髑髏の印、遺跡にあり

担当成瀬丈二
出発2020/02/24
種類ショート 冒険(討伐)
結果成功
MVPカモミール・セリーザ(da0676)
準MVPエクス・カイザー(da1679)
マリカ・ピエリーニ(da1228)

オープニング

◆魔の森にて‥‥再び
 魔の森である。いつもより少し踏み込んだ調査行を行ったハウンドたち。
 自分たちは強い。多少の魔物は力任せに倒せる。
 そう、魔の森に挑むのだ。フル装備で来ているのだ。
 明日は髑髏の印のついた遺跡に踏み込もう。
 そう考えて、コンディションを整えるべく、交代で見張りを立てる。

登場キャラ

リプレイ

◆魔の森の一夜
 音もなく、カモミール・セリーザの手から、魔法の杖がこぼれ落ちた。
 ライトの魔法を付与したものだ。
 カモミールはスカルロードの瘴気により、ガーベラ同様意識を失っている。
「‥‥そう来ると思って──いた!」
 転がった杖を、マリカ・ピエリーニは掴んで地面に突き立てた。
 倒れたふたりを、アンカ・ダエジフの随伴のブラウンベアが守りに入る。
「さあ、来なさいガイコツども、人間一度は死ぬものです──相手にとって不足なし!」
(全く、この森はトラブルに事欠かないわね。とはいえ私たちも黙ってやられるつもりはないわ。狩られる前に狩るまでよ!)
 戦技魔法のストライクと、ヴォルセルク魔法であるルミナパワーを付与するマリカ。
 彼女はスケルトンリーダーたちが踏み込んでこないのを見て、ガードの戦技魔法も付与する。
 太股に刻んだXの刺青を誇示し、あたかも闇の住人に対する挑戦をしているかの如し!
 カモミールの前に立つ、ユナ・プリセツカヤ──彼女は震えながら‥‥。
「ガ、ガイコツさん、怖すぎるぅ‥‥! で、でも気絶しちゃったカモミールさんを守らなきゃ!」
 盾を構えて守ることに集中する。自分を狙った攻撃には怯える。しかし、他人が傷つくのは庇おうとするのだ。
 誰が、そんなユナを弱いと言えるだろうか?
(怖いけど‥‥怖くないんだから! 絶対だれも泣かさないんだからーー!)
「健気な‥‥不浄の魔物め! 勇者は恐怖には屈せぬ!!」
 勇者たらんと、エクス・カイザーはタイマソードを手に、胸を張る。
「この場にいる男は私のみ──それよりなにより、仲間の勇気を奮い立たせ、倒れた仲間を守る事は勇者の務め‥‥我々はハウンドだ! この程度の魔物など恐れるに足らぬ!!」
(親玉と思える女王を倒し、悪夢の夜を終わらせてやる!!)
「フフフ、魔の体現者にして、魔法のアイドルたるダークエルフ、しかもアンカちゃんを狙うなど片腹痛いと、胃腸薬なのです。アンカちゃんの攻撃に合わせて斬りこむのですよ!」
 ローブをなびかせながら、アンカがヴィンドスヴァルを成就せんと、通常のものより長い魔法の杖をかざす。
「ハッ! 遺跡のお宝を手に入れるには、こいつらを片付けなきゃダメなようだね」
 風に華麗なヒゲをなぶらせ、気合とともにルミナショットを放つのは、セイ・ローガン。それを追いかけるように──。
「ま、そっちから出てくれたのはありがたいかね。ここでならあんたらも土に帰れるだろうしねぇ」
「──ヴィンドスヴァル、なのです!」
 吹雪がアンカの魔法の杖より吹き出し、前にいた数体を巻き込む。
 スケルトンリーダー四体が巻き込まれ、奥の方にいたスカルロードも無事では済まないようだ。

