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ライブゲーム連動特別シナリオ『Save The KAPPA 〜鬼&カオス連合に占拠された定山渓温泉郷から河童たちを救え!〜』

◆ライブゲーム連動シナリオとは
 寒おで2016で行なわれたチームバトルを見事制した勝者が参加できる特別なシナリオです。

●オープニング

[定山渓、そこは地獄か楽園か]
 その来世人は、眩しい光の奔流に包まれていた。
 いつものギルド、いつもの水道橋を渡り、見慣れた江戸城を見上げた時、それは突然に起こったのだ。
 衝撃は感じなかった。ただ浮遊感だけを覚えている。
──僕は死んだのか
 そんな言葉が脳裏に浮かんだ刹那、全ての感覚が戻ってきた。
 湯船から伝わる温かさ、源泉かけ流しのせせらぎ、塩化物泉の匂い。
「ここは何処っ‥‥この地形、この泉質、まさか、ここは‥‥」
 そう、温泉マニアの彼女は知っていた。ここは紛れもなく、やがて定山渓と呼ばれる温泉地。今は蝦夷の奥地の秘湯でしかないそこにあるのは、アイヌの人が切り拓いたであろう温浴施設と、わずかな人々と、そして――
[集いし精鋭達]
――温泉マニアの来世人なる者が『定山渓』だと主張するこの温泉地。
 今日からここが、君達の住まいとなり、冒険の舞台となる。
 まずは、定山渓について説明しよう。
 あちこちに温泉が湧き出し、とりあえず定山渓ルーホテと名づけられた温浴施設には、北蔵(きたぞう)なる老人が住んでいる。自称『この地の主』だ。
 何より驚くべき事に――橋の下を覗き込んだ来世人(あるいはドラグナー)は、遥か下に温かいお湯が広がり、岩から流れ出た温泉の中ではしゃぐナマモノ達を見た――この温泉は河童の一大生息地だったのだ!
 ほどなくして、定山渓には数名の来世人とドラグナーが顔を揃えた。
 そしてそれと時を同じくして迫る不穏な空気――巨大な鬼の影! 不穏なカオスの気配! 這い寄る触手っぽいもの! 聞こえる「なのだよー」の声!
 いまや定山渓は、河童の楽園は、カオスの気配と鬼の脅威に包まれ始めている。
 鬼やカオスゴーレム達は、河童達を囚え、虐げ、愉しもうというのだ!
「このままでは、河童どもの皿も乾ききってしまうことだろうて‥‥さあ英雄よ来世人よ、お互いに切磋琢磨して己を磨き、助けた河童の力を借り、来たるべき最終決戦へと臨むのじゃあ!」
 北蔵は、迷い込んだ来世人とドラグナーをランダムにチーム分けし、お互いに競い合わせる『鍛錬』を行わせる事で、脅威へと立ち向かわせる事にしたのだ! 異論は認めない!
 赤・緑・青のチームに分かれた彼らは、数々の難題をクリアし、時に励ましあい時に潰しあう――体力鍛練(という名の腕相撲)・瞬発力鍛練(という名の叩いてかぶってジャンケンポン)・お絵描き鍛練(ただし利き手の反対で)・器用さ鍛練(箸で早食い)・ボイス鍛練(早口)・味覚鍛錬(利き健康茶や利きビール)・表現力鍛錬(ジェスチャー)・地獄の鍛錬(匍匐前進)・etc・etc‥‥
 この鍛錬勝負は、やがて青チームが制し、皆の想いを背負って、鬼とカオスに立ち向かうことになるだろう。
 時は寛永16年、あるいは精霊暦1600年。ここに紡がれる物語は、彼らの苦しい鍛錬、その栄光と挫折、そして河童の運命を背負ってラスボスに挑む、その一部始終である。
[マスターより]
 北野旅人です。このOPには、寒おでライブゲームで優勝した青チームの方々だけが参加できます。詳しい参加方法は別途メールにてご案内致します。
 プレイングに、どのキャラで参加するかや(戦来・TG両ゲーム対応)、どんな鍛錬バトルをおこなったかや(寒おででの出来事がネタにされます)、どんなふうにラスボスや取り巻きに挑むかを記入してください。
 基本的にギャグ風味になり、描写されるキャラも、元ゲームのキャラとは違った性格・性質で判定されたり描写されたりします。夢シナリオのような感覚で楽しんでください。
 ラスボスは「巨大鬼・冴鋭(さえい)」や「怪力鬼・福龍(ふくりゅう)」、そして「もうすぐ40歳になるカオスゴーレム・セーラーカマラーケン」です。取り巻きに無数の雑魚鬼やカオスゴーレムもいます。
 では、青チームの方もそうでない方も、リプレイの完成をお楽しみに!

