【SE05】劇辛パニック?

担当成瀬丈二
出発2020/07/05
種類ショート 冒険(討伐)
結果成功
MVPシェール・エクレール(da1900)
準MVPリザ・アレクサンデル(da0911)

オープニング

◆祭の支度
 あるハウンドが言った。
「料理を具材を集めるところから始めよう」
 ガーベラが言った。
「かれーもんくいたいわ」
 どうせなら、その食材を夏祭りに間に合うように、大量に確保すべく狩りをする。その後、祭りの終盤で肉料理を食べるイベントとする。

登場キャラ

リプレイ

◆吹き荒れろ!!
「いきなりドラゴンとか思わないでしょー!」
「人生そういうものかと」
 叫ぶ、リザ・アレクサンデル。一方、ベドウィール・ブランウェンは淡々と返す。
「確かに、獲物を狩るところから‥‥って言ったけどさ、相手がドラゴンとか聞いてないよ!? 大丈夫? ドラゴン絶滅しない?」
「その前にハウンドが絶滅しそうですが‥‥相手の魔法への抵抗の為に魔法は温存気味、相手が魔力を消耗したらミタマギリ‥‥ですね」
「竜ノ鱗、息、パドマ魔法のドラゴン三点セットかな?」
「おそらく‥‥強敵ですね」
 べドウィールが闘志を静かに燃やしている。かかる女性の声。 
「大丈夫。ドラゴンだって、ハラに入れれば‥‥やがて、血になる、肉になる」
 舌で唇を湿すのは、ユミル・エクレールだ。
「だから、美味い肉と聞いて、逃げる訳にはいかないね」
「お祭りや宴会には美味しいお肉が必要です──なので、あのドラゴンには最高の肉になって、貢献して貰いますね」
 こちらは、シェール・エクレールである。言いながら全速で戦線を離脱、攻撃の対象にならないように、位置取りをする。
 女子ふたりは、肉食‥‥もとい万食系女子。
 天空を舞いしは強敵ヴォルケイドドラゴン。対峙するはハウンド。どちらの肉が胃に入るか‥‥その運命の分岐点は間もなくであった。

◆叫べ! 吼えろ!
「GUAHHH──!」
 咆哮とともに、ヴォルケイドドラゴンは大地に立つ、ハウンド──リザに目がけて飛びかかる。
「え?」
 反応が一瞬遅れて、リザはドラゴンのあぎとにとらえられ、痛撃を受けてしまう。
 ブレードofローレライを持ったまま、暴れまわるが、ドラゴンのパワーで、全身がバラバラになったような痛みを感じる。
「よくも!」
 ユミルは屠竜槍で突きかかる、ドラゴンを屠るために作られた品だ。
 そこに彼女は自身の戦技魔法シュライクを上乗せしようと彼女は考えていたが、切り裂く武器のダガーならいざしらず、ランスでは力を発揮できない。
 ユミルが、乙女の秘密キログラムの体重を乗せて、ランスを突き立て‥‥られなかった。竜ノ鱗の前には無力──。
「よくもリザを!」
 カゲヌイブレードをかざして強襲するベドウィール。
 ドラゴンは尻尾で振り払おうとする。食い下がるべドウィールは逆転の発想で、刀を尻尾で迎撃。見事なカウンターとなり、尻尾に刃が突き立つ。
 だが、動きは止まらない。
 リザも懸命に目の前のドラゴンの体を、ブレードofローレライで斬り裂こうと、何度も手を動かす。しかし、思ったように身体が動かない。
 シェールも距離を取り、エルヴンロングボウを引き絞る。戦技魔法オーバーロードも考えたが、今は攻撃を分散させることを重視。
「ハッ!」
 放った一矢は浅かったのか、十分な威力を得られず、ドラゴンの鱗で弾かれる。

◆今日で世界が燃え尽きるとしても──
「今度こそ、お前を!」
 ユミルは再び屠竜槍をドラゴンに突き立てる。手ごたえあり!
 竜を屠る力を発揮し、鱗を肉を──崩していく。
 ドラゴンは唸り声をあげている。
 リザはその隙にドラゴンの口から這い出た。
「あー死ぬかと思ったよ」
 リザのぼやきに、べドウィールは応える。
「言える内は元気そうです‥‥今、おそらく魔法の準備中かもしれません──ミタマギリするなら今でしょう」
「ここは回復アイテムとか‥‥ないよね」
「うちにまかせんてか!」
 シフールの、ガーベラがバッグから回復薬を取り出した。
「ありがとう! んがごぐ!」
 リザは回復薬を飲むと少し落ち着いたようだ。
 いつのまにか、べドウィールは前線に忍んでいる。
 カゲヌイブレードを一閃! 手応えあり‥‥しかし、竜ノ鱗に阻まれてしまう。
 だが、シェールが近来稀に見る集中力を発揮し、絶好のタイミングで竜牙の矢による一撃をドラゴンに浴びせる。
 ドラゴンの顔面から大流血。
「──!」
 咆哮をあげ、ドラゴンはファイアボムを発揮した──自身を中心に。竜ノ鱗で攻撃をはじく目算があったのだろう。
(どうせアスラの下準備だよね)
 とは、リザの予想。
 爆風が荒れ狂い、リザとユミルは、やけどの疼きに耐えざるを得なかった。べドウィールは鎧の特殊能力で弾いた。
 なお、ドラゴンは竜ノ鱗でノーダメージ。計算通りか。

