図書館リアイベ

HH05来たれシフールの里

第5回リアルタイムイベント 2020年12月
来たれシフールの里
21/2/04

シーハリオンの嵐を抜けて

[ローデル、シフール、茨の洞窟]
 この話の発端は、先日よりハウンドギルドに協力するようになったローデル・ワーズワース氏(dz0050)となる。
 変人貴族だが、シフール研究においては天下一と言われるローデル。その研究成果は「R論文」などに詳しい――しかし、そんな彼でも、シフール誕生の神秘を目にしたことはなく、その秘密を解き明かした、とまではとても言えない段階であった。
「R論文、シフールの巣立ちについてのアレか‥‥アレは、ダークエルフ王家の者と親しくなり、彼らから聞いた話を基にしたものだ。彼らは、『シフールの里』への入口を知っているのだよ。だがそこは、誰もが通れるわけではない。かくいう私も散々な目に遭った‥‥」
 その入口は、俗に「茨(いばら)の洞窟」と呼ばれている。アルピニオにそびえ立つ、風のシーハリオン、その周囲を取り囲む強烈な嵐の壁――それに隣接する幽玄な森の中に、その洞窟はひっそりと隠れている。
 だが、見つけてもそこからが大変だ。それは名前の通り、鋭い茨の蔦が無数に張り巡らされており、通ろうとする者を阻む。体じゅうを傷つけながら強引に進んでも、まるで迷路のようなその洞窟は、いつの間にか元の入口まで戻されてしまうのだという。
「ダークエルフ王家が言うには、入るには資格がいるのだそうだよ。世界を救う使命を宿していること、それが資格だそうだ‥‥ゆえに、ダークサイドと戦う君たちハウンドならば、あるいは、と期待しているんだ」
 そういう次第で、ローデルとハウンドらは、アルピニオに飛び、その洞窟へと挑んだ。
 それは困難な道であった。迷い、傷つき、やはり拒まれているのだ、と思わずにいられない、つらい道のりであった。
 しかし――ついにハウンドらとローデルは、その出口を見つけたのだ。それは、嵐の壁の地下をくぐり、その内側へと導く、まさに抜け穴であったのだ。

[探検隊はついに見た!]
 苦しい道を抜けたからだろうか。そこはまさしく、楽園のように見えた。
「ここが、ここがシフールの里‥‥うん、間違いない!」
 ローデルは膝をつき、女神へ感謝した。この美しい光景を見せてくれたことに。
 暖かく、穏やかな気候。背後には嵐の壁が吹き荒れているが、ここは台風の目のように、そよ風ひとつなく、優しい陽光が満ち満ちていた(「図書館>世界>地理>アルピニオ地方」に詳細あり)。
 広がるのは、花畑。飛び交うのは、どうやらシフール、それもいくらか、幼いもののように見える。
 わずかに、年老いた女性がいた。身長はヒューマンの子供程度だが、顔には優しい皺が刻まれており、そしてその手の中には、まだ飛ぶことのかなわぬ、赤ちゃんシフールがすやすや眠っていた。
「おや、お客さんがくるなんて‥‥あたしの知る限り、初めてのことじゃないかねえ」
 優しい声だった。彼女はポムドーラと名乗り、自分を『シフールたちの乳母』と紹介した。
「でもね、ずうっと誰かが、訪ねてくるんじゃないかって気がしていたんだよ。そして、あたしたちを助けてくれるんじゃないかってね」
「助ける、というと‥‥?」
 ローデルの問いに、ポムドーラは力なく微笑むと。
「この場所は、このままだと‥‥ダメになるかもしれないのさ‥‥」
 話によると、近年徐々に、シフールらの食料となる花や果実の育成状況が悪化しているのだという。
 原因は不明。今のところ食糧不足になるほどの影響はないが、この傾向が続けば、やがて食糧難に陥ると危惧しているそうだ。
「それに、草花の育ちが悪いってことは‥‥赤ちゃんも産まれづらくなるわけだしねえ」
 赤ちゃん。シフールの子。それを宿すローデの花もまた、しおれていくというのだろうか。