●リプレイ

[厳ちい鍛錬]
 公平なアミダで選ばれた青チームの面々は、平口 工助(ka00157)柿島 啓悟(ka00197)佐藤 長行(ka00775)レイナス・フィゲリック(tb7223)リック・カリーニ(tz0078)の5名。なお緑チームは女性オンリーであり、赤チームはなんか猛者揃いだったがその話は今は割愛する。
 そしてさっそく始められた、なんとかバスケットとか、その決勝ビーチフラッグとか――それを制したのは、我らがリックであった。
「ふう、あの冴なんとかいう人、強かったな‥‥」
 リックは荒い息をつく。それは疲労と安堵の息――だが、これはあくまで開幕戦にすぎなかった。
 続いておこなわれたのは、七番勝負。様々な鍛錬を、チーム対抗でこなさねばならぬ――そのおそるべき死闘が、七つも突きつけられたのだ。
 そして今、凄まじい殺気をみなぎらせてハンマーを握り締めるのは、工助。皆からはエロ助という名誉ある称号を与えられた猛者(意味深)だ。
 そして――この瞬発力鍛錬、勝負は一撃で決まる。
「たたいてかぶってじゃんけんぽんっ! どあーっ、目の前の相手の真似をして俺馬鹿じゃん!」
 ぴこんっ。工助は見事に撃沈。
「そんな瞬発力では鬼やカオスに触れることもできんぞぃ!」
 北蔵の叱責が飛ぶ。ピコハンだって命懸けだ!
「くっそ‥‥けど俺には、器用さがあっぞ!」
 工助はその後、器用さ鍛錬に挑み、見事勝利を収める。箸で、ちいさなミント菓子を黙々と口に運び続けたのだ。かなりスースーするはずなのだが、工助はテキパキと食べ続けた。
 ちなみに他チームは、暴君ハバ〇ロとか花かつお節とかを箸で食べていたのだが――
「よっしゃ完食! ってアレ、赤と緑チームは?」
 工助の横に、他チームの姿はなかった――ハ〇ネロのあまりのからさに悶絶KOしたり、かつお節で盛大にむせて窒息したためであった。
「リタイア2名により青チームの勝利ですね。しかし工助、そのミン〇ィアも相当キツイはずでしたが‥‥?」
 レイナスが仲間を気遣う。だが工助は平気な顔で。
「なんてったって好物だし。この爽やか感がいっよな。今なら氷ブレスも吐けそうだぜ」
「そりゃあなによりだね。ちなみに俺は、石化ブレスとか吐けちゃうかも」
 そう言って笑う啓悟。北蔵手作りの『お好み焼きクッキー』を食べていたらしいが――
「いやー不自然にカタイわ、塩分入れてないのになぜかしょっぱい後味だわ、なんなのこの洋風せんべい?」
「ええい、ほわいとでいにカミさんにあげたやつはもっとヒドかったんだぞぃ!」
 北蔵はよりによって、カミさんを実験台にしてクッキー作りを練習していたらしい。みんな、知ってたか? クッキー生地は、うんしょうんしょとこねちゃダメなんだってさ。僕、思いっきりにギュッギュしてたよ‥‥
[河童を助けよ!]