◆絶叫の竜犬──I’LL BECOM BERSERKER
 シェールは走る。
 仲間が傷を負っているのだ。そして、癒やし手は自分のみ。
 安全圏にいたことで、十分な間合いを取れなかった。
 ドラゴンは再び上空に舞い上がる。
 ユミルが懸命に屠竜槍を繰り出す。十分な間合いを取って突き上げる一撃は、幸運にも腹部に突き立つ。
「斬り裂け!」
 リザが苦痛もかまわずに、ブレードofローレライから水流を放つ、斬撃は竜ノ鱗で弾かれた。
 べドウィールは今の内にリザのブレードofローレライに自身の魔法ミタマギリを付与すべく準備に入る。
「これ以上は、許さないからね──ウィールが!」
「せめて、自分の手で怒ってください‥‥まあ、いいですけど」
 べドウィールに、リザはサムズアップサインを出す。
 ドラゴンは五メートルほどの位置でホバリングする。
 シェール以外はとっさに盾を上に向けて構えた。

 ミタマギリの付与されたブレードofローレライが奔る。リザの得意のコンボだ。
 傷は癒えない。しかし、怒りは滾る。
 だが、願いは空しく、竜ノ鱗に阻まれた。
 しかし、ドラゴンは声を上げる。
 竜ノ鱗はミタマギリなどの追加効果は弾けないらしい‥‥そういうものだ。
 シェールが再び竜牙の矢を射こむ。
 かわせないドラゴンは肩口から血を流す。
 べドウィールとユミルは、遠くへの攻撃手段がなく、分散するしかない。
 そして、ドラゴンの口から炎が吐き出された。
 圧倒的火力はシェール、そしてガーベラを倒れさせる。
 ふたりの意識は微かにしかない、それも苦痛で途切れそうだった。
「逃がさない、許さない!」
 リザのブレードofローレライがドラゴンの喉笛を斬り裂いた。
 血の雨が降った。

◆そっとしておいてくれ──魔の森の終焉
「あれ? ドラゴンは」
 ベッドの上で、リザは目を覚ました。
 べドウィールが自分の腹の上に頭をのせて眠っている。
「ウィールはまったくだらしないなぁ、コドモじゃないのに」

「や、焼き肉!」
 シェールが目を覚ますと、ベッドのわきで、ユミルは肉の串焼きをダイナミックに食べていた。
「食うか? 豚肉だが」」
 串焼きをシェールに突き出す。
 手近な皿で山盛りにしてあった、串焼きをシェールは食べだすのだった。

 結果だけ言うと、ドラゴンの肉の確保は成功。
 シェールとリザとガーベラは大やけどを負って、べドウィールとユミルが懸命に連れ出した。
 途中ではぐれていた、リリィと、ノワール・トゥーナインの助力の甲斐があり助かった。
 そして、それだけで英雄譚が書けるような復路は奇妙な冒険の末、近くのムーンポータルにまでたどり着いた。
「で、ハウンドギルドで治療中です」
 シェールが立てるようになったところで、そんな総括があった。
「やっぱり、ぼうけんはかずやな‥‥」
 そう述べるガーベラであった。
「‥‥ドラゴン食いたい」
「うん。そうだよね」
 ユミルの言葉に同意するシェールであった。
 リザとべドウィールも魔力の維持と消費に関して、まだまだ研鑽を積む必要を感じた。
「ミタマギリも奥が深いよねー」
 とはリザの弁。
 ──だから、ハウンドの祭りは‥‥つづく!



 7

参加者

b.いきなりドラゴンとか思わないでしょー!
リザ・アレクサンデル(da0911)
♂ 23歳 人間 ヴォルセルク 水
a.抵抗力の為に魔法は温存気味、相手が魔力を消耗したらミタマギリ…ですね
ベドウィール・ブランウェン(da1124)
♂ 27歳 人間 ヴォルセルク 月
z.よろしくお願いします。
リリィ(da1748)
♀ ?歳 シフール カムイ 陽
z.よろしくお願いします。
ノワール・トゥーナイン(da1749)
♂ 29歳 カーシー(大型) ヴォルセルク 風
b.後衛からの狙撃と回復補助、解体をします。
シェール・エクレール(da1900)
♀ 19歳 人間 カムイ 風
a.美味い肉の話を聞いたからには気合入れないとな。
ユミル・エクレール(da1912)
♀ 24歳 人間 ヴォルセルク 陽
 なーんんてこった、だいぴんちや! けど、あきらめたらそこでおわりや!!
ガーベラ(dz0030)
♀ ?歳 シフール カムイ 月


辛い! うまい!

魔の森だ。火を吹くドラゴンがいてもおかしくないだろ?(某場末の酒場の店長)