えいぷげっちゅう!

担当成瀬丈二
出発2019/07/30
種類ショート 冒険(他)
結果成功
MVPクローネ・コーチャン(da0001)
準MVPアステ・カイザー(da0211)
コニー・バイン(da0737)

オープニング

◆ある朝焼けのころ
 ここはローレックの街、青空市場と呼ばれる場所だ。
 朝も早くから、様々なものが売り買いされており、それをもとめて人々がごったがえしている。
 まあ、多分騎士団が顔をしかめるようなものは売っていないはずだ。
「あ、レティシア、ひさしぶりやな。ちいとはおおきうなったんか?」
 ガーベラが以前に出会った猛獣使い、レティシアの顔を見て、声をかける。

登場キャラ

リプレイ

◆朝からチェイス!
「ということで任せたアステさん!」
 と、コニー・バインが言えば。
「任された。ぬからないで、コニー君!」
──返す、アステ・カイザーであった。
 ふたりのやり取りを見て、ガーベラは『あれだけの打ち合わせでようやるわ』と感嘆する。
「ヴァンデットエイプ‥‥夕食‥‥。考えない方がいい組み合わせですね」
 アリー・アリンガムが周囲のフォローをすべく、周囲を確認すると、陶器店の方が手薄だ。隣にいるDGSをした男を見れば──。
「では私は陶器店の方へ行きましょう。壺が割れてしまっては大変ですからね‥‥ククッ」
 クローネ・コーチャンが陶器店でいつもの『アレ』を準備するための場所をチェックする。
「さて‥‥フフッ」
 結構楽しそうだ。
「早くしないかグズども!」
 猛獣使いのレティシアに、管理を頼んだ貴族が、ハウンドたち相手に、一方的なカンシャクを爆発させる。
「ヴァンデットエイプの頭に傷をつけてみろ! タダじゃすまさないぞ!!」
 ああ、やっぱり‥‥とアリー。ちなみに今は仕事中ではないので『タイト(控えめな表現)』な衣装ではない。
「失礼しますが、食用で?」
 アリーの言葉に、貴族は驚いた表情だ。
「詳しいな‥‥パドマ。あれは新鮮な脳みそがサイコーだ!」
 多分、アリーが手にしている魔法の杖を見て判断したのだろう。しかし、怪しげな知識だ。
 そこにクローネが口をはさむ。
「コモンではないので、かわいそう云々はさて置きますが」
 人ごとの様に聞こえる口調、かもしれない。
「ヴァンデットエイプの脳みそが、新鮮なものが、至高にして究極とかいうのは『でまかせ』ですので。じゃあ、言う事は言いました──」
 言いたいことを言えると、検分に戻った。
 アリーも貴族も、クローネの迷いのない言葉に納得力を感じた。
「だ、そうです」
 アリーは言ってテレパシーの詠唱を始める。
「──テレパシー」
 言って彼女は『暴れてはいけない』という旨のイメージを送る。帰ってくるのは『怒り』『自由』というイメージ。
 相手の猿なみの知性の関係で、会話にならない。
「‥‥クローネさんのフォローに回りますか」

◆朝焼けの光の中に──
(故郷の村での収穫荒らす山猿との、農耕士としての戦いは、毎年帰らぬもの──作物を多数出しました‥‥その悲劇は終わりです)
 と言う訳で、コニーは青果店の防衛に回った。
「おやっさん! 猿が‥‥間に合わなかったべ」
 ヴァンデットエイプを匂いの強い果物などで誘引しようと考えていた、コニーであった。
 しかし、彼がマイスター魔法で作り出せるオクトパストラップは、身長160センチのヴァンデットエイプを誘うには、明らかにサイズ不足。
 やはり、ガーゴイルを作る時間もなかった。
「ならば! 悲劇の再生産を防ぐがや、スマン、店主!」
 まとめて、ネットを放る。
 絡みついたネットでヴァンデットエイプが混乱している間に──。
「──ディレクト、ガガ!」
 木のガーゴイルを魔法で使役する。
「猿さ押さえるべ」
 小さなガーゴイルは最善を尽くす。
「ふう、いい仕事さしたべ──しました」
 あせりが取れて、訛を隠す余裕も出てくるコニー。
(早くしてくれクローネ)
 シリアスな表情を浮かべるコニーであった。口を開かないので決まって見える。