 2日目はルーホテを出て、囚われの河童を救出したり(スマホでパシャパシャして)、少し遠出をして敵攻略のヒントを得るターンであった。
「はあ、はあ‥‥」
 長行は1人、定山渓を巡り囚われの河童を探していた。途中、『岩戸観音堂』なる怪しげな場所を見つけ、「ここには河童観音とかいるに違いない」と潜入したものの――
「‥‥河童なんていませんでしたね。仕方がないので、フツーの観音様を前に、こう僧兵としていーカンジに修行とかしてきたのですが‥‥ってなんですかその河童の群れは!?」
 長行がルーホテに戻ってみると、すでに3チームの有志が、力を合わせて河童を救出しまくっていた。それに同行していたレイナスは、ぽりぽりと頬をかくと。
「あ、すみません。なんとなく行きがかり上、皆で一緒に河童探索となってしまいまして。河童大王とかもいましたよ。あとジンギスカンおいしかったです。ラムとマトンのどちらも捨てがたく、自分だけ牡蠣までオーダーしてしまい‥‥」
「そんなメシテロは聞きたくありません! こうなったら白い巨人の体内に潜ってきます!」
 『白い巨人』の体内潜入、それもフィールド鍛錬の1つであった。それゆえ長行は、はるばる豊平峡温泉まで向かい、そこにいるという白い巨人を探すのだが――結局見つからずに帰ってきてしまう。こちらも不発だ。
「白い巨人ですって? 白い恋人さえ見つかりませんでしたよ」
 長行は不発を報告――その後、北蔵の追加ヒントを元に、あらためてリックが向かった事で判明したのだが、なんと、白い巨人は――すでに勝手に死んでいたのだ!!!(※注:巨大なかまくらがあり、中でジンギスカンパーティがおこなわれていた事を突き止めればよかったのだが、北蔵の下見からほんの数日で、かまくらは融けに融けまくり、入口は閉鎖されて巨大な雪見だいふくみたいになってしまっていたのである。ごめんなみんな、ほんとゴメンw)
「腐ってやがる‥‥遅すぎたんだ!」
 リックの報告を受け、長行は静かに阿修羅王真言を唱え腕を6本にすると、北蔵に六連撃ビンタを浴びせた。
「アバアバアバアバアバアバーッ!?」
「あれはナンだったんですか、まったく‥‥」
「いやだからナンは不正解で‥‥たしかにインドカレー屋さんはあったけどそっちじゃなくてオゴオゴオゴオゴオゴオゴーッ!?」
「おごですよ、ほんと」
[最終予選]
 こうして、チームで競い合いながら鍛錬を極めたドラグナー&来世人。しかし北蔵は、カオス&鬼との決戦を前に、究極の試練を課した。
「はいちゅうもーっく。今から、みなさんにはぁ、ちょっところしあいをしてぇ、もらいまあす」
「「「な、なんだってー!」」」
 謎の超展開。当然、工助は抗議する。
「っつか意味わかんねー。だって強くなるためにチーム戦してたんだろ? 3チームでボスに挑めばいんじゃ‥‥」
「甘い、甘いぞ! この究極のサバイバルバトルを経て、初めて最強の覚悟とかチームワークとか、あと‥‥とにかくそういったものを得られるんじゃ! それがなければカオスも鬼も倒せん!」
「そ、そーいうモンか? ‥‥なら、いっか」
 工助は単純だった! ズコー!
「男子の生存率は1%! さあ、全てを出し切り、勝者となれぃ!」
 北蔵の檄でテキトーに始まった三つどもえの戦い。ここで大活躍したのは――レイナス!
「タイミングは一瞬、良く狙って‥‥3、2、‥‥今です!」
 針の穴をも通すような、正確な射撃――と見まごうばかりの、完璧なストップウォッチ術!
「な、まさか、3.00ジャストで止めただと!?」
 無理難題を押し付けたつもりの敵チーム、レイナスのファインプレーに動揺が走る! さらに!
「なにっ、指で止めただと‥‥!?」
 さらに動揺する敵チーム。セグママ、じゃなかったレイナスは!
「グリーヴァに伝わる気脈とツボの知識、あの鍛錬があれば造作も無い事。さあ、自分がおさえている間に‥‥!」
 おもむろに男らしさを発揮し、指立て伏せを7回キメてチームに貢献! すごいな北蔵は1回もできないよこんなの。
「うっし、いけっぞ俺ら!」
 勢いづく工助!
「よーし、大変申し訳ないけど、女子ばっかの緑チームに、体力試練を連発しよっか」
 啓悟はゴメンゴメンと言いながらも、容赦なくライバルチームを潰しにかかる!
「とりあえず赤にトドメ刺そうか。勝負だからね、手は抜かないよ」
 リックは、あえての赤チーム集中攻撃! ――そうそう、メタな話をすると赤チームはアミダの結果冴島某とはっぴー某がおり、しかも空気読まずにガチで勝ちにいっていたので逆に両チームに警戒されまくってしまっていたのである(よって集中砲火を浴びて最初に撃沈したのだズコー!)。
 こうした青チームの冷酷な戦術が巧を奏し、緑チームと赤チームは【Dead】、選抜チームは青で決定となった。
「よくやった! おヌシらならきっと悪を倒せるであろう‥‥さあゆけ青チームよ!」
 北蔵がそう言うやいなや、外からおそるべきうなり声が聞こえてきた!
