オープニング
◆ローレックの街に向かう
森に住む老伝道師がいた。名はフランシスコ。
彼もまた、Xmasの教えを説くために、ムーンポータルで異国へと向かう。
教会から彼を迎えにいったのはハウンドではなく、様々な職能の集団だ。
その集団には十五歳の少女、レティシア・カークランドと、その相棒クーホペアがいた。
クーホペアは月属性のヴォルセルク魔法を使う,魔物、グレーターウルフだ。
「おやおや、可愛い迎えですな──みなさんに祝福を、そこの狼さんと、馬の方々にも」
言って空中にXを切る。彼なりの祝福の方法らしい。
「動物も祝福する?」
レティシアが問う。うなずくフランシスコ。
「大事な隣人ですから。汝の隣人を、そして敵を愛せ」
老人は相貌をほころばせた。
◆ローレックの街で
教会など様々な団体の調節で、フランシスコはウーディアに向かうことになる。
「失礼ですが、ハウンドという皆さんに会ってみたい。正確には彼らの相棒と」
レティシアがそれを伝えたのは、シフールのガーベラだ。
「まーかせてんか! うちがなんにんでもつれてきたるで! でも、あいぼうってどうぶつとかやろ。『ぬえ』とか『がが』とかも、入るんか?」
胸を叩いたのはいいが、疑問に思ってしまうガーベラ。
「それにしてもなんでみたいんやろ」
もっともな疑問だ。
「友を見れば、その人が分る、と言っていた、自分の命を預けるハウンドという『新しい』ものを知りたいという好奇心かも」
レティシアがそう言うが、自信はなさげだ。
会う場所は、ハウンドギルドの訓練場という事になる。
◆ハウンドを待ちながら
ともあれ、レティシアがクーホペアとともに、ハウンドたちを待つ。時間的余裕はなく、昼食を食べたらすぐウーディアに移動だ。
「楽しみですねえ、様々な相棒を見ることができそうで、眼福と思いますよ」
寒い中、フランシスコは相好を崩したまま。
はたして数名の影が見えてきた、きっとハウンドだろう。
中には旅路につきあうだけに来ている者もかもしれない。単純に自分の『相棒』を見てもらう事が目的の者も。
物見遊山というハウンドがいてもおかしくないだろう。
──ハウンドのXmasが始まる。
選択肢
a.早く着いた | b.時間通り |
c.遅れた | z.その他・未選択 |
マスターより
成瀬です。メリーXmas!
何回か登場している、猛獣使いのレティシアがいます。
彼女は基本的に切れのあるツッコミ役です。OPで描写されてことを把握すれば、問題はありません。
なお、今回は来る時間帯で、選択肢を分けています。別に事件とは起きるわけではないです。どのタイミングで登場するかだけです。
早く来て手持無沙汰な方もいるでしょうし、遅く来て昼食をともに、などという事もあるかな?
もちろん、ムーンポータルに行った先の話が描かれるわけではなく、基本はうちの子可愛い/自慢です。
力業ですが、コネクションとかでも、『相棒』を知りたいというフランシスコさんのオーダーには合致するかと。
ともあれ、短い午前中どう過ごしますか? 単にウワサなので見に来た、でもOKです。
では、美しき夜に向けて一歩を踏み出してください。
※RealTimeEvent【HoundHistory02】祝え拡げよXmas 連動シナリオ
本シナリオは、世界の歴史を動かす可能性を秘めた企画「リアルタイムイベント」に連動した特別シナリオです。
参加することで【HH02】を冠したグランドシナリオに参加する権利を得ることができます。
登場キャラ
◆早すぎた男
その男、
コニー・バイン曰く。
「ちと早く気過ぎたようですが‥‥まあ、遅刻するよりはいいですよね? で、ハウンドギルドで聞いた『相棒』ですか」
言って、コニーはドラゴングラスを直して、ディレクトガガの魔法を成就する。
髪飾りが、ガーゴイルへと変じたのだ。
「田舎にいた頃の相棒は農耕馬の『イセキ』でした。でも、連れてくるのはさすがに‥‥ともあれ、ハウンドギルドの一員として活動する、今の相棒はこのウッディガーゴイルの『ヤンマー』ですね。とは言っても、僕が未熟なせいかもしれませんが、『ヤンマー』の真価を発揮させられずにいます。でも、工夫はしているのですよ? 洞窟探検などでは、彼が先導して危険回避などに役立ってくれて、頼もしい相棒です」
「ほう」
と、笑みをこぼす、フランシスコさん。
「握手していただけますか?」
膝を折って『ヤンマー』に手を差し伸べる。
「まるで、人間みたいに扱うんですか」
猛獣使いのレティシアが疑問に思う。
「隣人ですしね。今後ともハウンドギルドの友‥‥あれ、お名前は?」
「あ!」
と、コニー。自己紹介より、『ヤンマー』の紹介に手いっぱいだったようだ。
「コニー、コニー・バインです」
なる程、コニーさんですか、と口の中で、言葉を転がすかのようなフランシスコさん。
「やぁ、だめっぺよ。精進せな、あかんなー。したら、『ヤンマ-』の方から見放されるけんどー‥‥いえ、僕も『ヤンマー』の相棒になれる様、精進します。やっぱり、緊張したのですか‥‥」
◆轟け! 轟け!