◆──戦う。負けない、カモン!
「とりあえず、チーズよ! チーズ! お金は後で払うわね」
 ヴァンデットエイプより一呼吸早く乳製品の店についたアステ。
 匂いの強い乳製品で誘引しようと考えてのことだ。コニーと相談したので発想も似る‥‥らしい。
(市場の中で弓を引くわけには──)
 出されたチーズを受け取り、考えるアステに飛びかかるヴァンデットエイプ、彼(?)は光り物を目指し飛びかかる。
 彼らは光り物を好むのだ。
──それはX意匠品の『CROSS』だ。これは銀製なので、十分貴金属だろう。
 それを手にした瞬間、チーズにも気を取られる。
「あなたは私の信仰の証を汚した‥‥その罪──万死に値するわよ」
 ヴァンデットエイプの行為は、アステの怒りを買ったようだ。
──COOLがHOTになってしまった。
 腰から引っ張り出した、広げていないネットで殴打する。
「これは私の分ッ! これは私の分ッ! これも私の分ッ! これもッ! これもッ、全部ッ私の分ねッ!」
 そこまで言って、アステは気づいた。
「大丈夫? もう、怖がらなくていいのよ」
 ヴァンデットエイプは地面に腰を突き失禁していた。
「じゃあ、チーズの料金お支払いしますからね」
 乳製品の店主は、アステに対し、魔王か何かを見るような表情を浮かべるのみだった。

◆終わった、シナリオ完ッ!
 様子をうかがうクローネは沈思黙考。
(ヴァンデットエイプに間違いないですね。
 しかし、3匹の猿‥‥何処かで聞いたような‥‥サルい三連星‥‥いえ、節穴な目と、ソラミミストと、ツンデレでしたか‥‥?
(グリーヴァ風に言う所の『見ざる言わざる聞かざる』のことのかもしれない)
 空間的に空いた場所を見つけると、含み笑いをする。その上で語る。誰に語っているのだろう。
 ヴァンデットエイプ? 違う。
 おのれ? 多分違う。
 店主? まったく違う。
 神? おそらくそうだろう。
「──いつもの『オクトパストラップ』だと思いましたか? ンン? 勿論です──オクトパストラップ」
 クローネの魔法が成就され、巨大な壺がドンと横たわる。
 対ヴァンデットエイプ限定で誘引する壺だ。
「さあ‥‥入っても‥‥いいんですよ‥‥?」
 コニーが捕まえたヴァンデットエイプ以外が吸い寄せられるように壺の中に入る。
「もう、ヴァンデットエイプは我が手中。さて、どこの貴族かは存じ上げませんが、捕まえましたから、『万事解決』です‥‥多分」
 クローネの勝利宣言。

「ありがとうございます、クローネさん」
 レティシアがクローネに礼を言う。
「大したことは、していませんので」
 謙遜するクローネ。
「いやあ、立派な魔法だ。この三流の猛獣使いとは違うね‥‥ひょっとしら──ハウンドとか」
 貴族が掌を打ち合わせながら、そこまで言ったところで表情を変える。
「ハウンドの料金が幾らかご存じですか? 『早くしろ』というフレーズは依頼と取りましたが? 通常の料金に加えて、時間給も入りますから‥‥」
 クローネが疑問形で言っているだけだが、貴族は勝手に顔を赤くしたり、青くしたりする。
「さて──急用を思い出した、レティシア猿は、適当に処分しろ。では」
 貴族は逃げ出した。
「れてぃしあはん、さるいらないんなら、ぎるどで、そうおうのかねだして、ひきとるで?」
 ガーベラは言うのと、引き取るのは自分でないとばかりに提案する。
「可愛そうに怯えていただけですよ」
 アステが、キュアティブでヴァンデットエイプを癒して、連れてくる。ヴァンデットエイプは壺の中に吸い込まれるように消えた。
「しかし、忙しい朝でしたが‥‥」
 コニーが呟く。農家の朝は早いが、大立ち回りをするために早いのではない。
「れてぃしあはん、げんきなかったな」
 ギルドにヴァンデットエイプを引き取らせたガーベラが呟く。
「やはり、いつもの格好でないと調子が狂いますね」
 アリーの感想は非一般的すぎる。あえて、言うならば『ノーコメント』というフレーズだ。
「朝からヴァイオレンスしてしまいました」
 アステが呟く。やはり、罪だけ憎むべきだろうか? だが、すこしすっきりした表情だ。
「長い一日が始まりそうですね」
 そう! クローネの言葉通り、今日という日は始まったばかりだ。
 今日も──ハウンドの戦いは‥‥続く!



 9

参加者

b.ふむ、では私はこちらへ。壺が割れてしまっては大変ですからね…ククッ…
クローネ・コーチャン(da0001)
♂ 27歳 ダークエルフ マイスター 月
c.購入した乳製品で誘き寄せ、投網で捕獲を試みますね。
アステ・カイザー(da0211)
♀ 27歳 人間 カムイ 水
a.収穫を荒らす猿は農耕士の宿敵です。青果店に回りましょう。
コニー・バイン(da0737)
♂ 23歳 人間 マイスター 月
z.状況を見て足りない方に入りますね。
アリー・アリンガム(da1016)
♀ 29歳 人間 パドマ 月
 うちはレティシアのそばにおるで
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


でかいさるやな

あおぞらいちばきたら、むかしのしりあいとおうたんや。そしたら、さるがとびだしたで‥‥え、いみわからん? うちもわからんのや。なんかへんでえらそうなのが、ゆうしょくいうてたで。なんやろな?