[鬼とカオスの軍勢]
 定山渓は囲まれていた――身長100mはあろうかという巨大鬼・冴鋭。カタくてフットいやつが30cmはあろうかという粗暴鬼・福龍‥‥あ、金棒としては短めですかね? そして、なんていうことだ、もうすぐ40歳になってしまうが必死に22歳だと主張するカオスゴーレム・セーラーカマラーケンは、スカートの中から触手がウネウネだ!
「いやあ、勝てるのかなあ、あんなのに」
 啓悟は苦笑する。だがリックは真剣だ。
「倒れていったみんなの分、きちんと頑張らないとね! 行こう、河童たちの笑顔のために!」
「はい。ま、倒れていったというかこの手でトドメを刺してきたわけですが」
 レイナスのつぶやきはリックには聞こえていない――なぜなら、セーラーカマラーケンの禍々しさに衝撃を受けていたからだ。
「えっ、あれだけなんか違わない? なんか、その、なにかの値がゴリゴリと削られるような‥‥」
「あークモカマ様のセーラー服脱がせてぇ。目指せエロ!」
「なにを乱心してるのエロ助!?」
 リックはびびる――あれの中がどうなってるかなんて見たら‥‥発狂しそうだ。
「とりあえず取り巻きはお任せください。鍛錬の成果を見せてあげましょう」
 長行は、修験者らしいストイックさで、淡々と退魔法を成就し、鬼とカオスゴーレムに挑む。幻影の手を生やしたり、まばゆい光で成仏させたり、あと目から怪光線を発したりと、そういったいいカンジの魔法で鬼を粉砕!
「こっちは肉弾戦!」
 工助もブレードオブブラック+99とかを振り回し、カオスゴーレムをスパスパ切断! そこへ、助けてもらった河童らがキューキューと群がって、ゴーレムコアをしっかり捕まえて、なんか「しまっちゃおうね」ってカンジで岩場に封印してしまった!
「強ぇ! 俺ら最強!」
「いえ、まだザコです。本当の戦いはこれからでしょう」
 工助と長行は、ボス鬼と戦う仲間を見やった。
 そう、その視線の先では、リックとレイナスがドラグナーとして鬼の大将と対峙していた! なんて組み合わせだ。
「喰らえ、睡眠不足と乗り物酔いと緊張できちんと堪能できなかった食い物の恨み!」
 リックは謎のマントラめいた呪文を発しつつ、火縄銃をぶっぱなす。
「ウワーヤラレター」
 福龍、膝に銃弾を受けて死亡! すんません尺の関係で出番ないですはっぴーさん。
 しかし、ここでリックは唐突に膝をつく。いったい何にやられたのか?
「クッ、今になって昨日のMJが効いてきやがった‥‥だが、俺がやられても、チームの皆が必ず倒してくれるはずだ‥‥!」
 そう、リックは前日の『大喜利』なる鍛錬において、MSとは思えぬ大スベリ発言を連発し、罰として大量のマズイジュースを飲まされるはめになっていたのだ! ラー油ラムネとかずんだサイダーとかたこ焼きラムネとかなんとかかんとか、ただでさえマズイのに、しかもリックは炭酸を受け付けない体質であったため、そのダメージは通常の3倍。
「リック!? やはり、彼はもう、とても戦える身体では‥‥」
 レイナスはリックに向けてX字を切る。よし、これでもう、いつ死んでもよし。
 だがそんなレイナスの胸に、冴鋭の恐るべき鋭利な爪が襲い掛かる!
「うあーっ!?」
 心臓を貫かれたか!? 万事休すか!?
