オープニング
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ギルドの調査員が、魔法強化のヒントになりそうな人物を見つけてきたというので、ハウンド達は早速その人物の元へと向かう。
そこは、ウーディアの山岳地帯。冬は雪深いことで有名な地域の、山間にある小さく貧しい村を抜けた先にある山小屋だった。
「ここに‥‥その人物が?」
ベリルが首を傾げる。というのも、そこは平たく言えば雪山だというのに、どうも越冬の準備がなされているようには見えなかった上に、そもそも人が住んでいるようにも見えないくらいに草臥れている。途中抜けてきた村の家々もつぎはぎされ、補修された様子ではあったがかなりのボロ屋であったが、この家のボロさ具合は別格である。
果たして、本当にここにその人物がいるというのか? 懐疑的になるハウンド達の視線の先で、がちゃりと取れかけた山小屋の扉が開く。
「おやお主達、いかがしたかな?」
のんびりした口調でたずねるのは、地面につくほどの長い顎髭を持ったケットシー。かなり老齢のようだが、身体つきは強靭だ。
「貴殿が‥‥グリーヴァで武術の修行をしてきたという人物か?」
ギルドの調査員の報告によれば、彼こそがグリーヴァで武術の修行を積み、達人と呼ぶに相応しい実力を持ったものである、らしい。何の武術かは、調査員にはわからなかった、とか。
固唾を飲んで返事を待つハウンド達を一瞥し、彼はからからと笑い出す。
「なんじゃそいつは。グリーヴァで武術? 知らんなぁ!」
「‥‥いや、しかし」
そんな筈はない。だって、この辺りにはこれしか山小屋はないのだ。小屋を間違える筈はないし、ギルドの調査員の情報も確かなものだ。となると、彼が惚けているという可能性しかない。
尚も食い下がるハウンド達に、彼は問う。
「もし仮にわしがその武術の達人であったとして、主らはその達人に何を望む?」
「修行を付けていただきたい。今の私達では敵わない脅威が迫っている。私達は、強くならなければならないんだ」
そう返すベリル。他のハウンド達も同様に、強くなる必要がある旨、修行を付けてもらいたい旨を、説明していく。ややあって、彼は髭を撫でながら唸る。
「ふぅむ‥‥まぁそんなような奴がいたのをちょっと思い出してきたような気がしてきたが、わしも忙しくてなぁ。越冬のために、薪集めと薪割り‥‥それから食糧集めをせにゃあならん。これを誰かが代わってくれたら、思い出すかもしれんのぉ‥‥」
ふぉふぉふぉ、などと笑う彼に、ハウンド達は顔を見合わせる。彼がその達人であるという事は、恐らく確実だ。なんせ他に人がいない。となれば、彼がその気になるまでは彼に付き合うしかない。
「その仕事‥‥私達に任せてもらえないだろうか。薪と食料はどの程度集めてくれば?」
問うベリルに、彼は大きく頷き、言う。
「そうじゃの。薪は200は欲しいのぉ‥‥食糧は30人くらいが2ヶ月分暮らしていけるくらいの量が最低限じゃが、なるべくたくさん集めてきて欲しいのぉ。肉と野菜、木の実と、野菜。保存用に加工してあるものも欲しいのぉ‥‥あとまぁせっかくじゃから、近くの村があったじゃろ? あそこの村の家と柵を修理してきてやってくれ。あそこの村の連中にはいつも世話になっとるからのぉ〜」
呆気に取られるハウンド達に、彼はからからと笑う。
「いやしかし、助かったわい。わしの記憶も、もしかしたら蘇るかもしれんのぉ〜」
ハウンド達は、このじいさん、もし仮にただの一般人だとしたら、なかなかの胆力だな‥‥などと遠い目をして思うのだった。
◆選択肢詳細
a、薪
薪集めと薪割りを担当してくださる方はこちらでお願いいたします。木の種類に特に指定はありませんが、薪のサイズは均等の方が使い勝手がいいでしょう。手斧は2つ用意があります。
b、食糧
肉、木の実、野菜の確保、加工を担当してくださる方はこちらにてご参加くださいませ。山にはウサギや鹿などの獣、木の実やきのこ、山菜などがあります。
c、村の補修
近隣の村の家、柵の補修を担当してくださる方はこちらでお願いいたします。工具は老人宅にもございますが、資材は現地調達になります。
選択肢
a.薪 | b.食糧 |
c.村の補修 | z.その他・未選択 |
マスターより
こんにちは、椎名です。この度はすっとぼけた謎の達人(と思しき人物)の頼み事を聞き、山を駆けずり回るシナリオになります。寒さが予想されますので、ご用意のほどお願いいたします。ベリルはa、にて参加する予定ですが、人手が足らないところがあればそちらに移動します。他、何かお手伝いすることがありましたらお声掛けください。
※【SubEpisode13】魔法の頂点を極めろ 関連シナリオ
シナリオの結果に応じ、魔法が限界突破されます
参加者
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c.この天才発明家にお任せあーれ! |
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キャサリン・モロアッチ(da0421)
♀ 21歳 ライトエルフ マイスター 風
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b.人手が足りてる気がするけど、狩りの方が得意だからな。 |
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ソレイユ・ソルディアス(da0740)
♂ 20歳 人間 ヴォルセルク 陽
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a.一人じゃ薪割りも大変だろ。私もやるさね。 |
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セイ・ローガン(da1834)
♀ 40歳 ドワーフ ヴォルセルク 火
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b.勿論、狩りに行きますよ。 |
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シェール・エクレール(da1900)
♀ 18歳 人間 カムイ 風
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c.ほっほっほっ、これはドワーフの腕の見せ所ですな。 |
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ビア・ダール(da1972)
♂ 53歳 ドワーフ カムイ 陽
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b.お前ら、肉だけ食わせるつもりなのか? |
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ケイナ・エクレール(da1988)
♀ 29歳 人間 カムイ 火
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a.薪割りも従者の仕事ですからね。 |
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アルトゥール・マグナス(da2136)
♂ 19歳 人間 ヴォルセルク 地
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どこから手をつけるべきか‥‥しかし、寒いな。 |
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ベリル・ボールドウィン(dz0037)
♀ 27歳 人間 ヴォルセルク 火
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