーマッチョだよ」
と、言い放つのは生まれた時には弟だった、
ショウ・ジョーカーだ。
「ショウも可愛くなって、スレンダーな女の子よ‥‥やだ、私も!? あっ服がキツくて‥‥なんだか恥ずかしい‥‥!」
ドールの言葉に胸に手をやるショウ。
「害のない範囲ならちょっと面白いよね──って、あれ? なにこれ異議あり! 母さんも姉さんもボインボインなのに何で俺はこのサイズなのさ!? 血筋ちゃんと仕事しろし!!」
その何だ‥‥ショウの胸は非常に控えめだった。強いて言えば、大平原の小さな胸というヤツだろうか。
「ちょっとショウ、上着がはだけて見えちゃってるわよ! 小さくても女の子なんだから隠して!」
「見えてもいいよ──いや、見えたら困るようには──ミルク!? ミルク飲めばいいの!? ネットさんミルク! えっ、もうないの!?」
先に飲んだ人がいるという。それに関しては今は語るまい‥‥。
色々なやんだショウはおもむろに、ドールのズボンの前を引っ張り、観察。
「──!」
「きゃーっ、何するのショウ! エッチ!」
ドールのズボンの中を確認すると、べちーんと兄? 姉? の頬を叩く。
「ひゃんっ!? な、何で叩くのよぅ‥‥!」
「格差社会!! ‥‥叩いたのはいつもの仕返し! 痛いでしょ、もうやんないでね!」
「いつもって‥‥うーん、そういえばそんなことするときもあるっけ。根に持ってたのね」
◆アルケミーに不思議の成功アリ、不思議の失敗ナシ
「適当ってなに考えてやがるですか? ちゃんとなに使ったかわかんねぇと、再現できねぇんじゃねぇですか?」
そう、
レミー・マギウスは、普段より高い声とテンションで、ネットを攻め立てる。
おお‥‥人よ見よ! その胸の双つの巨峰を、腰のくびれを──ささやかにふくらんだ臀部の豊かさを!
「な‥‥なんで処方作んねぇんですか!? 再現しねぇとタダじゃおかねえですよ!!」
「安心しろ」
ネットは笑った。
「あっても、作るときの精神状態、星の位置、精霊力のバランス、エトセトラ、エトセトラ。似たようなものは出来てても、同じものはできん」
「それでも人は明日を夢見やがるものですよ!」
それが定めでも?
◆兄妹の肖像──あるいは悲劇と喜劇は紙一重?
「にいちゃんが姉ちゃんだったんだなんて‥‥!」
と、
アレックス・パーリィは大粒の涙をポロポロと流す。
「わふぅうう?!に、兄ちゃん、なんか‥‥む、胸が‥‥わ、わふっ?」
体のバランスを崩しつつ、加えて混乱したアレックスは、フードの下から義兄、
セシリオ・レヴナントの顔を覗き込む──印象は違う。
具体的には──。
「に、にいちゃんが姉ちゃんになっている!?」
「大事なことですか? 二度言ってますよ。まずは深呼吸しなさい」
セシリオにフェイスガードがあり、なおかつ印象が変わってもアレックスが、兄(姉?)と分かるのは家族の絆か──?
もっとも、セシリオは、起きた現象に対する学術的興味の方が大きく、さほど動じていない。
(声や、髪や身長は性別に合わせて変わるのか)
その程度の感慨である。
アレックスのパニックは止まらない。義妹の、
アレッタ・レヴナントに向き直る。
「アレッタ、アレッタ大変! ‥‥ってアレッタ大丈夫!?」
アレッタは腹を抱えてうずくまっている。大爆笑をこらえるので精いっぱいなのだ。
「だ、大丈夫。こ、この状況‥‥みんな慌てすぎ」
普段の声とは違う声を聞いたアレックスはパニック。
「アレッタが妹じゃなくて弟だよ! 兄ちゃんどうしよう!」
言って、セシリオの肩に手をかけようとして、バランスを失い。セシリオの胸をわしづかみ。とらぶった!
(ほう、これが胸を揉まれる感触。確かに痛いですね。悪意はないですし、とがめることはないですか‥‥肉体的に変わっているということで‥‥)
のんき(?)にすら思える口調でセシリオは検証する。
「兄ちゃん、これからは姉ちゃんと呼ばないと‥‥アレッタも‥‥僕どんなアレッタでもいいけどいつものアレッタが好きだよ」
めそめそ泣きだす、アレックス。しかし、その最中に自身がバランスを崩した理由に気づく。色々引っ込んだり、出っ張った場所があるのだ。
「アレックスもかわいい♪」
アレッタの声に、首を傾げながら──。
「で、でも‥‥僕じゃなくて私って言わないとダメなの?」
「大丈夫です、アレックス。僕っ子もいいものですから」
女性化の影響で思考のリミットが一部壊れたのか、セシリオは優しく声をかける。
アレッタは一曲歌って喉の調子を確かめようとしたが、目前のことに吹いてしまう。
「だ、ダメだよ、酷すぎる‥‥か、から」
◆彼氏彼女の情事(ウソ?)