「‥‥いえ、生きてます。そうか、これのお陰ですね。まさかこんな形で助けになるとは」
 その胸ポッケには――北蔵が作った、硬〜いクッキーが納められていた。これが爪を防いだのだ。
「いやあ、あまりのコシの強さに完食を諦め、コッソリ胸に隠していたのが命を救ってくれたようです」
 レイナスは女神に感謝する。しかし、超デカい冴鋭を倒すには、どうすれば‥‥
「‥‥ええい、これでも喰らえっ!」
 リックだ。最後の力を振り絞り、最後のMJを冴鋭に投げつけた! それは見事に冴鋭の口に収まり――
「グオオオオ!? アマイノ、ダケハ、アカーーン!」
 なんと、冴鋭は甘いものが弱点だったのだ! クリティカルヒット! 冴鋭は死んだ! 余談だが女鬼の『春公』はパイナップルで死ぬらしい。
「勝った‥‥あとは‥‥」
 リックは啓悟を見やった。彼はいま、名状しがたきナマモノのセーラーカマラーケンと対峙していた。
「日本武尊(ヤマトタケル)の昔から、ボスキャラには酒ってお約束でしょ。とりあえず酒は用意したし、ボス戦はそこそこいけるんじゃないかなーと。本当は一升瓶持ってきたかったんだけどね」
 啓悟はそっと酒瓶を掲げ、カマラーケンへと近づいていく。カオスの権化カマラーケンは、うねうねと威嚇する。
「おにーさん、ハンパなお酒はノーセンキューなのだよー。もうすぐ40だけど、強いお酒がいいのだよー」
「つーかクモカマ同い年かよ?! っとそれはさておき、酒呑んで話すれば多少は分かり会えるんじゃないかなーと思ったけど‥‥それならこっちはどう? 珍しい海外のビールだよ」
 啓悟がへらへら近づくと、カマラーケンは「そういうことなら」とおとなしく酌をされ。
「さー兄さん飲みねえ飲みねえ♪」
「ごきゅごきゅ‥‥ってちょー苦いのだよー!? 40歳になんてもの飲ませるのだよー!」
「隙あり!」
 と、そこへ背後から工助が組み付いた! 首にしがみつくと、日本酒[KKK]をムリヤリ口に含ませようとする。
「さあこいつを飲んで、エロについて語りあおっぜ」
「いやーなのだよー、そんなヒドイ酒どこから持ってきたのだよー」
「「「つーかお前が作ったんだろ!?」」」
 一同のツッコミを受けるカマラーケン。と、触手を最大限に回転させ、工助も啓悟も弾き飛ばしてしまう。
「もー怒ったのだよー。かくなるうえは‥‥」
 なにかタツジンめいた構えを取るカマラーケン。身構える青チーム。そして!
「最終奥義! ‥‥とんずらー」
 シャカシャカシャカシャカシャカシャカ――触手をガンこぎして、KKK様は逃げた!
「逃げ足、速っ‥‥とはいえこれで、定山渓に平和が訪れましたね」
 長行がそう言うと、無数の河童達は、きゅーきゅー(ばんざーい)と諸手をあげるのだった。
[河童さえ無事ならば]
 苦しい鍛錬と戦いは終わった。工助は皆を地蔵菩薩慈悲真言で癒すと、遠くを眺めつつ、しみじみ言った。
「セーラー服‥‥次はメイド服がいっな」
「いいえよくない」
 長行も遠い目をすると、とりあえず自分らのコヤシになった他チームのためにナンマンダブとか言っといた。
「ま、酒は楽しかったし、鍛錬も盛り上がったし‥‥まあ何人か死んじゃったけど‥‥あといい風呂だったね、うん!」
 啓悟が笑うと、レイナスもくすりとし。
「そうだ、クッキーで一息つきませんか? 自分も作ってきたんですよ、河童のクッキーと桜のクッキー‥‥あっあっちょっと待って」
 が、それを出すやいなや、河童たちがきゅーきゅーと手をのばし、次々を奪われていく――リックはかろうじて1枚を手にし、ぱくり。
「うん、おいしい! 北蔵のとはえらい違いで」
「うっさいわい! ともかく、定山渓を守ってくれてありがとうの、ドラグナー&来世人よ。さあ、無事に帰るまでが寒おでじゃ。またいつか、湯治にくるがええぞ」
 北蔵と河童の感謝を背に受けて、英雄たちは帰っていく。元の世界へ、元の生活へ――もうこんな、おかしな場所へ召喚されることもないだろうと思いながら‥‥
「ところがどっこい! なのだよー」
 おおっと、KKK様がなにやら唱えているぞ!? その呪文とは‥‥『お・で・っ・く・す』!?
――おでっくす・ナニワPBW道編に続く――

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