図書館リアイベ

SE10暗き海域、暗きメロウ

第10回サブエピソード 神聖暦921年7月
暗き海域、暗きメロウ
21/7/01

「メロウを食べれば不老不死になるなんて全くのガセ! ナンセンス! 交流のない種族ゆえに誤解が多いが、そもメロウ側が交流を断とうとするのは、我々が欲に目がくらんで漁獲しようとするためではないか!
 いいかね、メロウはね‥‥いいもの、なんだよ‥‥
 で、あるからして、そのへんうまいことやるためにだね、海賊の依頼? それはチャチャッとテキトーにやっといてだね、ダークメロウについてしっかり調査を頼むよ、ハウンド諸君!」
21/7/01

海賊からの依頼、その先には

[海賊の依頼、受けちゃった]
 海賊諸島。オーディア島の東にある島々。激しい海流と無数の暗礁による船の難所であり、あえて近づく船のほとんどいない海域だ。
 そこは、海賊の根城があるとか、今は亡き大海賊のお宝があるとか、いや大海賊の幽霊船が牙を剥くとか、噂ばかりが絶えない――だが、今回、明白になったことがある。それは、そこに確かに、海賊団がいるということだ。
 なぜ判明したかというと、そこの海賊「ドルガリ団」が、ハウンドギルドに依頼を持ち掛けてきたからである。
 いくらハウンドギルドが破天荒でも、通常、得体の知れない海賊の依頼など受けようはずもない。ところが、ギルドマスターのマクール(dz0002)は、あっさり受諾してしまった。
「なんでかって? 報酬額がメチャクチャ高かったんだよ」
 な、なるほど‥‥そりゃ仕方ない。
「それに連中の頼みは、ダークサイドの退治だ。誰の頼みでも、ダークサイド討伐はしとくべきだろ‥‥けどな、これらが本当の意図じゃねーぞ」
 マクールによると、ケタ違いの高額報酬を提示する海賊団というのが、まず腑に落ちないという。
 しかも、相手は聞いたこともない海賊だ。海賊諸島に身を潜めて、ひっそり活動していたならば、名が知られていないのは納得できるが、それが高額報酬を提示できる理由も、またそうする意味も、正直アヤシイ。
「つまり、海賊諸島に何かある、と見るべきだろうな‥‥いい機会だ、カネは頂き、ダークサイド討伐はしつつ、連中と、海賊諸島について、探りを入れてやろうじゃねーか。それにしても連中、本当に海賊なのかねえ。海賊にしちゃあ、なんか、デキるカンジが強すぎる気がすんだよなー」
[メロウについて、もの申す!]
 さて、この海賊諸島、事前情報によれば、ダークサイドが大量に発生し、中でもダークメロウの姿が目立つという。
 メロウといえば、食べると不老不死になれるという噂により、貴族などからの狩猟依頼も絶えない。一方で、アニマルではなくエルフィン(妖精)なのではないかとの説もあり、「コモンとして扱い、むやみに食べるべきではないしれない」という学説も生まれている。
 そして最近、その後者の説の強烈な提唱者が、シフール研究の第一人者でもある、ローデル・ワーズワース(dz0050)であった。シフールだけでなくいろんな異種族大好き(つまりヒューマン以外が好き)な彼の興味は最近、メロウに向かいまくっているようで――しかし、彼の反論は、学会でも鼻で笑われることの方が多いのが実情だ。これは、なにもローデルが変人というわけではなく(失礼)、この意見が『世間に染みついている常識』を真っ向否定するものであるからなのだ。
「私はもっと、メロウについて研究し、彼らへの迫害を止めたいと思っている。とはいえ、メロウから見ればこの賢明なる学者でさえも、恐るべき捕食者に見えるのだろう‥‥実地調査は難航続きなのだ」
 ローデルはハウンドらを前に、熱く語る。
「そこでだ、今回の海賊諸島案件について、ダークメロウの研究とディスミゼルを、優先的に行なってもらいたいのだ。もしディスミゼルに成功すれば、ハウンドはメロウから一目置かれ、信用を得やすくなるだろう。そうなれば私の研究も大いに楽になるはず。これは決定だよ、すでに私がギルド長に直談判して許可は取ってあるからね」
 はて、マクールの真意はどこにあるのだろう‥‥それについては不明だが、ともかく、ハウンドのすべきことは、決まった。
 海賊の依頼を受けて、海賊諸島でダークサイドに対処する。
 同時に、海賊諸島および海賊そのものについても探ってみる。
 さらにさらに、ダークメロウのディスミゼルも優先的に目指す。
 ――こりゃ大変だ。ハウンドの多くがそう思った。だが同時に、こうも思った。凍てつく冬の海じゃなく、じゅうぶん泳げる夏の海でよかった、と‥‥
[海賊諸島の陰にて]
 ハウンドに依頼を持ちかけ、無事受諾された海賊団長は、安堵のため息とともに、本来の姿に戻っていた――すなわち、しなやかな毛並みと肉体の、黒毛のカーシーの姿にである。
「さすがのハウンドも、多額の報酬に目がくらんだか‥‥しかし、すんなり行き過ぎですね、いや、だな。すでに怪しまれてると見ておかねば‥‥」
 ギルドで交渉した際には、ヒューマンの姿で、眼光鋭い歴戦の戦士、という風体であった。この者は団名から察せられる通り、ドルガリと名乗った者だ。そして、引き連れた手下どももまた、猛者を思わせる風体であった。
「どう転ぶかわかりませんが‥‥わからねーが、これが次善の策ってやつだ。オッシャ」
 ――そして、海賊諸島の、どこかでは。
「本当にこれでいいのかな、兄さん」
「よせ。これが次善の策ってやつさ。今さら引けるものか‥‥」
 今日も、海賊諸島の海流は、激しく複雑に渦巻いていた。
21/7/01

イベントスケジュール

・逢瀬の日921特別プレゼント企画
 7月1~31日
・関連シナリオ
 7月5日~8月18日
21/7/01

逢瀬の日921特別プレゼント企画

 7月1~31日の間、相互フォロー者またはNPCへカードを1枚送ることができます。
 詳細は「酒場>プレゼント」をご覧ください(プレゼント用ページは期間中にのみ出現します)。
 合わせてプレゼントに最適なアイテムが登場しました。武器屋や「逢瀬の日&夏満喫SP21」で入手可能です。
21/7/01


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