予定通り来たのは、
アステ・カイザー。
そして、ドワーフの、
セイ・ローガン。そしてダークエルフの、
アンカ・ダエジフと諸々の相棒たちだった。
早速、
ガーベラがツッコミを入れる。
「まず、じこしょうかいからするんやで!」
その言葉にコニーが咳払いした。
アステとアンカ、セイがそれぞれ自己紹介を始める。
「さて、みなさんいい名前ですね。込められた思いが伝わるようです」
フランシスコが一同を見渡す。
「では、改めて皆さんの相棒をご紹介いただきたい」
「私の相棒ですか?」
と、アステが先鞭をつける。
「今のところ、相棒と言えるほど長い付き合いではないですけど。最近、この子(ゴールデン)を飼い始めました。きっと未来の相棒候補です」
オーディア原産のゴールデンレトリバー、温厚だが水鳥の回収などに役に立つのだろう。
それはアステも、分かっているらしい。
「あまり、ハウンドとしての戦いには連れていけませんが、毛が長くて、気持ちいい犬なのです。疲れた時や苦しい思いをした時には、きっと私の心の癒しになてくれます☆ だから、魔物に苦しめられた人を慰める時なんかに、この子を連れいけば癒しになるかなーなんて思ったりしもしてますが
」
言うとアステは、そのゴールデンレトリバーの名を呼んだ。
「『マッハ・ビート』」
「どういう意味ですか?」
フランシスコさんが不思議そうな表情を浮かべる。
「分りません。でも、名前が世界に轟いてくれたらいいかな、とか」
「面白い想いですね」
アステの足元に座り込んだ『マッハ・ビート』の鼻を、レティシアの相棒のグレーターウルフの『クーホペア』が、軽く舌で舐める。
「‥‥?」
レティシアもこのリアクションは読めなかったらしい。
◆本物の相棒
「さてさて、相棒が動物やガーゴイルとは限らないのですよ。ねぇ、セイさん☆」
アンカがセイの頭に手をやる。
「ともあれ、ハウンドの相棒を見たいと? では連れ立って参りました、このドワーフのセイさんを紹介しましょう」
「誰があんたの相棒つーかペットだって、アンカ?」
「だいじなあいぼーですよー?」
棒読みだ。
「さておき、今回の趣向と異なるでしょうが、ダークエルフの私とドワーフのセイさんは種族の垣根を越えた相棒ですし、伝説の勇者の孫とおじいちゃんのみたいな関係なのです。自分で言ってても、意味不明ですが、つまりはそういう事です」
「いや、別に友を見たいと言いましたので、別にコモンを友にしてはいけない、ということはないですよ」
フランシスコの手を両手で握りしめるアンカ。
みょうな顔をする老伝道師。
「そういうリアクション待ってました!」
アンカの胸元から猫が顔を出す。
「とは言え、本来のお題を外すのもアレなのです」
温かいところから、冷めた空気の中で、とまどっているかもしれない。
「そこで見つけて、交渉の末に釣った魚を与える事を条件に獲得した猫の『ヌコ』もお見せしましょう」
「本当にアンカは猫と同レベルだから‥‥」
アンカの宣言に、セイはフォローにならないフォローを入れる。
「まあ、そこの猫の家主の、アンカの言うとおり、あたしゃアンカとのコンビでハウンドを始めたけどね」
ほうほう、とフランシスコ。
「まあ、動物の相棒というなら伝書鳩の『ブラッドピジョン』だね」
ぶらっくやないんやな? とガーベラがフシギそう。
「語感だけで言ってない?」
と、レティシアが、ガーベラがブラッドピジョンを探すのを手伝う。
「あたしゃこう見えて情報収集を得意とするんで、掴んだ情報をいち早く仲間に伝達する為にはこの子が頼りだ」
なる程、生命線ですな、とフランシスコ。
「でも伝書鳩が無事に帰還できる保証はないし、ある意味、あたしらハウンドよりも命をかけて働いてくれる──そういう意味で、大切な相棒って奴さね。今日もウーディアに行った後、無事の知らせがいるかもな、と考えてね」
と、小さなバスケットを出す。
「わーとりやとりや」
少し冷え込んできたから、とセイは、布をバスケットにかける。小型の生き物の体温維持は大切だ。
◆そしてウーディアへ
「‥‥いけませんわ。すっかりと遅れてしまいました」
軽食を取っている一同のもとに、
エフィ・カールステッドが参じた。
「じ‥‥」
ガーベラが同じパターンをやろうとするが、他の皆のフォローがあり、エフィは自分の紹介から始める。
「はうんどにおなじわざはつうじんのや‥‥」
軽くいじけるガーベラ。そんなデリカシーがあったのか!