[そしてハウンドが為すべきは]
 ローデルは皆に語る。
「私は純粋に、シフールの研究のためにここへ来た。そして多くの知見を得た‥‥だが、さらなる研究が必要となったようだ。自分のためだけでなく、このシフールの里のために。なにができるかまだ不明だが、調査し、やれることをやっていかねばならないだろう‥‥しかぁし! あの話だけは納得しがたいぞ! ‥‥いやなに、さきほどポムドーラさんと話したのだがね、私の大事なコレクションである、ネストドール(シフールそっくりの精巧な人形)を全部渡せというのだよ! もともとシフールの里にあったものだから、というのだが、私だって、どれだけ苦労して集め、愛を注いで管理してきたと‥‥断ッ腸ォ!」
 さてさてその後、そのポムドーラもハウンドらに、それに関した話をした。
「あの人形はね、旅立つ子供たちと対になっているんだよ。旅立った子供らが、外界で人に感謝されればされるほど、祭壇の中の人形にも善なる力が溜まっていって、やがて‥‥はて、どうなるんだったかしらねえ‥‥実はもう何年も、人形たちはそのままなんだよ。きっと、外に出て行ってしまった人形の兄弟たちを、じっと待ってるんじゃないかねえ。もともと外界に出るはずないんだけど、どういうわけかかなりの数の人形が外に流れちまってね。それで、あんたたちに、ちょっと頼みがあるんだよ」
 ネストドールは、祭壇に無い状態では、対となるシフールが善行をしても力が溜まらない。つまり、ローデルに人形を返してもらっても、それで解決するわけではないそうだ。だが、ハウンドがその人形を持った状態で、代わりに善行をすれば、より強く力が溜まるはずだ、とポムドーラは言う。
「外界にゃ詳しくないけど、今は女神様に祝福される季節なんだろう? ちょうどいいじゃないか」
 Xmasのことを言ってるらしい。たしかに去年も、別の目的ではあったが、ハウンドはXmasに善行を頑張ったものだ。
「それとね、ローデルさんの人形以外にも、かなりの人形が外界にあるようなのさ。うっすらと感じるんだよ‥‥それを、あたしらの代わりに、取り返してきてくれないかねえ?」
 ここまでの話を整理すると、ハウンドがすべきは――
・シフールの里の諸々の調査
・ローデルのネストドールを携帯して、外界で善行
・さらなるネストドールの回収
 ――となるだろうか。
 一見、ハウンドの任務と関係なさそうだが、しかしギルドマスターのマクールは、これらに全力を尽くすよう、皆を焚きつけた。
「長い目で見りゃ、シフール人口が減るのはマズイだろ? なんたってハウンドの貴重な戦力なんだからよ‥‥だよな? おいソコ、『えっそうだったの?』って顔すんなよな。ともかくこの問題は、全部繋がってる気がするからな、全部全力で頼むわ。それに、これは俺のカンだが‥‥もっと、ヤバイ問題とも、繋がってるような気がするんだよな‥‥そうじゃねーといいんだが‥‥」
 ま、そんなこんなで‥‥今年のXmasも、忙しくなりそうである。

※シフールキャラについて
 ハウンドとなったシフールは、このシフールの里の様子や、乳母たちを、「懐かしい」と感じるかもしれません。実際、この里からやってきたのかもしれませんし、よく似た別の場所にいたのかもしれません。しかし、特定個人の乳母をハッキリ覚えていることはきっとないでしょう。乳母のほうもまた、あなたがたを明確に覚えてはいないようです。
 シフールたちは、里の祭壇や、新たに見つけたネストドールの中に、自分そっくりの人形を見つけるかもしれません。そのようなロールプレイは自由です。その場合は、この里で生まれた可能性が非常に高くなります。そしてそういうシフールのハウンドが、何十人といてもおかしくはないようです。

[イベントスケジュール]
・Xmas920特別プレゼント企画
 12月3日~1月6日
・アイコン集合企画「ふしぎのXmasツリー920」
 12月12日~12月22日
・【HH05】連動シナリオ期間
 12月14日~1月6日
・写真&動画投稿企画「不思議アイテムを集めよ’21
 12月17日~1月6日
・チャットイベント「Xmasパーティ準備」
 12月19~20日
・特別ボイスリプレイ「【HH05】国境のメリーXmas」公開
 12月24日
 マスターは北野旅人、編集及びナレーションは大和稟が担当します(参加★80)。
・クリコンインタビュー&チャットイベント「Xmasパーティ当日」
 12月27日21時~
・グランドシナリオ公開
 1月21日
21/2/04


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カテゴリー概要

HH05オープニングコミック

ふしぎのXmasツリー920アイコンを利用した集合イラスト企画(2020年12月11~22‥

Xmasパーティ準備&当日チャットイベント 12月19~20日 準備期間 12月27‥