「いくぞ、破邪の一太刀浴びるがいい!」
 エクスを先頭に斬りこんでいくハウンドたち。
「殴る、殴る、殴る──更に殴るわ。いえ、あなたが昇天するまで私は殴るのを止めないわッ!」
 マリカがグリーヴァファングで乱打する。魔力の籠った一撃はスケルトンリーダーを一体打ち砕く。相手が凍結して回避しづらいことを狙っての猛攻だ。
「アンカ、何かかくし芸準備期待するからな? ピリカ、ふたりを頼んだからな、あとクマも頑張れ!」
 セイがハルバードを両手でふりまわしながら、踊りこんでいく。
 銀で打突部位を作られており、十分にスケルトンリーダーへの効力も期待できる。
 しかし、先頭に立つが故、エクスに攻撃が集中する。いや、それは勇者の本懐であろう。
 だが、乱打がタイマソードに集中し、剣にひびが入った!
 魔剣を叩き斬るのは、戦技バーストアタックだ。 
 同じくグリーヴァファングを破壊されたのはマリエも同様だ──。
 どうやら、このスケルトンリーダーたちは、ガードの戦技で防御し、相手の攻撃手段をバーストアタックで奪うと見える。
 エクスはタイマソードを投げ捨て、ハートの刻のナックルで戦う。マリエはそのまま素手で殴りつけた。
 とはいえ、今度はセイに攻撃が集中する。防具を破り、傷が増える。
「今度は何をして遊ぶんだろうね! ‥‥あ」
 スカルロードが前進してくる。セイもその瘴気に耐えきれず、意識を失ってしまう。
「こ、こここ、怖すぎるぅ‥‥!」
 震えるユナ。
「‥‥怖いけど‥‥やるもんっ!」
 光の範囲から一歩踏み出し、スカルロードに一撃を浴びせる。彼女の志が生んだ奇跡であろうか、その一撃をスカルロードはかわし切れない。
 スカルロードは斬撃を受け、ひるんだ(?)風であったが、返す一撃はまるで蛇のように、ユナの斧を絡め止めり、その手から弾き飛ばす。
 戦技ディザームだ。
 そのまま、スケルトンリーダーたちがユナに一刀を浴びせようとする、恐怖する──。
 しかし、退くわけには行かない。その強い想いがユナの目を閉じさせない。
 だが、次の瞬間、アンカの成就したヴィンドスヴァルの魔法が、吹雪となって荒れ狂う!
「アンカちゃんの精一杯なのです」
 スカルロードは崩れ落ちた。
 王冠が頭上から外れて、転がる。
「やれやれ、深酒をした気分だな」
 と、セイが立ち上がった。
「そろそろ、出番だと思いましたよ」
 目覚めたカモミールが格好をつけようとするが、手元に魔法の杖がない事に気づく。
「ふう、なにがおきたのや?」
 ガーベラが意識を取り戻す。
「ジャッジメントタイム! ユナ、キミも良くやった。アンカ、キミもだ」
 手近な一体のスケルトンリーダーを殴りつける、エクス。
「『エクスプロージョン』込みのマリエフィスト!」
 マリエがエクスプロージョンを叩き込み、スケルトンリーダーを破壊する。
「ああ、魔法の杖ありました。さあ──クマさんやりなさい」
 カモミールが宣言というより、夜間だと暴れづらいのは、陽属性のサダメか‥‥昔から言うではないか、太陽がある限りまけるものか、と。
「という所で、アンカ頼んだ‥‥」
 エクスの言葉に、アンカは思った『魔力が切れたのだな』と。
「まあ、いいのです。みなさんライトの範囲に入ってください。準備は良いですか? では──ヴィンドスヴァル!」
 アンカの範囲魔法により、スケルトンリーダーズ、轟沈!
「ところで、勝利の美酒もいいけど──」
 セイがアンカの肩を叩く。
「遺跡の中、大丈夫だろうな」
「ー♪」
 口笛を吹くアンカ。
「おい」
「いいじゃあないですか、我らは森の調査任務ですよ? 遺跡の調査ならともかく、障害を排除して、森の一画を平和にした──」
 と、カモミールが続けようとするが、セイの目は座っていた。
「勝利の美酒でも、やけ酒でも付き合いますよ?」
 カモミールは笑みを浮かべた。
「お相伴していいか? 剣が折れたので供養にな」
 エクスの折れた剣を見た、マリカも自分のグリーヴァファングを見やる。
「いい相棒でした」
「大変でしたね、みなさん」
 ユナは心配そうな表情だ。
「何にも出来なかった」
 彼女は落ち込んだ様子。
「てきのおやぶん、ぶんなぐったやろ? それでちゃらや」
 ガーベラはそう言うが、おそらく一番何にもしていないのは彼女だ。
 遺跡の調査のため、中に踏み込んだ。スケルトンリーダーやスカルロードの安置所以上の意味はなさそうである。
「まあ、そういう事もあるのです。ということで釣りに行きたい人は居ませんか?」
 アンカの言葉を必死で止める一同だった。
 魔の森に関する調査結果は、ハウンドギルドに送る。
 こうしてまたひとつ、神秘のヴェールがはがれていった。
 最後のヴェールがはがされるまで調査行は続くだろう。
 ──だから、ハウンドの探索は‥‥つづく!



 8

参加者

a.こ、こここ、怖すぎるぅ…!…怖いけど……やるもんっ!(震えながら)
ユナ・プリセツカヤ(da0671)
♀ 20歳 人間 ヴォルセルク 陽
c.バタンキュー(気絶)
カモミール・セリーザ(da0676)
♀ 31歳 ライトエルフ パドマ 陽
a.…相手にとって不足なし!
マリカ・ピエリーニ(da1228)
♀ 29歳 人間 ヴォルセルク 火
a.不浄の魔物め! 勇者は恐怖には屈せぬ!!
エクス・カイザー(da1679)
♂ 30歳 人間 ヴォルセルク 火
b.フフフ、魔の体現者たるDエルフを狙うなど片腹痛いのです(足が震えてる)
アンカ・ダエジフ(da1743)
♀ 26歳 ダークエルフ パドマ 水
a.チッ、遺跡のお宝を手に入れるには、こいつらを片付けなきゃダメなようだね
セイ・ローガン(da1834)
♀ 41歳 ドワーフ ヴォルセルク 火
 (しょーきなんてきらいや)
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


魔の森‥‥夜

ハウンドども! 戦いの時間だ! ロックンロール!!