「それでは私の相棒、バルキリー君を紹介しますわね。実はスパローホークのバルキリー君をちょっと遊ばせていたらすっかりと遅くなってしまいました」
バルキリーは俗にハイタカと呼ばれる、しかし完全にエフィに服従しているわけではなさそうだ。
「バルキリー君ったら丸焼きにしたらおいしかった‥‥ではなく、おいしそうなウサギを狩ってくるんですもの」
嬉しそうなエフィの笑み。
「今まで狩りは己の能力頼みでしたが、バルキリー君が来てから楽ちんですわ。たまに勝手に食べてしまうことがありますが。まあここら辺は今後の絆のでき次第でしょうね。絆が強くなればチームプレイも出来ますし」
あ、ウサギ肉ですが、少しですが持ってきました。御嫌でなければ──言って包みを出すエフィ。
「クーホペアさんとヌコ、それにマッハさんはホネですみません」
絆が通じたのか、バルキリー君はどや顔をした‥‥のかもしれない。
「あ、バルキリー君やんちゃはだめですからね」
エフィはきちんとしつけるタイプらしい。
動物たちの視線が上に集中した。
そこにいたのは、
エリアル・ウィンフィールドだ。鵺に乗っている。
「遅れましたわ、すんまへん!」
依頼帰りに遅れて到着したらしい、空から失礼というやつだ。
「良かったわ、フラんシスコのダンさん、まだ居てはったか」
自己紹介の最後に、エリアルは安堵の想いを付け加える。
「で、うちの相方、グリフォンのシャフトとガーゴイルのドールちゃんを紹介しますわ‥‥と、言いたいところやけど」
シャフトは完全に御しきれないので、遠くにつなぐのだそうだ。興奮して暴れると‥‥あまりいい旅立ちにはならない。
「でも、ガーゴイルは裏切らんさかい。このドールちゃんは、相手を睡眠で無力化し、かつ通常攻撃や雷撃が通じない出来る子ですわ」
少女像を思わせる塩の結晶像が、エリアルの相棒だ。
「ほんまか?」
ガーベラが目の前に立つ。
「うらみっこなしどす」
命じられたドールがガーベラを撫でると、ガーベラはいびきを立てて眠りだした。
「はい、お眠どす。で、まだヤンチャやけど、シャフトはああ見えても、空中を飛翔し、複数の技で強敵とも戦えるやっぱり出来る子ですぅ。因みに羽の手触りもバツグン」
エリアルのテンション上がる!
「で、まだまだ、相棒はこのふたりの他にもタイニードラゴンちゃん、ウォーホースちゃん、白黒模様のグリーヴァベアーちゃんとか紹介したい子が一杯。ああ連れて来れないのがもどかしい」
「ははは、では伝道の旅で会うことがあったら皆さんの相棒と会わせてください。時間ですね」
フランシスコが言い終えて数秒すると、神殿の鐘が鳴った。
旅立ちの時だろう。
見送るものもいる、旅立つ者もいる。様々な邂逅を重ねていく。
──だから、ハウンドの旅は‥‥続く!
7
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参加者
| | b.では私の愛犬マッハビート号をお見せします
| | アステ・カイザー(da0211) ♀ 27歳 人間 カムイ 水 | | |
| | c.それでは私のバルキリー君を紹介しますわね。
| | エフィ・カールステッド(da0439) ♀ 22歳 人間 カムイ 月 | | |
| | a.では、僕のGG[ウッディ]の自慢話を
| | コニー・バイン(da0737) ♂ 22歳 人間 マイスター 月 | | |
| | c.うちの自慢のお子達を紹介しますえ。
| | エリアル・ウィンフィールド(da1357) ♀ 49歳 ダークエルフ マイスター 水 | | |
| | b.相棒が動物やGGとは限らないのですよ。ねぇ、セイさん★
| | アンカ・ダエジフ(da1743) ♀ 26歳 ダークエルフ パドマ 水 | | |
| | b.誰があんたの相棒(ペット)だって、アンカ?
| | セイ・ローガン(da1834) ♀ 41歳 ドワーフ ヴォルセルク 火 | | |
ともだちをおしえてくれやと?
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ウーディアに向かう、老伝道師のフランシスコさんが、みなさんの相棒である、様々なものを知りたいとの事。お手すきの方、あるいは護衛の依頼を引き受けた方は、訓練場に向かってください(掲示版より)
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