ショウが欲してやまない、ミルクを飲み干したのは──
ベドウィール・ブランウェンだった。
「ふむふむ‥‥──ふむ‥‥。これは‥‥筋肉ですね? 胸部装甲度を高める的な‥‥? しかしこれでは装備に困ることになりそうです」
非常に的確かつ、ノンキな意見。
「しかし、リザは全然変わりませんね?」
彼の言葉に、
リザ・アレクサンデルは、真っ当な十代らしく違和感を感じていた。
「やだなにこれ、なんか変な感じするんだけど‥‥なにこれ! 女性本当に、やだやだこれ元に戻るの? いつ?! だって戻れないと困るし‥‥」
「大丈夫です。母君に似たかんばせですので、十分やって行けますよ」
断言するべドウィール。しかし、リザはそれで納得できるはずがない。
「‥‥ウィール、言いたいことがあるなら言っていいんだよ? ‥‥え? 胸? どこ見てんのさっていうか、あるよ! あるから! でも‥‥ウィールの方があるね‥‥」 手のひらで堂々とべドウィールの胸を撫でようとするリザ。
そこで手を止める。
「鎧脱ぎなよ‥‥窮屈だよね?」
「それ、女性にやったら大変なことになりますからね? こういうのはまあ、慣れてますし‥‥」
脱ごうよ、とショウ。
「ミルク出して! 胸が大きくなるヤツ!」
リザさんは全然変わりませんか、とドール。
「ショウも変わってないし、個人差があると思うよ」
ベドウィールはあさっての方向に視線を逸らす。
「ええ、本当に全く変わってませんし。近づいてみると、母君とそれほど似てもいませんね──リザの方が‥‥ええ‥‥随分と‥‥」
べドウィールは、女体化が解けるまで、リザと視線を合わせるまい。余計なことを言わないように、と誓ったらしい。
◆アルケミーX──そして、全てはデブになる
「でもってこういう実験するなら『まずは自分からだよな精神』でネットに全部混ぜたもの飲ませたい」
アレッタはパースト使えば処方調べて、レミーの願いは一部叶うかな、と思いつつも、イタズラ心を隠せない。
「全部混ぜですか! いいですね」
ネットがノリノリでアレッタの提案に乗ってきた。
「あまった材料を適当に混ぜて‥‥あと、ハーブと茶も適宜」
もはやアルケミーを超えた、アルケミーXと仮称すべき、存在が出来上がった。カップの中にあるのは、まさに水銀のような外見だ。
「んがゴク」
ネットは一気に飲み干した。
「マズーイもう一杯!」
(どうカオスになるのか見たい。予想は筋肉質巨乳女性)
アレッタの期待がどうあれ、周囲の視線が集まる。
はああ! と、声をあげるネット。
「んー間違ったかな──フフフ」
体が膨張する。二倍に三倍に、いや、十倍に。
そこにあったのは巨大な脂肪の塊だった。
「く! 早すぎたのです」
レミーが拳を握る。
一時間後、一同の体は元に戻った。
「‥‥効果がずっと続くヤツ、作ったら木人形(デク)にでもなってやるですよ?」
レミーの女子への探求は終わらない。
なお、ネット氏が元に戻るのには、あと三時間を要したことを付け加えておこう。
「楽しかったね!」
「──‥‥」
ドールのサムズアップサイン。
げんなり気味のショウ。この光景を恋人に見られなくて良かったと思う。
戻った後、アレックスは『にいちゃん、アレッタ』とアレッタとセシリオをもふもふし。モフ心地を確かめる。
「わふぅ、やっぱりにいちゃんはにいちゃん、アレッタはアレッタがいいよ」
アレックスはわんわん泣いた。これも兄妹の日常?
しかし、魂をアルケミーに捧げた日常は──つづく!
10
|
|
参加者
| | c.にいちゃんが姉ちゃんだったんだなんて…!(わふぅ)
| | アレックス・パーリィ(da0506) ♂ 28歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 地 | | |
| | c.…ふむ。やはりアルケミーでは通常ではありえないことがおきますね。
| | セシリオ・レヴナント(da0545) ♂ 28歳 ダークエルフ ヴォルセルク 水 | | |
| | c.害のない範囲ならちょっと面白いよね。って、あれ? なにこれ異議あり!
| | ショウ・ジョーカー(da0595) ♂ 20歳 人間 カムイ 月 | | |
| | c.~~~~!!!(爆笑しすぎて声にならない)
| | アレッタ・レヴナント(da0637) ♀ 25歳 人間 パドマ 月 | | |
| | c.ウィール? …ウィール?????????
| | リザ・アレクサンデル(da0911) ♂ 23歳 人間 ヴォルセルク 水 | | |
| | c.あら? ええ……!? みんなどうしたの!?(そっち)
| | ドール・ジョーカー(da1041) ♀ 25歳 人間 パドマ 陽 | | |
| | a.おかしいですねリザ、全く変わっていないのでは?
| | ベドウィール・ブランウェン(da1124) ♂ 27歳 人間 ヴォルセルク 月 | | |
| | c.…効果がずっと続くヤツ、作ったらモルモットにでもなってやるですよ?
| | レミー・マギウス(da1723) ♂ 19歳 人間 パドマ 風 | | |
ガーベラ巨乳となる!?
| |
こ、こんなじっけんしただほが!
|