ハウンド達の手にはそれぞれ招待状が握られている。
　それはアルピニオ地方のとある街を治める領主からのお祭りへの招待状だ。
　何でも希望の未来を願うことを名分としたお祭りらしい。
　ミドルヘイムの趨勢を決める情勢に向かった今だからこそ、その立役者であるところのハウンド達に参加してほしいという話だ。
　そう即ち、ハウンド達にほんの少しばかりの休息を――そんな依頼なのだという。
　ハウンド達は活気溢れる街並みを巡っていく。
　やがて、ハウンド達の視界の先に広がったのは一際大きな樹木だった。
（大きな木なのー。この大木の下に『未来への贈り物』を埋めるのなのー。……不思議な催しものなのー）
　思わず感激を唇に乗せてしまいそうなほどに、エルーカ・エルルカはその大木に魅入っていた。
　未来への贈り物。
　それは後に掘り出される予想の下に、この時代を記録するような品を容器の中にいろいろ納めて地中に埋める催しものである。
　地中に埋めるものは未来に向けた、あるいは過去に向けた手紙や品物など。
　いずれ年月が経ったら誰かに開けられるかもしれない遠い未来への贈り物だ。
「未来へ贈るものか」
「貴重過ぎる物は埋めないようにしないとな」
　ハウンド達は初夏の陽射しを浴びた大木を見上げる。
　やがて、ハウンド達は長い昔日を遡るような道程を思い起こす。
　今まで様々な出来事があった。ありふれたものや胸を強く打ったもの。傷痕のように深く残るものもあれば、それらさえも包み込む真綿のような暖かいものもある。
　あるいは……。 それらを今、この瞬間、未来に贈れるというのなら――。
「絶望の先には必ず希望はある」
　きっとハウンド達は何度でも言うのだろう。
「だから、みんなで一緒にどこまでも未来を歩いていこう」
　その不屈の果てに、望む未来の光明があると知っているから――。

◆選択肢の説明
・『未来への贈り物』
　街の片隅に大木があります。
　そこに後に掘り出される予定の下に、この時代を記録するような品を容器にいろいろ納めて地中に埋めます。
　地中に埋めるものは未来に向けた、あるいは過去に向けた手紙や絵、品物、ハウンドとして歩んできた依頼や戦いの記録などを納めることができます。
　アイテム化されている物、貴重過ぎる物は埋めることはできません。

◆未来への贈り物の例
・『未来の自分へ』の贈り物……〇年後の自分への手紙や品物など。
・『過去の自分へ』の贈り物……子供の頃の自分への手紙や品物など。
・『家族へ』の贈り物……〇年前、もしくは〇年後の家族への手紙や品物など。
・『大切な人へ』の贈り物……〇年前、もしくは〇年後の大切な人への手紙や品物など。
・『いずれ生まれてくる子供達や子孫へ』の贈り物……いずれ生まれてくる子供達や子孫への手紙や品物など。

・『想い出作り』
　街では様々な催しものが行われています。
　領主の屋敷で行われている立食パーティや結婚式の挙式体験に参加したり、出店などを巡ったりします。
　立食パーティでは今までの出来事を振り返ったり、これから先の展望を語ったりします。
　結婚式の挙式体験では結婚式を模した挙式を体験する事ができます。
　街には河川が巡っており、様々なお店が建ち並んでいます。
　手漕ぎ船に乗って、街を見て回る事もできます。

・『夢の中で』
　お祭りの夜、泊まった宿屋で月の聖獣、バクが見せる夢の中に迷い込みます。
　子供の頃の自分に会えたらいいな、子供の頃の大切な人に会えたらいいな、 未来の子供達に会えたらいいな、こんな感じの敵と夢の中で戦ってみたいな、自分が想像している未来の世界を巡ってみたいな、など、不思議な夢の世界に訪れることができます。